高校入学初日に出会った、明るく能天気なみかんとクールで真面目なあかね子。好奇心旺盛なみかんに連れられて2人が訪れたのは、未体験の出来事が体験できるという"初体験館"。 と、こんな感じでみかんとあかね子のコンビが「ありえないけどあったら面白そう」な不思議な物事や人々に出会いまくる作品。SFを"すこしふしぎ"と藤子・F・不二雄先生が解したのは有名な話ですが、少しどころではない"すごくふしぎ"な日常を描いたのがこの作品。 残念ながら2巻は2019年現在で電子書籍のみの発売ですが、その分2巻は200ページ超えの一大スペクタクルで完結まで一気に駆け抜けていきます。1つ1つは何気ない、でも全体を見ると壮大な、きっとマンガでしか体験できない女子高生の日常がここにはあります。 全2巻読了
(施川ユウキ先生のタイトルをモジッてみた) この作品、雰囲気でビッグコミック連載の漫画と勘違いしてましたが、2000年代前半のスーパージャンプで連載してた作品だった。主人公が風俗嬢という設定が引っかかってましたが、掲載誌の影響もあったのかも。 「ゆきのいろ」は、絵の下手な主人公・青木ゆきが、とある画家と出会い、本格的にプロの画家として成長していくストーリーでなんとなく朝ドラのような雰囲気を感じるマンガ。画家といっても、都会的でモダンな画家の世界とは程遠い、とても純朴な感覚と、人と自然の中にある美しさを大事にするタイプの絵描きの物語。漫画の絵と、画家の絵をいかにして融合させるか、非常に難しい部分に果敢に挑まれている作品。
2003年発行が意外に感じるくらい、違和感無く読めます。 女と男、母と娘、女友達…いつだって変わらない悩みがあり楽しみがありますよね。 キャッキャしたりドロドロしたり、私は女同士ってものが好きなのですが、第4話の中学生の頃の回想シーンが特に好きです。精神的に大人になってきたこの頃、友達とのませたおしゃべりが一番楽しかったのを思い出します。
めっちゃくちゃおもろいで
青春の瑞々しさ・ほろ苦さ・爽やかさにくわえて、若者の持つエネルギーの熱さ…。 ジュブナイルストーリーの魅力がたっぷり詰まったマンガです。 佐原ミズ作品は本作が初めてだったのですが、圧倒されてしまいました。 主人公・鉄宇(きみたか)とヒロイン・宝(たから)はバスケとフラメンコ、それぞれの夢に敗れてしまいます。偶然出会った彼らは、自分には似合わなくなったバスケシューズとフラメンコシューズ…お互いの「赤い靴」を交換します。 高校生になり、宝が新たにバスケを始めたことを知った鉄宇は、自身もまた彼女から受け取った赤い靴を履き、フラメンコ教室のドアを叩くことに…。 本作の多くの登場人物は過去に引きずられ、未来におびえています。 鉄宇と宝は靴と一緒に、互いの夢を交換することで、未来に向かって進んでいけるようになりました。 鉄宇が赤い靴を履いたことで「アイツががんばってるんだから、自分もがんばろう」と周囲のキャラクターも、みな少しずつ変わっていくのです。 一度くじけても、誰かと一緒なら新しい夢を追っていける…その姿に勇気づけられます。 6巻と短いストーリーではありますが、彼らの未来に思いを馳せながら読了した時の充実感、味わってみてほしいです。 末筆ではございますが、妹の銘椀(なまり)ちゃんが終始かわいいことを付け加えさせていただきます。 ホント健気でいい子でね…。
※ネタバレを含むクチコミです。
不敵な【殺人探偵】綾辻行人と、彼を危険人物として監視する内務省のエリート捜査官・辻村深月のスタイリッシュで凸凹なコンビによるサスペンス。 個人的な感想になりますが、辻村深月がバチクソ好みです。パンツスーツ姿の似合う理知的な女性が銃を持って大立ち回り。カッコいい!でも稀代の奇人・綾辻に手玉に取られてぐぬぬなところが可愛い! そして探偵がミステリアスなイケメンなら、悪の黒幕・京極夏彦もまたシュッとしたジジイでこれまたかっこいい。冒頭の滝壺のシーンからも、ホームズとモリアーティ教授をオマージュしていることは明らかです。綾辻も作中でパイプをふかしてますがコカインだったり……いや相棒が捜査官ならそれはないか。 ちなみに京極は和服に指ぬきグローブというあのお馴染みの出で立ちでしたw
オンナの関係って母親、姉妹、女友達。 色んな形があるけれど、全て現実にありそうだし、リアルだからこそ共感するところもたくさんあってとても面白かった。最終巻まであっとゆう間だった。 個人的には姉(あり香)の選択と生き方は不器用だけれどカッコいいと思った。
両親がなくなり、残された幼い娘とおじいちゃんだけで暮らす・・・その生活を想像しただけで、私、秒で泣けます。 なんか読んでて、切ないんですよ。 もう先が長くないとわかっている老人が必死に子育てする姿とか。 幼い子どもが、両親が亡くなってシンドイながらも気丈に振る舞う姿とか。 一生懸命、ご飯食べている姿とか。 全て胸にくる。 作品自体、別に泣かせにきているわけでもないんです。 地域住民など二人に関わる人、全員が優しくて支援してくれて、ほっこりハートフルな世界に包まれているのです。 読んでて優しい気持ちになれます。 だけど、私は、どこか漂う二人の哀愁にページをめくるたびに涙腺が緩みっぱなしなんです。 えもいわれぬ不安感ーきっとこんな生活も長く続かないんだろうという考えが暗い影をおとして、病気とかひどい目にあうわけでもないのに、ただ物悲しいのです。 おじいちゃん子だった、自分の原体験に基づくのでしょうね。 最後も大方の予想通りなのですが、不思議とこれまでの悲しさはなく、充足感を得られるハッピーエンドだと思います。(詳しくは書きませんが…。) 家族を思うこと、優しく生きること、周囲との温かい絆をもつこと、思いやりに満ちた1冊です。
大柄でコワモテな男子高校生、静河大吾。初めて会う人には怖がられるけど、実はとっても心優しいというギャップの持ち主。今作はそんな静河くんの日常の物語。 …そして、彼を全方位から見守り愛でる、同級生の葉崎祐介と静河くんの義理の妹・はずみの物語。 もちろん静河くん自身が周囲の人々と繋がっていくんだけど、それ以上に"静河くんを愛でる"という共通の目的のために同盟関係に入っていく祐介とはずみ、その関係性が面白い。そしてどんどん出会う人々を巻き込んでその同盟の輪が大きくなっていきそうな予感。なんだろうかこの幸せな空間は。 1巻まで読了
消しゴム忘れた! ↓ 片思いしてる橋下さんが貸してくれたヤッター ↓ ケースから出した消しゴムには"イダくん♡"(前の席の男子)の文字…orz ↓ その消しゴムをまさかの井田くんに見られ、自分の物だと勘違いされて… というピタゴラ展開でなんとも残念な三角関係に巻き込まれることになった主人公の青木くん。橋下さんからは頼られて嬉しい反面、彼女を応援することはつまり自分が報われない展開に進むということで。一方の井田くんはなぜか勘違いしたままバカ真面目にこちらの恋心に向き合おうとしてくるし。そんな板挟みな青木くんのちょっぴりおバカ、でも真っ直ぐに純情なラブコメ。 基本的には自分の恋心に素直、でも要所で自分の利を投げ売った優しさを見せる青木くん。それにちょっと引っ込み思案だけど純粋な橋下さんと曲がったことができない井田くん。実は好きのベクトルが全然ぶつかってない、でも3人ともが幸せになる未来が見えない三角関係。ストレートな恋愛模様もあり、ちょっとBLっぽい雰囲気もあり、いろんな要素が詰まってて、こんな少女マンガが読みたかった!と思える作品。 1巻まで読了
実力派百合作家達が、お題に沿った1ページの百合漫画を描いていく「百合ドリル」シリーズ。同じお題に対して、各人様々な成分を配合してギュッと凝縮した、十人十色の百合表現。甘酸っぱかったり、ちょっと辛かったり、ひたすら甘ったるかったり……それぞれ魅惑的な味の飴玉のような掌編が、無印・応用編・難問編合計で235編。 あまりに濃厚なので、ページ数の割に読み進めるのに時間がかかる。ゆっくり読むもよし、時々引っ張り出してちょっと読むもよし。百合成分が不足してるな……という時に、すぐに補充できる、やっぱり飴玉アソートパックのような、おいしい作品集。 【無印】 基本的な百合のジャンルに沿ったお題。基本と言いつつ、すでに超濃厚。これだけでもしばらくは楽しめるが、そのうちもっと欲しくなる(何かやばいものを勧めているような気がしてきた……)計117編。 (内容)学生百合/同棲百合/姉妹百合/年の差百合/社会人百合/ファンタジー百合/幼なじみ百合/先輩×後輩百/最高に興奮する百合 【応用編】 1ページの漫画を元に、発想を広げた数ページ〜20ページ程度の漫画が描かれる。発想の広げ方が様々で面白いし、百合成分が広がっていく様は、濃厚なアロマオイルを部屋にミストで充満させているようで、豊かな気分になれる。計16編。 (内容)学生百合/同棲百合/姉妹百合/年の差百合/社会人百合/ファンタジー百合/幼なじみ百合/先輩×後輩百合/最高に興奮する百合 【難問編】 お題が難解になるも、テンションは全く変わらず、1ページに繰り出される百合は尊い。ただ、感情がより複雑になって、中毒性は強いかも(だからやばいものとかではなくて……)計102編。 (内容)学生百合/大人の百合/キスのある百合/吸血鬼百合/いけないとわかっているけど…な百合/本当にあった百合/バトル百合/となりのお姉さんとなにかする百合/ベッドにおける(※敷き布団も可)百合/未来の百合/後世に残したい尊き百合
ばあさんの気を引くために、ボケたフリをするおちゃめなじいさん。そんなじいさんにばあさんは若い娘のように顔を赤らめる…。2018年の「いい夫婦の日」にTwitterに投稿されたこのエピソードは、3.9万リツイート(2019年12月2日現在)を達成。待望の単行本化となりました。 https://twitter.com/s_ooe/status/1065486586920325122?s=20 https://manba.co.jp/topics/17396 過去に同人版が出版されたときに感想をかきましたが、今回特に書くことないんですよね…本編を読めば面白さが一発でわかるので。 気になっている人はまず大江慎一郎先生のTwitterをチェックして見て下さい!
政治家の表の顔と裏の気持ちが凄く分かりやすく描かれていて面白い! 初当選の一年生の仕事から国会ってこんなところなの?って教えてくれる。 生まれも育ちも違う三人が今後どう絡んでいくかも楽しみの一つ。 また、政治家の先生の名前も笑える。
クールだけど、とても温かなゆうか先生。患者と真剣に向き合う姿が最高。ゆうか先生を取り巻く人々との笑える場面もあり、ハマる作品。年齢問わず読める最高の内容です。
ウシジマくんの前に描かれたブラックユーモアが多めの短編集です。良作が多く、作者の感性を読者に媚びずに描ききっているので、強いメッセージが原寸大で伝わってきます。
主人公殺陣陣六(たてじんろく)は無頼屋と呼ばれる殴り屋稼業 、依頼を引き受けて様々な相手を殴る、無頼屋と呼ばれる殴り屋をやっている。様々な依頼を受け殴って解決するが、そんなに単純ではなく妙な爽やかさを持つマンガ 殺陣陣六は決して頭がいい主人公とは言えない。依頼人には騙される。勘違いして依頼を受けるや、どう考えても割に合わない依頼を受けて全く儲けがないなども多々あるが良いやつなんだなというのは溢れ出ている。 殺陣陣六の周りにサッコをはじめとしてキャラクターのいい感じで一気に読んでしまった。 令和の時代に読むと感慨深いものがあるし、最終回に関しては世間的にはなしかもしれないが俺はありだと思ってるよ
マンガをほとんど読まない母が、この作品だけは30巻ほど揃えていたので、子どもの頃に一番身近にあったマンガです。もっとキラキラしたマンガが読みたいなぁと思いながらも、しだいに主人公・チッチとサリーの素敵な関係にハマっていきました。「ちい恋」の愛称で、国民的人気のあるマンガだと知ったのは大人になってからで、この小さなお話が半世紀以上続いたことに尊敬の念しかありません。好きな人を思ってあれこれ悩む楽しさ、ちょっとしたことで一日を幸せにできることを教えてくれました。チッチよ永遠なれ!
話題なので読んでみましたが、こんなシリアスな感じだと思っていなくてどんどん引き込まれました。 アニメも人気なので観てみたいと思います。
めっっちゃ面白いんだけどなにこれ この下剋上っつーか、弱い奴がただ努力して強くなっていくタイプの話が本当に好きなんだけど、こんなワクワクしたのはホーリーランド以来ですっっl最高!!続き読もうとする前に読んでるもんね引き込みがすごいんだ
タイトルは知ってたけど、こんなにグッと掴まれるような話だったんですね。読後に見ると表紙の可愛らしさが際立ってつらい… こういう絆系の話は犬ならではのあるあるだけど、こんな悲しいラストは見たことがない。シンプルな分、おとうさんとハッピーの関係の濃さが見えてしまって悲しいんですよねぇ(泣)
ドラマ化に乗じて作られた特別編。ほうぼうのレビューを見てると賛否両論あるようだ。細かいこと言い出すとキリがない設定だらけなんで文句の一つも言いたくなるけど、どんな形であれ新作が出たことは歓迎したい(と思いたい) 往年のファンは「今日から俺は!!」の世界を引きずりすぎないで、サガワ視点のみに絞って読むべし。ヒーローが現実世界に飛び出してくるような話がありますよね?アレです。ちょいとFGOみたいに三橋と伊藤を召喚して、ワルモノを懲らしめました!っていうノリで読むのがおすすめ。
優しいタッチの絵やギャグ漫画のような猫ちゃんだと思っていたら、心にグサグサ響いてしまって毎回号泣です。。。
ちはやふるの作者、末次由紀の前作。 短編がうまい…! 天才って最初っから天才の片鱗が見え隠れするんだなぁ、と。 芝居がうまいのもそうですが、主人公を中心に置いて人と関わりあうことで本人の心情が上向きになるその過程がうまいと思うんですよね。 押し付けがましくもなく、読み手として見ていて恥ずかしくなったりもしない。 同じくショコラティエ漫画に西洋骨董洋菓子店も失恋ショコラティエもありますが、テーマ同じで別の作者に描かせるとその人の得意な部分、もとい、味が出ますよね…。
第二次大戦末期の日本では、複数の特攻兵器が開発されました。人間ミサイル「桜花」や人間魚雷の「回天」などですが、いずれも命を犠牲にして敵艦に体当たりすることを目的に作られた悲しい兵器です。『特攻の島』は、回天とその搭乗員を描いた作品ですが、回天という兵器は操縦することが非常に難しい有人魚雷だったようで、搭乗員の若者たちは訓練段階から死と隣り合わせの状況に苦悩します。兵士だけでなく、回天を開発した人物も登場し、史実を織り交ぜながら物語の極限状態に向かっていきますが、もし少しでも前に敗戦の日が分かっていれば、と思わずにはいられませんでした。
何度でも読みたくなる! 何度読んでもほろりとする! 大切な2冊です。
「鬼」ってテーマが日本的で、素敵。しかも女の子が鬼っていうのが、ラムちゃんみたいなイメージもあってナイス。少年マンガでありそうでなかった設定が嬉しい。 まだ2巻までしか読んでないけどこれは続きが気になりますね。作者の絵も伸びしろがありそうだしどんな風に進むのか楽しみ。
卓球の戦いなのに勢いがあった!もっと長い話だったらよかったと思う。 あと博多弁もいい!
サッカーに詳しくなくても、試合の臨場感や練習、選ばれるための努力などスポーツをする楽しさや苦しさが感じ取れる作品。めっっちゃおもろい。あとイケメンが多くてみんな推しになってしまいます。スポーツ少年はいいなあ。
絵に惹かれて読んだが、内容はよくある声優憧れストーリーかとおもいつつ意外と小ネタや山あり谷ありで人生の選択を細やかに書いている。成功だけじゃないんだな〜
ドラえもんを知る前にこれを読んでたら短絡的なのびたが嫌いになりそうな作品。 アニメでも原作でも甘ったれてるなあと思うことは多々あるけどドジなのに自分の利益のためにドラえもんを利用している感じがありありとでていてちょっと笑ってしまいました。
本誌の連載がついに最終章にとのことで一気読み。時がワープしてるとか気づかなかった! バレーという絶対に勝ち負けがある世界で、足掻く青春っぷりにときめきました。
漫画というのは二次元+一次元(コマの挿入による時間の推移)で出来ています。しかし、私たちの日常生活は四次元として展開されていますから、漫画もそれに即していかなければ、リアリティのある物語を描くことができません。そこで漫画の本来の領分であるところの二次元に補助として光学を採用する、すなわちデッサンです。これにより漫画は、平面上にかりそめながら立体を再現することが出来たということになります。 はい、何を当たり前のことを言っているんだろう、という感じですが、諸星大二郎に限っては、この当たり前が当たり前ではなくなってしまう。何しろ、タクシーのなかでさえデッサンが寸分も狂わなかったと言われる手塚治虫、大友克洋が出てきたとき「あんな絵は僕にも描けるんです」と豪語した手塚治虫が「諸星くんの絵だけは真似できない」と言っているのですから。 つまり、諸星大二郎は他の漫画家のように二次元+光学の補助という絵の描き方をしていないんですね。『栞と紙魚子シリーズ』はそれがもっとも顕著なんですけども、彼女たちの暮らす胃の頭町(いのあたまちょう)はなんかよくわからないけど異界に通じているらしい。その異界の異界ぶりをもっともよく表しているのがクトル―ちゃんのお母さんですよね。あの顔の目茶苦茶でかいお母さん、あれはどう考えてもデッサンでは描けない。あの顔で、いったいどうやって段先生のボロ屋に収まっているのやら。もしあれをデッサンで描こうものなら、それこそ二次元でも三次元でもない空間の捻じ曲がった異界が爆誕してしまう。というか、この爆誕してしまった異界こそが諸星大二郎の絵なんです。 とくに栞と紙魚子が姿のみえない首輪だけのペットを散歩させる回は秀逸でした。ペットに引っ張られて段々と異界に迷い込んでゆくわけですけど、その行く先のエステサロンにクトル―ちゃんのお母さんがいる。お母さんは「あら~、こんなところでお目にかかるなんて珍しいですわね」とか何とか言って、エステのマシーンから引き伸ばされたうどんみたいな姿で出てくるんです。もう、何がなんだかわからないでしょう。でも、これを大真面目に描いてしまうのが諸星大二郎なんです。
ビレッジバンガードというジャズ喫茶がありました。時代は学生運動の隆盛極まる1960年代の終盤。ここに学生運動にはどうも熱心にはなれない青年が集います。小説家を目指す中上健次、映画監督を夢見る北野武、そして連続射殺魔の永山則夫。さらに学生運動の側から永田洋子が合流。 社会の爪弾き者同士、ふしぎと意気投合する北野と永山。いつも言い訳ばかりでなかなか映画を撮ろうとしない北野が永山に出演依頼をかけ、脚本に着手し始めます。そして紆余屈折ありながら出来上がった脚本は、三億円を乗せた現金輸送車を襲う内容でした。 さあ、どこまでが真実で、どこからがフィクションなのか。 三億円事件は1975年に時効成立。 永田洋子については山本直樹の『レッド』を参照されるべし。 中上健次は1990年に獄中小説家としての永山則夫を擁護。 永山則夫は1997年8月に死刑執行。 北野武は1997年9月に自身が警察官に扮して銀行強盗をする映画『HANA-BI』でヴェネチア国際映画祭のグランプリを獲得。
11月30日は(オートフォーカス、以下AF)カメラの日。AF機構のカメラが登場した日です。 写真やカメラの漫画は多くありますが、こと最新のAFデジタルカメラとなると、扱う作品は意外と少なくなります。 ここからは『ルミナス=ブルー』に登場するカメラについて、推測してみたいと思います。 (物語の内容に関しては、sogor25さんのレビューをご覧下さい) 主人公の光(コウ)のカメラは、クラシカルな外見から、SONYのEマウントかと思われます(ミラーレスで軽いので、女性におすすめ)。レンズが短いので、恐らく単焦点の標準50mmf1.8。初心者は50mmの画角を覚えるべし、と言われる入門レンズ。機動性がいいので、光のようなスナップ派は、これをつけっぱなしで街に出るのが楽しいと思います。 また、単焦点レンズはズームレンズよりレンズの構成が単純で、画質が良いと言われます。シャープネス、ボケの表現は単焦点に分があり、光の写真のきらめき感は説得力があります。 一方、葉山先輩は、1巻の終わりで長くて白いレンズを使って、光と寧々を隠し撮りしています。あのレンズはキヤノンの望遠レンズ、通称白レンズと思われます。高価です。光が見て「すごいレンズ…」って言ってますね。 街撮りでは意外と望遠レンズが重宝します。かっこいい建造物、向こうに見える植栽の花など、広角や標準だと対象に寄りきれないのですが、望遠だと好きなように遠景を切り取ることができます。 被写体と近しい距離感で撮影する光。一方、被写体に無断で、ありのままの感情を撮ろうとする葉山先輩(寧々も勝手に撮られて怒ってましたね)。二人のスタンスの違いは、機材にしっかり現れていると思います。 ここまで、分かる範囲で『ルミナス=ブルー』に出てくるカメラのお話をしました。もし間違っているとか、こっちじゃないの?とか、その他カメラの話をしてくださる方いらっしゃれば、どうぞコメントください! ちなみに私はニコン派です。
スキウサギ、可愛すぎる。 自分本位で動くしイラッとさせる言葉を言うから腹立たしいんだけれど、たまに可愛いこと言うから離れられない。 4コマだから読みやすいし、読めば読むほどハマっていく! キューライス先生とスキウサギの関係は親と子供のような、、彼氏と彼女のような。。? 癒されたい時、のんびりしたい時におすすめしたい。
恋人も友達も作らず、ひとり平穏に暮らしてきた主人公・富岡(32才) ある日、自分の今までの人生を振り返り、まわりに誰もいないことに気付く富岡。人生においてオレは遭難している!と感じるところから物語が動き出す。 パンツ一丁になった富岡は流れ星に祈る。 「友達をください…友達」と。そして、人との繋がりを求め、いろんな人物と濃い関係性を持ち始める。どうしようもない奴と知り合ったばかりに大損をすることもあれば、隣に住む小説家志望の美女と接近することになったり。また、仕事仲間のためにとんでもないことに巻き込まれ、恐ろしいサスペンス展開を思わせる事件に遭遇してゆく…。 なかなか暗い作品ながら、これが古谷実という漫画家の巧さなのか、一度読めばグイグイと引きつけられてしまう。 当たり前のことだが、自ら行動しなければ人とのつながりは生まれないのだ。 そうして生まれた不思議な縁には、理屈では説明できないなにかがある、と思わせてる。
「シネマ」という響きが好きで、無料だったので読みました。 なんか…思ってたよりキュンとするラブストーリーで、すごく良かったですねぇ…。これは絶対に完結まで買って読んじゃうやつ…。 女子大生と中年男性っていう年の差も、あんまりなさそうでいて世の中的には溢れてるカップルだと思うんですよね。あと「店長」っていう肩書はやっぱりいいんですよ。惹きつけるものがあるんです。というわけで実はかなりリアリティのある話で、でも甘酸っぱさは適度にあって、男女ともに読んでほしい漫画です。
読後感が最高に良かった。 暴力的な絵ばかりを描く生徒・清水くんと、“素直で優しいクラス”をモットーとする担任・桜井先生の、誰もが持つ「心の問題」との向き合いを描いた傑作読切だと思います。 清水くんの悲惨な過去を知りながらも、問題児として扱い正しい方へ更生させようとする桜井先生だったけど、とある生徒と清水くんの会話を聞いたことで、清水くんが描く絵の意味を知ることとなるが…というあらすじ。 こういうのを読むと、絶対に日頃の自らの行いを振り返って反省することになるんだけど、もうそういうのを定期的にやったほうが良いんだと思う…忘れるので。 「やば」って思う人が目の前にいても、理由を知ろうとせずに即否定することは悪だから。 安達といういかにもな教員が出てくるが、ある意味勧善懲悪というか、これ以上ないスカッとジャパンでした。 次回作が出たら、絶対読む。
秘めた同性愛を同人誌にぶつける清水真琴。父を見返すために漫画を描き、見失って描けなくなった前川茜。創作の動機も愛情の形も歪んだ二人の、繋がるような繋がらないような、絆の物語。 —— 拗らせながらも前向きに生きてきた清水の前に現れた前川は、拗らせ方が尋常ではない。清水は翻弄されるが、それでも前川を気にかける。 一方、清水を試すように距離を縮めたり、突き放したりする前川。 小悪魔女子の前川が抱く「病み」と、どうしようもない寂しさが、捻じ曲がって清水に向かうのが息苦しい。 彼女達を繋ぎ止めるのは「漫画創作」。過去に間違ったモチベーションで失敗した前川には、真っ直ぐに創作の楽しさを語る清水は苦しい存在。それでいて、自分の中にもあった創作の喜びを、思い出させてくれる存在でもある。 前川が自分の創作意欲を見出そうとするのを、清水は応援する。そして寄り添いながら、二人は思う。 「色恋で壊れるような関係など、いらない」 この想いは、例えば過去に、友情に恋愛を持ち込んで失敗したことのある人なら、分かるかもしれない。 大切な事との距離の取り方を致命的に間違えてきた、「未だ病み」の中にいる二人。それでも少しずつ時間を共有し、気持ちをぶつけ合ってきた彼女達は、今後、どのような絆を繋ぐのか。切ない気持ちを共有しながら、見守りたい。 (2巻までの感想) (創作の動機が歪んでいることを否定する意図はありません。本質的に創作の動機は属人的で歪んだものであり、だからこそ愛おしいものだと考えます)
まだ先は続きますが、人間関係とゆうものが人生の中でどれだけ大きいものなのか、言葉で伝えることの難しさ。など色んなことを考えさせられました。 綿谷さん達を通して、この先どんなことを考えさせてくれるのか、とても楽しみ。 綿谷さんの笑顔がたくさん見たい!
題材に平賀源内を選ぶのがまず渋くていい。が、特筆すべきは漫画力というべきだろう。ハッタリの効かせ方が上手い。奇矯な行動に異様な集中力をもつ所謂天才の平賀源内に、それを支える奇矯な理解者の奥さん。 普通では理解できない天才たちであるが、その凄さを凡人、十兵衛に感情移入する形で物語を回している。最後まで物語の軸にもブレがなく、面白い。いい作品だった。
路田行先生、描くもの全部おもろ…って思ってたけどこの新連載は……めちゃおもろです。 たしかにワンコがそばにいるけど、それ人間の男(知らない人)だよー! という、なんか色々大丈夫か?な設定だけど表現力の豊かさで幸せがあふれてる。犬のときの住田くんの可愛いさで涙出そう。 …これ言っちゃあれだけど“理想の同棲”では…?
プリンセスお母さん2019/11/29(金)に紙&電子書籍で発売です🎊 【Twitter漫画まとめ】 (↑旧 新↓) 1 私の母が奇声を出すけどまさかの思いやりだったという話 2 母の妄想についていけない話 3 母のムチャ振りに困っている話 4 母の一人芝居についていけない話 5 母の仕事先が貴族のサロンみたいになっている話 6 アラサーの私に母が年相応でないものを買ってくる話 7 母が私にごはんを沢山食べさせようとしてくる話 8 母が上司の犬になってる話 9 夏なので、姉から聞いた怖い話 10 家族が私の料理に対して圧が強い話 11 母が推しのライブに行ってヤバみが極まってた話 12 朝おきると母が踊っている話 13 母の聞き間違えがおかしい話 14 父にいつまでも子ども扱いされてる話 15 母によくペットと呼び間違えられてた話 16 母の元気の出しかたがホーリーだった話 17 姉ちゃん実録 修正版 18 母の妄想が膨らみすぎてる話 19 両親の性格が似てなさすぎる話 ▼私の母が奇声を出すけどまさかの思いやりだったという話 https://twitter.com/manga_m/status/1118833445994553344?s=20 ▼母の妄想についていけない話 https://twitter.com/manga_m/status/1134432940857815041?s=20 ▼母のムチャ振りに困っている話 https://twitter.com/manga_m/status/1136972014017638401?s=20 ▼母の一人芝居についていけない話 https://twitter.com/manga_m/status/1139503821942509568?s=20 ▼母の仕事先が貴族のサロンみたいになっている話 https://twitter.com/manga_m/status/1147457343744909313?s=20 ▼アラサーの私に母が年相応でないものを買ってくる話 https://twitter.com/manga_m/status/1149968140454862848?s=20 ▼母が私にごはんを沢山食べさせようとしてくる話 https://twitter.com/manga_m/status/1152179988377944064?s=20 ▼母が上司の犬になってる話 https://twitter.com/manga_m/status/1152179988377944064?s=20 ▼夏なので、姉から聞いた怖い話 https://twitter.com/manga_m/status/1157860725592743936?s=20 ▼家族が私の料理に対して圧が強い話 https://twitter.com/manga_m/status/1161131038929588225?s=20 ▼母が推しのライブに行ってヤバみが極まってた話 https://twitter.com/manga_m/status/1162689052539101184?s=20 ▼朝おきると母が踊っている話 https://twitter.com/manga_m/status/1164876016184991744?s=20 ▼母の聞き間違えがおかしい話 https://twitter.com/manga_m/status/1170170576721235969?s=20 ▼父にいつまでも子ども扱いされてる話 https://twitter.com/manga_m/status/1172470662146879488?s=20 ▼母によくペットと呼び間違えられてた話 https://twitter.com/manga_m/status/1175335985271296001?s=20 ▼母の元気の出しかたがホーリーだった話 https://twitter.com/manga_m/status/1177551067040452608?s=20 ▼姉ちゃん実録 修正版 https://twitter.com/manga_m/status/1185176694342074368?s=20 ▼母の妄想が膨らみすぎてる話 https://twitter.com/manga_m/status/1195900550161690624?s=20 ▼両親の性格が似てなさすぎる話です https://twitter.com/manga_m/status/1197777312445370369?s=20 **家族の小ネタ** https://twitter.com/manga_m/status/1102181231339307010?s=20 https://twitter.com/manga_m/status/1180067783297531904?s=20 https://twitter.com/manga_m/status/1171376209453707264?s=20 https://twitter.com/manga_m/status/1171358299905609728?s=20 https://twitter.com/manga_m/status/1171004171467624448?s=20 https://twitter.com/manga_m/status/1167702714639212544?s=20 https://twitter.com/manga_m/status/1167354851166081024?s=20 https://twitter.com/manga_m/status/1167362404268703744?s=20
諸行無常。バズっては消えていくTwitterインディーズマンガの中で、今年一番記憶に残った爆笑エッセイマンガが、この並庭マチコ先生の『プリンセスお母さん』という人も多いはず。 というか、私の中で2019年のNo.1のコミックエッセイです…!! https://twitter.com/manga_m/status/1167354851166081024?s=20 8月に書籍化のツイートを見たときの嬉しさと言ったらやばかったです。まあ11月末が遠すぎて正直スッカリ発売日のことを忘れてたんですけど(ありがとう、マンバのTwitter…!) 「お母さん」とは ・パート先で姫と呼ばれている ・エアドレスで挨拶(カーテシー) ・家=領地 ・Beatlesのポールが憧れの人。おかげで英語が堪能 ・娘・並庭先生の部屋がある2階に上がるときは変な歌でお知らせ …などなど、パッと出てくるだけでもこんだけ強烈。 「こんな楽しい人になりて〜〜なあ…!!」と、私淑しております。 お母様の自分の好きなものを大切にし、日常のなんでもないようなことを楽しんでいる姿、最高です…! ところで、表題となっているお母様もそうとう個性強いですが、そのほかの皆さんも個性強い。 ・優しくてとても普通な常識人な父 ・姉に対して謎に当たりの強い弟(マンガにチューブ入りわさびを付けて返す) この強烈な個性が不思議と噛み合い、織りなすハーモニーが癖になる。家族仲メッチャいいな〜!! 早く家に帰ってじっくり読みたい!!楽しみ!!! 【追記】 読みました!開いてすぐの「ナミニワ国マップ」で吹きました。離宮(プレハブ)www お母様の大変な生い立ちを知ると、自分がしたいように、自由に楽しく振る舞うことの大切さと深い説得力を感じました。 お母様が書いていたように、「不条理だらけの中で生きている」ということをよく自覚して、その中で楽しく暮らせるようにしたいなと、あらためて思いました(どんな自己啓発より信頼できるし真似したい) 娘の夢が叶ったことを嬉しがってくれるお母様素敵すぎてキュンとしました。 そして締めの並庭家ヨーロッパ旅行編、家族全員大活躍(マチコ先生以外)でホント最高でした…! 買って間違いなしの1冊です! 【余談】 弟のギャグ日の曽良くん感狂おしいほど好きです…マチコアンチのあたりの強さ…大学の先輩好きすぎるところもいい…
一巻読了。 不器用でいわば「ちょっと足りない」女の子のもどかしい片思いと、友情と成長のお話。 新人さんかな?絵の完成度が非常に高い(博、成家慎一郎、オジロマコト、ゴトウユキコあたりを連想しましたが、そのどれともまた微妙に違う感じ) 頭の回転が鈍く、いつも上手く立ち回ることができず失敗してばかりの主人公。そんな彼女の人格を仲のいい親友たちは「天然」と称して可愛がってくれるが、本人にとっては死活問題で、ついには思いつめて家出してしまう。 極寒の北海道で野垂れ死にかけていたところを、水商売で生計を立てる一人の女性に拾われ、命を助けられるだけでなく「人生」において大切なことを教わる。一巻おわり。 主人公の少女はたしかに「足りない」がちではあるものの、それはこの社会に属する全ての人が多かれ少なかれかかえている普遍的なテーマだ。 「他人に好かれたい、良く思われたい。でもそのためにどう振る舞うべきかわからない。言葉選びが上手くいかない。なぜか傷つけたり怒らせたりしてしまう。」 逆説的だが、負のスパイラルから抜け出すためにはまず「他人によく思われるためにどうすべきか」と考える癖自体から脱却する必要がある。「言葉を発する自分」ばかり可哀想がり労るのをやめて、「言葉を受け取る相手」を慮る。それこそが、信頼関係の第一歩なのだ。 「ありがとう」、信頼関係の初歩の初歩、第一歩の言葉を一巻の最後で水商売のお姉さんから教えられ、感謝あるいは後悔か堪えきれず涙を流す主人公の少女。 とてもシンプルだが芯のある美しい話だ。2巻以降の展開にも期待したい
原作者こそ違いますが、『俺物語』のように悪人がいない世界で繰り広げられる心温まるラブコメです。 主人公には好きなクラスメイトの女の子が。しかし彼女には残念ながら恋している相手・イダくんがいました。そして、ひょんなことからイダくんは主人公が自分に好意を持っていると勘違いし、ちょっと不思議な三角関係が始まります。 男性からの告白にも真摯に対応しようとし、人の気持ちをとても大切にするイダくん。ルックスもさることながら中身がイケメンすぎるエピソードが続々と描かれ、主人公もまんざらではなくなっていく所に説得力があって良いです。 穏やか気持ちになりつつ笑いつつ、1巻の最後には驚きの展開もあり、様々な面で楽しめます。最終的に一体どう決着するのか……。 男性でも比較的読み易く楽しみ易い内容で、今年を代表する少女マンガの一冊と言っていいと思いますのでお薦めです。
高校入学初日に出会った、明るく能天気なみかんとクールで真面目なあかね子。好奇心旺盛なみかんに連れられて2人が訪れたのは、未体験の出来事が体験できるという"初体験館"。 と、こんな感じでみかんとあかね子のコンビが「ありえないけどあったら面白そう」な不思議な物事や人々に出会いまくる作品。SFを"すこしふしぎ"と藤子・F・不二雄先生が解したのは有名な話ですが、少しどころではない"すごくふしぎ"な日常を描いたのがこの作品。 残念ながら2巻は2019年現在で電子書籍のみの発売ですが、その分2巻は200ページ超えの一大スペクタクルで完結まで一気に駆け抜けていきます。1つ1つは何気ない、でも全体を見ると壮大な、きっとマンガでしか体験できない女子高生の日常がここにはあります。 全2巻読了