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結構前に、伊達政宗が支倉常長をローマ教皇に向かわせた慶長遣欧使節について描いた少女漫画があると知り、マンガ図書館Zかどこかで読んで感動したのがこの作品。昨年電子で単行本が出ているのに気づき購入しましたが、とにかくめっちゃ良い恋愛&歴史漫画です!
上田倫子の作品ということでとにかく絵が美麗…! ヒロイン・マリアの可愛らしさ、ヒーロー・小次郎の格好良さがこれでもかと絵から伝わってきて1ページ1ページが眼福。
当時のスペイン、日本で着られていた衣服の描写も非常に丁寧で読み応えがあります。
物語は、マリアの住むスペインの港街に、遠い日本という国から奇妙な格好をした男たちがやってくるところから始まります。母の形見を持って逃げたネコを追いかけていたマリアは、人混みに押されて使節団の行列に飛び出し、ある1人の侍に抱きとめられて…というプロローグ。
も〜! 少女漫画においてこれ以上ないくらい完璧でロマンチックな恋の始まり方でたまりません…!
そもそもマリアと小次郎の2人のキャラクターが無茶苦茶良い!
マリアはツインテールが似合う可愛くて元気な女の子で、ネコを追っかけてドロワーズが見えるのも気にせず2階の窓から飛び出すようなお転婆。
一方の小次郎は言葉こそ通じない(※演技)が怜悧な顔立ちで、迷子になった異国の少年に折り紙を折ってやるような優しさを持つエキゾチックな青年。
最高の組み合わせですね…!
ちなみにこの小次郎は、歴史上の人物である伊達政宗の息子で二代藩主・伊達忠宗の双子の弟。跡目は2人もいらないと支倉常長に命を狙われ大怪我をしたところをマリアに救われ、恋が進展していきます。
伊達家で「小次郎」といえば、史実において政宗が殺したとされる弟の名で、この主人公の小次郎も、元服にあたり忌まわしい名を与えられたことを苦悩していると作中で告白するシーンがあります。
歴史モノの醍醐味である、この史実とフィクションが上手く絡まった設定がたまりません。
後編の2巻では、仙台にて小次郎と忠宗の双子をめぐる因縁の決着が描かれます。
元服時に行った試合で手を抜いて兄を勝たせた小次郎は、今度は本気で勝負に挑み兄を切り捨て、忠宗はようやく満足を得る。
これを受け父・政宗は小次郎の方を領主とすると告げるが双子の兄弟たちは入れ替わり、小次郎はマリアと同じ船に乗りスペインへ帰るという大団円ハッピーエンドを迎えます。
(ところで仙台に来てからマリアがものすごくゴージャスなドレスを来てるの、女の子の読者へのファンサービスっていう感じで大好きです)
そしてプロローグは、
「この物語から400年経った今… スペインの南部にはハポン(日本)という姓をもった人たちがたくさんいるのです…」
「それは… もしかしたら……」
というセリフで締めくくられています。はいブラボー!!(スタンディングオベーション)
この2人の未来を、現実のそこと繋げるか〜〜〜!! すごい。
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スペイン南部に「日本(ハポン)」という苗字を持つ人々が住む町がある。その存在を耳にしたことがある人もいるかもしれないが、いまこのコリア・デル・リオで…
実際、スペインに日本の侍の子孫がいるというのは有名なエピソードですが、それを主人公2人の未来と重ねるとはなんて粋なのか…!
歴史ロマンとラブロマンス、2つのロマンが見事に描かれていて最高。
機会があれば真剣に宮城県の小学校の図書館に寄贈したい、楽しみながら史実に触れることができる素晴らしい作品です!
1614年、スペイン南岸の町にマリアは暮らしていた。そこへ日本人使節団の一人として現れた小次郎。海を越えて出会った二人の運命の扉が少しずつ開かれてゆく…!? ホーム&アウェイ。
1614年、スペイン南岸の町にマリアは暮らしていた。そこへ日本人使節団の一人として現れた小次郎。海を越えて出会った二人の運命の扉が少しずつ開かれてゆく…!? ホーム&アウェイ。