70歳で初妊娠、そのまま出産した老夫婦のお話。 突拍子ない話に思えるが、実際は夫婦愛と親子愛、周囲の人々との関係性を丁寧に描いたヒューマンドラマの趣で好感がもてる。 晩年になってからの初めての妊娠に驚き戸惑い、それでも出産と育児に臨むおばあちゃんと、彼女を懸命に支える夫の姿は、互いへの誠実な愛情にあふれている。家族を作るのに大事なのは年齢よりも覚悟の有無だ、と痛感させられる。 おそらく作者は妊娠出産経験者(orその夫)であり、両親学校の話や妊娠して電車が怖くなるなどは私も経験があり納得がいった。好奇心で読み始めたけど普通に感動できる良漫画です。
特に第1巻はキャラかぶりが激しい
この作品の見どころは、押川剛の、精神疾患等を原因に暴力・殺人といった問題を起こすも適切な治療を受けられていない青少年とまっすぐ向き合う姿勢です。問題行動を起こす青少年たちは世間的にも批判的な目で見られ、親から見放されることも少なくありません。苦悩を抱えながら誰にも手を差し伸べてもらえない、そういった孤独の真中にいる子どもを救おうとする押川の姿は読者の心に温かさを与えてくれます。 また、見た目が怖く、言葉遣いも乱暴な押川が、青少年に対して見せる思いやりや、救いたいと語る熱意とのギャップに惹かれます。どんな問題を抱えた子どもたちがいて、どう向き合っていくのか目が離せません。
学生時代に夢中で読んでました。 今の学生さんたちには想像できないようないわゆる「スケ番」と呼ばれている女子学生たちの喧嘩に明け暮れた青春時代のお話です。 制服は足首までの長いスカート、何にも入らないようなペッタンコの皮カバンがトレードマーク。 少女たちは筋を通す硬派な集団でそれぞれに組(くみ)がありつつも個人個人が自由に動き回ります。 主人公はタイトルにある「あすか」という黒髪ショートヘアの女子学生で学校にも登校しています。 喧嘩が強くて硬派で頭もいい(成績という意味では無く先を推測して立ち回ることに長けている)。 自分に甘い人間を嫌うので立ち向かわない人間には厳しいけど必死で立ち向かう人間のことは助けます。 当時は少女たちの姿に憧れましたし読んだ後は自分の目が覚めるような感覚を覚えました。 ちなみに喧嘩が強くて硬派な「あすか」のママはまるで少女のような感性の持ち主で、いつも「あすかちゃん」と呼んでケーキやおやつを準備してくれる。 そんなママに対して硬派な「あすか」は邪険な態度をとるけど、決してママのことを嫌うことはないということもこの漫画の素敵な部分だと思います。
※ネタバレを含むクチコミです。
いまのところ普通の投資詐欺っぽいけど。。 流れが予定調和にならないか心配 純愛と投資学、最終的にどっちをとるかみたいな話なんだろうか
もし現代に忍者組織があったら、、という世界設定。日本の忍者の存在は、GHQにも恐れられ、戦後直後には姿を消したことになったそうなのですが、実は忍者は現代に20万人もいて様々な仕事をしながら活動しているというもの。おそらく他の漫画でも似たようなものはあったと思うが、花沢健吾氏の描く世界は見たことのない新しいものに感じました。 忍者たちは、軍の特殊部隊も顔負けの武力を持っています。体術の動きがめちゃカッコいいですが「システマ」なる格闘技の動きを元にしているそうです。 意味があるのかないのかわからない日常パートと、忍の与えられた任務にあたるアクション部分がありますが、ボーッとしてると見た目で騙されます。 これからどんな展開になるのか全く不明ですが、ワクワクしてます。
人間不信から老メイドと共に、大きな屋敷に閉じ籠ってきた女性は、老メイドの提案で一人の獣人を引き取る事にした。メイドとして働く獣人の少女・メルと、主人となった女性は、互いを思い遣る優しい関係を築いていく……。 ♡♡♡♡♡ 英国風世界観の美麗さと冒頭2話の優しいお話に、何処までも温かな物語が続いていくことを願ってしまう。しかし、事はそう簡単には進まない。 第3話から語られ始める「獣人」の設定は、ついスルッと受け入れてしまいそうになるが、「国家の保護管理」を示唆するワードがどうしても心に引っかかる。そうするとメルが日頃装着しているある装具が、妙にリアルな重さを常に思い出させるようになる。 世間を知らないメルは主人に信頼を寄せ、心安らぎ、親愛の情を寄せる。そして主人もメルの純粋さに、次第に「人を信じる心」を思い出す。 心を交わし、温もりを確かめ合う二人と、それを支える老メイドの生活は穏やかで、心温まる。しかし、メルの親愛の情が別のものに変容し、主人がそれを受け入れたいと思った時、「獣人」の設定はメルの装具のように生々しく二人に纏わり付く。 優しい日々に不安を潜ませ、二人の行く末の幸福を祈る物語として、または「国家・管理・差別」といった問題意識の寓話としても重みのある作品だ。
元々、北斗の拳が好きでトキの生き様や、慈悲深い心が好きだったので、北斗の拳・外伝シリーズにトキ外伝が出たときは嬉しかった。悪者にも情けをかけ、痛みを与えずに退治する、心が優しすぎます。現代社会に生きる若者に、このマンガを読んで、人の痛みを感じる心や、思いやれる心を知って欲しいです。
「みんな丸太は持ったな!!行くぞォ!」でお馴染み【彼岸島】の丸太を武器にするネタに乗っかった、丸太推しのなろう系漫画です。中身はわりと正統派でネタっぽくはなってないです。ヒロイン達との出会いや主人公が活躍するまで展開が速いのでテンポ良く読めます。個人的には赤ん坊が苦手ですが概ね面白いかった。特筆できるストーリー展開って感じでは無いですが、なろう系が好きならハマると思います。
作者の半自伝的作品。平成初頭のノスタルジックな空気感や思春期の閉塞感がリアルに表現されている。新興宗教を信仰する家庭において父親から性的虐待と母親から肉体的虐待を受ける主人公が、誰からも助けを得られず追い詰められていく過程が痛々しい。読んでいて重苦しくなるが、目を逸らしてはいけない。
将棋漫画の主人公と言えばプロ棋士or奨励会員が定番だが、これはその奨励会から脱落した棋士が主人公。挫折から立ち上がり前を向いて歩き始めた主人公と、それをライバル視する偏屈メガネの関係が良い。他にもベテランのアマチュア棋士たちや、ネットに強い若い世代など、みなキャラが立っており人物背景がしっかりと描かれている。プロ編入までが物語のゴールなのかは分からないが、続きが読みたくなる作品であるのは確か。
その昔、ケイブンシャ大百科シリーズという文庫本がありまして、子供の頃に読んだ大百科として見覚えがある方も多いと思いますが、その中で、1980〜1990年代に掲載されていたホラー短編を描かれてきたつなん京助氏の作品を集めて、デジタル版で復活させたのがこの本です。身近なテーマを用いて、子どもが起こしがちなちょっとした残酷な行為を描いており、当時どれだけ多くの子どもに衝撃とトラウマを植え付けてきたか。しかし、この作品の目的は題名にあるトラウマを読み手に与えるというよりは、人としてしてはいけない行為描くことにより、人間以外の生き物を大切にしたり、自分がされたくないことは友達にはしない、というような人として最低限持つべき思いやりや礼儀を漫画を通じて伝えようとしているように思えます。画の雰囲気やテーマから、ホラー漫画のレベルとしては、基本は子どもに向けてのものですから、怖い世界の入門書としていかがでしょうか。
日々の業務に追われるサラリーマンは、前向きな提案型の仕事ばかりできるわけではない。しかし、魔王軍では違います!提案型かつ、攻撃的な仕事が可能です。立案した仕事をマネジメントし報酬を得る。適正な評価により与えられる仕事は会社、いや魔王軍の未来を背負うほど大きくなっていきます。普通の異世界ものでは、チート的な主人公や元世界の経験や知識が際立ちますが、魔王軍の人事評価や調整力が際立ちます。ちょっと変わった異世界ものが楽しめる漫画でした。
交通事故死した太郎くんは、死後に天国へ行くか、地獄に落ちるかをさばかれる"さばきの広場"で閻魔大王と対面します。太郎くんは、あと一回だけお母さんに会いたいという願いを叶えてもらう条件として閻魔大王から与えられた、地獄から人間界へ逃亡した110匹の地獄怪獣を退治するという使命を果たすめ、地獄太郎として人間界へと戻ることに。 その人間界には、地獄へ落ちる予備軍とも言えそうな悪者もたくさんいるのですが、彼らが地獄怪獣と遭遇して危機一髪のところを地獄太郎に助けられ、最後は一団となって怪獣退治するという場面は、太郎くんの心の美しさと勇敢さに悪者を改心させる力があることを感じさせるものでした。 この作品は1967〜1968年にかけて発表された怪奇漫画で、古臭い画風とおどろおどろしいタッチで、表紙を見ただけで嫌厭してしまう人も多そうですが、実際にはコミカルでユーモア溢れる場面もたくさんあって、楽しく読み進めることができます。もとはハンサムだったのに、事故により醜い様相に変わってしまった地獄太郎も、次第に可愛く見えてきてしまうのは、作者のキャラクター作りの巧みさのなすところでしょう。ちょうど同じ頃に発表された楳図かずお先生の"猫目小僧"と太郎くんの容姿が重なるのも、猫目小僧ファンの私にとっては興味深い点でした。
臓器売買の闇を描いたマンガが300万部突破って改めてすごいことだなと。ウシジマくんの部数に比べたら落ちるけど、ドラマ化や映画化なしでこの数字は凄いのでは。ネット広告で人気の善悪の屑も同じくらいの部数だったと思うが、ギフト±はまったくと言っていいほど話題になってない。人知れず売れてるならまだ伸びるポテンシャルがあるんじゃないだろうか。臓器売買、性描写などクリアしないといけないタブーが多すぎて厳しいだろうけど。18巻時点で、まだストーリーの終わりが見えてない。話が面白くなってきたところなので、連載中にもっとハネる可能性はあると思う。
なんか新しい設定、鬼×ヒトです。 ああ〜そう言う〜そういう設定でそうくる〜〜?! 素晴らしい、ごちそうさまでした。 一個の設定で尊い感じになりますか。 描写は多め。 大丈夫な方多くは語らないので読んでください!
面白いと聞いて読んでみました。 気分が落ち込みがちな今こそ読めーーーー! 気分は中学生男子ですね。 中学生男子が考えてるけど、実際には言わないことをそのまま漫画にしちゃった…みたいな。 個人的には人間観察観察観察者がメタっぽくて好きでした。 コマの中のキャラがこちら側を認識した!?となるオチ。 秀逸でしょ… 天才だと思いますし、四六時中エロいことしか考えてないと描けない漫画に思えます!(褒め言葉です)
シビアなSF少女漫画好きの方に、是非ともお勧めしたい漫画家さんです。この作品は一編ずつ独立したお話が多いので、読みやすいと思います。舞台は近未来、死亡後に取り出した脳で、記憶がモニターで再生されるようになっている世界(死んだ後に脳内丸裸ですよ)と、非常に恐ろしい設定なのですが、描かれる1コマ1コマが美しく、少々グロい世界も幻想的に昇華してしまいます(笑)
こういうギャグ漫画好き。ギャップ。人間味に萌え。あゆくんたしかにかわいすぎる説。ヤンキーなのにいいやつっていうのも、ヤンキー漫画でも女子にも読みやすい。
アメリカの痛ましいニュースが届いた日に、久々に単行本を手に取りました。黒人が明確に差別されていた時代の伝説のブルース・ギタリスト、ロバート・ジョンソン。 RJが生きた時代のアメリカでは、リンチが普通に行われています。それは人々の差別意識が社会における「常識」だったからです。当然、現代においてそれは否定されるものです。しかし、その意識というのは地下茎のように隠匿されているだけなのかもしれないと、悲報を聞く度に突きつけられているような気にさせられます。 ブルーハーツの永遠の名曲に、「青空」という曲があります。十代の頃にこの曲を聴いて、多少は他人に優しくなれただろうかと、四十代の中年は自省をします。RJの生きた時代も、空はきっと青かったのだろうし、100年先でも空は青いままだろうと。 作品についてあまり触れていないのですが、この作品は音楽マンガとしてもアクションマンガとしても歴史マンガとしても超一級の作品です(描くのが難しい作品であることも容易に想像出来るのですが…)。 どれほどの時間がかかろうと、この作品がきちんと完結することを願っています。 マンガとは関係のない蛇足ではありますが、故・石田長生さんがRJを唄った「汚職」という曲があります。悪魔との取引を「汚職」という言葉に込めた言葉のセンスの素晴らしさがとても光る曲なのですが、トリビュートアルバムでヒロトがカバーしていることも併せて記しておきます(「青空」は石田さんもカバーしてます。以下、本当に蛇足でした)
これを漫画化しようと思った新井英樹もすごいですが、やっぱり山田太一はそれを上回ってくるような、何というか圧倒されました。死が近い老人の最後の悪あがき、中年女性の持て余した性、青年の自分自身も追い詰める素直さ、そんな人間の〈生〉の濃いところを煮詰めていった先にあるのが…まさか恋の話だとは。巻末の対談を読む限り山田太一さんはとても物腰の柔らかい方だと思うのですが、なんとなく作中に登場する老人こと吉崎さんのイメージと重ねてしまいます。ちょっと外見を似せて描いてませんか…?吉崎さんは滅茶苦茶なことばかり言ってるように見えますが、あんな風に最後まで生きることにもがいて死ねたら幸せなんじゃないかなと思いました。私が一番好きなのは空也上人の仏像と認知症の老婆の表情が被る場面です。あの老婆の目が問いかけてくるものはそのまま新井英樹がこの作品で描きたかったことなんじゃないかな。自分はまだ答えが出せないです。
ちゃんと高橋ヒロシが描いている本物の(というと他のに悪いが)外伝。 新装版じゃない方の1巻は当時読んだが、まだ続きがあったというのを知らなかった。 1巻は初代武装戦線の立ち上げの話を初代メンバーが語る話+おまけでビスコが花に義理を立てる話。 2巻は「その後のWORST」に近いちょっとした話と、WORSTで下宿先となっていた梅星邸のあの双子の若かった頃の話。 通して読んで、外伝でいいから高橋ヒロシ先生の描く話をもっと読みたいと思わせてくれる。
こっちは1巻しか出てないんだけど「新装版 WORST外伝」の方で2巻まで存在してるのを初めて知った。 多分1巻の中身は一緒?かな? 昔読んだけど2巻の方は新装版の方で初めて読んだので今から読むのであれば新装版でどうぞ。
高橋ヒロシの代表作「クローズ」の後日談。 タイトルどおり、クローズを読んだ人向けなのでまずはクローズを読もう。 前半は今でも町中でたまにTFOAと書いてあるちょっとイタい服を着てらっしゃる方がいるのを見かけるぐらい愛されている武装戦線の歴代頭の中でもインパクトが強い男(ネタバレはしないでおく)河内鉄生のお話。 そしてクローズを最後まで読んだ人はゼットンに勝つっていうのがどういうことかというのはわかるし、そのゼットンに1年戦争の真っ只中で九里虎がぶつかる話が後半。 クローズファンにはたまらない内容、と思うんだけど九里虎がどのぐらいクローズファンに受け入れられてるのかもちょっと気になる。 九里虎は春道とか花と違って主人公ではないのに転校してきた背景なんかもなく強いって言われてもただのインフレじゃんと思ってしまうもんだが(外伝の高橋ヒロシ先生が描いてない九里虎の話はめちゃくちゃなのでノーカンとして)
私がまだ小学生(高学年)の頃や中学生の頃に、ちょっと背伸びした感覚で読んでいたのを覚えています。主人公のナッキーは天真爛漫で、スポーツも出来て、勉強も出来る女の子なので憧れる気持ちで読んでいました(私とは真逆だったので)。そしてナッキーが色んな試練を乗り越えて行く姿にも勇気づけられた漫画です。
ごくごく普通に見えるけど霊感を持っている主人公・的場はるひが、仲間と一緒に悪いやつらを退治する物語です。戦隊のモチーフがトランプで、サポートのキャラクターが黒うさぎというのが、ちょっと『不思議の国のアリス』みたいだと思いました。悪霊が出てくる場面はけっこうシリアスで迫力たっぷりです。はるひと黒うさぎのやりとりは豪快で思わず笑ってしまいます。主人公が少女なのに、タイトルに「?」がついている理由にも笑いました。内容はぜひ本編で確かめてほしいです。遠藤淑子らしいギャグセンスとキレのある展開で、とても面白かったです。
盛んにドラマ化もされ、食に留まらず自然保護や政治に関わる問題まで深く掘り下げた作品。原作者の考え方や思想に共感出来るかはさて置いて、身近な食やその安全性に関する様々な知識や蘊蓄を学ぶには最も便利な教材かも知れない。究極VS至高の勝負、もうちょっと究極側の勝率を上げても良かったのでは?
「ぐらんぶる」に続いて「てんぷる」って覚えやすい事この上ないタイトルですな。今度はお寺を舞台にしたラブコメで、主人公はオンナ好きの父親に反して、煩悩を断ち切って修行するため寺に出家することになるものの、なぜか美少女だらけの尼寺に入ることに。導入部分からすでに面白いです。
犯罪都市・エルガストルムで、汚れ仕事を引き受ける便利屋を営むニックとウォリックのマフィアンアクション。荒くれ者の縄張り争い、警官にも悪いものがいたり、売春婦が逃げ込んできたり。常に危険と隣合わせな荒廃した街で、暗躍する二人がナイスバディすぎます。激しいバトル描写、マフィア同士の緊張の駆け引きなども見どころとなっています。
一人暮らしをしたい高校3年生が、全寮制の大学に進学し、そこでの寮生活をコミカルに描いたお話です。夏目漱石の「坊ちゃん」を下地にしており、登場人物名は原作と同じで、それ以外の設定は大分異なりますが、現代風の青春群像劇として面白い試みです。犬のキヨちゃんもかわいく、主人公の心の描写に一役買っています。心が暖かくなる物語だと思います。
一言で言うと胸がギュッとなる物語でした。 私が印象に残ったのは、千絵が榊先生にかけた、”過去に囚われてもいい。皆、過去を消さずに思い出しながら生きてるんだから”って言葉です。 色んなことを経験した人のとても重みのある言葉だと思って印象に残っています。 淡々と右葉曲折ありながらも進む大人の恋愛話に見えるけれど、深みのある言葉が今後もこの物語に味を出してくれるのではないかと思います。
内気で自分をもつことが出来ないことに悩む少年の下に、まるで別人のように逞しい10年後の世界の自分がやってきて、恋の手解けをしてくれるSFとラブコメが合体したような展開が良いです。ヒロインの一行瑠璃が大変かわいらしいです。後半にはどんでん返しもありで深い物語性が楽しめます。
何度も読み返しても、飽きない!! 主人公とヒロインの信頼関係が本当に好きです。世界観がしっかり作られていて、本筋のお話も凄くダイナミックでどんどん激しい展開になっていくのに、2人の変わっていく関係がとても丁寧に描かれていて、読む度に新しい発見があります。 まだ電子版でしか読んでないんですが、書籍購入もしたいです。
漫画ゴラクらしい、裏社会のギャンブルノワールといった感じで、1話目からずっと緊張感と勢いのある漫画です。大型店舗のカジノではなく、闇カジノと呼ばれる違法賭博店を舞台に、主人公ゲンがディーラーとなり、客や店側をイカサマにかけて金を巻き上げようとするのですが、その場の緊迫感たるや尋常ではありません。ミスれば「死」という状況の中、イカサマをどうやって成立させるか?読者をドキドキさせる演出が抜群にうまいのです。作画・吉田史朗さんの漫画はけっこう好きで、これまで『村上海賊の娘』『甲鉄城のカバネリ』など読んできましたが、いずれの作品でも「雰囲気」を持ってる主人公像が良いんですよねぇ。劇画すぎない、かといって今どきの画とも違う、画力のある作家さんだと思います。覚悟と胆力を感じさせる顔つきだったり、人物の表情が素晴らしいですね。あと、原作者の方も相当凄い人じゃないかと睨んでますが、検索しても情報が一切出てこないので何者なのか気になるところです。(誰かご存知でしたら教えてください) ちなみに、この作品タイトルを初めて見たとき、オッサン的には「女喰い」という往年のエロ作品を連想いたしました。ちょっとしたエロ要素を期待してた部分も正直ありましたが、いい意味で裏切られたというか、本格的なギャンブル漫画で逆に良かった感じがあります。日本でもカジノ法案ができて、これから盛り上がる題材かもしれないので、ヒットしてほしいですね。
めちゃめちゃおもしろい。脳がとろける。 人が死なない平和な作品が読みたいなと思って読んでみたら1話でめちゃくちゃ死にました。でも平和です。 低めのテンションで常に面白いことがおこり続けるので笑いすぎても疲れないし脳がゆるゆるになってとてもいいですね。 すぐ切腹しようとする板前さん好き。お刺身丸ごと食べてあげたい。 長編とか重たいストーリーの漫画読んで疲れたタイミングで1話はさむといい感じです。脳に休息を。
少女漫画を支えていた1つの作品が、もう「見事」としか言いようがないほど素晴らしい最終回を迎えることができました。 『風光る』は、月刊flowersが創刊号からずっと連載されており、2020年7月号をもって23年間の連載に幕を閉じました。 本作は1997年~別冊少女コミックで連載が開始されましたが、2002年に別冊少女コミックがリニューアルされた際、プチフラワーと別冊少女コミックの一部連載作品を併合した形で創刊された月刊flowersに移籍されました。 flowersの元になった別冊少女コミックは、萩尾望都の『ポーの一族』『11人いる!』、吉田秋生の『BANANAFISH』、田村由美の『BASARA』など数々の名作を生んだ場であり、今もflowersでご活躍されている漫画家さんがご活躍していました。 flowersのもう一つの前身であるプチフラワーでは、24年組では竹宮惠子の『風と木の詩』、木原敏江、大島弓子や山岸凉子の短編、ポスト24年組と言われる佐藤史生、ささやななえ、そして彼女らの次の世代にあたる岡野玲子、吉野朔美、西炯子などなど、常に新しい少女漫画の価値観を生んでくれた多彩な作家陣でした。 つまり、月刊flowersは、既成価値観を壊し戦い抜いてきた作家陣の意志が残された、小学館の唯一の少女漫画雑誌なのです。 前置きが長くなりましたが、『風光る』がここまで見事な最終回を迎えられたのは、今現在のflowersに、前述した数々の巨匠たちの影響が残っている故だと思います。 また、『風光る』も、停滞している少女漫画の既成価値観に対し、23年間ずっと戦ってきました。 その功績の一つが、それまで難しいと言われていた、少女漫画で史実に沿った歴史ものを、最後の最後まで描き切ったことだと私は思います。 そしてその結果の、この最終回…!! flowersがなければ、この最終回は描けなかったのでは…?ともまで思います。 この完結を読むことができて、作品にとって雑誌というのはとても重要なんだな…と思うことができました。 (作品自体の感想は、以前書いた口コミを読んでいただけたらなと思います…!)
お散歩中に会う人たちには超愛想が良いのに、飼い主には見事なツンデレぶり。食いしん坊で、拾い食いのプロ(その度にお腹を壊すのに)。女の子なのに掃除機を壊すほどの暴れん坊、などなど、ボーダーコリーのナナッちのダメ犬ぶりを描きながらも、漫画家で飼い主である作者さんのナナッちへの深い愛情と、お互いの強い絆を感じさせます。ダメな子ほど可愛い、というのは人間の親子だけの話ではなく、人間とペットの関係にも言えること。犬と猫を飼っている私には「うん、そういうことあるよね」と共感してしまうシーンもちょくちょくあって、読んでいて思わず笑ってしまうこともしばしばでした。この漫画には、ペットを飼っている人によくありがちな「うちの子、とっても可愛いでしょ‼︎」的アピールがないのが好印象で、気持ちよく最後まで読み進めることができます。犬を飼っている人、飼っていた人、飼ってみたい人、みんなにオススメできる作品です。
スペリオールの大ヒット時代劇アクションです。小山ゆうの作品はどれも面白いのですが、一つ選べと言われたら、月並みながら「あずみ」を選びますね。 なんと言っても主人公・あずみのキャラクター性が抜群に素晴らしいです。純粋さと鬼神のような強さが同居した精神性が好きですね。過酷な運命を乗り越え、成長する度に菩薩のような神々しさをあずみから感じました。作品内で、自分からあずみに殺されたがる者達がいたのもの頷けます。 ここまで生死観の突き抜けたヒロインはなかなかいないでしょう。まだ読んでいない方は、絵のクセや、巻数の長さに躊躇せずに是非読んでほしいですね。
京都を舞台にした、亡くなった祖母のアンティーク着物にまつわるお話。原作は未読ですが、着物のモチーフが持つ古典や歴史に関係する意味や、そこに込められた持ち主の想いが紐解かれていくのは、なるほどなーと感心するし、面白かったです。着物の柄はもちろん、鹿乃たちが住む洋館の外観やインテリアなども丁寧に描かれていて背景も綺麗で、目で見て楽しめました。
小学生の時から藤馬かおり先生のファンです。中でも好きなのがこの「悪魔が私にささやいた」。 二十数年前に描かれたものですが、個人的には今読んでもあまり時代を感じないというか、廃れないセンスのある唯一無二の絵柄だと思ってます。 長期連載がほとんどなくいつの間にかリボンから去っていた作家さんだったので、あの時期にりぼんを読んでなかったら出会ってなかったんじゃないでしょうか。しかしほとんどの作品が電子化してるということは、やっぱり私のような(元)少女たちがたくさんいるから需要があるということですかね。
神崎将臣のXENONシリーズ最初の作品。絵柄とか今と違って荒々しい良さがあります。昔読んだ時はあまり感じませんでしたが、今読むと仮面ライダーの影響をやはり強く感じます。ダイナミックなストーリと、キャラ一人一人が格好良くて好きなシリーズですね。
洸太くんがかわいくてたまらない。中学生の恋ってかわいいな。有り得ない展開だけど、少年向きの程よいエロさがいやらし過ぎず、さわやかに読めます。
なんとなく表紙に惹かれて読んでみたら面白いななんだこれは。びっくりした。 いうなれば「逆異世界もの」?に含まれるかどうかは各々判断してもらいたいですが、個人的には新たな世界を見せてもらった気がします。 内容としては、最終的に魔王を倒すことが目的ではないソシャゲの勇者が増えてしまい、自分の存在に必要性を感じなくなった魔王が、引退して人間界で新しい生活を始めるというお話です。 なんだけど、それぞれの事情で同じく人間界にきた賢者とか魔女とかドラゴンとかが、結局魔王の周りに集まってきちゃうわちゃわちゃが微笑ましい。 みんな人間界に順応してるんだかしてないんだか微妙なところなんですよね。そこがいい。 こういう、淡々としながらもなんか凄いこと起きてない?でもまあいいか。それよりお腹すいたな、ピザ食べたい。 みたいなテンションの漫画が本当に好きです。
仕事だけでなく日々の生活に疲れている時やもうひと頑張りしたい時に読むと、元気が貰えるような作品です。 普段暇つぶし程度にやっていたアプリゲームがこんなに熱い思いで作られていたり、ちょっと考え方を変えると頑張れたりするんだなと思いながら、興味深く読み進められます。
同じ会社の同期である男女の恋模様を描いた作品です。主人公の小端は感情表現が素直なので、唐突に交際を申しこんできた同期の吉本に、どきどきはらはらする小端の姿と場面ごとに変わる表情が見どころです。 話数が「Distance」と表現されているのですが、読んでいるうちに理由がわかって思わず笑ってしまいました。どこかふわふわしてつかみどころのない吉本に、ついついふり回されてしまう小端の組み合わせがとてもいいと思います。
小児のうちに罹患する「猫娘病〈カトルス病〉」。患者には猫耳と尻尾が生え、時には猫に変身!そして何故か、女の子に惹かれるように……。 猫娘病の白椛雪はコミュ障のゲーマーだったが、高校の入学式に猫まみれで登場した彩野りことの出会いで、生活が一変!……私に友達?私が接客?本当に? ♡♡♡♡♡ 疾患としての猫娘という設定は、差別されることもあるが(4巻時点では)それ程深刻なものではないので、猫好きの方が安心して楽しめる様になっている。 様々な品種の特徴を持つ、猫娘高校生達の愛らしい活躍に癒され、更に随所に散りばめられた「猫あるある」や猫の解説を読んでいると(私は猫を飼った事がないので)猫を観察してみたくなる。 雪と共にりこの家の猫喫茶で働く猫娘達は、愛らしい上になかなか「出来る」子達。コミュ障で不器用な雪は引け目を感じるが、他の猫娘やりこに励まされ、辿々しく頑張る雪の姿は却って「尊い」。 菩薩のようなりこに惹かれる雪だが、人間関係を過剰に警戒する雪は何かあるとすぐ躊躇し、ぐるぐる脳内会議を始める。しかし、りこは雪のことが大好きで、優しく、時にグイグイ接触。頑なな雪の心が融かされる様子はやっぱり「尊い」! なかなか笑顔が出せないツンデレ猫娘を愛で、晴れて笑顔を見せる瞬間を待ち続けたい、そんな作品だ。
トレンディドラマにもなった作品で、誰もが名前をご存知なのではないでしょうか。リカとカンチ、有名ですよね。 ごく普通の男女がまるで映画のようなラブストーリーの主役になります。 恋愛漫画の教祖様のような柴門ふみ先生原作だけあってそれぞれの恋愛感情の描写が見事としか言いようがありません。 もちろんこんなオシャレな恋愛経験はありませんが(笑)なぜか納得してしまう心模様です。 時にはこんなトレンディな漫画の世界に浸ってみるのもいかがでしょうか?
70歳で初妊娠、そのまま出産した老夫婦のお話。 突拍子ない話に思えるが、実際は夫婦愛と親子愛、周囲の人々との関係性を丁寧に描いたヒューマンドラマの趣で好感がもてる。 晩年になってからの初めての妊娠に驚き戸惑い、それでも出産と育児に臨むおばあちゃんと、彼女を懸命に支える夫の姿は、互いへの誠実な愛情にあふれている。家族を作るのに大事なのは年齢よりも覚悟の有無だ、と痛感させられる。 おそらく作者は妊娠出産経験者(orその夫)であり、両親学校の話や妊娠して電車が怖くなるなどは私も経験があり納得がいった。好奇心で読み始めたけど普通に感動できる良漫画です。