世間体。キャラクター。あなたはこうあるべき。そんなもんクソくらえ!
生きたいように生きることの難しさ。
しがらみに絡めとられ身動きができなくなっている人にこそ読んで欲しい。

背が高く、クールな見た目で周囲から思われるようなキャラクターを自然と演じてきてしまった主人公が、バイトのヘルプに来た人の世間体度外視の服装を見てハッとする。
着たい服を着て良いんだ、と。
かねてから好きだったロリータファッションに思い切って袖を通してみると・・。

ズシンッ!と脳髄に響いた。
誰より自分を肯定しなきゃいけないのは自分だったのだ。
そしてそれが何より難しい。
多様性の時代に突入したとはいえ、他人と違うことをするのが怖いと思う人は多いだろう、特に同調圧力が強い日本では。

なぜ、やりたいこと、表現したいことを抑え込み、息を潜め、自らの欲求を見て見ないふりして、日常を過ごさなくてはいけないのか。
自分の欲求に素直に生きた方が100倍気持ちがいいのではないか。
他人に迷惑をかけるわけでもなし・・。
しかし、世間にどう見られてしまうのか・・。
こういった悩み、葛藤を丁寧に描き、「自分らしく生きたいように生きる」大切さを分からせてくれる素晴らしい漫画だ。
まだ1巻なのでこれから、さらにどのように向き合っていくのかが楽しみだ。

読みたい

2巻も良かった。
1巻で描いた「自分らしく生きる大切さ」に対して、そこで終わりじゃないと痛烈に叩きつけてくる。
家族は最も近い他人とはよく言ったもので、無償の愛はあれど100%理解し合えるものではない。
しかし理解はなくとも愛せるのが家族だ。
理解できなければ愛せないのが本物の他人だ。
自分の想いのルーツを、原点を探し、再び志を強く持つのだ。

僕も芸人をやっているが、最近になってようやく目立ちたい理由に気付いた。
僕の原点は、転勤が多く地元が無い、つまり定期的に自分を知る人のいない土地へ行くことの哀しみだった。
「自分を知ってる人を増やしたい」ではなく、「自分を知らない人を減らしたい」という妙な感情を持ってることでそこに気づけたのだ。
自分を知らない土地へ行くのが悲しかった。地元が欲しかった。
そこをルーツにしていることに気づけたときに少し楽になった。
それまで何のために頑張っているのか分からなくなっていたからだ。

そして次のステージだ。
他人と違う目立つことをするとき、自分一人なら覚悟できる。すべての責任と視線は自分に降りかかってくるから我慢さえすればいい。
しかし、それが他の誰かを伴った場合は?
3巻ではどんな答えを見せてくれるんだろう。
楽しみだ!

着たい服がある

ロリータハウツー本ではない

着たい服がある 常喜寝太郎
漫画を読む女S
漫画を読む女S

ロリータ服のハウツー本では全くなかったです。着用の心得とか、立ち居振る舞いのコツとか、メイク方法とかそういうのは一切無いです。ちょっとそういうのに興味があったのです… ロリータ服をきっかけとする、主人公の気づきと成長と出会いの物語とでも言いましょうか… 登場人物の中でもカヤさんは素敵です。毎日酒場(バー)に強めの服を着てやって来てビール類を流し込んでいるお嬢さんです、昼は介護福祉士、夜はバーテン?、働き者のうえ人間の出来た素晴らしいお嬢さんなのです。主人公は偶然彼女と出会いますが、この出会いなくしては物語が成立しませんマジで。全編通して一番好きなシーンはカヤさんちにお泊まりして着せかえごっこ遊びをするとこです。うらやましいぞ。 物語は終盤小澤君を掘り下げて進んでいきますが、羽根をむしって丸裸にしてから建て直しまでの流れの無駄のなさがお見事だと思いました。中盤のSNSで主人公が攻撃される、生徒が改心するまでのくだりも、きつすぎる悪意の描写は無い(ひかえめ)なのが美点だと思いましたが、小澤君の過去と現在の描写も、つらいけど必要最低限というか、過激ではないのが良かった。 ※ここで言いたい過激っていうのは、よく広告である、見た人の興味をひくことだけを特化したような思わせぶりでショッキングで醜悪なシーンの寄せ集めのアレみたいなことです ストーリーの流れありきの、材料の1つとしてのロリータ服なんだな!と勝手に思っていたら、作者インタビューにロリータ服を描きたかったという発言を見かけて今「????」ってなっています。ロリータ服の魅力を伝える的な要素は限りなく薄かったように感じたのですが、、、、???

テムパル〜アイテムの力〜

ゲームの中でアイテム作って売りまくって現実でも成り上がる!

テムパル〜アイテムの力〜
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

先日発表された「ピッコマAWARD 2023」のSMARTOON部門を受賞していましたね。 https://piccoma.com/web/product/43170 世界最高のバーチャルリアリティゲーム<SATISFY>。全世界ユーザー数20億人が参加する壮大なファンタジーゲーム。 主人公は、借金まみれで日雇いの肉体労働で稼ぐゲーム中毒者の青年。ゲームばっかりやるから友達からも家族からも見放されていたが、ある日ゲームの中の依頼をこなしていると、まだ一人も存在しないレジェンドクラスの「伝説の鍛冶職人」に転職できる本を見つけ転職する。「伝説の鍛冶職人」になったおかげで、何でも武器を装備できるし強い武器も作れるようになって、それらを売ったお金を現実で換金して儲かってゲーム内でも現実でも底辺から成り上がっていく! という話です。 アイテムの力で猛スピードで成り上がっていく痛快なストーリー、縦スクロールならではのかっこいいアクション、仲間との絆、ゲームの世界のキャラ(AI)との恋愛まであって見どころがたくさん! 底辺を味わってきた主人公だから、ずっとお金にがめつくてとにかく根性で乗り切るところが面白いです。いろいろ運も向いてくるんですよね。 気軽にサクサクスルスルっと読み進められるのでちょっとした時間にぜひ。

巡る遊星

どうなるのか読めないけど楽しみな話!

巡る遊星
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

待ってました!中島佑先生の新連載!! ちばてつや賞『ODD FUTURE』や、となりのヤングジャンプ読切『友人について』『A PERFECT DAY』など素晴らしい読切を発表されてきた中島佑先生。 満を持しての連載!楽しみにしてました! https://tonarinoyj.jp/episode/2550689798819277317 高校時代、文化祭で脚本を書いたクラス演劇が優勝して才能を発揮していた主人公は、のちに高校時代の同級生に誘われてトリオを組んでいたが30を目の前にして芸人として売れていなかった。物書きとして友人の怪談系YouTubeの台本を書いて活躍してステップアップみ見えてきたりはするのだが、周囲では少しずつ不協和音的に人間関係がもつれ始めていく…。 これは「お笑い」の話というより、彼と彼を巡る周囲の物語。 物書きとして自分に自信がある主人公だし、自分自身のことを客観的に見られているのだが、決定的に人を楽しませようという気持ちに欠けているから芸人には向いていない。さらに、少なくとも自分は面白いものを書けているという傲慢さ、ふてぶてしさが表に出てしまっていて、他人から好かれることもない。プライドから自分から出た言葉は引っ込めないし、一人で何が悪いと開き直っている部分もある。 それでも僕にはどうしても彼を憎めない。 誰に評価されるでもなく、自分が面白いと思えることをやることが正義な世界で貫く彼は素晴らしい。しかしその価値観を他人に押し付け強要するのは傲慢すぎるし、いる環境に自分を適合させようという意思すら感じないのも違うと思う。その強情さと柔軟性の無さはやはり芸人には向いていないかもしれない。人に求めてばかりで求められることに応じられないのも人間関係が厳しくなってくる。 そのブレない姿勢が必要な場所もあるだろうから、全てを失う彼にはどこかで上手くいってほしいと願ってしまう。本格的に孤独になった彼にどのような変化が訪れるのか。 これからが楽しみだ。 https://comic-days.com/episode/2550689798274443728 https://tonarinoyj.jp/episode/316190247136013710 https://tonarinoyj.jp/episode/4856001361553621486

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全部救ってやる

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かつてない動物保護のヒーロー、誕生 東京でスタイリストを目指す星野スズは、競争に疲れて戻った地元で、動物保護活動家・久我に出会う。劣悪な環境で大量繁殖したネコを一匹残らず保護する久我を見て、星野は、自分のことで精一杯な自分から変わりたいと思い始める… 汗にまみれ、動物にまみれ、日々を奮闘する者たちの人間ドラマ、開幕―!!

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「外見の偏見は強いけど人生楽しんだもん勝ちだと勇気をもらいました!型にハマるより自由に生きるって大事ですね! ハッピーロリディ!」――青木美沙子(日本ロリータ協会会長)「ロリータ服で大盛りごはん、たまらないです。こんなキャンパスライフ送りたかった!」――上坂すみれ(声優)大学でロリータデビューをしたなつ子は悩みます。「カツ丼もラーメンも食べたい! …とはいえロリータのイメージを崩すわけにはいかない!」でも食欲には抗えない!そんな衣・食で悩む乙女の前に恋の悩みまで追加されて…。趣味も食も恋も全部盛り! お腹いっぱいのラブコメディ!

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これは服の話だけではとどまらないもっと誰にでも当てはまるあなたの物語。にコメントする