沈黙の艦隊 実写化に寄せて
実写見た方いますか?私はAmazonプライムのseason1を見ました。個人的にはめちゃくちゃおもしろかったです。シーバットの存在感がすごかった。大沢たかおの演技もすばらしく、ファンになりました。season2も制作中とのことで楽しみです。
日米は、世界でも類をみない高性能な原子力潜水艦「シーバット」を、極秘裡に造り上げる。日本によって資金、技術提供をされた日本初の原潜であったが、米第7艦隊所属という、数奇の宿命を背負った落とし子でもあった。艦長には、海上自衛隊一の操艦と慎重さを誇る海江田四郎が任命された。しかし、海江田は試験航海中に指揮下を離れ、深海へと潜行、突如反乱逃亡をする!原潜、核兵器、国家、戦争、そして…真の平和とは!?激動の20世紀末、人類最大のテーマに挑む最高傑作!
潜水艦の戦闘力なんて知るわけも無いので、
読んでいくにつれて、高性能の原子力潜水艦を
優秀な指揮官が扱えば、マジで一国の軍事力に比肩するのも
可能なんだと判ってきて、
対潜水艦での攻防戦も未知の戦術でのバトルで
新鮮な驚きを感じました。
漫画の主人公なんてよほどのダークヒーローでもない限りは
正義感で頭のいい人なんだと決まっているけれど、
主人公・海江田は、
正しい人なのか、テロリストなのか、ただの夢想家なのか、
もしかして狂人?と思うくらいに
スケールがでかくて読みきれない存在で、
一体、この男は何者だ、という思いにとらわれて
目が離せなくなっていきました。
また、日米関係の現実とか、自衛隊の専守防衛の立場とか、
よくわからなかったことが実例として?
次々とストーリーに登場してきて、
ぐいぐいと読み進めさせられました。
とて面白いし、色々と考えさせられる漫画でした。
この作品の連載は冷戦終結の時代に始まったそうで、まさに潜水艦が戦略的に最も重要な時代でした。潜水艦の映画で有名な「レッド・オクトーバーを追え!」や「クリムゾン・タイド」より早く、「沈黙の艦隊」で映像化されてるというのは、改めて考えてみても凄い。今も原子力潜水艦のパワーバランスは大きく変わってないと思うので、現代にも通用する名作だと思いますね。
ちなみに海江田艦長は格好良いものの、性格はちょっと苦手でした。そういう意味では深町の存在は大きかった。もし深町がいなかったら大げさな仮想戦記マンガに終わってたかも、とさえ思います。