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まさかまさかのシェイクスピア×河原和音という時を越えたコラボレーション。
昔から萩尾望都さんが描くブラッドベリ作品など名作のコミカライズは行われてきていますが、本作もまたそうした系譜に名を連ねる珠玉の1冊です。
16世紀に書かれた物語ですが、現代版として大幅に設定を変更して翻案されています。
とにかく主要登場人物である戸部ありすと、辺嶺征久雄の犬猿の仲っぷりだけで楽しめるようになっており、顔を合わせれば喧嘩をするふたりの毒舌の応酬をずっと眺めていたくなります。そんなふたりの関係性に訪れる変化に、少女マンガらしい醍醐味がたっぷりと込められていて読んで幸せな気持ちになりました。
悪役が仕掛ける罠も極めて現代的であり、この辺りの換骨奪胎の巧さはさすが河原和音さん。
男性が読んでも楽しみやすい、笑って心温まる恋愛喜劇です。1冊で綺麗にまとまっているのもお薦めしやすいポイントです。