剣の腕は立つがぐうたらな釣り好きの浪人・川瀬流悟と、父に負けぬほどの太公望でしっかり者の娘・理津を中心に、江戸の町を舞台に繰り広げられる人情時代劇。「コミック乱」の大人気作品が、待望の単行本化となります。第1巻では、余命短い妻が初めて言ったわがままを叶えてやりたいと願う蕎麦屋の主人のために川瀬親子が奔走する『五郎八の懺悔』、過去の過ちを謝りたい兄と、それを受け入れた弟の絆を描く『兄弟の鮒』、床に伏せる母のために不器用ながらも懸命に生きる少年の成長譚『清太の鰻』、釣り大会での理津の奮闘と困っている人への心意気を描いた『沙魚百匹』の5編に加え、本作の原型となった『理津の釣り』も特別収録しました。たっぷりとご堪能ください。
『藪の中』は1922(大正11)年に発表された芥川龍之介の短編小説です。藪の中で起きた殺人事件について、関係者の7人が尋問を受けました。第一発見者の木こり、被害者の男を目にした旅法師、容疑者の多襄丸を捕まえた男、被害者の妻・真砂の母親、そして多襄丸、真砂、被害者の男の死霊までもが事件について語りましたが、どの証言も微妙に食い違います。しかも、7人のうち3人が男の殺害を自供しました。一体誰が、どういう理由で男を殺めたのか……証言を聞けば聞くほど真相が分からなくなっていくのです。『藪の中』は黒澤 明監督が「羅生門」のタイトルで映画化したほか、天海祐希と豊川悦司が主演を務めた「MISTY」、小栗 旬演じる多襄丸が主人公の「TAJOMARU」など、数々の映画作品になっています。改めて芥川龍之介の名作を読み返し、人間の弱さやエゴイズムについて考えてみてはいかがでしょうか。
太閤。日輪。天下人。あらゆる称号を手にした戦国の覇者・豊臣秀吉。卑賤の身から日ノ本の皇帝へと成り上がり未曾有の規模で“海外進攻”を行った男の、知られざる秘密…。400年以上も隠された“歴史の真相”が信憑性のある資料を基に“新解釈”で解き放たれる! 豊臣秀吉とは何者だったのか……。そして、大いなる野望を込めた“日輪のデマルカシオン”とは一体……!? 第1巻には特別企画「麒麟 川島明×漫画家 藤堂裕『信長を殺した男』対談」も収録!
『風立ちぬ』は小説家・堀辰雄(1904~1953年)の代表的作品。売れない小説家である主人公と、結核を患っている婚約者・節子が八ヶ岳の麓にあるサナトリウムで過ごした日々を描いた中編小説です。当時、結核は不治の病とされていましたが、四季折々の美しい風景描写や穏やかな時の流れが、“生と死”という、ともすると重苦しくなりがちな作品に、独特の透明感を与えています。「風立ちぬ、いざいきやめも」という言葉の意味とともに、その世界観を味わいましょう。
売れない浮世絵師・雪士(ゆきじ)は、法の網をかいくぐる外道どもに死の裁きを与える闇の仕置人。同じ長屋に暮らすお糸が、奉公先の大店の主人から凌辱されて戻ってきた。事情を知ったお糸の父親は、なぜ娘がこんな目に遭わないといけないのかと奉公先の大店へ出向くも、その直後に謎の自死を遂げる。お糸の父親の死の真相を突き止めた雪士は、内職で張った番傘を脇に抱え闇夜にまぎれる……。外道どもの頭上には必ずや黒き死の天使が舞い降りる! 平松伸二の代表作『ブラック・エンジェルズ』が時代劇となってリブート!
つとめの三カ条―― 一、盗まれて難儀する者へは手を出すまじきこと 一、つとめをするとき人を殺傷せぬこと 一、女を手ごめにせぬこと 「本格」として三つの掟を守って暗躍する怪盗・雲霧一味に狙われた者はただ立ち尽くすのみ! 他の凶賊とは一線を画する盗みの手練手管とは……!?
江戸時代ってこんなに色に溢れていたんだ……代表作『ハートカクテル』にはじまり、近年では『北のライオン』、『アンを抱きしめて村岡花子物語』など……その独自の色彩感覚で確固たる地位を築いた、わたせせいぞうが全編カラーで描いた江戸の美味しい歳時記!![お品書き]第一話つくしご飯/第二話妻迎え舟/第三話軍鶏鍋/第四話桜の宴/第五話歓声一万両/第六話いつかどこかで/第七話一富士二鷹…/第八話上がり藤下がり藤/第九話朝顔の一夕/第十話越後塩引鮭/第十一話めで鮒/第十二話ほんのひと切れ/第十三話瓜に惚れた清吉/第十四話のっぺい汁/第十五話七草粥/第十六話一件落着目出たい
CatShitOne新シリーズCatShitOneJP。CatShitOne(キャット・シット・ワン)シリーズで活躍したパーキンス(パッキー)の息子、ジョナサン・パーキンスがSAS隊員となり湾岸戦争を戦うCatShitOneシリーズ最新作。小林源文氏によるコミック用完全描き下ろしストーリー。
小林源文が描く架空戦記キャット・シット・ワン■収録作品:特別編/スナイパー/S&R作戦/FO(前方砲兵観測)/SA-2ガイドライン/テト(基地襲撃)/テト(橋破壊作戦)/休日/政治亡命
柳生厳包、後の連也斎は尾張徳川家の若君の兵法師範となるべく江戸へ向かう。新陰流宗家を継ぐ身として、それは厳しい試練始まりであった!至高の剣境を目指す男の、壮絶なる生涯――剣の道を究める柳生連也を、時代劇の鬼才が描ききる本格剣術劇画!!
現代OLが戦国乱世をさらに掻き乱す、ブラックショートギャグ!! なぜか戦国時代にタイムスリップした現代OL・ゆいが、武田信玄や上杉謙信、さらには織田信長や豊臣秀吉、徳川家康など、名だたる武将の許に現れ、毒舌まじりのボケで混乱させるショートギャグ。途中からは美人な金髪くのいちと旅をすることとなり、ボケとツッコミの応酬がさらにヒートアップします。著者は「24のひとみ」でギャグ漫画界に新風を吹き込んだ倉島圭。ファン待望、10年ぶりの新刊です!!
混迷のヴェトナムから帰還した、パッキー、ラッツ、ボタスキーたちキャット・シット・ワンのメンバーを待ち受けていたのは、東西冷戦が激化する熱い戦場だった。テロリストの排除、ソ連軍アフガニスタン侵攻など、混迷の80年代を人間味あふれる動物キャラクターたちの活躍を描く小林源文コミック最新作。
明治二年、北海道がまだ蝦夷と呼ばれた頃。箱館戦争で新政府軍に敗退した旧幕府軍の伍長・奥平八郎太は、兄の喜一郎そして戦友の佐吉とともに、箱館のはるか北の遊楽部の森に落ち延びる。深手を負い衰弱する八郎太と佐吉は、このまま犬死にしても意味はないと兄一人を逃がす。だが、その直後に300kg超の巨大な羆(ヒグマ)に襲われてしまう。羆に殴られ森の中で昏倒していた八郎太は、羆撃ちを生業とする元庄内藩士・鏑木十蔵に救われ……すべてを失った敗残兵が北の大地を舞台に羆撃ちとして再生するビルドゥングスロマン。
旧肥後藩の太田黒伴雄、加屋霽堅ら 約170名によって結成された「敬神党」は、政府の反対派から「神風連」と戯称されていた。明治維新によって近代化が進む中で発布された 「断髪令」「廃刀令」に対して起こった反対運動『神風連の乱』を 自ら剣術を探求する劇画家・とみ新蔵が描破する――!!
ひたすら剣術稽古に没頭する著者が肥後の俊傑・河上彦斎と松代の天才・佐久間象山の生きざまを描く!! 時は幕末、激動真っ只中。研究に没頭する象山と剣術を追求する彦斎。二人は何を思い、何を考え、この動乱期を生きたのか――。
天文十五年(1546)――室町幕府の力が衰えた時代に元服した織田三郎信長は、抑えられない性欲に苦しんでいた。そんな折り、守役・平手政秀の計らいで、信長は斎藤道三の娘と結婚する事となる。私生活が充実し、軍備の充実など、精力的に活動する信長であったが、一族の中には彼を「うつけ者」として、家督相続を認めない動きもあった。誰も見た事がない信長……記念すべき第1巻!
縁は異なもの味なもの。いつの時代も男と女が結ばれるところには理屈では説明できない不思議な磁場が生じるもの。からくり人形に処女を捧げる娘。女しか住まない島。神のお告げ通りに祝言を挙げる里。秘境の宿で狐狸に化かされる若旦那。秘密裏に寺社の地下で開催される女子格闘興行。くノ一を潜入させるために夜這いの風習を利用する根来衆……。官能時代劇の旗手が挑む異色短編シリーズ、待望の第一集。
凄腕の「腕貸し」白須賀の源七は、かつて頼まれるままに多くの人を斬ってきた。そんな彼に訪れた安寧の時。だが過去の因縁からは逃れられず…… 源七は一人、決戦の地「首ふり坂」へと向かうのであった。池波正太郎の戯曲を、時代劇を愛する制作陣により劇画化!!
黒船来航により維新の風が吹き始めた幕末の世。安政二年(一八五五年)現在の群馬県安中市にあった安中藩の主・板倉勝明は、藩士の心身鍛錬を目的として安中城より碓氷峠の熊野神社まで七里余り(約三十キロ)を走らせる遠足を開催。日本マラソンの発祥といわれる史実「安政の遠足」を舞台に描かれる土橋章宏の痛快時代小説を完全漫画化。
町一番のお転婆娘がようやく嫁いだ先。それは顔が無いと噂される不気味な男のもとだった。そして、この2人の結婚が後に起こる壮絶な物語に...!(著者名:灯釜田龍/初出:GANMA!1~10話掲載分)
孫ほども年齢の離れた情人・おはると共に暮らす「この世の表も裏もわきまえた」洒脱な老剣客・秋山小兵衛。そして、剣客の世界を歩みだしたばかりの実直な息子・大治郎。この父子は女武芸者・佐々木三冬らとの出会いの中で何を思い、何を見出すのか…。勝ち残り生き残るたびに、人の恨みを背負う。それが剣客として生きる者の宿命――。池波正太郎の名作を完全劇画化。剣に命を懸ける者たちの生き様がここにある!!
EDO IS BURNING!! 独特(?)な人々が住まう江戸の吹き溜まり「極楽長屋」。そこに集まる者は得てして脛に疵持つ者ばかり―― 謎多きボロ長屋にて繰り広げられるスリルと感動が同居した悲喜こもごものドラマとは!?
武士を隠居して絵師となった杉孫六は、亡き息子の妻・加津を伴いえちごから江戸へ出てきた。義理の親子であるこの二人は、色々あって男女の仲に── さらに長屋の住人らも加わって、淫らな欲望の糸が複雑に絡まっていく……!!
最初の出会いは確か2017年頃のコミック乱ツインズ?に再掲載された読切(『理津の釣り』) を読んで、その頃からこの作品に惹かれていた。しばらくして連載化されたと知って、単行本が出るのを気を長くして待っていたら、いつのまに数年経っていたでござる…。というわけで作品を知ってる人によっては、待ちに待った1巻となる。 ストーリーは主に、釣り好き浪人の父親・川瀬流悟と、しっかり者の娘・里津を中心に、釣りを通じた人と情のおはなし。釣りに興味がない自分でもスッと入り込めて一話完結で読みやすい。古い時代劇画のイメージを感じさせない、生き生きとした江戸の人間模様と、昔の豊かな河川の自然描写がすばらしい。作品の雰囲気を明るくしているのは、やはり理津の存在が大きい。理津の喜怒哀楽を見ているだけでも面白いのだけど、母親を知らずに育った過去を持ちながら、利発で明るく誰にでも優しい所が人情噺の良さをより引き立たせるのである。 この先、2巻3巻と続巻が出るのが楽しみな作品。 また気を長くして待ちたい。