Aが1巻でBが2巻。短編集だけどAのキャラや物語が引き続きBにも出てくる。 読み手の心を動かすのがすごい上手いな。 美しいものが好きなオトナの為のおとぎ話って感じでとっても贅沢だ。 死の床にいる娘にそっくりな人形を造るように依頼された人形師の話が一番グッときた。 球体関節人形とか興味でてきちゃったなぁ…
まず絵がとてもかわいくてひきこまれます。 また内容もギャグが入ってたり、アクションシーンがあったり、 おもしろくかっこいいです。
別にこの漫画面白いとか思ってねーし。心の中でキメェとか思いつつ子ども向けアニメを見て、すっかりハマってしまう気持ちがわかっ...るわけねーだろ!! ズブズブ女児アニメにハマっていく強面の不良高校生とかマジだせぇし。その不良DKを支えようと頑張る爽やか男性新米教師(オタク)との絡みに萌えたりしねーし。作中に出てくるモブの細やかな裏設定とか全然面白くねぇし。しかもそのモブもGL・BL・ほのぼの家族をカバーしていて、「作者は一体何者なんだ...!?」って感心したりしてねーからな!! アニメを見たあと2ページにわたって、学校にいながら頭の中でずっとそのアニメについて難癖つけてる大石がまじウケるぜ。こいつもうすでにハマってやがる...! ...とまあ、このような感じで、読後は大石くんの10代らしい素直になれないツンツンしたノリが移ってしまいます。大石くんかわいいよ、大石くん。ちなみに作中ではたびたびコメディ漫画らしからぬ描き文字が登場したり、爽やか教師・うっちーの表情が邪悪になったり猥褻になったりと、本筋に関係ない見どころも多いです。 大石くんとアニメの付き合い方、先生や友達とのふれあいを見てると心がほかほかしてくるので、ぜひ笑って癒やされたいときに読んでください。
ヒロイン以上に主人公がかわいくて、主人公以上にヒロインが攻め攻めでたまらない。主人公の坊ちゃんは、生き物に触れると命を奪ってしまうという魔女の呪いをかけられ、家族と離れ1人で暮らしている。 坊ちゃんは気が弱いくせに、大好きなアリスに対してサラッと自分の気持ちを伝えることのできるジェントルなのが最高に素敵。 一方でアリスはおっぱいが大きくてかわいいメイドさんで、決して自分に触れることの出来ない坊ちゃんに対してかなり大胆なセクハラをしかける小悪魔系女子で、そのセクシーな振る舞いの陰に坊ちゃんへの純粋な恋心と敬意があるのがいじらしい…! 2人の心の距離が近づけば近づくほど、2人は手を繋ぐことすらできない事実が読んでいてひたすら辛い。まるでシザーハンズのよう…。けどその切なさを2人の周りにいる愉快な同僚と妹が吹き飛ばしてくれるので安心して読んでください! 画風については、頻繁に出てくる坊ちゃんのデフォルメされた顔がバチクソかわいくて、アリスはお色気たっぷりなのに決して下品ではなく、アリスの着ているゴシックなドレスも毎回かわいくて、太めのアウトラインと少年漫画らしいコマ割りが大変読みやすい。 いずれ本誌に移籍しても全く不思議じゃないし、むしろなんで移籍しないんだというレベルのウェブ連載作品。ぜひコミックを買ってキュンキュンしてください…! (画像は1巻2話より。絶対に触ってはいけない美人メイド24時。心臓ちぎれそうなぼっちゃんかわいい)
もうホント作者の着眼点がすごい!奈良時代とミニマリストの異常な親和性の高さに笑ってしまう…! 主人公の山上(やまがみ)は現代でミニマリストとして暮らしていた。そんな彼がタイムスリップした先は、超ミニマルな奈良時代。何もない貧しい奈良時代の生活も、全てのものが無農薬・無添加の夢のような世界だった。たまたま出会った役人の老(おゆ)と暮らしていくうちに、山上は山上(やまのうえ)として馴染んでいく。 https://twitter.com/ishikawarose/status/1154326454659764224?s=20 立派な木造建築がある一方で、まだ物質的に豊かではなく竪穴式住居も残ってて、布を税金として収めたりして、ひらがな・カタカナすらない。それが奈良時代。私は日本史なら古代が好きなので、奈良へのタイムスリップものというだけでワクワクがとまりません! ギャグシーンをやっている裏に、まだ未発達な文明社会の過酷さ・侘しさが見え隠れするところが趣深くてすごくいい…いとあはれ。 ゴチャゴチャした現代に疲れたときに読みたい、超ミニマルな奈良ギャグ漫画です!
皿洗いをしていた気弱で根暗な主人公・ジルベールが、副料理長として様々な事情を抱えた仲間をまとめていく熱いお仕事漫画。美しい街並み、多様な人種、そして芸術的な料理と、これでもかというくらいフランス要素が詰め込まれていて隅々まで読み応えがあります。読み終わったあとの充足感がすごいのでおすすめです。 コミックバンチでも読めます!! http://www.comicbunch.com/manga/wed/artiste/
じゃんぽ~る西先生の、「外国の人形のようにかわいらしくデフォルメされている登場人物とアクセントのように挟まれるリアルな絵」という作画のスタイルが好きです。 機械に強いフランス人の奥様と、日本ですくすく大きくなる七央くん、そして日本人的な日本人男性のじゃんぽ〜る先生の3人暮らしは読んでて全然飽きません。 現在FEEL YOUNGで連載中の、奥様が来日に至るまでを描いたTOKYO異邦人も、ハチャメチャに面白いのでおすすめです!! (画像: こういうリアリティとデフォルメの絶妙なバランスが最高…!)
表題作を含む4つの短編からなる物語。全話とも**「私立・彰英高校は県下でも指折りの全国でも有数の超・進学校で ーーーつまりは偏差値が高い」**というナレーションから始まります。小説のような味のあるナレーションと、個性的な登場人物たちが思索にふける哲学的なモノローグがすごくいい…! 知的だけれども一風変わったクラスメイトたちが、お互いに友達よりも一歩先の特別な仲になるまでを、内面(モノローグ)を大切にして描いているので、読めば必ずお気に入りのカップルが見つかるはず。知的な面白さと、ラブコメ的な面白さの両方を楽しめる素敵な作品です! **「レナード現象には理由がある」** 成績トップの飛島くん×マイペースな蕨(わらび)さん **「ドングリにもほどがある」** 目立たない友成くん×超ポジティブな亘理さん **「あの子の背中には羽がある」** 柔道部主将の保科くん×お隣りに越してきた女子小学生 **「真面目な人には裏がある」** タラシのたっくん×円滑な人間関係が大切な日夏さん
世界滅亡の大災害の後遺症で不死になってしまった二人が、死ねる方法を求めて終末を旅する漫画です。滝つぼや崖から飛び降りたりインディージョーンズばりの罠に嵌ったりしますがなかなか死ねません。 この作者の漫画は初めて読んだのですがほんわか可愛い絵柄で、サービス的なお色気がギャップで却ってドキリとさせられます(笑)今どきですとラノベの漫画化とかを手掛けていても違和感ない絵の雰囲気ですが、オリジナルだからこそ生まれた成田芋虫ワールド本当素敵なのでオリジナル書いてくれてありがとうございます先生という気持ちです
この本みると少年好きの友人(女性)の本棚にずらっと揃ってたのを思い出します。5巻もいいシーンがあったなぁ…と。 少年の描写をみると「作者さん少年好きなんだな」ってすごく伝わってくるのですがちゃんと両方一人の人間として書かれているので聡子の気持ちも真修の気持ちも感情移入して考えられるんですよね。 聡子さんは大人だな…子供がそのまま大きくなった大人じゃなくてちゃんと大人。だからこそ深く悩むんでしょうね、、、 中学聖日記とか恋は雨上がりのようにとかあいだにはたちとか年の差ものありますが実際こんだけ年の差あったらどうなんだろう…
BSでアニメやってた時から熊倉先生のファンです。 アニメはだいたいコミックボンボンの「王ドロボウJING」の内容ですが、こちらは作画とか内容も大人め。 世界感は変わらないのでキャラ名もやっぱりカクテルの名前ですし、アメコミのような独特の言い回しとかボケは健在。王ドロボウJINGとコナンでカクテルの名前覚えました。 ジンがかっっこいいです。オシャレで不思議な世界に没入できる感じがたまらなく好きです。忘れた頃にもう一回読み直したくなる本。天才だと思ってます。 熊倉先生も見つかって?電子書籍でも読めるので是非!!
60Pある初投稿作品は「主人公は必ずぶっ殺す‼︎」意気込みで描かれて本当に死ぬ。表紙の蟻鱒鳶ルを建てられてる岡啓輔さんの話は泣かずに読めない。
アカデミックでとってもお洒落な恋愛漫画。ヒャーッ、たまらん大好き…!! まずそもそも表紙が良すぎる。図鑑の挿絵を彷彿とさせる、落ち着いた色合いでシンプルなデザイン。超いい... 超洒落てる…! イギリスからの帰国子女で一言で言うと変なやつのアヤメくんと、青森出身で真面目なギャルの椿ちゃん。もうこの2人の組み合わせだけで最高なのに、みんなお勉強のできる子たちで、恋愛以外ではいっつもワニ洗ったりキリン解体したり化石掘ったりしてるのが面白い。 主人公の椿ちゃんが勉強のためにNYやイギリスなどたくさん海外に行くところも、一緒に世界を旅行している気持ちになれてトキメキます。モンゴルとかテンション上がる…! みんなでワイワイ化石掘っていたかと思えば、アヤメくんと椿ちゃんの本気の恋愛パートもあって、そしてシンプルな線なんだけど凄まじい色気があるところがたまりません(さすがフィーヤン)。 研究一本で根暗な青春でもなく、恋愛一色で頭カラッポな青春でもない。**「勉強にも打ち込むし、オシャレもするし恋愛もする」**という、まさに『理想の大学生活』を描いた作品。この勉学と恋愛のバランスを取る感覚がなんとなく海外ドラマっぽくてよけいに格好よく感じます。 アヤメくんと椿ちゃんが、どんなエンディングを迎えるのか。終わりは来てほしくないけれど、最後まで楽しみに見守りたいと思います。 http://feelyoung.jp/box/machimai.php
読んだ途端に「戦いてぇ...! 巻藁(まきわら)突きてぇ...!」と、男性ホルモンとアドレナリンの分泌が止まらなくなる漫画。残念ながら巻藁は用意できないので、iTunesでEye of the Tigerをポチって外を走りました、押忍! 物語は体操でオリンピックを目指していたカワイイ顔の主人公・小日向(とヒロイン) が先輩たちに襲われていたところを、楽しそうに人を殴るヤベー男に助けられるところから始まります。助けてもらったあとに、小日向もなぜかそいつに顔面を殴られます(すでに1話から展開がヤバくて最高)。 見た目も中身も爽やかな小日向が、さまざまな格闘技とその個性的な使い手に出会い、血と汗と涙を流しながら本物の空手家となっていく熱い漫画です。 この漫画の何がすごいって、敵も味方もみんな強烈な個性を持っているのに、読んでいて現実の人間のように自然と受け入れられるところがすごい。アメリカ人(青森弁)、男好きブラジリアン柔術使い(♂)、そして忍者。現代が舞台で忍者を扱いきれるというだけで、この漫画のすごさがわかるってものです。 また空手がメインでありながら、薙刀、剣道、柔道、テコンドー、ムエタイ、ボクシングと、あらゆる格闘技が出てくるところもたまりません。小日向の通う大学には100以上の武道・格闘技の部活で作る「百部会」なる超かっこいい組織が存在し、物語の序盤を盛り上げてくれます。 格闘技に全く興味がなくても、登場人物たちの血と汗と涙(文字通り)の努力を目の当たりにし、気づくと夢中で50巻読み切ってしまうメチャクチャ熱い作品です。何かに燃える気持ちを取り戻したいとき、ダイエットのモチベーションを高めたいとき、男性ホルモンが急に必要になとき、ぜひ読んでください! 押忍、失礼します! 〜以下、この漫画の好きなところ〜 ・出てくる女の子がみんな違ったタイプでみんなかわいい ・2000年代前半の懐かしい社会描写(ex.携帯電話) ・主人公に立ちはだかる最強の先輩たちと過去の因縁 ・雑魚ポジションから一人前に成長する同級生 ・巻藁(まきわら)を素手で1000回突く超熱い修行 ・ハチャメチャな大学生活 ・きれいな顔の爽やか主人公が容赦なくボコボコにされる ・最初から絵が上手いのに、後半でもっと洗練される
はあぁ〜〜ッッ!! うっ! ハァン...何もかも素敵すぎる。物語は新婚の大正乙女が、夫と一緒にトルコからオリエント急行でパリに向かうところから始まります。正確に言うと、駅に向かうフェリーに乗るところから始まるのですが、主人公の万里子は市場から逃げた羊をフェリーに向かって馬で追い立てながらやってきます。な…何を言っているのかわからねーと思うが、読めばわかります。やだこの子超かっこい...!! ネタバレを避けると熱く語りたい部分が何ひとつ言えないのですが、ネタバレにならない素敵な部分を列挙すると ・1920年代(大正時代)のヨーロッパが舞台 ・客室や異国の街並みの精緻で美しい背景 ・オリエント急行で起こる事件 ・勇気と能力のある自立した主人公 ・インドから来た明らかに裕福で高い教育を受けた青年 ・多国籍な友人たち ・世界を股にかける壮大な物語 ...とまあ、こんな感じです。 大正時代の日本が舞台の少女漫画でも、1920年代のヨーロッパが舞台の少女漫画でもない、「大正乙女が印欧で活躍する少女漫画」というかなり珍しいこの作品。2人の関係が歴史と絡めて深く掘り下げており、恋愛漫画としても歴史(時代)漫画としても非常に読み応えがあります! 全11巻という手頃な巻数で、濃密なヒストリック・ラブロマンスをお楽しみいただけますので、ぜひ買ってください(ダイレクトマーケティング)
自分と同じ時代に、同じようにアホやって青春を送っていた作者と岡崎さんに元気をもらいました! 笑って泣けてなつかしくて、いい漫画です!
もやもやする展開が続くねえ んー、女上司が引き取って、結婚?娘に?同居?
失踪した親友の娘を探す、渋い山男の話。 単純にミステリとしても良く出来ている。主人公からすると未開の地である渋谷で、どのように情報を集めるか、手掛かりがない中で真実にどう近寄っていくかという読みどころが意識されているため、飽きることなく読める。また、それぞれの場所で生きる者の考え方の差もしっかり書き分けられており、話に深みが生まれていた。 でもまさか高層ビルを山に見立てるとは思わなかった。そこのハチャメチャ感も含めて楽しめた。
ずーっと走り続けるマンガ! 箱根といえば箱根駅伝ですがこれ小学生! 技術とか体力づくりとか難しいこと語るのは容易いですが「走るの楽しい!」をこれだけストレートに表現されるとこっちもスカッとします! 箱根駅伝すごくしんどそうであまり好きじゃないのですがこの作中のキャラみんな楽しそう。小学生が無邪気に走ってるのを見るのは和みます。
身体的コンプレックスを肯定してもらう系恋愛話。 ちっちゃくて細くて可愛いならコンプレックスじゃなくて女子として魅力なのでは?と思うのですが本人にとってはすごく気になることなのでしょう。 個人的にコレ系の話は主人公本人の自信がない吐露モノローグより周りの「あいつ小さいしペラいし釣り合わないんじゃない?」みたいな野次描写に気分が落ちます。そこを抜きにして、もしくはそんな外野なんて関係ないよ!とイケメンが手を引いてくれるシンデレラストーリーを楽しむのには◎
バレー男子とマネージャーという爽やか理想の高校生のような恋愛ものです。 途中から三角関係になるのですがその三人で行動してる様も眩しい青春譚のようで何だかいいなぁという気持ちになってきます。 バレー男子萌えも何となくわかる ありえなくてもこんな学生生活憧れますね…
サザエさんの作者である長谷川町子のエッセイ漫画です。 生い立ちやサザエさん創作秘話だけでなく、歴代のペット達や旅先で出会った人々の思い出など、盛りだくさんかつユーモラスに描かれています。 特筆すべきは!作者のお母さんです。早くに父が病気で亡くなり母一人で娘三人を育てることになるのですが、この母の行動力がすさまじい。 まず上京。そして、次女の町子を漫画家・田河水泡、長女を洋画家・藤島武二、三女を小説家・菊池寛に弟子入りさせます。 ビッグネームばかりでビビりますよね。 母の破天荒なエピソードはたくさんあるのですが、晩年はボケて娘の顔が分からなくなってしまったことも描かれていて、老いを見る作家の目を感じます。 終戦の翌年に地方紙で始まったサザエさんの連載ですが、作者としては本業は家庭菜園、漫画はアルバイトだったそうです。 そういう気質もより多くの人に寄り添える国民的作家としての器かもしれません。
美森青先生の新連載。 30歳を目前に控えたキャリアウーマンヒロインが、8歳の年下イケメン君との恋と、現実(結婚)の間で揺れ動く話。 特に地味だったり干物系というわけでもなく、なんとなく仕事に打ち込んできてしまった陽キャな主人公像というのはちょっと新しい。 しかし年の差という問題のある2人が、すぐ両思いになるのはちょっと早すぎる気がしないでもない……。
高梨みつば先生の新連載。 トラウマのせいで笑顔をつくれなくなったヒロインが、実はお金持ちの家の娘だった。 その家から派遣されてきたイケメンヒーローのミッションが、ヒロインを笑わせること……? という、よくあるシンデレラストーリーに、トラウマ解消というテーマを持たせてひねりを加えた作品。 地味な(実直な)ヒロインのキャラが丁寧に描かれていて好印象。
養子縁組を進めるNPO職員の視点で描かれる、ハートフルなだけではない家族のエピソード。 短編連作なので1組1組の話はあっさり進むが、内容はとても重たい。 ビーラブの読者層にマッチしているし、社会的な意義のあるテーマではないかと思われる。
人気ドラマのコミカライズなので、絵柄は可愛くストーリーもキャッチー。 出版社さんも力を入れているという感じがする。 しかし後輩の写真を隠し撮りする部長はちょっと不気味というか、完全にストーカーで、ドラマを見ていない人にとっては普通にキツいと思われそう……?
石に戦わせるなんて新しいしかっこいいな!硬度とか光の屈折率って戦闘力に換算しやすいし、素敵やん!!! って思ったんだけど、 宝石・鉱物好きにとっては、 「希少な石が戦闘で傷つく、もしくは折れる」という事実に目をつむることができませんでした。なので、途中で読むのをやめましたが、新しい戦士ものって感じがして、女の子にも受けいれられそうな奇麗な絵が良いですよ^^
単行本デビュー作『家族のそれから』いらい、泣虫弱虫な人物を主人公に据えて、そんな人物像をなぞるかのように、奇妙な頼りなさで泳ぐ線画と、それに似合ってどこか芯の一本抜けてしまったように狂いがちのデッサン、こんな造形ではたして人間は直立することが出来るのだろうか、それこそマウンドでおおきく振りかぶり一本足になった途端にでも崩れ落ちてしまいそうな。 ひぐちアサの漫画はすべてこうした絵までを巻き込んだマイナス的な要素からスタートしているように思われる。と、そんなことを改まって書くまでもなく、漫画をはじめとした大体の物語なるものは何か欠如的なものがあるという認識からはじまり、その欠如的な何かを乗り越えるなり克服するなり、そんなような方向性に向かうこと必定である。では三橋くんはどうなのかというと、まず野球的な要素にだけ絞っていえば、初っ端からけっこう凄い能力をもった投手であることが明かされる。九分割のコントロールに、何よりもクセ球の真っ直ぐ。そして、このクセ球の真っ直ぐの原理も早々に説明される。いわく、打者というのは現実にボールを見ているのではなく、ある程度の経験と予測でもってボールの来るであろう位置をはかり、それでバットを振っていると。つまり別の言葉でいえば、打者はストレートという名のあらかじめ刷り込まれた定型の文脈、物語を読んでいるだけで、けっして現実をしかと見ているわけではないと。事実、三橋くんはそんなふうにして中学時代にはダメピー扱いを受けていたのである。中学時代のチームメイトは現実の投手三橋を見ていたのではなく、球の遅いピッチャーという物語を読んでいたにすぎなかったのである。 さて、この物語を読むばかりに現実を見誤ってしまう目の錯覚、これは私たち漫画読者にも当てはまりはしないか。読むという行為は時と場合によっては自分にとって都合のよい解釈にしかならないし、まさしく打者が三橋くんの真っ直ぐを打ち上げてしまうように紋切型の煽情的な物語に目くらましをされていることだって大いにあり得ることだと思う。『おおきく振りかぶって』のひぐちアサはそのことに始めから自覚的だったのではないか。この漫画はある欠如を克服する方向に持っていくという定型の物語を、目の錯覚という現実を介して、いきなり短所から長所に逆転させてしまうことからはじまり、長短でも、高低でも、正負でも、そういったいかにもありそうな物語的な対立を、けっして向かい合わせるのではなく、すべてみんなでいっせいに前を向いていこうする、それに対応する否定的な要素がみられないほどの断固たる肯定的な姿勢で乗り越えていく。その肯定的な姿勢とは、ありそうな物語を読むのではなく、しかと現実を直視しようとする試みに他ならない。三橋はあくまでも弱虫泣虫のままそれでもマウンドに立ち続けるし、田島は背が伸びないなりにそれでも工夫をし続けるし、花井は持前の勝負弱さを抱えながらそれでも強気な気持ちで打席に立ち続ける。マイナスがありプラスがあるなんて図式におさまらない、マイナスもプラスもいっしょになっていっせいに前を向こうとしている。『おおきく振りかぶって』がとても感動的なのは、ある種の物語的な感動から自由になったこの肯定の姿勢、この健気さ、この懸命さに尽きると思う。そして選手たちが正も負もないまぜにいっせいに前を向こうとしているとき、ふしぎと、そんなパワーに勢い押されているのか、狂いがちであったデッサンが芯の通ったもののように見えるのである。
エロかわな表紙ですが存外読み応えがあって好きな作品です。 ヒロインの姫さまがとにかく途方もなく高潔で慈愛と正義に満ちていて、そんな彼女と主人公の絆の物語を、あろうことか暴力的エロスの皮で包み込んでしまったという非常に挑戦的な作品です。読んだ瞬間ノーガードの頭を殴られ胸を撃たれましたね。半端な覚悟じゃ描けないストーリーなんじゃないかなと思いました。 私がこれを読んで好きだなぁ凄いなあと思った点は、本当の意味での「プライド」の高さというの描いているところですね。民を守り、友を救う。それが彼女のプライドであり、そのために鞭打たれ踏みつけられ傷つくことを受け入れるのに微塵の躊躇もありません。そんな人間離れした精神を、100%理解し寄り添うことのできる主人公もまた常軌を逸した存在でしょう。彼は読者一般人が持つモラルや常識、正義感と呼ばれる嫌悪感など、そういった概念に一切囚われることなく、姫さまだけを信じ抜くことができるのです。信頼関係や以心伝心、パートナーシップといった類のものの究極系とも言えそうです。 漫画やラノベに限らず映画なんかでも、「舞台は中世欧州風なのに社会通念やモラルなどは現代のそれなのが違和感」ってツッコミはよく目にしますが、この「奴隷姫」は狙ってか意図せずか結果的に読者の現代っぽい感覚を上手にくすぐってくるなって印象ですね
第一話読んだ。 前作「バンデット」の勢いとかキャラの強さ、圧みたいなものの描き方が好きなので、この新連載も楽しみ。 2199年。 AIや機械に頼り戦争にも人間を必要としなくなっていたが、「大断絶」が起き、文明は若干の退行を見せ、再び人の生身が必要になっているという時代。 主人公は「配信者」で有名になることを夢見ているが、復興が目の前に横たわった世間の状態では白い目で見られている。 社会が裕福で許容できる時代じゃないと立場が低そうだ。 そんな彼が兵士になるため、圧倒的にリアルな仮想現実の中で、肌で過去の戦争を体験することになるのだが、その様子がなかなか痺れる。 偶然だろうが、たった一発の銃弾が向かった先に人がいればあっさりと命は摘み取られるのが戦争のリアルだ。 戦争、死の現実感を目の前でまざまざと感じ、ちゃらんぽらんな生き方をしてきた主人公はどうなってしまうのか。 過去の戦場と未来の戦場を横断する感じになっていくのか。 「12モンキーズ」という映画で、未来では囚人が過去の戦争に参加したり、重大な事件を阻止するために過去に送られるというシーンがあって、それをふと思い出した。 映画「マトリックス」然り、圧倒的な現実感を持った仮想現実は現実とほぼ変わりない。 最近でも、VRと自覚したうえで斬首を受けた人が、体調に異変を生じてしまったという話がある。 リアルすぎて痛みを感じられるほどの仮想現実の戦場での死は、精神が死を感じ取って現実の死に直結してしまうのではないかと勝手に変な心配をしてしまった。 大作になりそうな予感がビンビンするので、ぜひ最後まで描き切ってほしい。
※ネタバレを含むクチコミです。
宇宙の漫画というだけでその面白さは約束されたようなものだが、ふたつのスピカは面白いを超えて最高です。 ちっちゃくて気が弱いけれどめちゃくちゃタフな主人公、主人公を見守るライオンの幽霊、閉鎖空間での厳しい入学試験、過酷な訓練、かけがえのない友人たち、夢の実現、そして別れ。友情・努力・勝利、そして汗と涙。まさに名作少年漫画の条件を揃えている。**若者たちが貧乏したり遊んだり、夢に向かって助け合いながら成長していくところは、まんが道に通じる青春の輝きがある。** ロケットの運転手になりたい主人公・アスミは、ロケットの墜落事故でお母さんを亡くしている。ロケット開発者だったお父さんと2人ぐらしで、ちょっぴり意地悪な幼馴染・府中野くんとアスミにだけ見える幽霊のライオンさんだけが友達だった。そんな**海辺の田舎町に住む女の子の世界が、宇宙学校入学を機にどんどん広がり成長していく姿がたまらない。** お調子者の圭ちゃん、クールビューティーの万里香、ミステリアスな秀才・秋。アスミと府中野も含めて宇宙学校の生徒達はそれぞれ問題を抱えている。そして宇宙に行くことを全ての人から祝福されているわけではない。**人の悪意に触れたとき、みんなが根性とひたむきさを持って真っ直ぐ問題と向き合う姿に心を動かされる。** また、ふたつのスピカの魅力の1つがかわいらしい絵のタッチ。素朴な絵柄が作り出す温かな雰囲気が、人々の抱えるシリアスな過去を際立たせ、アスミのかわいらしさを引き出し、また事態がハッピーエンドを迎えたときの安心感をいっそう格別にしてくれる。 努力する人、夢を追いかける熱い話が好きな人が読むべき名作な。死ぬ前にぜひ一度読んでください。
ムスっとしていて一見冷たそうに見えるが実は思慮深く、不器用なやさしさを持つそんなイケメン灰原くんにもっと心を開いて仲良くなってほしい猪突猛進ヒロインみおちゃんの話 類型のヒーローは数多くいますが、灰原くんは冷たさとやさしさの配分がとても絶妙で気持ちいいです。 ヒロインのほうも、別マらしくとにかく可愛くて底抜けに性格が良い。ただ、いくら性格がよくても思慮が浅くて空回りしがちなので、灰原くんとは良い補完関係でナイスコンビ。 別マヒロインは花ゆめ系とは別の意味で理想が詰まってる感じでよいですね。 最初の1巻の構成が、とくに最後の数ページの畳みかけが素晴らしく、噫これぞまさしく胸キュンであるなと感動してしまいました。
心を揺さぶる面白い漫画には必ず「その世界の空気」が満ちています。呪術廻戦もまたら日常に当然のように呪いが潜んでいる不気味な空気がビンビンに満ちています。 また登場人物たちのキャラ立ちの良さもこの漫画の素晴らしい特徴で、キャラクターの発するセリフがいちいち印象的でかっこよく、どこかで見たことのあるありきたりなキャラは1人もいない。 「どんな女がタイプだ(中略)早く答えろ男でもいいぞ」 「寝不足か? 毛穴開いてんぞ」(※メインヒロインのセリフ) 「独特の雰囲気」と「キャラ立ち」の良さという点で、呪術廻戦はジョジョやHUNTER×HUNTERを彷彿とさせる。 ちなみに自分が読んでいて「あ、この漫画絶対おもしろくなるわ」と確信したポイントが、2話にある実在する仙台銘菓・喜久福の登場シーン。1話冒頭から続くシリアスムードが一転し、唐突に挿入される喜久福の紹介コマがメチャクチャおもしろい…! 実際、喜久福は地元民からしても萩の月より美味い(※個人の感想です)ので、「お、この作者ちゃんとわかってんな」と感心し、さらには現実の商品を登場させることで、「ああ、この作品は現実と同じリアルな世界なんだ」と自然に理解することができる素晴らしいシーンとなっています。 ...とまあいろいろ語りましたが、2018年12月4日に本編より面白い(※個人感想です)前日譚の「東京都立呪術高等専門学校」が発売されるのでこっちもぜひ買ってください!!!!(ダイレクトマーケティング)
サッカー大好きな人には一度は読んで欲しい!天才サッカー少年の山あり谷あり青春サッカーマンガ!涙なしには読めません!
最後、ワシは好きやで 色んな想いが交錯しとるんやけど ワシは好きやで?ナァ?
センセ、無敵かぁ思うたら あんたも人間じゃのう? 安心したデェ これから楽しみじゃ
「進撃の巨人」「鋼の錬金術師」「終わりのセラフ」などに続く、少年漫画でありながらかなり重めのダークファンタジーです。超大作のポテンシャルを秘めているように思います。 1巻から腕や首がもげたり食われたり踏みつぶされたりと血がドバドバ流れますが思ったよりストーリー展開は丁寧で、主人公がが武器を取り戦いに身を投じていくのも2巻の後半くらいからということもあり、高い評価を受けて注目を浴び始めるにはもう少し時間がかかりそうです。 2巻までで現状「青の祓魔師」や「ギルティクラウン」のようなナイーブ主人公のアレックスですが、義肢の主人公というとエドワードやコブラといったカッコよくて気持ちのいいキャラクターが多いイメージありますし、彼にも成長してそうなっていって欲しいところです。1話のアバンタイトルで敵と対峙するクールな姿が描かれていたのでそれなりに期待できそうです笑
何もなし
田舎暮らしの女の子たちがのんびり過ごす様を描いた作品。キャラや背景の書き込みが丁寧。田舎の時間の進み方や穏やかさに癒される。
表紙から内容が予想しにくいですが、美女装男子と少女たちによる異能力バトルです。文句なしで絵が上手く、いい意味でマガジンっぽい。言い換えれば「メジャー感」があります。「メイクをすることで魔女としての能力が発動する」設定はかなり大雑把というか活かしきれるか最初不安でしたが杞憂でした。「涙で魔法が解ける」というのもクライマックスでしっかり回収されていました。 味方の最強格である生徒会長の和音さんが何かにつけピンチに陥ってるところがガールズバトルファンとしては最高に推しポイントですね。この作者、わかってやがる!!って感じです。(最後のほうはさすがに気の毒でしたけど…… 巨大な敵の全貌が垣間見えたところで駆け足のビターエンド、という典型的な打ち切り的終わり方をしてしまいましたが、色々伏線を回収してキャラ立ちも大切にしてて誠実な全2巻だったなと感じました。ただ全7話はあまりにも短い…!終盤の展開は「悪食王」に似ています、巻数も同じ2冊。ただ俺様ソルシエールのほうが格段にストーリーの作り込みが良く、続きを読みたくさせるものでした。
ウシジマくん好きな人多分好きではないかと。 復讐代行の話はよくありますが丁寧にリアルに掘り下げた話はなかなかないかもしれません。登場人物こういう人いるいるって感じなので作者の周りの人をモチーフにしてるのか日々人間観察してるのかもと思ってしまいます。うーんすごい
3巻なので一気に読んでほしい… 映画にもなった予告犯、漫画はどんなもんかと読んでみました。 めちゃくちゃ面白いしブレないし感動する… 誰もが思ってるような社会に対する鬱憤や、時事ネタ、サイバー犯罪なんだけど身近な問題を絡めてあったりして物語にすっと入っていけます。どの登場人物にも共感できます。この人は何がしたいんだ、この人の行動原理は何なんだと終始興味が湧きます。起承転結の結も予想外で本当映画一本見てるかのよう… 一気に読んでその余韻にしばらく浸ってほしい作品。
高校生と38歳のおねえさんが互いに騙し合いながら恋愛したりレベルの高い遺伝子を求めようとしたりする漫画何です。なぜそこ深掘りしようと思った?ってテーマとストーリーの流れですが地味に面白いので続きが気になってしまいます。リアルに間二十歳離れてる歳の差カップルはそんな珍しくもないのかもしれませんが両者とも色々秘密があって面白いです!
2016年にアニメの一期が放送され、よく年には二期が放送、今年はなんとNHKでドラマ化までされております。 現在放送中。 今や飛ぶ鳥を落とす勢いの雲田はるこ氏の名前をスターダムに伸し上げたのが、この落語心中ではないでしょうか? 落語で天下取ったるでー! みたいなサクセスストーリーなら、読んでなかったと思います。 この漫画で描かれているのは、人間の業でございます。 登場人物の誰もが業に取り憑かれている。 業によって落語と死のうとする者、業によって落語を辞めなければならない者、業によって好きな男と離れ離れになる者、業によって弟子を失う者。 運命の糸は何度となく、絡まり、解け、また絡まる。 全ては業のなせる業。 泣かずに読めません。 最終巻は賛否あったようですが、可愛いさ余って憎さ百倍、女心は秋の空って言いますし、師匠、そのお年で!?と考えると、それもまた一興。 漫画も面白いんですが、アニメは声優陣の豪華さに加え、語られてナンボの落語を、文字でなく耳で聴けるるのでオススメです!
最強の殺し屋が1年間の休業で一般人として静かに暮らそうとするが、色々なことに巻き込まれて行く… と、バイオレンスのニオイがプンプンしますけど何がすごいって、この漫画バイオレンスと癒し系日常マンガ半々にした感じで、緊張と笑いが本当最高のバランスなのでめちゃくちゃオススメ!
ざっと旅の概要を知ってるくらいしか読んだことがなかったのですが、きちんと読んでみて思っていたより単純で読みやすかったです。 1編が短くて、「どんどん次行くよぉ!」みたいな。 続編があるらしいのでそちらに出てくるかもしれませんが、車掌さんの体が気になってしょうがないです。
お嬢様学校に憧れがあるひと、先生生徒の恋愛好きなひと、読んだ後に明るくなれる話が好きな人、読んで! 可愛いです、理想が詰まってます!たまにこういう話を読んで性根腐った部分を洗い流したい…とか思ってしまうほど読後感が爽やかです 主人公以外の友達、女の先生もいいキャラ 一回は言ってみたいんですよね、恭しくロングスカートで「ごきげんよう」 素敵です…
北海道で、高校生で、先生に恋してて… この時点ですごく純朴そうな女の子を想像するけどまさにそんな感じ!タイトル通りひとりぼっちでブツブツ言ってるんだけれどその様が可愛い! この主人公キャラクターがいい 岩井俊二の映画の世界っぽくて雰囲気も好きです勝手に期待大!
是非是非オススメしたいBL 孤独におにぎりを食うサラリーマンが家族の温かみを知る、、、反面、なんの不満不足もないように見える1家族にも失ったものがあって、、、 人が何か食ってるの見るの好きですが、何か食ってる漫画を読むのも充足感得られていいですね ホッとするしほのぼのだし描写もキスぐらいのBLなので男性でも女性でも勧めたい ちょっと読んでみてくれ〜
Aが1巻でBが2巻。短編集だけどAのキャラや物語が引き続きBにも出てくる。 読み手の心を動かすのがすごい上手いな。 美しいものが好きなオトナの為のおとぎ話って感じでとっても贅沢だ。 死の床にいる娘にそっくりな人形を造るように依頼された人形師の話が一番グッときた。 球体関節人形とか興味でてきちゃったなぁ…