3.67
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小生「稲中」も読んだことない勢だったので、
本作が世にいう「今までの古谷実とは違う」というのを先入観もなく読んだ。
そんで、読んだ感想だが、率直に言うとよくわからなかった。
主人公・住田が結局何をしたいのかわからず、周囲の人間、女子中学生・茶沢がなぜ彼に好意をよせ、友人・夜野はなぜ彼に尽くすのか、時折でる主人公にしか見えない化け物は何を象徴しているのか?など不明なまま4巻駆け抜けた。
自分の読解力がないだけかもですが…。
ただ登場人物たちの、何気ない瞬間にわきおこる殺意や欲の吐き出し方は、すごく唐突でこの表現には驚いた。
こういうのは衝動的で、細かい動機なんてないのか?と考えると、妙にリアルだと思う。
普通ではない、普通になれない少年・住田のどこまでも救いがない悲哀に満ちた物語。
なんとなくわからなかったが、読後もひっかかかるものがずっとあるので、時間をあけて何回か読み直したくなる魅力があると思います。