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中学教師・山内海はある日、殺人事件のニュースを目にする。殺されたのは鈴木侑己、中学時代の同級生だった。数日後、山内の恋人で文芸書の新人編集・八木沢珠緒は、公募小説の落選作に事件と酷似した内容が描かれた作品を見つける。『ザシス』――作者名は佐伯遥人。やがて小説と同じように、旧友に同窓会の案内状が届いて…。森田まさのりが挑む初のサスペンスホラー第1巻!! ※この電子版は紙版『ザシス』1巻と同内容になります。重複購入にご注意ください。
小説は遥人が中学生の頃に書いたものであり、大人になってからも差し当たって応募の予定はなく、そのまま放置されていた。そして、大人になった遥人には復讐の強い意志もなかった。そのような中で、彼は児玉に暴行され、山内の車に轢かれて死んでしまった。
このようにしてみると、そのように遥人が死んでしまったあと、誰がなんのためにつばさ新人賞に小説ザシスを応募し、誰が復讐を開始したのか、ますますわからなくなる。
応募は少なくとも轢殺事故から数ヶ月後だろうし、復讐の着手は事故から1年以上が経過してから。
普通の路線だと、犯人が思い浮かばない。
やっぱり、ホラー路線かしら。なにせいくら復讐とはいえ、川瀬や児玉への復讐は激しすぎる。まともな人間にはとても実行できない。第一話で出てくる『ペットセメタリー』には、「蘇った死者は、生前とは違う人格になる」というところがあるようだけど、それを彷彿とさせる。