くすのき亭の日々

くすのき亭の日々

一昨年母親が急逝してから父と一緒に大衆食堂「くすのき亭」を切り盛りする楠了子(くすのきりょうこ)。以前は色々夢もあったような気もするが、今は淡々と店の仕事をこなす毎日… そんな毎日の筈なのだが、彼女の周りにはいつも不思議な出来事がついて回るのだった。ある日、閉店直後に電話が鳴り、了子が受けるとそれはラーメンの注文だった。自分で調理し出前に行った了子だったが、電話をしてきた女性はこの世の者では無かった。そしてその日から了子の元には閉店後のラーメンの注文が入るようになる。了子は何者かに憑かれたように夜の出前を繰り返すが…。 その他、表題作品「くすのき亭の日々」の他、とあるレストランのオーナーが突然家に友人の娘を住まわせたことからそのオーナーと息子の間に起きる出来事を描いた「すぺしゃる料理人」、昔一緒に遊んだ男の子の面影を追って信州、小諸を訪れた女性の一日をほのぼのと綴る「約束」を掲載。小山田いくが大衆食堂「くすのき亭」の日常にからめて、人間の機微を丁寧に描く珠玉のホラーストーリーの決定版!
もののけトゥモロウ

もののけトゥモロウ

ある日、新婚の雲上忠夫(くもがみただお)と愛子(あいこ)の元に突然落ちてきた「もののけ」の二人、紫電(しでん)と美風(みふう)。それから12年、紫電と美風の二人は忠夫と愛子の子どもとして普通の学校生活を送っていた…はずだったのだが? 時は折しも学校、役所など、あちこちでコンピューター導入が始まった時代。そんな中、ひょんな事から自我と知識欲を持ったコンピューターが現れた! そのコンピューターは二人のクラスメイト、北原知子(きたはらともこ)と有坂修(ありさかおさむ)をも巻き込み解析不能である、もののけの二人をこの世から抹殺しようとする! そこに妖怪ハンターの熊野堂権蔵(くまのどうごんぞう)やら人間界に暮らす他のもののけ、 木霊の児玉藍葉(こだまあいは)に妖チョウの四月一日菜乃(つぼみなの)までが現れて再び落ち着かない毎日が始まり… 息もつかせぬバトルの中に涙のスパイスを加え、小山田いくが遊び心満載で描いたドタバタ妖怪コメディーの決定版! 巻末に読み切り「ボッシュの地平線」も併せて収録!  小山田いく先生の当時の単行本コメント 『妖怪(もののけ)には、さまざまな名前がついてます。これらは、大昔からあった名ではなく、ほとんどは江戸時代にできたものだそうです。なぜなんでしょう? これほど多彩な妖怪を作ったのは、実は江戸時代の遊び心なのです。人間が本当に自然を恐れていた頃は、妖怪は『鬼』や『天狗』だけで十分だったのですから。だから僕もこの作品を自分の遊び心で描いてみました。』
南風からから

南風からから

好きな言葉は「勝利」、嫌いな言葉は「努力」。 自称天才ボクサーの「宮島ムサシ」は周りに期待されているのだが試合になると何故か勝てない。試合に負けた帰り道、むしゃくしゃして木にパンチを浴びせると…羽根の生えた美少女が降ってきた。なんと彼女は生まれて一度も幸せに微笑んだことのない、泣いてばかりの「勝利の女神」であった。「誰かに勝利を与え、笑えないと天界に帰れない!」という彼女に宮島は「勝利を捧げる!」と宣言するが、果たして「勝利の女神」を心から微笑ませることができるのであろうか!? 週刊少年ジャンプで人気を博した「Merry Wind」の元となる新進気鋭作家・南山本春のデビュー作「南風からから」にコミックス未収録作品3本を加えた珠玉青春短編読み切りをスペシャル大容量でお届け!
五百羅漢

五百羅漢

2006年5月に「五百羅漢」のタイトルで発表されていた小山田いく短編集を今回は3冊に分けて配信。第1巻は表題作品「五百羅漢」の他短編4作品を収録しました。 「五百羅漢」…雑誌「野仏」の専属ライターとして石仏を取材して歩く数巳(かずみ)と恋人の美津子(みつこ)は2人で美津子の実家を訪れる。それは村にある五百羅漢を訪れるためだったが、村ではこの場所は立ち入り禁止という暗黙の了解があった。五百羅漢を訪れてからいつもと違う暗い雰囲気を漂わす美津子と数巳を見て亡き従弟、純生(すみお)の名前を呼ぶ美津子の兄に違和感を覚える数巳。やがて数巳は美津子に隠された秘密を知る事となるが、その時彼を不可解な現象が襲う…。その他、訪れる人もいない山荘を守り続ける老人とそこを訪れた一人の女性。老人はやがて女性に山を愛し、山を描き続けた一人の男について語り始める…「山荘夜話」、薄幸の少女、災子は交通事故で命を落とすがひょんな事から妖怪「猫又」になり?!の「災子、猫又ね!」、とある中学校の庭にある卒業記念の桜とそれを守り続ける教師、朝森(あさもり)。植物を愛する少女、春水(はるみ)は朝森との触れ合いを通してその桜に寄せた人々の想いを知る…「記念樹」、あとわずかで定年を迎える刑事、岩佐の元に配属されてきた新人刑事、栗林奈美。彼女は岩佐が心残りという事件を再捜査するよう、彼に力をかすが、その裏には彼女の隠された秘密があった…「風舞人」。 今回の配信にあたり、特別に録り下ろした『すくらっぷ・ブック』の登場人物・桜井光代のモデル・光代さんのインタビューを掲載しています。
(とりあえず)名無し
(とりあえず)名無し
2019/11/19
陰に咲く花
宮西計三は黙殺された才能なのだろうか。 きっと、そうなのだろう。 『ちびまる子ちゃん』のキャラ名に使われていないのだから。 …というのは、まあ、軽口の冗談として。 しかし、彼のそれほど多くない漫画作品を、こうして電子で簡単に読むことができるのだから良い時代ではある。 本書は 「79年ブロンズ社刊「ピッピュ」と81年久保書店刊「薔薇の小部屋に百合の寝台」から自選した物」 ということで、80年代初頭に花輪和一や丸尾末広に続く才能として一部から注目された早熟の異才を知るには、格好のものであると思う。 個人的には、けいせい出版から出た『金色の花嫁』が最も印象に残っているのだが。 とりあえず本書の「1巻を試し読み」をクリックしてもらいたい。 表紙画面から1ページ進むと、モノクロの総扉が顕れる。 寝台に身を横たえた全裸の少年の絵。 この絵にこそ、漫画家・宮西計三の異能が凝縮されていると信じる。 これに感応(=官能)するなら、ぜひ漫画へと進んでいただきたい。 ちなみにこのイラストは、上記『金色の花嫁』所収の「リアリティ」という作品の一部だと記憶する。自分は、この掌編が宮西作品のフェイバリットなのです。 すごい絵だ。 今見ても、心が震える。 名前の印象が近いせいか、宮西計三のことを考えると、いつも宮谷一彦を思い出してしまう。 一応「一時代を築いた」宮谷のマチズモとは、アンダーグラウンドに身を潜め続けた宮西のハイリー・センシティブな資質は随分と異なるのだが、それでも、漫画史の表舞台からこぼれ落ちた「幻の漫画家」として、このふたつの異能は似通ったところがあると感じているのだ。
ブスだけどエロい姉

ブスだけどエロい姉

ブスだけどエロいカラダの姉と普通の高校生の弟の…ちょっとエッチな姉弟コメディ漫画が電子で登場! 高校生のハルくんには、10コ上の姉ちゃんがいる。そして…その姉ちゃんを見にクラスメイトがハルに付いて来るくらい、エロくてナイスなボディを曝け出しているのだ! ただ…顔は…ちょっと……という姉ちゃんなので、クラスメイトたちは、決まって「顔はあんまかわいくないけど 噂通りエロイな!」と、大騒ぎなのだ。当の姉ちゃんは、「顔は微妙だけど体がエロい」とか「一発ヤラせてくれそう」という自身の客観的な評価を自覚しているようだが、今日もお構いなし! デカイ胸を押し付けてくるスキンシップで弟を溺愛するのだった!
生ポのポエムさん

生ポのポエムさん

この物語は人生の再起を賭けて自らの体験を原稿用紙に叩きつけた一人の漫画家の魂の記録である。受給者数213万人(2017年8月厚生労働省発表)の生活保護制度。通称「生ポ」といわれるこの制度の受給申請から受取りまで、貧困の切実な現場と併せて、受給者自らの視点で描いた生ポドキュメント漫画である。 そこは負のオーラをまとった社会の底辺の吹き溜まりに思えた。連載雑誌の休刊、リニューアルでリストラ…気がつけば通帳の預金残高は危険信号。追い討ちをかけたのは糖尿病の悪化による失明危機だった! 絶対絶命の窮地の中、漫画家は最後の手段として生活保護受給申請を決断する。しかし、意を決して足を運んだ福祉事務所は沈んだ空気に包まれていて…。本作を描き上げた約1ヵ月後の2018年2月、著者は死去。晩年の悲痛な思いが綴られた創作ノートを特別併録。
プロ野球レジェンド物語

プロ野球レジェンド物語

野球人に最も愛されたスポーツライター永谷脩の緻密な取材力と水島新司に師事していた五十嵐幸吉の圧倒的な筆力で蘇るプロ野球の名選手たちの隠れたエピソード! 第1巻では『ブンブン丸』ことヤクルト・池山隆寛が『バックスクリーン男』として覚醒するまでの物語、広島・達川光男が選手会長としてチームを引っ張るに至るまでの物語、それまでタブーとされていた肘にメスをいれて復活したロッテ・村田兆治のサンデー復活ストーリー、アキレス腱断裂から復活した不惑のホームラン王・南海/ダイエー・門田博光、ケガと病を克服した阪急/オリックス/阪神・石嶺和彦、完全試合を達成したこともある『酒仙投手』阪急/オリックス/ダイエー・今井雄太郎、難聴の外野手・近鉄/南海/ダイエー・山本和範、他、巨人/中日・西本聖、巨人・桑田真澄、中日/西武・平野謙、西武・渡辺久信、中日/阪神・田尾安志、広島・小早川毅彦、西武/巨人/オリックス・清原和博の14選手を収録。
リリカ 抒情

リリカ 抒情

80年代には黙殺されたこの才能を今こそ正当に迎え入れたい/松浦理英子(帯原稿より)。本書はペヨトル工房からの第二弾であるが-リリカ-から四年の月日がたっている。しかし内容は逆に-リリカ-以前のものが収められている。キャプションでもあるように-エステル-に至る道であり、宮西の“技術修練”を垣間見ることが出来る。作品は79年ブロンズ社刊「ピッピュ」と81年久保書店刊「薔薇の小部屋に百合の寝台」から自選した物で、いずれも77年~79年にかけて青年雑誌各誌に発表された作品である。なんと作者が18歳~20歳の間に描かれているというのだから驚いてしまう。宮西の言葉づかいは独特である、ここでその謎に触れておかなければならない。本書「Lyrica」の口絵にはタイトル下に《抒情》とある。では、その意図するところは? 抒情とは感情に訴える感覚であり、生来人に備わったが予感する能力とも言える。それは彼の追い求める感覚の総称であり作品はその予感の実体なのである。自ら捕らえようとしたものの姿がこれらの作品である。と、言いたいのではないだろうか。彼の文章は“詩”である。そこに音楽をつけるように彼は絵を描いてゆく。預言的感情に導かれ実体化した抒情…それが -Esther-における副題《あふれてくねるもの》なのではないか…では、あふれてくねるものとは何処へ? それは次回作で明らかとなるだろう。 収録作品:貧しきフリュート/嬲りのよる(ふたなりのよる)/鶏少年/花粉/エンゼルの丘/月の園/大きな黒い岩/メロンの岩/十七歳の妾/Chenges/Friend Angel No.5/ぼくのお尻にきみの勇気/肉体関係/充血果実/歓び、ふるえる/夜のつまづき/鬼百合秘/五月物語

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(とりあえず)名無し
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2019/11/19
陰に咲く花
宮西計三は黙殺された才能なのだろうか。 きっと、そうなのだろう。 『ちびまる子ちゃん』のキャラ名に使われていないのだから。 …というのは、まあ、軽口の冗談として。 しかし、彼のそれほど多くない漫画作品を、こうして電子で簡単に読むことができるのだから良い時代ではある。 本書は 「79年ブロンズ社刊「ピッピュ」と81年久保書店刊「薔薇の小部屋に百合の寝台」から自選した物」 ということで、80年代初頭に花輪和一や丸尾末広に続く才能として一部から注目された早熟の異才を知るには、格好のものであると思う。 個人的には、けいせい出版から出た『金色の花嫁』が最も印象に残っているのだが。 とりあえず本書の「1巻を試し読み」をクリックしてもらいたい。 表紙画面から1ページ進むと、モノクロの総扉が顕れる。 寝台に身を横たえた全裸の少年の絵。 この絵にこそ、漫画家・宮西計三の異能が凝縮されていると信じる。 これに感応(=官能)するなら、ぜひ漫画へと進んでいただきたい。 ちなみにこのイラストは、上記『金色の花嫁』所収の「リアリティ」という作品の一部だと記憶する。自分は、この掌編が宮西作品のフェイバリットなのです。 すごい絵だ。 今見ても、心が震える。 名前の印象が近いせいか、宮西計三のことを考えると、いつも宮谷一彦を思い出してしまう。 一応「一時代を築いた」宮谷のマチズモとは、アンダーグラウンドに身を潜め続けた宮西のハイリー・センシティブな資質は随分と異なるのだが、それでも、漫画史の表舞台からこぼれ落ちた「幻の漫画家」として、このふたつの異能は似通ったところがあると感じているのだ。
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