スーパーヒロインボーイ

別に面白いとかおもってねーし!!

スーパーヒロインボーイ ぱらり
たか
たか

別にこの漫画面白いとか思ってねーし。心の中でキメェとか思いつつ子ども向けアニメを見て、すっかりハマってしまう気持ちがわかっ...るわけねーだろ!! ズブズブ女児アニメにハマっていく強面の不良高校生とかマジだせぇし。その不良DKを支えようと頑張る爽やか男性新米教師(オタク)との絡みに萌えたりしねーし。作中に出てくるモブの細やかな裏設定とか全然面白くねぇし。しかもそのモブもGL・BL・ほのぼの家族をカバーしていて、「作者は一体何者なんだ...!?」って感心したりしてねーからな!! アニメを見たあと2ページにわたって、学校にいながら頭の中でずっとそのアニメについて難癖つけてる大石がまじウケるぜ。こいつもうすでにハマってやがる...!  ...とまあ、このような感じで、読後は大石くんの10代らしい素直になれないツンツンしたノリが移ってしまいます。大石くんかわいいよ、大石くん。ちなみに作中ではたびたびコメディ漫画らしからぬ描き文字が登場したり、爽やか教師・うっちーの表情が邪悪になったり猥褻になったりと、本筋に関係ない見どころも多いです。  大石くんとアニメの付き合い方、先生や友達とのふれあいを見てると心がほかほかしてくるので、ぜひ笑って癒やされたいときに読んでください。

死神坊ちゃんと黒メイド

2018年最も幸せになってほしいカップル

死神坊ちゃんと黒メイド 井上小春 イノウエ
天沢聖司
天沢聖司

 ヒロイン以上に主人公がかわいくて、主人公以上にヒロインが攻め攻めでたまらない。主人公の坊ちゃんは、生き物に触れると命を奪ってしまうという魔女の呪いをかけられ、家族と離れ1人で暮らしている。  坊ちゃんは気が弱いくせに、大好きなアリスに対してサラッと自分の気持ちを伝えることのできるジェントルなのが最高に素敵。  一方でアリスはおっぱいが大きくてかわいいメイドさんで、決して自分に触れることの出来ない坊ちゃんに対してかなり大胆なセクハラをしかける小悪魔系女子で、そのセクシーな振る舞いの陰に坊ちゃんへの純粋な恋心と敬意があるのがいじらしい…!  2人の心の距離が近づけば近づくほど、2人は手を繋ぐことすらできない事実が読んでいてひたすら辛い。まるでシザーハンズのよう…。けどその切なさを2人の周りにいる愉快な同僚と妹が吹き飛ばしてくれるので安心して読んでください!    画風については、頻繁に出てくる坊ちゃんのデフォルメされた顔がバチクソかわいくて、アリスはお色気たっぷりなのに決して下品ではなく、アリスの着ているゴシックなドレスも毎回かわいくて、太めのアウトラインと少年漫画らしいコマ割りが大変読みやすい。  いずれ本誌に移籍しても全く不思議じゃないし、むしろなんで移籍しないんだというレベルのウェブ連載作品。ぜひコミックを買ってキュンキュンしてください…! (画像は1巻2話より。絶対に触ってはいけない美人メイド24時。心臓ちぎれそうなぼっちゃんかわいい)

アヤメくんののんびり肉食日誌

理想の大学生活がここにある

アヤメくんののんびり肉食日誌 町麻衣
たか
たか

 アカデミックでとってもお洒落な恋愛漫画。ヒャーッ、たまらん大好き…!!  まずそもそも表紙が良すぎる。図鑑の挿絵を彷彿とさせる、落ち着いた色合いでシンプルなデザイン。超いい... 超洒落てる…!  イギリスからの帰国子女で一言で言うと変なやつのアヤメくんと、青森出身で真面目なギャルの椿ちゃん。もうこの2人の組み合わせだけで最高なのに、みんなお勉強のできる子たちで、恋愛以外ではいっつもワニ洗ったりキリン解体したり化石掘ったりしてるのが面白い。  主人公の椿ちゃんが勉強のためにNYやイギリスなどたくさん海外に行くところも、一緒に世界を旅行している気持ちになれてトキメキます。モンゴルとかテンション上がる…!  みんなでワイワイ化石掘っていたかと思えば、アヤメくんと椿ちゃんの本気の恋愛パートもあって、そしてシンプルな線なんだけど凄まじい色気があるところがたまりません(さすがフィーヤン)。  研究一本で根暗な青春でもなく、恋愛一色で頭カラッポな青春でもない。**「勉強にも打ち込むし、オシャレもするし恋愛もする」**という、まさに『理想の大学生活』を描いた作品。この勉学と恋愛のバランスを取る感覚がなんとなく海外ドラマっぽくてよけいに格好よく感じます。  アヤメくんと椿ちゃんが、どんなエンディングを迎えるのか。終わりは来てほしくないけれど、最後まで楽しみに見守りたいと思います。 http://feelyoung.jp/box/machimai.php

空手小公子 小日向海流

一人の男の成長〜あらゆる格闘技を添えて〜

空手小公子 小日向海流 馬場康誌
たか
たか

 読んだ途端に「戦いてぇ...! 巻藁(まきわら)突きてぇ...!」と、男性ホルモンとアドレナリンの分泌が止まらなくなる漫画。残念ながら巻藁は用意できないので、iTunesでEye of the Tigerをポチって外を走りました、押忍!  物語は体操でオリンピックを目指していたカワイイ顔の主人公・小日向(とヒロイン) が先輩たちに襲われていたところを、楽しそうに人を殴るヤベー男に助けられるところから始まります。助けてもらったあとに、小日向もなぜかそいつに顔面を殴られます(すでに1話から展開がヤバくて最高)。 見た目も中身も爽やかな小日向が、さまざまな格闘技とその個性的な使い手に出会い、血と汗と涙を流しながら本物の空手家となっていく熱い漫画です。  この漫画の何がすごいって、敵も味方もみんな強烈な個性を持っているのに、読んでいて現実の人間のように自然と受け入れられるところがすごい。アメリカ人(青森弁)、男好きブラジリアン柔術使い(♂)、そして忍者。現代が舞台で忍者を扱いきれるというだけで、この漫画のすごさがわかるってものです。  また空手がメインでありながら、薙刀、剣道、柔道、テコンドー、ムエタイ、ボクシングと、あらゆる格闘技が出てくるところもたまりません。小日向の通う大学には100以上の武道・格闘技の部活で作る「百部会」なる超かっこいい組織が存在し、物語の序盤を盛り上げてくれます。  格闘技に全く興味がなくても、登場人物たちの血と汗と涙(文字通り)の努力を目の当たりにし、気づくと夢中で50巻読み切ってしまうメチャクチャ熱い作品です。何かに燃える気持ちを取り戻したいとき、ダイエットのモチベーションを高めたいとき、男性ホルモンが急に必要になとき、ぜひ読んでください! 押忍、失礼します! 〜以下、この漫画の好きなところ〜 ・出てくる女の子がみんな違ったタイプでみんなかわいい ・2000年代前半の懐かしい社会描写(ex.携帯電話) ・主人公に立ちはだかる最強の先輩たちと過去の因縁 ・雑魚ポジションから一人前に成長する同級生 ・巻藁(まきわら)を素手で1000回突く超熱い修行 ・ハチャメチャな大学生活 ・きれいな顔の爽やか主人公が容赦なくボコボコにされる ・最初から絵が上手いのに、後半でもっと洗練される

マダム・プティ

1920年代、世界を股にかける「小さな奥様」の物語

マダム・プティ 高尾滋
たか
たか

 はあぁ〜〜ッッ!! うっ! ハァン...何もかも素敵すぎる。物語は新婚の大正乙女が、夫と一緒にトルコからオリエント急行でパリに向かうところから始まります。正確に言うと、駅に向かうフェリーに乗るところから始まるのですが、主人公の万里子は市場から逃げた羊をフェリーに向かって馬で追い立てながらやってきます。な…何を言っているのかわからねーと思うが、読めばわかります。やだこの子超かっこい...!!  ネタバレを避けると熱く語りたい部分が何ひとつ言えないのですが、ネタバレにならない素敵な部分を列挙すると ・1920年代(大正時代)のヨーロッパが舞台 ・客室や異国の街並みの精緻で美しい背景 ・オリエント急行で起こる事件 ・勇気と能力のある自立した主人公 ・インドから来た明らかに裕福で高い教育を受けた青年 ・多国籍な友人たち ・世界を股にかける壮大な物語 ...とまあ、こんな感じです。  大正時代の日本が舞台の少女漫画でも、1920年代のヨーロッパが舞台の少女漫画でもない、「大正乙女が印欧で活躍する少女漫画」というかなり珍しいこの作品。2人の関係が歴史と絡めて深く掘り下げており、恋愛漫画としても歴史(時代)漫画としても非常に読み応えがあります! 全11巻という手頃な巻数で、濃密なヒストリック・ラブロマンスをお楽しみいただけますので、ぜひ買ってください(ダイレクトマーケティング)

おおきく振りかぶって

目の錯覚という物語から遠く離れて

おおきく振りかぶって ひぐちアサ
影絵が趣味
影絵が趣味

単行本デビュー作『家族のそれから』いらい、泣虫弱虫な人物を主人公に据えて、そんな人物像をなぞるかのように、奇妙な頼りなさで泳ぐ線画と、それに似合ってどこか芯の一本抜けてしまったように狂いがちのデッサン、こんな造形ではたして人間は直立することが出来るのだろうか、それこそマウンドでおおきく振りかぶり一本足になった途端にでも崩れ落ちてしまいそうな。 ひぐちアサの漫画はすべてこうした絵までを巻き込んだマイナス的な要素からスタートしているように思われる。と、そんなことを改まって書くまでもなく、漫画をはじめとした大体の物語なるものは何か欠如的なものがあるという認識からはじまり、その欠如的な何かを乗り越えるなり克服するなり、そんなような方向性に向かうこと必定である。では三橋くんはどうなのかというと、まず野球的な要素にだけ絞っていえば、初っ端からけっこう凄い能力をもった投手であることが明かされる。九分割のコントロールに、何よりもクセ球の真っ直ぐ。そして、このクセ球の真っ直ぐの原理も早々に説明される。いわく、打者というのは現実にボールを見ているのではなく、ある程度の経験と予測でもってボールの来るであろう位置をはかり、それでバットを振っていると。つまり別の言葉でいえば、打者はストレートという名のあらかじめ刷り込まれた定型の文脈、物語を読んでいるだけで、けっして現実をしかと見ているわけではないと。事実、三橋くんはそんなふうにして中学時代にはダメピー扱いを受けていたのである。中学時代のチームメイトは現実の投手三橋を見ていたのではなく、球の遅いピッチャーという物語を読んでいたにすぎなかったのである。 さて、この物語を読むばかりに現実を見誤ってしまう目の錯覚、これは私たち漫画読者にも当てはまりはしないか。読むという行為は時と場合によっては自分にとって都合のよい解釈にしかならないし、まさしく打者が三橋くんの真っ直ぐを打ち上げてしまうように紋切型の煽情的な物語に目くらましをされていることだって大いにあり得ることだと思う。『おおきく振りかぶって』のひぐちアサはそのことに始めから自覚的だったのではないか。この漫画はある欠如を克服する方向に持っていくという定型の物語を、目の錯覚という現実を介して、いきなり短所から長所に逆転させてしまうことからはじまり、長短でも、高低でも、正負でも、そういったいかにもありそうな物語的な対立を、けっして向かい合わせるのではなく、すべてみんなでいっせいに前を向いていこうする、それに対応する否定的な要素がみられないほどの断固たる肯定的な姿勢で乗り越えていく。その肯定的な姿勢とは、ありそうな物語を読むのではなく、しかと現実を直視しようとする試みに他ならない。三橋はあくまでも弱虫泣虫のままそれでもマウンドに立ち続けるし、田島は背が伸びないなりにそれでも工夫をし続けるし、花井は持前の勝負弱さを抱えながらそれでも強気な気持ちで打席に立ち続ける。マイナスがありプラスがあるなんて図式におさまらない、マイナスもプラスもいっしょになっていっせいに前を向こうとしている。『おおきく振りかぶって』がとても感動的なのは、ある種の物語的な感動から自由になったこの肯定の姿勢、この健気さ、この懸命さに尽きると思う。そして選手たちが正も負もないまぜにいっせいに前を向こうとしているとき、ふしぎと、そんなパワーに勢い押されているのか、狂いがちであったデッサンが芯の通ったもののように見えるのである。

奴隷姫

読んで字のごとしの背徳的バトルファンタジー

奴隷姫 やつき
mampuku
mampuku

 エロかわな表紙ですが存外読み応えがあって好きな作品です。  ヒロインの姫さまがとにかく途方もなく高潔で慈愛と正義に満ちていて、そんな彼女と主人公の絆の物語を、あろうことか暴力的エロスの皮で包み込んでしまったという非常に挑戦的な作品です。読んだ瞬間ノーガードの頭を殴られ胸を撃たれましたね。半端な覚悟じゃ描けないストーリーなんじゃないかなと思いました。  私がこれを読んで好きだなぁ凄いなあと思った点は、本当の意味での「プライド」の高さというの描いているところですね。民を守り、友を救う。それが彼女のプライドであり、そのために鞭打たれ踏みつけられ傷つくことを受け入れるのに微塵の躊躇もありません。そんな人間離れした精神を、100%理解し寄り添うことのできる主人公もまた常軌を逸した存在でしょう。彼は読者一般人が持つモラルや常識、正義感と呼ばれる嫌悪感など、そういった概念に一切囚われることなく、姫さまだけを信じ抜くことができるのです。信頼関係や以心伝心、パートナーシップといった類のものの究極系とも言えそうです。  漫画やラノベに限らず映画なんかでも、「舞台は中世欧州風なのに社会通念やモラルなどは現代のそれなのが違和感」ってツッコミはよく目にしますが、この「奴隷姫」は狙ってか意図せずか結果的に読者の現代っぽい感覚を上手にくすぐってくるなって印象ですね

KILLER APE

戦争と死のリアル

KILLER APE 河部真道
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

第一話読んだ。 前作「バンデット」の勢いとかキャラの強さ、圧みたいなものの描き方が好きなので、この新連載も楽しみ。 2199年。 AIや機械に頼り戦争にも人間を必要としなくなっていたが、「大断絶」が起き、文明は若干の退行を見せ、再び人の生身が必要になっているという時代。 主人公は「配信者」で有名になることを夢見ているが、復興が目の前に横たわった世間の状態では白い目で見られている。 社会が裕福で許容できる時代じゃないと立場が低そうだ。 そんな彼が兵士になるため、圧倒的にリアルな仮想現実の中で、肌で過去の戦争を体験することになるのだが、その様子がなかなか痺れる。 偶然だろうが、たった一発の銃弾が向かった先に人がいればあっさりと命は摘み取られるのが戦争のリアルだ。 戦争、死の現実感を目の前でまざまざと感じ、ちゃらんぽらんな生き方をしてきた主人公はどうなってしまうのか。 過去の戦場と未来の戦場を横断する感じになっていくのか。 「12モンキーズ」という映画で、未来では囚人が過去の戦争に参加したり、重大な事件を阻止するために過去に送られるというシーンがあって、それをふと思い出した。 映画「マトリックス」然り、圧倒的な現実感を持った仮想現実は現実とほぼ変わりない。 最近でも、VRと自覚したうえで斬首を受けた人が、体調に異変を生じてしまったという話がある。 リアルすぎて痛みを感じられるほどの仮想現実の戦場での死は、精神が死を感じ取って現実の死に直結してしまうのではないかと勝手に変な心配をしてしまった。 大作になりそうな予感がビンビンするので、ぜひ最後まで描き切ってほしい。

ふたつのスピカ

宇宙を目指す熱くて切ない物語

ふたつのスピカ 柳沼行
たか
たか

 宇宙の漫画というだけでその面白さは約束されたようなものだが、ふたつのスピカは面白いを超えて最高です。  ちっちゃくて気が弱いけれどめちゃくちゃタフな主人公、主人公を見守るライオンの幽霊、閉鎖空間での厳しい入学試験、過酷な訓練、かけがえのない友人たち、夢の実現、そして別れ。友情・努力・勝利、そして汗と涙。まさに名作少年漫画の条件を揃えている。**若者たちが貧乏したり遊んだり、夢に向かって助け合いながら成長していくところは、まんが道に通じる青春の輝きがある。**  ロケットの運転手になりたい主人公・アスミは、ロケットの墜落事故でお母さんを亡くしている。ロケット開発者だったお父さんと2人ぐらしで、ちょっぴり意地悪な幼馴染・府中野くんとアスミにだけ見える幽霊のライオンさんだけが友達だった。そんな**海辺の田舎町に住む女の子の世界が、宇宙学校入学を機にどんどん広がり成長していく姿がたまらない。**    お調子者の圭ちゃん、クールビューティーの万里香、ミステリアスな秀才・秋。アスミと府中野も含めて宇宙学校の生徒達はそれぞれ問題を抱えている。そして宇宙に行くことを全ての人から祝福されているわけではない。**人の悪意に触れたとき、みんなが根性とひたむきさを持って真っ直ぐ問題と向き合う姿に心を動かされる。**  また、ふたつのスピカの魅力の1つがかわいらしい絵のタッチ。素朴な絵柄が作り出す温かな雰囲気が、人々の抱えるシリアスな過去を際立たせ、アスミのかわいらしさを引き出し、また事態がハッピーエンドを迎えたときの安心感をいっそう格別にしてくれる。  努力する人、夢を追いかける熱い話が好きな人が読むべき名作な。死ぬ前にぜひ一度読んでください。

呪術廻戦

ジャンプに現れた平成最後の怪物

呪術廻戦 芥見下々
たか
たか

 心を揺さぶる面白い漫画には必ず「その世界の空気」が満ちています。呪術廻戦もまたら日常に当然のように呪いが潜んでいる不気味な空気がビンビンに満ちています。  また登場人物たちのキャラ立ちの良さもこの漫画の素晴らしい特徴で、キャラクターの発するセリフがいちいち印象的でかっこよく、どこかで見たことのあるありきたりなキャラは1人もいない。 「どんな女がタイプだ(中略)早く答えろ男でもいいぞ」 「寝不足か? 毛穴開いてんぞ」(※メインヒロインのセリフ)  「独特の雰囲気」と「キャラ立ち」の良さという点で、呪術廻戦はジョジョやHUNTER×HUNTERを彷彿とさせる。  ちなみに自分が読んでいて「あ、この漫画絶対おもしろくなるわ」と確信したポイントが、2話にある実在する仙台銘菓・喜久福の登場シーン。1話冒頭から続くシリアスムードが一転し、唐突に挿入される喜久福の紹介コマがメチャクチャおもしろい…!  実際、喜久福は地元民からしても萩の月より美味い(※個人の感想です)ので、「お、この作者ちゃんとわかってんな」と感心し、さらには現実の商品を登場させることで、「ああ、この作品は現実と同じリアルな世界なんだ」と自然に理解することができる素晴らしいシーンとなっています。  ...とまあいろいろ語りましたが、2018年12月4日に本編より面白い(※個人感想です)前日譚の「東京都立呪術高等専門学校」が発売されるのでこっちもぜひ買ってください!!!!(ダイレクトマーケティング)

俺様ソルシエール

グリッドマンにも負けていない「脚フェチ」コミック

俺様ソルシエール 赤尾でこ ウラミユキ
mampuku
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表紙から内容が予想しにくいですが、美女装男子と少女たちによる異能力バトルです。文句なしで絵が上手く、いい意味でマガジンっぽい。言い換えれば「メジャー感」があります。「メイクをすることで魔女としての能力が発動する」設定はかなり大雑把というか活かしきれるか最初不安でしたが杞憂でした。「涙で魔法が解ける」というのもクライマックスでしっかり回収されていました。 味方の最強格である生徒会長の和音さんが何かにつけピンチに陥ってるところがガールズバトルファンとしては最高に推しポイントですね。この作者、わかってやがる!!って感じです。(最後のほうはさすがに気の毒でしたけど…… 巨大な敵の全貌が垣間見えたところで駆け足のビターエンド、という典型的な打ち切り的終わり方をしてしまいましたが、色々伏線を回収してキャラ立ちも大切にしてて誠実な全2巻だったなと感じました。ただ全7話はあまりにも短い…!終盤の展開は「悪食王」に似ています、巻数も同じ2冊。ただ俺様ソルシエールのほうが格段にストーリーの作り込みが良く、続きを読みたくさせるものでした。