吉川きっちょむ(芸人)2021/11/26『我らコンタクティ』の森田るり先生の新連載はスケボー(?)漫画!森田るい先生が森田るり先生へ改名されたのってもう2年以上前だった気がしますが、連載できるようになってなによりです! https://comic-days.com/episode/3269754496561298337 まさか縦読み漫画での復活とは思いませんでした! 高校の入学式中にスケボーをやっていた「久作」と「みはる」に、「ハジメ」と不思議な出会いが訪れて…。 先読み2話まで読んで、とりあえずみんなめっちゃいい子だって分かりました! なんかみんないい子で愛おしいです! 今日公開なのでまだ伏せときますが、あの「ブリャペー!」の子もかわいくて賢いのいいですね。 スケボーの描写もかなりしっかりやっていたので、1話のあとがきで「ちゃんとスケボー漫画にしたかったのにこうなりました。」と書いてて笑いました。 スケボー描写もかっこいいので、スケボー漫画としても読んでいこうと思います! https://twitter.com/moiritarurib/status/1464093988319756288?s=20 このときの構想?から登場人物は残ってそうでいいですね。 https://twitter.com/moritarurib/status/1211307266516762625?s=20自転する彼(女)森田るり3わかる
吉川きっちょむ(芸人)2021/11/12ネタバレいつだって外野は歳相応に私を大人にしたがる #読切応援待ってました! 新田彰先生の新作読切! 子供の頃、弟が生まれたらまだ本人が小さくてもお姉ちゃんにならなくてはいけなかったモモ。 少しだらしない夫と結婚し、苗字が変わり、職場でもそれなりにベテランになってしまい後輩に持ち上げられたり、ただ過ごしているだけでも周囲や環境は自分を大人として押し上げていってしまう。 子供の頃に子供でいられる時間が短かったせいなのか、男が女をそうさせるのか、周りは「私」を無責任でいられる子どもでいさせてくれない。 無責任に誰かに依存して寄りかかっていていい存在でいたいだけなのに。 「男なんてみんないくつになってもガキなんだから」 「…じゃ 女はみんな大人なの?」 女性が男性に向けて言う「男はほんとガキなんだから」とは決定的にニュアンスが違って上の言葉には、ある種の開き直りのような「男がガキでいられるよう女が大人になって面倒見てくれなきゃ」という押しつけがましさを感じる。 その後に続く言葉でも、勝手に分かったようなことを言って「私」を、「女」を、勝手に大人にさせようとしてくる。 不倫なんて無責任な関係に大人も子供もなかったはずなのに。 家に帰ると夫は文句は言うくせに歯医者には行かず、洗い場もそのまんまだ。大人になんかなりたくないのに。 子供でいたかっただけなのにきっとそれはもう一生叶わないんだろう、というのがどうしようもなくやるせない。 なんとなく周囲に合わせて、顔色伺って、無難な毎日を繰り返して、大きな不満はないけれど、否応なく年月は重なって、年相応の人物像にならなきゃいけなくて。 いっそすべて捨ててしまえば、とは考えても実行には移さないんでしょう。 いまの生活もそれなりに大切だから。 自分が少しだけ我慢すれば済む話だから。 でも、たまにはガス抜きさせてよって不倫もする三十代女性のリアルということなんでしょうか。 いろいろと考えさせられました。モモノユメ新田章1わかる
吉川きっちょむ(芸人)2021/11/02読んでみてほしい四季大賞の読切 #読切応援四季賞2021秋 四季大賞受賞作品 すっごくよかったです。 この世界観を、どこか懐かしいような新しいような優しく鋭いタッチの絵で描かれ、最後まで引き込まれ続けました。 特に月と華を背負い変貌した修羅の一枚絵と、ラストの2ページにグッと惹かれました! 登場人物のモノローグが全くなく、それでもそれぞれから滲み出る想いを、彼女らの強い表情から読み取れたような気がします。 素晴らしかったです! http://www.moae.jp/comic/shuratohana修羅と華岩橋月巳5わかる
吉川きっちょむ(芸人)2021/10/21女子高生同士の睡眠を介した奇妙な共依存! #読切応援女子高生同士のすこし不思議で歪な依存関係! 模試の結果が振るわず、夜更かしして勉強する毎日で寝不足な女子高生が電車に揺られ居眠りをしてしまう。 そんなとき、たまに見かける後輩の女の子が、電車で一緒に寝てもいいかと聞いてきて、いざ一緒に寝てみると目的地までのたった10分で何時間も寝たかのような感覚ですっきりしている。 こうして電車で一緒に寝るのが日々の習慣となっていくが…。 好きです!! 互いに名前も知らずに共に寝るというだけの利害関係のみで繋がっていた二人が、少しずつ関係を深めていき共依存のようになっていくのですが、 よく分かりもせずに続けていたその行為によってどんなことが起きてしまうのか深く考えていなかったし、考える気にもおきないように深みにハマっていく描写がとてもよかったです!! 取り返しのつかないことをしているんじゃないか、でももう離れられない、という罪悪感、背徳感も相まってめちゃくちゃいいっす!夢見列車のかいぶつ山北東
吉川きっちょむ(芸人)2021/10/13ネタバレこの読切が含まれた短編集を早く出してほしいくらい最高! #読切応援📷めっっっちゃいい読切でした!!!! 面白かったです!! 再婚した親とそれぞれについてきた同い年の少女。 二人は決定的に合わず喧嘩ばかりのまま中学生になったが…。 喧嘩っていっても、女の子だから口喧嘩とかちょっと陰湿なものだったりするのかなと思われるかもしれませんが、ゴリゴリの武闘派でぼっこぼこ殴り合います。 この絵柄だからかわいく見えるのも面白いです。 二人は美しく賢く育っていくんですが、関係性は平行線で学校でもバシバシ殴り合うもんだから浮いちゃって引かれちゃうわけです。 そんなときに両親があの子たちは家に友達を連れてきたことがない、と心配する声を聞いちゃってどうにかしないといけいない、と共謀し始める。 運良くという運悪くというか何も事情を知らない男子の転校生がやってきて、二人でどうにか仲良くして家に連れ込もうという展開になっていく話です。 この時点でもうすごい面白いし、この関係性は見たことないです。 転校生の男子もまた一癖あって、簡単にはいけないんですよね。 なんか、いいなー、いいなーって思いながら読んでました。 何がいいって、片方がいじめるというわけでもなく、やられたらその分互いにやり返す、完全に対等なんですよ。 二人とも両親には心配させたくないから、家の中でも見えないところでやりあったり、学校でも先生にはバレてないんじゃないでしょうか。 ただ、マジでやりすぎてて周囲にビビられてるのが笑っちゃいます。 だから友達いないんだ!と。 そして、二人とも基本的には優しいから自分たちの気持ちより両親を心配させまいとちゃんと動けるのがいいんですよねー。 間に挟まれる転校生もいろいろ経験してるからすっごい疑うし、でも二人は無理させないし、どうこうしたいわけではない。 ただ友達になりたいだけ。 こうやって、他では補えないここだけの彼女らだけの関係性が組みあがっていくのが本当に最高でした!アブれ組光用千春2わかる
吉川きっちょむ(芸人)2021/10/12ネタバレ社会のどこかのあなたへ寄り添う優しい話と強烈なユーモア #読切応援岡田索雲先生の妖怪読切シリーズの新作。 今回のお話も、現代社会の一場面を切り取ったような話を妖怪に語らせていて社会批判とユーモアを合わせたような作りになっていてすっごくよかったです。 https://comic-action.com/episode/3269754496533565977 「病欠」のもじりで、社会に傷つけられ無遠慮な言葉をかけられて引きこもる猫又で「猫欠」。 周囲はどこまでいっても無責任に声をかけ、かき乱し、期待し、勝手に失望し、あまつさえ罵倒し、ときに狼狽え、去っていく。 度々出てくる腕の傷が痛々しく映る。 本人が動き出せるまで静観し、ただ寄り添うことの難しさ。 かの喜劇王チャップリンは言った。 「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇だ」 箱の中の猫に深く共感して読めば悲劇で、最後はどんな形であれ一歩踏み出しているという点で希望が差してくる。 しかしすこし引いて見れば、最後のシーンまで「箱から出ない」ということを引っ張って引っ張って、前の場面で暗い中から一瞬顔を覗かせ「箱から」一歩踏み出すかと思ったら、踏み出したけど思ってたのと違う形、というきれいなオチをつけていて、意図的な笑いの型を作っているので思わず笑ってしまう。 いや一歩踏み出すのは素晴らしいことだけど箱ごとなんかい!!出てはこないんかい! とツッコミたくなる。 メッセージ性とユーモアを高度に同居させている岡田索雲先生は素晴らしいです。 https://twitter.com/kittyomz/status/1446323518493233159?s=20猫欠岡田索雲3わかる
吉川きっちょむ(芸人)2021/10/05この少年漫画めちゃくちゃ面白いから読んで欲しすぎる!超ストイック滅竜ファンタジー!! 人類の天敵である「竜」が存在するファンタジー世界。 陽の光と銀気を嫌う「竜」を殺すには、銀の武器が発する銀気で血液を凍らすか太陽で焼く、この2つしかない。 主人公は竜を狩ることを生業とする「狩竜人(かりゅうど)」の少年・ラグナ。 神童と呼ばれ、ずば抜けた竜討伐数を誇る転生少女・レオニカと共に竜討伐に挑む日々だが、どんなに努力してもラグナはレオの足元にも及ばない。そんなレオのそばにずっといられればいいと思っていたのだが…。 大切なものさえ守れず、限界まで鍛え竜を殺し続け最強に至った未来の自分と、いま目の前で命の危機に瀕するレオを見る無力な自分が繋がり、未来の自分から最強の強さを託される!! そしてこの日、竜にとっての「死神」が誕生する。 https://magazine.jp.square-enix.com/joker/series/ragna/ ガンガンJOKERで連載中のこちらの作品、漫画アプリの「マンガUP」で なんとなく読み始め、その面白さにあれよあれよとハマってしまいました! 覚醒してから限界の限界の限界まで自分を追い込み続ける主人公「ラグナ」と、元・竜の王で神に反逆し追放された「クリムゾン」がすべての竜を殺すことを誓い共闘するのがめちゃくちゃ熱いんです!! アクションシーンもとんでもなく迫力があってかっこいいし、とにかうキャラが立ちまくってます!!! 一気に敵の王の首まで迫ったかと思ったら、とある一団と共闘して敵幹部軍と戦ったり、展開に次ぐ展開!ずっと面白いです!! 最強になったかと思っていた現在のラグナですが、その力と体がまだ馴染んでなかったりする、そして戦いの中で少しずつ…というのも最高にグッときます! きっと『鬼滅の刃』好きな人にはハマると思うんですよねー。 早く続き読みたくてしょうがないです。ラグナクリムゾン小林大樹 蒼伊宏海1わかる
吉川きっちょむ(芸人)2021/10/01どこにもいけないコロナ禍の我々に刺さりすぎる生き辛さ #1巻応援アラサー独身女性のどこにも着地できない居心地の悪い浮遊感を味わえる作品で、非常に興味深かったです。 30歳、契約社員の菊池あみ子。 世間の顔色を伺いながら、自分がどうしたいかという欲求に目を向けずマニュアル通り、立場なりの波風の立たない言動を繰り返す毎日。 自立してはいるが、どこか満たされず、彼氏でもいれば変わるのかとマッチングアプリでの出会いを機械的に1年こなすが、彼氏は5年いない。 そんなとき、職場に「仕事以外に何かやってる人」っぽい女性が気になっていき、交流が始まってから日々に少しずつ変化が生じていくのだが…。 https://comic-days.com/episode/3269754496402490831 これを読んだ僕自身はアラサーの男性なんですが、3話あたりまで読んでグゥーっとみぞおちのあたりが冷え込むような、ジェットコースターで落ちるときの内臓の居心地悪い浮遊感を味わいました。 普段はあえて言葉にしてないような漠然とした小さな不安や、こう振舞っておけば波風立たないだろう、本心でなくとも上手く会話が回るだろうという人をなめた浅ましい考えがすべて言語化されて目の前に差し出されたようで、すべて見透かされてお前はこういうところがあるよなとチクチクやられているような、あの感覚。 どこにもいけない。どこにも着地できない。そして目的地もないが、どこかにはいきたい。 頑固にもなれなければ、道化にもなれない真面目さ。 すべてが中途半端で自分の欲求にも素直になれなければ、世間の「普通」にハマるよう社会生活を送るだけの個を消した状態にも違和感を感じてしまう。 否応なく現実を突きつけられているように感じ、背筋をひやっとしたものが走る。 こういう漫画って、必要です。 そういう気持ちになりたいときもあるんです。 生活、仕事、貯金、将来の不安、義務、責任、世間体。 隣の芝生の青さ。 自分は自分、強くやっていくって思えればいいんですけどね。 現時点での最新6話をポイントで購入して、ここまでは登場人物たちの関係性のこじれ具合や変化などのお膳立てが整うまでの序章に過ぎなかったのかもしれないと思わされました。 おや、と思って改めて公式のあらすじを見てみると、最初からそれが目的だったのかと。 面白いです! 演出次第だとは思いますが、ドラマ化してほしいと思いました。まじめな会社員冬野梅子2わかる
吉川きっちょむ(芸人)2021/09/29地味だがクールな現代ニンジャの戦い方!形を変え、現代に生きる「忍者」の生き様をリアリティをもって描いたらこうなる!っていうのをバッッチリやってくれてる現代忍者マンガ!! 日本の若手忍者のトップを決める試験に挑む少女キリネ。 ランダムで組まされる相棒のシンヤはあまりに普通で足を引っ張るばかりかと思いきや…? 試験の参加者は蜘蛛の毒を受け、参加者たちが持つ解毒薬を使わなければ4日で絶命するため、池袋2km圏内で自分は見つからず他の参加者を見つけ倒していけなかればならない日常の中に潜む過酷なサバイバル! 術や身体変化、特殊能力などは一切出てこないで、鍛錬で辿り着けそうな人間の身体能力と、あくまで手に入るものを駆使した創意工夫、徹底した観察力・洞察力、追跡術や罠や早着替え、心理的駆け引きだけでこれでもかと魅せてくれる!! 魔法のような科学の粋を結集したテクノロジーアイテムが出てくるわけでもなく、本当に生身の訓練された人間として忍者が出てくるのが超クールです!! https://comic-days.com/episode/10834108156630866418 ずっと読んでみたいと思っていたにもかかわらず、どうしても読み始められずに流れていってしまったんですが、無料公開のタイミングで途中まで読み、その後ポイントを使って一気読みしました。 読んでよかった! そして、なぜリアルタイムで読んで応援できなかったのか! 悔しい! きれいな形で終わってはいますが、主人公の少女・キリネの相棒となるシンヤがなぜああいった状態になっているのか、という部分にフォーカスする回があったら読みたかったなーという気持ちはあります。ヤオチノ乱泉仁優一
吉川きっちょむ(芸人)2021/09/24ネタバレツチノコ博物館がある島に転勤したスーパーの店長が婚活を…?📷ユーモアが漂う少し変わった離島の日常。 東京から地方の島にあるスーパーの店長として転勤してきた主人公・村田が、急にバイトの女子高生にあることをせがまれ…。 https://ebookjapan.yahoo.co.jp/books/652297/A002687206/ 「ツチノコを追う美人な姉」とか、「島で一番大きいちくわ屋さん」とかクセになるユーモアが大好きです。 現在、2話まで公開されているのですが、公式のあらすじが無料公開の1話以上の情報が思ったより書いてあるのでネタバレされたくない人は注意です。 河野別荘地さんは微妙にありそうなリアリティラインを描くのが非常に上手な方なので、本当にこういう島があってツチノコ博物館があってそこで暮らしてる女子高生の妹と美人な姉がいるんじゃないか?と思いたくなります。 ~~みたいな、という言い方は失礼かもしれませんが、小田扉先生のような日常に潜むユーモアをほじくり出すのがいいなあ!と思いました! 例えば2話で、 朝、窓を開けて外を見ながら姉が 「いい天気ねぇ ツチノコも今日は巣から出て活動してそう」 というセリフ。 なんかもう面白いですよねー。 ガチでそう思ってるのか、そう思いたがっているのか現段階では分かりませんが、発想がツチノコに寄り添ってるんですよね、この人。 ちょっとだけ狂気入ってない?っていう。 あと、島にちくわ屋が多いという情報もなんか、面白いというか、漁獲量あって練り物の加工が盛んなのかなというバックグラウンドに想いを馳せられるんですが、それ以上に狭い島にちくわ屋が多いってそんな需要あるの?っていう部分もなんか面白いですし、2話目では「島で一番大きいちくわ屋さん」のせがれが訪ねてくるわけで、なんか目に見えない速さの面白さを細かく連打されてる気分になるんですよね。 狭い島っていうのも、「あと一人社員ほしいけどこの島の人口じゃ難しいか」と1話でさりげなく言ってるあたりにさほど大きくないのかなと想像させてくれるのが上手いですよねー。 この時点でもうめちゃくちゃ好きです。 メインは主人公とこの姉妹のこじれそうな恋だったりツチノコの何かなんでしょうけど、この先どうなっていってもきっと好きです。 楽しみ~ツチノコと潮風(合本版)河野別荘地2わかる
吉川きっちょむ(芸人)2021/09/10妙なリアリティのある奇妙な鳥人間と居候コメディ!めっちゃくちゃ好きです!! 中学一年の鴻田新(こうだあらた)が学校からの帰り道に出会ったのは腹をすかせた奇妙な人型の鳥みたいな人語を話す生物・クジマ。 聞くところによるとロシアから来たという。 日本食が食べたくて来たというが…。 いろいろあって翌年の春にロシアに帰るまで住むことになったクジマと鴻田家のホームコメディ! https://gekkansunday.net/work/4466/ 1話あたりそこまで長くない話で、寒くなると日本に来て暖かくなるとロシアに行く渡り鳥みたいなやつに居候されるっていう奇妙な設定が素晴らしくハマって面白いです! 奇妙な鳥ってだけでも面白いのに、ロシアから来てるからロシア語話せるしロシア料理作れるし、たまに外国人みたいな「分からないデス」みたいなとぼけ方を入れてきたり、ブチ切れるとロシア語で罵倒したりともう、面白い! 単純にロシア人の留学ものとして見てもいいのかなって思ったら、最悪、虫食べて生きていけるっていう、それはもうマジで鳥じゃんっていう部分も垣間見せたりでクセになる! 紺野アキラ先生、いままで読切も漏れなく全部面白かったので、連載始まって本当に嬉しいです! ホラーも面白かったので、この鳥にも少し怖さがある気もしますが、ホラーとコメディって表裏一体なので楽しみです。クジマ歌えば家ほろろ紺野アキラ5わかる
吉川きっちょむ(芸人)2021/09/08テンポよく死ぬスレスレを生き続ける主人公がアツい!どんどん次が気になって読んじゃうテンポの良さ! さすがピッコマ、つい課金したくなる作りになってますねー! ゲームっぽいダンジョンに強制転移させられた元プロゲーマーの主人公が、ヘルモードを選択してしまったばかりに生存率0.01%の死にゲー設定の中で何度も死にかけながら命からがらトライ&エラーでゴリ押ししていく! https://piccoma.com/web/product/71905 転移ですし内容も読みやすいので「異世界もの」が好きな方にはざっくりと相性がいいんじゃないかと思うんですが、序盤までの感想で「俺TUEEEもの」じゃなくてちゃんとピンチで死にかけるようなハード目な作品が好きな方にはオススメかなと思いました。 プロローグから読みとれることがいくつかあって、その中でもとりあえず主人公は60階まではどんなに死にかけても死なないと安心して読めるのがいいですね。 そして、イージーやノーマル、ハードモードには他にたくさん人がいて、どうやらクリアして情報を現実に持ち帰っている人たちがいると。 読み進めていくと真偽のほどは分かりませんが、わりとすぐクリア条件らしきものの情報は出てきます。 ただ、他のモードならともかく「ヘル」の場合は死ぬほど難しいわけです。 プロローグ時点で81期になっている。1期分が30日なので約1か月。 つまり主人公はこのチュートリアルのダンジョンの中に6年と9か月いるということに。そもそも現実と時間が同じスピードとは分かりませんが。 そもそもここでいうチュートリアルとは? チュートリアルをクリアしたら現実に戻れるってことは、帰る現実もやばい状況になってる? このヘルモードのチュートリアルをクリアして帰れば無双できるのでは? と、いろいろ考えるの楽しいですね! とにかく死ぬ一歩寸前まで鍛え続けないとガチで死んでしまうモードで、ゴリゴリに削られながら必死に邁進する主人公を、安心しつつもハラハラ見守るのが楽しいです。 次の階層はどんな形で殺しに来るんだろう、と。 週一の火曜更新が楽しみになりました。 タテ読み漫画、縦スクロール漫画、ウェブトゥーンなどまだ一つの名称に日本では定まっていない感じはありますが、韓国、中国の手法を取り入れて、ピッコマやLINE漫画を中心によく見かける気がしますし、(自分の観測範囲では)日本発のものも増えてきてますね。 縦で読むようになれば、日本式漫画だと右から海外だと左から、という様式の違いをクリアできるのも利点ですし、スマホサイズで読むときに文字が多きくてフルカラーでどんどんスクロールできてテンポよく非常に読みやすいです。 だからこそついつい課金して先読みしてしまうような形にマネタイズしてるのが素晴らしいです。 無料公開から先に何話分も先読みのストックありますもんねー。 スマホの形はwebページやTwitterなども含めスクロール前提で作られてるので相性ばっちりです。 ウェブに最適化された漫画ってことでウェブトゥーンなんでしょう。 ピッコマではSMARTOONと書いてあるので、スマホ向け漫画を謳っているということでしょうか。 こちらの作品は作画の方が日本名ぽかったので、日本発なのかと思ったら原作が韓国のものですし韓国が先出しだったようです。 原作小説は完結済みで23巻。 もしかしたら『俺だけレベルアップな件』レベルで月間1億円の売り上げ叩き出したりするかもしれませんね。チュートリアルが死ぬほど難しいgandara 今江大輝1わかる
吉川きっちょむ(芸人)2021/09/07サバイバルに錬金術が加わることでさらに面白く! #1巻応援敵国の捕虜と、料理人と錬金術師が力を合わせて無人島サバイバル! https://comic-days.com/episode/3269632237329614255 軍の飛空艇が被弾し無人島に墜落。 生きていたのは、錬金術師と料理人、そして乗せていた敵国の捕虜の3人だけだった。 ここで料理人のジンは3人で協力して無人島をサバイバルすることを提案するが、錬金術師のニコは、敵国の兵士タクミと協力するのには抵抗感があり…。 「ファンタジー×サバイバル」という切り口ってたまにあることはあるんですが、焦点が違うところに定まってて、この漫画みたいなテーマではないんですよね。 よくあるものだと異世界ものが多いんですけど、結局魔法が使えたり、食材を簡単に用意できたりで、要はリアリティの線引きがかなりファンタジー側に寄ってるんですね。 それが悪いわけじゃなく、それはそれで気軽で楽しいです。 そして、この『錬金術無人島サヴァイブ』ですが、かなりリアル寄りのサバイバルの話で、そこにスパイスとして錬金術というファンタジーが乗っている。 さらに言えば、無人島でサバイバルの素人が生き抜くために「錬金術」という要素が生死を左右するポイントでもある、というのがポイント。 世界観は、「錬金術」がある以外は、食材や素材なども我々の現実と近いところにあるのでファンタジー要素は少なめです。 この作品でいう「錬金術」がどういったものかというと、すでにある素材の「分解」→成分の「抽出」→想定した物の「形成」という手順で実行される。 なので、無から有を生み出せるわけでもなく、素材に対する知識や形成するもののイメージがはっきりしていないと上手くいかない。 この作品内で上手いなというのが、それぞれの職業や関係性や能力の描き方。 例えば、錬金術師のニコは能力はあるけど、「形成」のイメージがあやふやで上手くいかない。 敵国の捕虜のタクミは、大工だったので設計図を書ける。 設計図を見て、明確なイメージがあれば、今まで上手くいかなかったニコの「形成」が上手くいく。 そして工具ができたらタクミによるDIYが炸裂する! でもニコとしては、非常事態とはいえ、自分の家族を爆撃で殺した敵国のパイロットと協力するなんて、という葛藤あるわけです。 そこを誰にでも平等な料理人のジンが二人を繋げたりしますし、食と医療が近いのもジンはかなり重要なポイントですよね。 錬金術もニコの能力による制限があって、ある程度より質量が大きいものは無理だったり、やはり何でもありじゃないのがいいんですよねー。 大きいものもできたら船作れちゃいますもんね。 そんな様々な事情が絡み合って、いろいろなものをDIYしながらサバイバルが進んでいくのです。 単純に面白い! これからも楽しみにしてます!錬金術無人島サヴァイブ保志レンジ 伊口紺6わかる
吉川きっちょむ(芸人)2021/09/03満足度も完成度もめちゃくちゃ高い読切! #読切応援女の友情とSFで、部屋の中の会話劇でここまで魅せてくれるか! 初投稿、初受賞作にもかかわらず非常に話の完成度が高く、こういった賞でなく普通に雑誌にポンと掲載されていても目を引くような素晴らしい内容でした。 読後感はしっかりプロの犯行といった気分です。 https://comic-days.com/episode/3269754496432828238 タイトルなんだっけ、と思ってしまうくらい関係ないようなスタートかと思いきや、話が転がっていくとあれよあれよとまさに本題はそこに行きつき、タイトルを経由して、扉絵に着地するというようなハッとする内容でした。 読み終わったらもう一度、扉絵を見てほしいです。 高校生のとき、互いに友達もできず独りぼっちだった二人の女子がなんとなく接近しなんとなく話すようになったそんな二人が、高校卒業から7年ぶりの再会。 互いに違う道を行き話すこともなく気まずくなるかと思いきや、話せば話せてしまう。それが友達。 互いの仕事の話をするとかたやシェフ、かたや博士課程で研究。 研究内容を聞いていくとなんとタイムマシンに関わっており…。 高校卒業後フランスの料理修行に行くほど行動派な友人の「バックトゥザ南北朝 足利尊氏にブイヤベース食わせてくる」の台詞のセンスは最高っすね! タイムマシンに対しての発想の転換というか、未来にしか行けないというのはわりと現実的な話ではあるのでいいとして、自分ではなく物を送って「鮮度をそのままにする」というところが味噌ですね。 具体的にこの世界にタイムマシン技術が根付いて開発されているっていう地味なリアリティがあって話が前に進みます。 そして食事という人が生活を送る上で最も日常的なところへ落とし込んでくるという。 はー、素晴らしい。大好きです。 ふと思ったのですが、突然訪れる友人の方ではなく、主人公の方がタイムマシンの研究しているっていうのがあまりない形なのでとてもいいですね。 我々読者側にとって突飛なことがいつも来訪する側とは限らない。 というか、突飛なように描かずあたかも普通のことのようなテンション、温度なのがとてもいいですねー、友人は驚いてましたが。 まだTwitterに載せた漫画を全部は読めていませんが、片っ端から読んでいこうと思います。 毎話バズってますし、そのうち書籍化の話来そうですよね。 ひょっとしたら今回のモーニング月例賞で箔がついて、とかもあるかも。 https://twitter.com/i/events/1060516123316121606時間跳躍式完全無劣化転送装置山素
吉川きっちょむ(芸人)2021/09/03モーニングの月例賞のレベルの高さを見よ! #読切応援📷超よかったっす!!! なんで佳作?もっと高い賞あげてもよかったのでは?と思ってしまいますが、雑誌編集部なりの方向性や判断基準があるんだろうな、というところで。 https://comic-days.com/episode/3269754496432828231 寝坊した女子高生のまどかが、大急ぎで学校へ向かうがその方法が…!? 不思議な と、なんともあらすじをネタバレせずに上手く言語化して語れないような内容になってます。 一部ショッキングな内容も含まれてるかも? そこが!とにかく!すごいところでもあるのです! 目の前に分からないものが次々に差し出されたとき、人間ってなかなか飲み込めなくてその場で考えて止まってしまったり、読むのをやめてしまう人もいるかと思うんですけど、ですけど!するするっと読まされてしまうというか、分からないけど感覚で分かるような気がするというか、取り急ぎ一度読んでみてほしいです。 なんとなく言いたいことは分かるかと。 とりあえず言いたいのは、お母さんグッジョブです! いろんな意味で読み終わったらあともう一度読みたくなります。 そのとき、あー!ここで!という部分と依然として分からない何かに包まれたものがあったりなかったり。 でも、その分からなさが心地よいんですよね。妙に腑に落ちるという。 全部分からなきゃいけないわけじゃないんです。 にことがめ先生、超期待の方なので過去作で読める『天使の研修期間』も読むのオススメしておきます! https://tonarinoyj.jp/episode/3269754496427567251私の黄泉黄泉最短ルートにことがめ5わかる
吉川きっちょむ(芸人)2021/08/31クラシックピアノ少女×テナーサックスジャズ少年がギグ!!「ジャンプルーキー!」に掲載された激熱音楽漫画! 高校生の男女が出会う! クラシックピアノ少女×テナーサックスジャズ少年! 父親が世界的ピアニストで自分のアイデンティティを確立できない少女が、転校先で作曲してる痛いジャズ少年に出会い、葛藤し、殻をぶち破っていく! https://rookie.shonenjump.com/series/pGBIkZkJ3hM/pGBIkZkJ3hU なりたい自分が分からず、求められる像を演じ、それでいいのかと不満を抱き自分を殺してきた彼女がすべてをジャズセッションで吹っ飛ばす! 「こじらせた中学生みてぇなジャズの才能」っていい言葉ですね。 演奏シーンから音が聞こえてくるようでした。 担当は『チェンソーマン』『スパイファミリー』『ダンダダン』などを手掛ける林士平さん。 https://twitter.com/SHIHEILIN/status/1426509882446946304?s=20 インディーズ連載かと思ったら、担当さんが読切って書いてるので読切なんですね…。 続きが読みたくてしょうがないです。撃滅のジェノサイドギグフセキ6わかる
吉川きっちょむ(芸人)2021/08/10前振りからのオチが最高!8p読切 #読切応援シリアスな時代劇ものに見せかけたハレンチギャグ読切! 道場の男たちが誰も敵わない、剣で生きる女性の話かと思ったら、そうだ、この作者って『いとやんごとなき』描いてた人だったと分からせられるショート読切。 ショート8ページでこんなに凝縮できて、絵が上手いのでまんまと騙されてしまいました! このボケ方今まで見たことないです! 最高です! https://www.sunday-webry.com/viewer.php?chapter_id=106879秘剣・雪の華小松翔太
吉川きっちょむ(芸人)2021/07/23やさしさと笑いでほっこり癒されました #読切応援可愛らしいキャラたちの優しさにあふれる言動やふふっと笑ってしまう状況にほっこり愛おしい気持ちになった読切です。 オチもよかったです! 朝、学校に行ってない少女のもとへ同級生の男子がやってきて、今日の給食が「エッグベネディクト」であることを告げ、登校していきます。 そこから「エッグベネディクト」を知らない少女は、それは一体どういうものだろうと考え、お母さんに聞いたり、辞書で調べたりして、空想を膨らませ…。 『なかよし×コミチショート漫画大賞』大賞作品に輝いた都会先生の『エッグベネディクト』はこちらから読めます。 https://comici.jp/articles/o/50328/ こんな賞があったことを知らなかったです。 https://comici.jp/articles/amp/56336/ これを読んだとき、実は自分自身も「エッグベネディクト」の名称は知ってるけど、食べたことないのでいまいちどういうものなのか分からない状態で読んでいたので、主人公の気持ちに非常に近いところから読んで一緒に楽しむことができました。 なんか、卵を使ったおしゃれな料理でしょ?っていう。 一緒に考えてたんですが、それでもやっぱり小学生の自由さには適わないなって気持ちになりましたし、笑っちゃいました! お母さんもいいし、友達もいいし、大好きな漫画になりました。 この漫画の読者層のターゲットって「なかよし」の賞なので小中学生の女子だと思うんですが、見事に目線をそこに合わせてて言葉選びとかのちょうどよさもすごいなって思いました。 「不登校」とか「引きこもり」っていう言葉を使っていないのが本当にありがたいなって思いました。 都会先生本人の様々な経験があってこそなんでしょうね。 いろいろあって学校に行ってないことってそこそこ重要なことだと思うんですけど、冒頭でさらっと触れてからは特に重く描いてないのがいいんですよね。 登場人物の誰もがそれを特別なこと、いけないこととして扱ってない。 同級生の少年もただ学校に来てほしいなってやさしさだけ。 ほんとやさしいなー。癒されました。 そしてそのやさしさの中に異様な姿で浮かぶ「エッグベネディクト」の図ですよね。最高でした。 こういうやさしさの中に少しの毒や異物感みたいなものがあると際立って面白いので大好きです。 全体的にいつなのか年代の分からなさもいいなーって思いました。 これで連載してほしい。エッグベネディクト都会2わかる
吉川きっちょむ(芸人)2021/07/19ネタバレ歴史に残る藤本タツキ渾身の読切 #読切応援📷日本中の漫画家や創作に携わる人に激震が走った143ページの読切。 この感想は、この作品以外にも引用元と思われる映画のネタバレも含まれるので、ご注意ください。 いまだかつて見たことがないタイプの漫画家マンガであり、ガールミーツガールで、話自体がめちゃくちゃ面白いのに加えて、細かく散りばめられた元ネタを考察するとさらに深いところまで仕掛けが考えられていることに驚きます。 https://shonenjumpplus.com/episode/3269754496401369355 あらすじ 小学4年生の少女・藤野が学年新聞の4コマを担当し、同級生たちから絶賛されていたある日、先生から4コマの枠を1つ不登校の京本に譲ってやってくれないかと打診される。 次に載った京本の4コマは、漫画にはなっていないが強烈な絵の上手さで藤野のやる気に火をつける。 藤野はそれ以来、友達とも遊ばず来る日も来る日も絵の練習をするが、なかなか追いつけず…。 読むと、まだここから展開するのか、という思いと、あっという間に終わってしまった、という思いが溢れました。 読み終わったあとは、涙が溢れていろんな感情がぐちゃぐちゃに混ざって大変で、脳内をぐるぐる駆け巡り眠れなくなってその後は何も手につきませんでした。 様々な媒体で1年に数百本読切を読んでいますが、近年でこれ以上の読切作品は見たことがありません。 少女が天才に出会って挫折を経験し、ともに漫画家を目指していく話でありながら、それだけでは終わらないのがこの漫画の見どころ。雨の中、田んぼのあぜ道で踊る場面までですでに傑作です。 しかし、なんて感情をエグる漫画なんでしょう。 藤野は絵の上手さで京本という天才を努力を重ねても越えられず、挫折し筆を折りますが、その後彼女はどうあっても漫画を描いていた、ということが創作者の強さであり、そんなんじゃ創作の火は消せないよと言ってるようで強く背中を押されました。 何より、絵は京本より上手くなくても学年新聞のその4コマの内容がちゃんとすごく面白いのがまた説得力になっていて、同級生は絶賛するんですが、小さい一言の「京本の絵と並ぶと藤野の絵って普通だな」という否定の言葉が強く刺さるんですね。たくさんの賞賛より一つの否定がきついんです。 ところがどっこい、自分が勝てないと思った相手・京本は逆に、4コマの面白さの内容的に勝てない、自分のことを尊敬してい天才だと思ってくれていたファンだと分かるわけです! こんなん雨の中だろうが踊らないわけにはいかないでしょう!すべての否定がぶっ飛びますよ!最高最高最高! その後の展開は「追悼」であり、「フィクションで現実をぶっ倒す」という表現でもあるんですが、同時に「あり得たかもしれない現在、未来」という永遠のテーマを描いています。 昔からSF小説や映画、漫画、様々なメディアで使われてきた普遍的なテーマですが、藤本タツキ先生流に噛み砕いて提供するとこうなるのか、これがいま日本の漫画家の先頭を走る「背中」なのかと思わされます。 また、社会的な文脈や先生の過去作、映画などの前提知識無しで読んでもこれだけ面白いのに、細かな仕掛けを考察するとこんなにも思考が張り巡らされているとは…と驚かされます。 『チェンソーマン』でも使われた手法で事件を描く際の演出のリアリティと、その現実を乗り越える爽快なファンタジーの繋ぎ方が素晴らしかったです。 個人的に好きなのは139ページの、藤野が京本の部屋で、京本がずっと自分の「背中を見て」いてくれたことが分かり楽しかった過去がフラッシュバックしながら自分が描いた「シャークキック」11巻を泣きながら読むシーン。 泣きながら読んでるのでページにも涙が落ちているんですが、11巻のラストページに時間が経った涙のシミがあります。 これは、長時間そのページで手が止まっていたとも考えられますが、かつて京本がこのページを読んでいたときに流して染みこんだ涙だったのではないでしょうか。目指す道は違えども、ごく最近まで読んでいてくれてたんじゃないか。その前のセリフであるんですよ子どもの頃の。漫画を描くのは好きじゃない、楽しくないしめんどくさいし地味だし、描くもんじゃないよと。「じゃあ藤野ちゃんはなんで描いてるの?」に対する回答はセリフでは書かれません。そういうことなんですよね。そこからのページがすべてを物語っています。最高です。だから描いてるんです。 ラスト11ページはセリフはないのに雄弁に語ってくれているんですけど、こんな芸当ができる作家さんほとんどいないんじゃないでしょうか。 作品を読めば分かりますがタイトルである『ルックバック』にもたくさんの意味が込められています。 「過去を振り返っている」ことや、たくさんの場面で登場する印象的な彼女らの「背中」、また序盤から互いに意識し「背中を追う」構図になっていたり、漫画の「背景」だったり、あの4コマだったり。 ストーリー外でいうと、藤本タツキ先生の『ファイアパンチ』や『チェンソーマン』からの引用という自らの過去の「振り返り」の要素もあったんでしょう。藤野と京本という名前からすでに藤本先生の過去に二人を色濃く重ねているように感じます。 https://twitter.com/nagayama_koharu/status/1416859245752946688?s=20 具体的には、67ページの「拝啓美術の世界」と、107ページの京本の絵の「扉」が分かりやすいです。 「背景」を描いたアシスタントへの敬意も感じます。 https://twitter.com/nagayama_koharu/status/1416858810472226817?s=20 2019年7月18日、つまり2年前の昨日が京都アニメーション放火殺人の事件の日で、発表したタイミング的にも基本的にはその事件に捧げる鎮魂歌になっているんじゃないでしょうか。 どうやら藤本タツキ先生は京アニ作品が好きなのは、過去のインタビューからも分かります。 https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1469607592 「京本」が襲撃されるのも、そういうことでしょうか。 様々な仕掛けですが、まずは扉絵の次のページの黒板「Don’t 」、タイトルの『ルックバック』、ラストページの床に積まれた本の表紙タイトル「In Anger」 『Don't Look Back In Anger』 これはロックバンド「Oasis」の曲で、2017年イギリス・マンチェスターでのテロ事件のアンセム(合唱曲、シンボル曲)として本人たちに使用された楽曲です。 『Don't Look Back In Anger』は、 「思い出を怒りで塗りつぶさないで」 「怒りにまかせて思い出さないで」という意味。 この作品でも、過去の怒りや悲しみに囚われないで前を向いてほしいというメッセージが込められているんでしょうねきっと。 https://twitter.com/Kazuki17910/status/1416792788415303684?s=20 https://www.youtube.com/watch?v=r8OipmKFDeM また内容的に、「あり得たかもしれない現在」で動く主人公を描く点からも映画『バタフライ・エフェクト』からの影響も濃厚かと思われますし、この映画のエンディング曲はOasisの他の曲『Stop Crying Your Heart Out』が使われています。 個人的に高校時代に何度も見た大好きな映画で、この曲も大好きです。 タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のパロディも分岐点以降全体の展開が重なっているのと、117~120ページの担架が運ばれるシーンが見受けられたり、ラストページの床に映画のDVDっぽいジャケットのものが転がっているところから分かります。 この映画は、実際に起こったハリウッド女優のシャロン・テートが、チャールズ・マンソンのカルト的信者によって惨殺された事件を入念に描き出して、最後の最後、犯人がシャロン・テートを殺そうとするところから犯人を爽快にぶっ倒して勝つという、クソみたいな現実をフィクションで殴り飛ばす、この事件へのカウンターであり鎮魂歌だった映画です。 4コマの切れ端が京本の部屋に入って「幽霊?」というシーンは映画『インターステラー』でしょうか。 この『ルックバック』内での美大での事件の場所のモデルは、藤本タツキ先生本人の出身校の「東北芸術工科大学」ですね。 建物もそうですし、ラストページの床に積まれているパンフレット?の「TUAD」からも分かります。 ネットに上がっている考察も含めて参考にしてここに書いてますが、まだまだ見つけられていない隠されたメッセージもあるかもしれません。 『ルックバック』はこの後の人生で何回も読み返すことになるでしょう。 本当にありがとうございました。 そして、『ルックバック』を含んだ短編集かな?がすでに9月3日(金)発売予定です。 https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-882782-7ルックバック(読切)藤本タツキ11わかる
吉川きっちょむ(芸人)2021/07/05ネタバレ続編だけどここから誰でも読めるし、前作も大好きだから最高です!この作品のあらすじにも書いてありますが、少年マガジンエッジ(講談社)で連載していた『うちのクラスの女子がヤバい』のまさかの続編が4年越しにトーチで復活とは! http://to-ti.in/product/erisawa 新任教師が教室に入ると、クラスにいっぱいいるはずの生徒はすっからかんで、機械の猫頭の女子高生?だけいて、これは一体!?え、30秒前に全員消えた?という始まり方で、一瞬で心を掴まれます! 猫端末でリモート授業を受ける引きこもり生徒とともに生徒たちを探し出す第1話。 そして何に驚いかというと一話公開時、衿沢世衣子先生の新連載でタイトルは明かされておらず、単純に楽しみだなーワクワク、と思っていたら、これがまさかの続編だったと分かるのです! 元々の作品を知っていた人はテンション上がりますし、前作を知らなくても話として面白いので惹きつけられる内容になっていて、前作を読みたくなります。 思春期の女子にのみ発現するあまり役に立たないささやかなで変な超能力、通称・無用力。 そして、このクラスは無用力の女子が集められたクラスだった、という話です。 ときには迷惑だったり、たまに役立ったりもするこの無用力ですが、前作の印象でいうとこの無用力をメインで話を運びつつも、あくまで生徒個人個人の事情だったり、思春期なりのよくある悩みに寄り添った話になっていて、無用力も少し人と違う個性の一つという感じで描写されていて「多様性」を早くから描いていたように思います。 そのあたりのバランス感覚が非常に好きな作家さんなので、これからの話も楽しみで仕方ありません!2年1組 うちのクラスの女子がヤバい衿沢世衣子3わかる
吉川きっちょむ(芸人)2021/07/05好きな読切! #読切応援宇宙から飛来した擬態生物を探して駆除する部隊の凸凹男女コンビの話なんですが、思わぬ展開に魅了されました。 話運びも擬態生物の設定も魅力的ですし、先輩や後輩のキャラクターも生き生きとしていてとても好きでした。 紙山はさむ先生の次回作を早く読みたいです! 【第106回新人漫画賞受賞作 佳作受賞作】 https://pocket.shonenmagazine.com/episode/3269754496353460596 擬態生物ということで、映画『遊星からの物体X』や、『寄生獣』好きな方は好きだと思います!間違い探し紙山はさむ1わかる
吉川きっちょむ(芸人)2021/07/01ネタバレ美少女(おじさん)×危険地帯×ノンフィクション×グルメ!『鍋に弾丸(たま)を受けながら』 というタイトルからなんとなく伝わるハードさですが、内容もまさにそのもの。 「危険な場所にほど美味い食べ物がある」という謎の哲学を持った原作者のノンフィクショングルメレポートです。 ノンフィクションって聞いてたのに、読み進めたら「あれ?おかしいぞ?」とすぐに気づきます。 なぜなら、登場人物が基本的に美少女しかいないからです。 というのも、原作者の青木潤太朗さんが「長年に渡る二次元の過剰摂取」により脳がぶっ壊れたからとのこと。 絶対にそんなわけはないんだけど、あえて乗っかると、どんなにいかついタトゥー入ったおじさんでも美少女に変換され画面の平穏は保たれるという不思議な快感が訪れます。 第1話「マフィアの拷問焼き」 https://comic.webnewtype.com/contents/nabetama/10/ 早速1話目のタイトルから溢れるヤバさ。 メキシコ流に、塩水を吸わせたオーガニックコットンで牛肉を巻いて焚火の中に放り込んだもので、もう、白黒の漫画なのに肉の赤さが見えてくるというか、もうたまらずよだれが出てしまう。 まじで美味しそう…!! このように、危険な場所・状況で美少女(おじさん)がグルメを楽しむ漫画です。 これからも楽しみ~!!鍋に弾丸を受けながら青木潤太朗 森山慎7わかる
吉川きっちょむ(芸人)2021/06/14ネタバレめちゃくちゃ面白い!1・2・3コスメ!! 『やれたかも委員会』吉田貴司先生の商業誌で久しぶりの連載!! 最高の新連載! 正直、1話目でもう超大好きでした!! ゲッサン!ありがとう~! 笹塚高校コスメ部の女子たちがカワイイを極めるために日々努力していて、部活ものらしく試合や対戦そこに向けてモチベーションあげたり、ちゃんと相手にときめかせる仕草や香り、化粧を考えたり。 当然、「試合」や「対戦」と書いて「デート」と読む。 試合(デート)前日にはうまくできるか不安になったり、先輩に慰めてもらったりと部活ものの醍醐味を女の子っぽく仕上げてる! 日々のトレーニング(たくさんの水を飲んで肌をもちもちにしたり)も欠かさない! 1対1の対決(デート)だからボクシング漫画的なノリもある気がする。 好きになったら負け、好きにさせたら勝ちって感じなのかな? それにしても、場面転換のたびにコスメ部のランニングシーン「1・2・3コスメ!1・2・3コスメ!」が入るのがめちゃくちゃ好き! テンポがいい! 30分くらいのコメディドラマですぐ実写化いけそうだなーと思いました。中高一貫!! 笹塚高校コスメ部!!吉田貴司3わかる
吉川きっちょむ(芸人)2021/06/02タスクに追われる現代人に染みる読切 #読切応援【2021年前期・第84回ちばてつや賞ヤング部門】準優秀新人賞 https://magazine.yanmaga.jp/awd/chiba/archive/84.html 発表されたちばてつや賞の読切を順々に読んでいった中で好きな作品でした。 日課をきっちり守ってこなす、日果(にちか)さん。 マルチタスクもなんのその。 何でも器用にこなし、予定は常に日課でパンパンになっている。 ある日、同居する母親から唐突に南極で働くことを提案されるが…。 いつもはすべてコントロール下にあった予定と日課だが、南極へ向かう道中から大自然によって少しずつ思い通りにいかなくなる彼女。 「予定通りに行かないのが日常になるだろう」と言う上司の言葉に 「ああ だから良いんだ」と答える彼女の顔は晴れ晴れとしていて、非常によかったです。 https://comic-days.com/episode/3269754496322445176#ゆけ!日果さん井戸畑机