超〜楽しみにしていて、日付変わって速攻で読んだ読切。あれ、ページが捲れない…と思ったら右開きでした。ジャンプなのに…!!(新鮮) 「うわ、トニー・スタークとピーター・パーカーが喋ってる…!超アメコミじゃん!」と思っていると描き文字が現れて、「ドン」の「ン」がいつもの和希先生で、「ああ、本当にコラボしてるんだなあ…!」と感動しました。 ただその感動が冷めやらぬうちに、「海王」やら「カード」が出てきたので吹きました。やっぱそうこなくちゃ…!!! 次回の公開が11月27日と結構先なのがつらい…。まさかこの執筆(公開)ペースの遅さもアメコミの流儀に則っているのか…?🤔後編が楽しみです。 『SECRET REVERSE(前編)』高橋和希 https://shonenjumpplus.com/episode/10834108156683040348
嬉しいニュースですね。ゆくゆくは単行本が出たりするのでしょうか… https://twitter.com/tweet_maruko/status/1168770985249476609
父と息子・栗太郎と栗之助(犬)の3人家族が繰り広げる生活を描いたほのぼのとした時代劇です。貧しくともプライドを持って生きようとする父と、父親想いの栗太郎と、マスコット的な存在の栗之助(犬)を中心に、ユーモアを交えながらも、心あたたまる展開が、わずかなページ数で表現されていて、読後には必ず心地よい余韻を残してくれます。中京新聞(東京新聞)で4コマ版「おーい栗之助」という連載もやってました。こちらも本編と同じくらい良い漫画でしたが、ちゃんとした単行本は出ていないようで、現在入手することは難しいです。図書館などで新聞のバックナンバーを読むか、「おーい栗之助 春、ほのぼの (My First Big SPECIAL)」という廉価版コミックを手に入れるしかなさそうです。
黒髪メガネの厳しい白石店長に、学生バイト君がスーパーでの業務について指導を受けるお話。『グランドジャンプ 2019 No.19』より3号連続掲載とのこと。 厳しい店長の可愛い一面を楽しむマンガとしても素晴らしいのだけど、グラジャンに掲載されているだけあって、**スーパーの店員さんのお仕事マンガとして面白かった**です。 他商品を買わせやすくするために行う値下げ「おとり」や、人間の視線の動きに合わせた陳列「Zの法則」など、スーパーが常日頃行っている工夫は勉強になりました。 作者のTwitterを見てたら、実際にスーパーで4年間バイトされていたとのことで納得しました。 https://twitter.com/yamader_7/status/1163070545891434497?s=20 1話ではバイト君が店長の首元にあるホクロに見とれてたけど、果たして次回以降どのように仲が進展するのか…!期待しています! 『グランドジャンプ 2019 No.19』 http://jumpbookstore.com/item/SHSA_ST01M02767101919_57.html
或る日突然、主人公の作家と担当編集者と野良の培養肉(?)以外の生きものが消えてしまったところから始まる物語。 残った者同士、喰うか喰われるか、もしくは全く喰わないかの状況で淡々と「なんとなく希望がない絶望感」が漂います。 この作者独特の可愛くてメルヘンチックな世界観に唐突に訪れるどす黒い不安の塊のような表現(しかしそれに全く動じないキャラたち)が好きなら読んで損はないと思います。 たまに挟んでくる培養肉レシピは全く参考にならないのにしっかり読んでしまう。
ドラマ性重視のスポーツ漫画って、クライマックスに向けた流れの作り方が大変だよな、と思います。現実を超えないとどこかで見た話になるし、かといってひねりすぎると現実感がぶっとんで興ざめしてしまうし。少し前ならドーハの悲劇、長野五輪ジャンプ団体。最近だと木村コーチ追悼試合で出た、同級生・谷の逆転満塁弾。これらまさに筋書きのないドラマに対して、生半可な脚色では太刀打ちできないよな、と。で、この作品は何をやったかというと、徹底的に焦らしたわけです。最初はフツーのボクシング漫画進行と思っていたら、主人公とライバルの対決が直前でお流れ。そこからが波乱の展開で地下に潜ったり、戦場に赴いたりとなかなか”宿命の対決”にたどり着かない。他作でもそうですが作者はこの寸止めの手法がうまくて、まんまと乗せられてしまう。焦らされた分の数々のドラマが、決着に向かって終盤にどんどん噛み合っていくのが心地いい。ずいぶん回り道をしたけど、ラストはやはりスポーツ漫画だなとうなずける、カタルシスがたっぷりです。
古武術・陸奥圓明流の継承者、陸奥九十九を主人公とした『修羅の門』の外伝で、千年不敗の歴史の中で活躍した各時代の陸奥継承者を描くシリーズ。本編は現代劇ですが、外伝はほぼ時代劇ということもあって、より何でもありの内容。明朗活劇としては断然こっちのほうが楽しめます。何せ相手は宮本武蔵に柳生十兵衛、新撰組に西郷四郎。時代も幕末、鎌倉時代、さらにはアメリカ西部開拓時代と相手も時代も男子なら血沸き肉躍る設定ばかり。著者のストーリーテラーとしての才能がこの中で存分に発揮されています。その極め付けは2、3巻の幕末風雲編。著者の坂本龍馬への思い入れが半端じゃなく、また龍馬と陸奥出海の関係が青春ストーリーのようで、ついのめり込んでしまいます。本編、外伝通じてここまでまっすぐに友情を描いているのは珍しんですよね。結果、陸奥が主人公らしくなくて、まさしく外伝という体裁になっています。幕末ファンの方はひと言いいたくなる内容かもしれません。ですが、あとがきにあるように「この物語は史実である」と思って読んでもらいたいですね。
練習中のオノマトペ「ゴロゴロ」の描き文字を観るだけで涙が出る。
※ネタバレを含むクチコミです。
IKKIの付録についていた、「第56回新人コミック大賞受賞作」の『青い空の日』を読んで一発で大好きになった作家(当時の名義は内山八景)。 小林まことやいましろたかし、初期のタナカカツキの影響を受けたようなタッチと、登場人物すべてが爽やかな、作者の誠実さがわかる傑作だった。 そしてこの「とんがりタナトス」も同様。画はいくらか洗練されてはいるものの、瑞々しさはそのまま。 作者はこの一作を描き上げて以降、音沙汰はない。 もしかしたら引退されているのかもしれないけど、自分はいつまでも新作を待っていたい。
プロ野球の人気凋落が叫ばれて久しいですが、あれはエンタメとしての職業野球がダメになってきているだけで、やっぱり野球は日本人の生活に根ざしたスポーツだと思います。高校野球の人気は不動だし、学校の授業や部活でもまだまだ廃れてはいないはず。漫画だってまだまだ少年誌にはいくつも連載されているのですから。で、少年野球漫画がなぜ廃れないかといえば、ひたむきに打ちこむ姿に青春を見るからではないでしょうか。この作品もそうです。のっけから廃部の危機にある稲葉中野球部。試合をすれば1点もとれずにコールド負けがあたりまえのへたっぴ集団が最後の試合に臨む。勝てなくてもいいからせめて笑われない試合をしようと思っても、やはり下手は下手。けれど泥まみれになりながら歯を食いしばってうまくなろうとする彼らの姿がここにはあります。この辺の感覚は自分も幼いころに味わったもの。ひたすらにひとつのことに没頭できる時代、うまくなることだけを考えた少年の日を描ききった良作だと思います。
ちょっと面白そう。 >さらにひるちゃんは同作の単行本全200巻の表紙をどれでも瞬時に再現できるという特技を披露する。 https://natalie.mu/comic/news/346114
作者が売れない漫画家だった頃のエッセイです。作者の性格が根暗なのにこの漫画が面白いのは、「妻の可愛さがすごい」からだといっても過言ではないのではと思います。2人は気が合うのか合わないのか…デコボコなんですけど、いい夫婦なんだろうなと想像できます。 あとは、大丈夫なのか?と心配になるほど漫画業界のリアルを描いてるところ。 とことん自虐的で自身がない部分もあれば、やたら威張り始める部分もあり、そこも結構好きです。 著者の思い悩む姿を自分に重ね合わせると、重いと感じるかもしれませんが、自分としてはギャグとして割り切って読んだので普通に楽しめました。 この作品自体は厳密には未完ですが、 妻に恋する66の方法など続編的なのを描いているのでそちらを読めばよいかと。あとコミックDAYSで子育てマンガも描いてますね。 https://comic-days.com/episode/10834108156644385632
世界中のクリエイターに影響を与えた、SF海外コミックを語るうえで避けては通れない傑作中の傑作! 息をつかさぬストーリー展開、常人の想像力を凌駕する世界観、魅了されるメガストラクチャーの数々と生命体…いまさら語ることもないほどの傑作です! SFがお好きで未読のかたはぜひぜひ読んでいただきたい! SFが好きでなくもこの溢れ出すイマジネーションを感じ取ってもらいたい! そんな作品です!!
ダウンタウンDXとのコラボ企画で、板垣先生が芸能人たちをバキ風に描いてるのだが、どれもめちゃくちゃ似ていてビビった。設定としては闘技場(トークバトル・コロッセオ)に君臨する最強の戦士・ダウンタウンに挑む姿をイメージして描いてるらしいw 公式サイト https://www.ytv.co.jp/dtdx/baki/ https://prtimes.jp/i/39547/14/resize/d39547-14-216826-0.jpg
遠出をするときは必ず駅弁を買ってしまう。特急の指定席で絶景を眺めつつ食べる駅弁のうまいことといったらもう…。そんな私の至福の時を漫画でも再現してくれるのがこの作品。特急の解説+駅弁レポート、それに食事ポイント付きという構成がニクイです。各話の終わりには乗った特急のコラムを掲載し、豆知識もフォロー。また、巻頭にカラーで作品内で紹介している駅弁がずらりと並べられていて、情報誌のように紹介されているのも、食いしん坊にはたまりません。各話は短めのページ数ですが、その分、ポンポンと駅弁が出てきてギュッと詰め込まれているのもいいですね。冒頭で遠出と書きましたが、私の場合、東京から西は京阪神、東は仙台あたりまでが電車移動エリアなので、新潟や九州までもカバーしてくれているのがうれしい限りです。さすがにこの著者のように特急に乗り駅弁を食べるためだけに日本全国を飛び回ることはできませんが、この地方にいったら紹介されている駅弁はぜひ食べてみたいなあ。なんて思っていたら腹がすいてきた…。こりゃ、夜には読まないようにしないと。
Twitterでバズっていたので知って1巻だけ読んでみました。 大人しくてぼっちの田村くんにやたらと絡んでくる木崎くんの日常ギャグです。 読めばわかりますが、木崎くんは見た目と言動が不良なだけで、根はとても優しく、田村くんがクラスメイトに「村田」だと間違われてるのを見過ごせずに「田村!田村ァ!」と絡むようになったのです。 2人きりのときは「たむたむ」と呼ぶし、捨て犬はほっとけないで飼っちゃうし、中学時代の不良仲間と田村を会わせないようにするし、微妙にではなくかなり優しい木崎くんです。 木崎くんが風邪で学校を休んだとき、田村くんはホッとしますが元々ぼっちなので誰からも話しかけられない場面が切ないです。
「漫画を描く場合、自分の世界は抑えて原作者のイメージを膨らませることに腐心している」とのコメントが販売ページにありますが、そう言われると、個人の仕事であるこの画集の世界観は、数ある漫画作品と根本的な部分で違っていることがよくわかります。「人の心の動きを画にしたい」ともあり、描かれているのは快楽主義的で破滅的、欲望と道徳心の間で悶絶する世界。そう、本作に収められているのは、作家・池上遼一の本質はここにある、と言わんばかりの作品の数々なのです。何が素敵かって、エロチシズムを前面に出しているのにまだ何か隠していそう、といったもどかしさ、それと男の目線でしょうか。この画集に登場する美女たちの横に立つのは、漫画の主人公タイプではなく下卑た男のほうが似合う、と思っていたんですが、これってよく考えると願望交じりの男目線で描かれているからで…。まんまと同化させられてしまいました。巻末には短編ストーリーも収録されていますが、もちろんこちらもコンセプトは変わっていませんので、じっくりご堪能ください。
屋上、生徒会、文化祭など1巻から盛りだくさんです。 ゆるっとした男の子が学校の屋上や踊り場で昼寝しているところに出くわすのは、少女たちの憧憬の一つですね! 私は副会長が好きです。
この世の中で私が美しいと思うもののひとつ、それがハイキック。滑らかな動きとか、凄まじい破壊力とか、ではなくて、うまく言葉では書けないんですが、積み上げてきたものの浄化、カタルシスあるというか。そんなシーンを見るのがこの上もない幸せ。まあこれは自分でも何百回と練習したあげくに腰をブッ壊し、結局それを実体験として味わえなかった苦い過去があるからかもしれないんですが。それはさておきこの作品、緻密な絵柄に定評のある著者のアクションストーリーで、主人公・シバのライバルがハイキックの使い手という設定。まあすぐわかるのでばらしてしまいますがこの男は能楽師で、なぜかハイキックだけに固執する。その思い入れの強さにのめり込んでしまいました。見開きがうまくつながっていないのはちょっと残念ですが、何度も出てくる至高の蹴りに、ため息状態。どうせなら、主人公との対決に至るまでをもっと長くやってほしかったと思うほどです。お話の方がこれからのシバの歩む道を示唆して終わっているだけにねぇ。ただ私としてはこのハイキックへのこだわりが美しい絵柄で読めただけで満足です。
社会科の先生・鹿沼に恋するあまり彼の好きな社寺や仏像に関連しそうな文化系の大学を受けまくった主人公・馬酔木まほろ。唯一受かったのは東京から遥か遠く・奈良の大学であった。。。 というぶっ飛んだ導入から始まる、奈良を舞台にした仏像×社寺×鹿+ときどきキャンパスライフな物語。 奈良の魅力、仏像や社寺の魅力を丁寧に描きつつ、キャラクターのコミカルさも手伝って小難しさを一切感じない。作中の小ネタも多く、知識がなくてもサクサク読み進められる。 ストーリーも序盤はラブコメチックに話が進み、1巻終盤でガラッと展開が変わる面白い構成。いろんな要素が噛み合いトータルで魅力の高い作品。関西在住なら聖地巡礼が捗っただろうなぁというのが口惜しいところ。 1巻まで読了
2018年にイブニング新人賞で優秀賞を受賞した読切『狩猟のユメカ』。この作品は、これとは別に2019年8月にイブニング「俺の零話読み切りプロジェクト」で掲載された読切も存在します。 作品を読んでみるとわかりますが、時系列は「零話版」が先でこちらが後になります。 「俺の零話読み切りプロジェクト版」(2019年8月掲載) http://www.moae.jp/comic/reiwaproject/5 「イブニング新人賞版」(2018年11月掲載) http://www.moae.jp/comic/yumeka/1 トムソンガゼルのようなヤックルのような喋る動物・シュジャーが、人間の狩人・ユメカに懸想してたり、人間に憎悪を募らせるヘラジカがと戦ったり。 わたしは「零話版」からユメカを知ったのですが、こっちの「新人賞版」の方が**異種族恋愛あり、熱いバトルありですごく好き**です!! 「零話版」の方で連載希望のアンケートはすでに出しました。 ぜひ連載化して深く掘り下げていってほしい作品です…! (画像は本編より。背中がクソかっけえ…!)
この作品を読み進めていくうちに、あれっ、と気づくことがあった。それは、昔話を読んでいる、という感覚だ。怪異の原因を普通の人には見えない”蟲”のしわざと捉え、主人公である蟲師のギンコがその謎を解き明かしてゆく、というのがこの作品の筋立てである。舞台は山里であったり漁村であったりさまざまで、時代は江戸か明治といった風情。そこで怪異が起こる。そしてその怪異には理由があり、村人の回想でそれは語られる。子供のころ聞いた、「この山には昔々大グモが住んでいて…、だからこの池はいつも水が枯れないんだよ」といった祖母の話に似ている、と思ったのだ。なんともいえない懐かしさ。この作品にはそんなノスタルジーと、謎解きのカタルシスが同居して、素直に心に響く――。と、書いたところでもうひとつ思ったのが、どうも故郷を思い出す風景描写だな、ということ。私の田舎も夜になると、いまだに人以外の何かが徘徊していてもおかしくないようなところ。帰省の時期でもあるし、いい具合に里心がつきました。
タイトルのとおり、主人公の稲生平太郎には怖いものがない。くせ毛で愛想なし、お好み焼きの腕は一流の、少し変わった16歳の少年である。 とある出来事をきっかけに身の回りで怪異が起きはじめ、仕事や睡眠の邪魔をされるが、何をするでもなく平然とお好み焼き屋を営む毎日。 しかし、そんな平太郎の心を唯一ざわつかせる存在がいて、それが恋人?のゴンちゃんとゴンちゃんに一目惚れした長倉くんなのだけど、なぜこんなにも心がざわつくのか、平太郎には理解することが出来ない。 そして話が進むにつれて「怖いものはない」という軸が少しずつブレてゆき、このタイトルがあるからこその最高のラストを迎える。 たぶんひと夏の出来事を描いているので、夏に読むのがぴったりかと。あとめちゃくちゃお好み焼き食べたくなる。
ジャンプの表紙からすでに面白さ120%だったけど、期待通り1ページ目から最後までずっと面白かったwww 白鳥スゲー好きだったから本誌でつるん先生の作品が読めるのホントうれしい…!! 【『週刊少年ジャンプ』公式サイト】 https://www.shonenjump.com/j/rensai/mitama.html 【第1話】『code1/その男、ミタマジョー』 https://shonenjumpplus.com/episode/10834108156685052717 (追記: 2019/09/30 3話まで無料配信してます!)
本格小説のコミカライズはたいていがっかりさせられます。なので本作を読むにあたっては少々慎重になりました。なにせ京極夏彦の傑作が原作。どうなることやらと思っていましたが…意外とうまくはまりました。事故で重傷を負い治療中の少女が忽然と消えた。事件の背後に絡みつく憑き物を落とすため、京極堂こと中禅寺秋彦が重い腰を上げる…と、端折ればこんな話ですが、本来は相当入り組んだストーリー。これを、ひと目見ればわかる漫画の利点を生かして、うまくまとめています。また描写で感心したのが、探偵・榎木津礼二郎の容姿。原作では超のつく美男子で、いまひとつイメージしにくかったのですが、なるほど少女漫画的なアプローチだとしっくりくるなぁと目からうろこでした。さらに思い切りの良さにびっくりしたのが、全5巻の3巻で犯人をばらしてしまうこと。で、残りの2巻はまるまる憑きもの落とし。読者の興味を冷ますことなく、ちゃんと見せ場へ導いてしかも枚数かけている。単純な推理小説じゃないこと、わかっておりますな。
「進撃の巨人 LOST GIRLS」「ワールドエンドクルセイダーズ」の作者が、P.A.WORKSによるオリジナルアニメをコミカライズ。これほどの高クオリティなアニメ作品のコミカライズは、なかなかお目にかかれないです。 ジャンル的にはスタンド系の能力バトル。元がアニメなので、キャラデザ、ストーリー、世界観など、作品の基礎の部分がしっかりしているので、そこに不二先生の画力が加わって鬼に金棒って感じ。 最近はファンタジーの舞台といえば中世欧州(トールキン)かドラクエが主流ですけど、ぶっちゃけ、近世ヨーロッパ風が一番最高じゃないですか??? 「鋼の錬金術師」「進撃の巨人」「天空の城ラピュタ」「幼女戦記」「プリンセス・プリンシパル」「終末のイゼッタ」などなどなど 蒸気機関があって、銃撃戦があって、レトロな車や列車が走ってて、それら凌ぐ魔法の力で雑兵を蹴散らしたり強敵と決戦したり。中世なんかより100万倍ロマンがあると思います。
『主将!! 地院家若美』の続編がはじまってた…! かつて、マガスペでBL系格闘ギャグとして名を馳せた迷作だが、今回は完全にBLレーベルに移籍したんだな…。心機一転なのか、作者名もやきうどん→うどんまんぼうに変わってた。けど、相変わらず面白いから良し!これはBL苦手な人でも楽しめる作品だと思う。
それ以外に説明の必要がないくらいセカイ系です。 「最終兵器彼女」や「イリヤの空、UFOの夏」などのかつての代表的なセカイ系作品と違い、主人公の少年は蚊帳の外で無力感に打ちひしがれるのではなく、自ら力を手にして戦います。少年漫画だからというのもあるでしょうが、個人的には「交響詩篇エウレカセブン」「ラーゼフォン」「ギルティクラウン」といったアニメ作品を連想する雰囲気を感じました。 逆にキャラ設定はどことなくラノベっぽさを覚えましたが、調べたら原作は『銃皇無尽のファフニール』の人とのことなので納得。作画の人はまだあまり実績がないようです。荒削り感はあるものの魅力的なキャラクターを描くので今後も応援していきたい作家さんです。 (2巻読了、3巻で完結だそうなので、この後買って読んで追記するかも)
作品を読み好奇心をくすぐられ関連情報を検索していると 著者のツイッターアカウントを見つけた。 そこで見た過去の告知映像からハッと気づく事があり、 どうしても考察をしたくなったのでここに書かせて頂く。 告知映像内のレコードが2005年11月30日8時34分に動き出したこと、 読み切り内での時計の時刻が猟期内の30日8時33分53秒であること、 この後すぐにシュジャーというレイヨウに遭遇することから この異変のトリガーは【11月30日8時34分】であることが推測される。 では2005年とは何を意味するのか、 初めはこの劇中の舞台が2005年なのかと思ったがこの年の11月30日は 腕時計の示す木曜日(TH)ではなかった。 さらに夢歌が使用しているスマートフォンが 2014年発売のSONY XperiaZ3らしきことからそれ以降のその日付を調べると 2017年が該当することが分かった。 よってこの作品の舞台は2017年であるという結論に至る。 ではこの2005年のレコードの上を回る赤子は何を意味するのか、 これは本当に推測の域を出ないが逆算し12歳程であることから 開幕に現れた意味深な少女であると推測した。 やはりあの少女がこの物語の黒幕、鍵を握っているのか。 告知動画の曲の歌詞と少女の火傷を覆ったような包帯の関係性も気になるところだ。 だからといってこれ以上何も分かってはいないが この作品が現段階でかなり作り込まれているという、 これから考察しがいのある作品だという事は間違いないという感想に至った。 是非とも連載してほしい、更なる甘美な謎を期待しております。
才色兼備なキャリアウーマンだが野菜を食べない女と、容姿端麗で料理上手でベジタリアンのゲイ。恋愛にはできない二人の同居生活が始まった。 「食」がテーマになっているのでどなたでもすんなり楽しめると思います。それぞれ過去の傷を掘り起こしながら、食とともに癒やされる。シリアスになりすぎずにのんびり読めます。
もう30年近くになりますか、映画「時をかける少女」が公開されたのは。主演・原田知世の雰囲気が映画の世界観にピタリとはまっていて、これ以外考えられない組み合わせだなあと、しばらくは思っていました。ところが月日は流れて、内田有紀主演のドラマ版を見たところ、あれ?これもいいじゃないの、ヒロイン像って時代ごとに変わっていいんだ、と認識を改めた次第です。だから、数年前に公開された同じ名を継ぐ実写やアニメ映画に、初代のイメージがなくなってしまっても、変に別物と意識せずに楽しめましたね。で、これらを原作にした漫画は本家も含め3作品あります。3作とも現代が舞台、またはアレンジがなされており、それぞれ良い部分がありますが、完成度の高いのはやはりこの作品。評判になったアニメ版のコミカライズであるものの、こちらも負けず劣らずの出来で、明るく伸びやかな主人公が、新しい時代のヒロインを演じてくれてます。また、巻末にはちょっとしたサービスが。これは初代を見ていないと?なエピローグなので、初代ファンはホロっとしてしまうかもしれませんよ。
トミヤマユキコさんのマンバ通信で知ってからずっと読みたいと思っていたのですが最近やっと読みました! 最近の少女漫画ってこんなに面白いの!?と驚くレベルで面白かったです。恋愛にキュンとするより笑わせにきてるコメディ要素ガンガンでした。 が、しかし。男性が女心を理解するには少女漫画を読めっていう試みをたまに聞くのですが、その場合にはだいぶ役立つと思います。
漫画TIMESってオヤジ漫画誌なのに、こんなキュートな絵柄の作品も連載しているからあなどれません。またテーマがラーメンや寿司じゃなくてチーズですよ。こんなオシャレ感全開でいいの?と思いましたが、なかなかの人情話になっていて、オヤジにもしっかり読ませてくれる王道漫画に仕上がっていました。主人公はフランス生まれの日本人・レミ。20歳でチーズ鑑評騎士(シュバリエ)の称号を受け、意を決して日本へ。その理由とは、日本でチーズの素晴らしさを広めるため、そしてまだ見ぬ祖父母を探すため…。その過程でさまざまな人との出会いがあり、そこにチーズが絡んでくる。うんちく漫画にはありがちな展開かもしれません。ですが、身近でありながら、日本人に知られていないことの多いチーズという素材を、うまく人生に結びつける構成はなかなかなもの。チーズの種類や歴史の説明もさっぱりしていて嫌味もなし。知識もつきますから、BARでのネタにしているオヤジもいるかもしれませんね。
「武士道は死に狂いなり」は“武士道”の代名詞ともいえる「葉隠」に書かれた言葉です。『シグルイ』という作品のタイトルは、もちろん、ここからとられたものです。ストーリーは御前試合で盲目の剣士・伊良子清玄と隻腕の剣士・藤木源之助が対峙するところから始まり、そこから彼らの因縁に遡っていきます。もともろ『シグルイ』は、直木賞作家・南條範夫の『駿河城御前試合』という連作短編集の一編「無明逆流れ」をコミカライズした作品。残酷もののブームを作ったといわれる南條範夫の原作も凄惨ですが『シグルイ』も相当に凄惨です。そこら中で内臓の花が咲きます。「封建社会の完成形は 少数のサディストと多数のマゾヒストによって構成されるのだ」このセリフに表されている通り、登場人物達の多くは、自分の能力の如何に関わらず身分という枠の中でしか動くことができません。枠の中でしか動けない人々は、自身の行動を合理化していく過程でマゾヒストになっていくのです。その結果、主君の常軌を逸した命令でさえ、家臣は顔色一つ変えず、平静な心のままに実行していくのです。主人公の一人・藤木源之助もそのタイプで、自分の範疇から一歩もでることなく、許された唯一つの事――剣術を鬼気迫る勢いで極めていきます。逆に伊良子清玄は、類まれな才能を使って、どこまでも上に向かおうという野心がある、封建社会のはぐれ者です。この二人は互いに互いを殺そうと思っています。ただその殺意がどのようなものであるのか、言葉で言い表すことのできない複雑な感情を『シグルイ』では15巻にわたって描かれていきます。 『覚悟のススメ』や『悟空道』など、山口貴由さんのそれまでの作品はド迫力の絵とその上に大きな文字がバンバンと置かれるという描写が多かったと思います。『シグルイ』でも、初めはそのような目立たせる演出が多いのですが、段々とそのような描写はなくなり、セリフ自体も減っていきます。その結果、より研ぎ澄まされた言葉と静謐な描写は、人々の内面にこもった狂気をこれでもかと醸し出し、作品全体に不穏な空気を漂わせていきます。私が特に好きなシーンは、3巻の終わり「この日 生まれ出でた 怪物は二匹」「いや 三……」というところ。文字だけでみればなんてことはないセリフですが、ここにいたる構成が素晴らしすぎるのです。研ぎ澄まされたこの2つのセリフが、この後どのような意味を持つのか…。続きは是非よんでみてください。
『過狩り狩り』が鬼滅の前身かと思ってたけど、それより後に更に鬼滅寄りにしたやつが『鬼殺の流』。 ここまで描けてたら連載なんて余裕では?と思うくらい面白いので、ジャンプ編集部って本当にシビア。鬼滅が一作目なのに何でこんなによくできてるのか不思議だったけど、ここに来るまでに相当な苦労(2年くらい)があったみたい。 結果的に世界観の深みも広がりも出たので良かったなぁと思いつつ、漫画家を辞める可能性もあったことを考えるとぞっとする。
大橋薫の双子の妹・楠桂。姉とは違い「サンデー」系での活躍が印象深く、その中でも代表作といえばこの作品。鬼の屍から生まれた純血の鬼が鬼を斬れば人間になれると信じ、唯一鬼を斬ることのできる刀・鬼切丸を手に人の世にはびこる鬼を斬るまくる、ハードな伝奇アクションです。描かれた当時は小説でも漫画でも伝奇作品が流行っていたころで、骨太な作品が多い中、女性漫画家の少年誌連載作品ということで気に入って読んでいたと記憶しています。鬼に憑かれた人間の救いのない結末、人間になるため鬼が同族の鬼を斬る終わらない矛盾。これらをうまく使って哀しい人間ドラマを作る、女性ならではの目線が当時印象的でした。『八神くんの家庭の事情』をはじめ、コメディーも得意とする著者ですが、私としては伝奇的な作品のほうが好み。漫画家としての本質も絶対こっち側にある、という想いもこめてこの作品を推したいです。
これはかなり新感覚のラブコメ……!さすが「楽園」、意欲的だ。 コミックスの前後半でテイストが変わります。 前半は、真面目系委員長キャラのメガネ男女がピュアすぎる交際をします。可愛いやら初々しいやら恥ずかしいやら、もうさっさと爆発するか結婚するかしてくれって感じです。 後半は同じクラスで描かれる群像劇風で、男子高校生の日常ならぬ共学高校生の日常って感じ。そう簡単にラブには発展しない、十代男女のバカバカしい日常が展開されながらも、ピュアラブがすぐ隣り合わせにある生活。なんというか斬新です。コントラストがすごい。
漫画Timesに載ってそうな絵柄で、漫画Timesに載ってそうなウンチク話ですね。スパークリングワインだけに絞られたテーマはなかなかにニッチ。 同じグランドジャンプで連載のウンチク漫画「王様の仕立て屋」や、ワインを題材とした金字塔「神の雫」などと比べるのは流石に酷かもしれませんが、ややストーリーの粗が目立ちます。ただ、女の子に夢見がちなおじさんが書いた漫画って感じで女の子が可愛いです。ジェンダー観にうるさい人は嫌な顔をするかもしれませんが、私はこういうのこそフィクションの醍醐味だと思うので支持します
SAOよろしくVR空間に閉じ込められ、デスゲームをさせられる漫画です。タイトルと表紙のB級感が凄いものの、外薗昌也の名前と、このテの作品に珍しく1巻でちゃんと完結しているので手に取りました。 うーん、雑w モンスターが視覚ではなく音を追って攻撃してくるという設定も雑ならモブの死に様も雑。何よりあまりになげやりなラストにちょっと深くにもフフッとさせられました。 「一見サイコなようでただの考えなしのバカ」という主人公のキャラクターや清楚ビッチなヒロインは個性的でいいと思います。絵も掃いて捨てるほどあるしょうもないデスゲーム漫画の中ではかなりいい方。 総合的に、まぁ悪くないC級ホラー漫画でした
これを超える妖怪・怪奇漫画はなかなか無いと思う。まずとにかく第1話「精進おとしの客」が最高すぎる。 「小説を書くために妖魔と取引していた」と言われた主人公の祖父は、自分の死後にすべき事を言い残して死ぬ。精進落としの日、幼い主人公は魔除けの赤い着物を着せられ、客間には7つの膳が用意された。すると家に8人の妖怪が現れて…というあらすじ。 http://sonorama.asahi.com/comic/post.html 強い力を持っていた祖父。 身を守るための迷信。 妖怪との約束…。 妖怪話に求めるロマンがここぞとばかりに詰まっただけでなく、衝撃の事実が明らかになったり、主人公がうまく立ち回ったりカタルシスも大きい。 「この物語はこういう話ですよ」と簡潔に自己紹介するかのような見事な導入で、ガンガン読み進めて気づいたら全巻買っていた。 作中には様々な霊や妖怪が登場するけれど、そのどれもが「本当に郷土史に残ってそう」と思わせる説得力があるのがたまらない。 間違いなく少女漫画の名作なので、まだの人は死ぬ前に読んでみてください…! ▽『百鬼夜行抄』今市子 第1話(このページだけでもう好き)
シャワーが無い事を除きヘルスと変わらない濃厚サービスを売りにするピンサロ。 当たり嬢、良嬢と肌を合わせる時を過ごし気持ちよく風俗としては破格の激安でもヌケるポテンシャルを秘めている。 週1でピンサロにかようピンサロ好き野郎どもが匿名でピンサロスナイパーの感想を語りあおう !
分類をするなら探偵物とかミステリーになるか? 特殊能力を有する主人公のディテクティブ・ストーリー と言うべきか? だがそれだけにとどまらず、少々SF的な設定だが、 SFとしてもミステリーとしても ホラーだとかサスペンスだとかとしても 命とか人生を問う作品としても、とても良作だと思う。 主人公が有する特殊能力は「ほぼ不老不死」 息長(オキナガ)という殆ど不老不死の人間が、 1000人に1人くらいの割合で存在し、 世間もタテマエ的には認知し行政も仕組みを整えており、 一般人とオキナガがちゃんと共棲している、 とされている現代日本が舞台。 しかし現実にはマイノリティな存在のオキナガは 色々と差別・迫害を受けている。 厚労省の新人・伏木(身長180cm近い女性)は 行政側の人間としてオキナガと関わることになる。 オキナガにはほぼ不老不死と言うこと以外にも特徴があって ・オキナガとして「成り上がった」時点で容姿その他? の成長が止まる ・日光を長時間浴びると死に至る ・食欲や性欲レベルで喫血嗜好が沸くこともある その他にも色々と特殊な面があるオキナガだが、 伏木が担当したオキナガ・雪村カイはさらに特殊だった。 見た目は18歳前後の少年。実年齢は88歳の雪村。 彼は、12年ごと70年以上に渡って羊年の年末に 繰り返されている連続殺人事件「羊殺し」の 真犯人を執拗に探していた。 伏木は巻き込まれる形で雪村と行動を共にすることになり、 「羊殺し」に関わっていくことに。 模倣犯罪やタテマエや現実や、行政の施策と効果のギャップ、 そして不老不死の人間達がそれゆえに直面し、 抱えこみ、蓄積していかざるを得ない社会的現実。 雪村と行動を共にすることでそれらを実体験しながら、 羊殺しの真相とともに思いもよらなかった世界を 伏木は知ることになる。
私が定期的にこの作品を読み始めてもう10年以上経ちますが、この手のオカルトっぽい作品が長く続くというのは、ほんとに珍しいのではないでしょうか。それは、恐怖報告という副題がついているにもかかわらず、怖がらせることに重点を置いていないからなのではと思います。著者である山本まゆりと友人で霊能力者の寺尾玲子が出会った奇妙な現象や、玲子の元に寄せられる心霊相談を受けての話を漫画化した構成。山本まゆりは他雑誌で霊能力者もののオリジナルを執筆していますが、本作では実録ということもあり、エンタメ要素を極力排除して怪異の核心を突くように描いています。で、読後に感じるのは、世の中不思議なことがあるもんだな、ということと、こういうことをするとこんな良くないことが起こるんだ、ということ。怪談落語や昔話にも通じる訓話めいた味わいがいいのですね。もちろん、魔を祓うという部分でのカタルシスもたっぷり。ひょっとしたら漫画にできないような失敗も…、なんて思わせない玲子のスーパーウーマンぷりがカッコいいです。
よく、犬に追いかけられます。犬は僕をみると何故か興奮し、どこまでも追いかけてくるのです(マルチーズに追われたこともある)。集団でいても僕を狙い撃ちするので、おそらく弱いものが直感的にわかるのでしょう。しかし、犬はどんな基準で僕を“弱い”と判断しているのでしょうか。たしかに一対一なら全く歯が立ちませんが、助けを呼んだり、道具をつかえば互角になれないこともない。要は創意工夫が大事なのです。 『ベイビーステップ』の主人公・丸尾栄一郎は、自分と相手の特性を把握し、着実な一歩を重ねることで勝つという、新しい形のヒーローです。 丸尾栄一郎は、小学校から成績はオールA。周囲の人間からはエーちゃんと呼ばれています。クソ真面目で完璧主義で学業優秀ですが、それは性分であって、まだ将来の目標を見つけられていませんでした。そんな、こなすだけの日々を変えたのがテニス(+ヒロイン・鷹崎ナツ。すげー可愛い)との出会い。テニスの面白さに夢中になった栄一郎は、数々のライバルを打ち破り、やがてプロの道を選ぼうと考えていきます……。スポーツ漫画の王道とも言える展開ですが、ほかのスポーツ漫画にはない特徴があります。 一つはとにかく理詰めで進められる漫画だということ。スポーツ漫画ですから、努力を重ねたりもしますが、その努力は常に理屈を必要とします。なんのためかもわからない、ムダな山ごもりはしません。 もう一つは、栄一郎の武器が、恵まれた身体でも特化した技術でもないことです。遅くにテニスを始めた栄一郎は、技術も体力もライバルたちに比べて劣っています。「派手な武器はひとつもないが 穴という穴もない」そんな特色のない地味な栄一郎と、華やかなライバルのギャップを埋めるのは、観察し、考え、挑戦する、という力です。 ゲームの結果を常にノートに書き込み、どのような流れになっているか、相手が好む傾向はなにかを確認します。そして、勝つために自分に足りないものは何か、それを覆すために挑戦すべきことは何かを考えるのです。今の段階で勝機が見つからないなら、状況を変えるための挑戦をする。的確な観察、考察、挑戦の繰り返しが、効率よくエーちゃんを成長させていくのです。 こんな地味にスゴイ主人公のエーちゃんと、スポーツ漫画の主人公タイプの井手義明との対決(15~16巻)は非常に盛り上がります。井手は、エーちゃんとの対戦に遅刻しますが、その理由も交通事故にあった少年を助けたものという。その少年と勝利の約束もしているという、スポーツ漫画の黄金パターンです。勢いのある井手に対して、自分のペースを守ろうとするエーちゃんですが、徐々に試合場全体が井手応援の空気になっていきます。そんな逆境のなか、エーちゃんは空気に呑まれないメンタルの作り方を考えはじめるのですが…。スポーツにおけるメンタルについての非常に重視しているのも、この漫画の特長だと思います。 自分の目標を見据え、自分と相手の能力を確かめ、今できる最善策を選び続ける――。大事なのは“意志”であるということが描かれる『ベイビーステップ』は、普段、何に悩んでいるかもわからないで鬱屈としている時に、きっと新しい道を指し示してくれるはずです。
中学のころから喘息持ちで学校も休みがちだったタケと、昔から彼の世話をよくしていた幼馴染の梅子。その2人がおんなじ人を好きになってしまった、という少し変則的な三角関係の物語。 あらすじからも分かる通り、片方が男の子どうしという三角関係。でもこの作品は作品全体の視点が引き気味に設定されてて、恋愛模様も描きつつそれを高校生活の青春の1ページのようなタッチで描いている。なので3人以外の登場人物にもスポットが当たるし、1巻を通して読むとむしろ群像劇のような印象すら受ける。 ストレートな恋愛関係の中に同性間の恋愛を交えると、エンディングがどういう形であれその過程でどうしても同性間の恋愛を"歪なもの"として描きがちなんだけど、この作品は群像劇的な描き方も相まってその"歪さ"を全く感じさせない、とても爽やかな読後感を与える作品になっている。この爽やかな雰囲気を保ったまま、三角関係がどう展開していくのかが凄く楽しみ。 1巻まで読了。
超〜楽しみにしていて、日付変わって速攻で読んだ読切。あれ、ページが捲れない…と思ったら右開きでした。ジャンプなのに…!!(新鮮) 「うわ、トニー・スタークとピーター・パーカーが喋ってる…!超アメコミじゃん!」と思っていると描き文字が現れて、「ドン」の「ン」がいつもの和希先生で、「ああ、本当にコラボしてるんだなあ…!」と感動しました。 ただその感動が冷めやらぬうちに、「海王」やら「カード」が出てきたので吹きました。やっぱそうこなくちゃ…!!! 次回の公開が11月27日と結構先なのがつらい…。まさかこの執筆(公開)ペースの遅さもアメコミの流儀に則っているのか…?🤔後編が楽しみです。 『SECRET REVERSE(前編)』高橋和希 https://shonenjumpplus.com/episode/10834108156683040348