星のローカス【第4巻】

星のローカス

直江津で海を眺める聡の胸に去来するものは…。聡の学校でも進路について話題に上がる事が多くなってきた。聡はデザインスクールに進学したい旨を父親に告げるが即座に却下されてしまう。時を同じくして美術部の松井の親戚からイラストの基礎が出来ていない事を指摘された聡は迷い、直江津の大日方五色を訪ねて来たのだ。その頃、志保里は聡の父と賭けをしていた。聡が父に逆らって自分の道を追えるか、それとも父に従うだけなのか…。五色から聡が直江津にいる事を聞かされた志保里は聡を迎えに行く。目の前に現れた志保里の姿に聡は…? 自分の道を模索する二木聡、聡を一途に想う志保里、ふざけながらも2人を暖かく見守る長尾と、友人たち。彼らの軌跡(ローカス)は交錯しながら物語を紡ぎ出してゆく…とある田舎町の高校生たちの青春群像を星の神話になぞらえて描く小山田いくの青春ファンタジー! 小山田先生の当時の単行本コメント 『まっ先に思いつく星座は? と聞かれたら、オリオン座、白鳥座…といった答えが多いでしょう。けれど僕の場合はうしかい座です。月刊誌に何をかこうか迷いながら、雪の夜道を歩いていた時、急に雪がやんで雲が切れました。そこにオレンジ色の顔をのぞかせたのが、うしかい座の主星アークチュルスでした。あれをかけたら…、それが「星のローカス」になったのです。だからうしかい座は、僕にとって記念すべき星座なのです。』

すくらっぷ・ブック【第11巻】

すくらっぷ・ブック

信州は長野県小諸市の芦ノ原中学校。3年7組の晴ボンは恋人のマッキーこと迎麻紀、同じクラスの市野清文、坂口光明、そして市野の恋人青木理美たちとにぎやかな学生生活を送っている。そんな晴ボンたちにも、いよいよ受験、そして卒業の季節がやって来た。受験を終え、卒業を迎えた晴ボンたち。それは皆との別離とそれぞれの新たな決意を意味していた。坂口への想いを胸にしまい込んだ光代、イチノと離れる寂しさに葛藤する理美、晴ボンから離れ、一人で虹の橋を登っていこうと決意する香苗。晴ボンに寄り添うだけでなく自身の道も探し始めるマッキー、そして新天地に赴く担任の正木…。卒業式を終えたある日、喫茶「妖精館(アルフヘイム)」に集まった7組の面々と正木は小諸市内の懐古園へ出向き最後のひと騒ぎを行った。そして…日も暮れるころ、正木は皆を集め最後のホームルームを行って…! 小山田いく青春3部作第1弾の感動のフィナーレ!! 2009年「週刊少年チャンピオン創刊40周年記念名作読切シリーズのために書き下ろした「すくらっぷ・ブック特別編 夢のありか」も特別収録! 小山田先生の当時の単行本コメント 『「ありがとう」と言うのが、ボクは得意です。どんないやな過去でも、それがあったからこそ、今の自分の幸せがあるんです。だから、今まで出会った人や物みんなに、ありがとうと言い続けたいんです。過去をすべて、未来へ生かすために。ありがとう、みんな。「すくらっぷ…」を応援してくれたみんなの心が、これからのボクの力になっていくんです。だから、いつまでも、ありがとう。』

マリオネット師【第11巻】

マリオネット師

淀みなく流れる街の“時間”にはさまざまな秘密が浮き…また沈む。その秘密を抜いて行くスリがいた。九頭竜と呼ばれる人形使い。前科0犯。1年待ってほしい。1年たったらルウや好子さんとくらべて… そうみのりに言われ、自らもスリから足を洗うことを決意した灯はスリの神様と呼ばれる三ツ池伝造の口利きでシマを他に譲り、スリの世界を離れる。しかし安堵もつかの間、灯の周りに新たな事件が起こるのだった。灯たち人形劇団V(ファイブ)を常にサポートし励ましてきた斗賀刑事が姿を消したのだ。灯は消息を探ろうとするが、彼は既にスリの世界から身を引いたため、その情報網は使えない。人形劇団Vの好子は灯が元の世界に戻らないように気遣い、自ら風のルウに情報提供を頼みに行くが、今度はその好子の行方がわからなくなる。意を決し、もう一度“九頭竜”に戻って事件を追う灯。だが、その灯の前に姿を現したのは思いがけない人物だった! その他、ルウと共に仕事をしていて瀕死の重傷を負った灯、その灯をめぐってのルウ、みのり、好子、それぞれの想いを描く「ひとつの愛し方として」、かつて忽然と姿を消したみのりの幼馴染をめぐる事件にみのりが一人で挑む「だるまさんがころんだ」など。「すくらっぷ・ブック」で温かな青春像を描いた小山田いくが一転、社会的テーマを絡めた人生劇の描き手として作品を通じ鋭い問題提起を行う、社会派少年漫画第最終巻! 小山田先生の当時の単行本コメント 『なぜ、この作品を描こうと思ったのか…、二年半描き続けて完結した今、ふり返ってみても、どうしてもそれが思い出せないでいます。たぶん、先へ先へ描くことで、毎日精一杯だったのでしょう。実際、今までで一番苦労の多い作品でした。けれど、その分、一番得たものも多い作品でした。何はともあれ、この作品が、僕は好きでした。』

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