その他の感想・レビュー3363件<<118119120121122>>スポ根ボドゲ入門マンガ!天王寺さんはボドゲがしたい mononofuANAGUMA人見知りの天王寺さん(完璧人間)とコミュニケーションを取る唯一の方法はボードゲーム!ということで主人公がボドゲ部に入部しボードゲームの魅力に出会い…。 っていうところまではよくある美少女部活モノですが、本作は主人公の南森さんが相当の負けず嫌いのため、真剣にゲームに勝ちに行こうとします。 その結果テンション高めのカードゲームアニメみたいなノリになるのが面白い。 放課後さいころ倶楽部がボードゲームを通したキャラクターのやり取りにフォーカスしてるのに比べて こっちは「ガチでゲーム!!!」っていうスポ根スタイルを採っていてプレイングやルール理解に重きを置いているのが伝わってくる…。 天王寺さんのカワイさに頼らずゲームの差し合いにページ数を費やす心意気、しかと見届けました。 じっくり時間をかけてひとつのゲームをするタイプの作品になりそうな予感で楽しみです!唯一無二、だなあ。俺の新選組 望月三起也(とりあえず)名無し望月三起也で一番好きな漫画、というと、どうしてもこれが思い浮かんでしまう。 キャリアの長いかたで、ぶっ飛んだ名作・傑作・異色作がたくさんありますし、なんと言っても自動拳銃の排莢を描かせたら、まったくもって誰もマネが出来ないほどカッコイイ漫画家さんですから、そりゃあ『ワイルド7』も最高に決まっているのですが(「排莢の瞬間」がカッコイイんですよ。これは映画とか他媒体では描写不能。漫画だけに、望月三起也だけに可能だった絶品のアクション描写です。鳥山明も排莢描くの上手いけど、別にカッコよくはない)、なんか、この、銃も戦車もバイクも出てこない「チャンバラ時代劇」が、すごく好きなのです。 ぞろっとした新選組の段だら模様に、ギラっと冷たく光る本身…いやあ、良いなあ、チャンバラだなあ! 巻数も5巻で長くないですし(いや、打ち切りなんですけどね)、癌で余命宣告された時、「『新撰組』のつづきを描く!」と宣言なさっていたくらいですから、ご本人としても思いの強い作品だったのだと思います。(その望みが果たされることは、残念ながらありませんでしたが) 唯一無二の望月ワールドを堪能するのに、実に好適な名作ですよ。 もしそれで気に入ったら、そこから先は、『ワイルド』でも『JA』でも『JJ』でもヨーロッパ戦線物でも『ジャパッシュ』でも、なんでもドンドンいっちゃいましょう!こんなにカッコイイ漫画は空前にして絶後ph4.5グッピーは死なない 林静一(とりあえず)名無し※ネタバレを含むクチコミです。人はなぜ漫画家になるのか旧約聖書 創世記編 笹野洋子 ロバート・クラム(とりあえず)名無しロバート・クラムの漫画のことを初めて知ったのは、寺山修司の文章だった。 いや、正確に言うと、寺山の文章を読んだ時には、それがクラムだとは分かっていない。 寺山は、「オランダから出ている地下新聞「SUCK」にのった「JOE BLOW」という漫画」として、作者名も記さずそのストーリーを書いていて(「サザエさんの性生活」)、それが記憶に残っており、後に原書のクラム単行本を読んでいて、「あれ? これ知ってる…寺山が書いてたヤツじゃん」となったのだ。 当然、クラムは、アメリカはサンフランシスコで活動してた漫画家なのだから、オランダのわけがない。「Joe Blow」の初出は寡聞にして知らないが、たぶん自らが発行に参画していた「ZAP」あたりだと思う。それが、回り回ってオランダのアンダーグラウンド・メディアに転載され、それをたまたま寺山が見た、ということだろう。 (「Joe Blow」に興味があるかたは、河出書房新社刊『ロバート・クラムBEST』柳下毅一郎編訳に収録されているので、古本で探してみてください) 要するに、ロバート・クラムの作品は、ミッドセンチュリーのアンダーグラウンド・シーンで一際目立つアイコン的存在だった、ということだろう。 (寺山は、「Joe Blow」の作者がフリッツ・ザ・キャットの生みの親だったり、ジャニス・ジョプリン『チープ・スリル』のジャケットを担当しているとか、全然知らなかったみたいだが) 本書『旧約聖書 創世記編』は、クラムがフランスに移住して後、今世紀になってから描かれた作品で、日本版はなんでか知らないがハリポタの静山社から出ている。 クラムの執拗で変態的かつとても味のある描線で、聖書を「一字一句、できる限り忠実に再現」したもので、この稀代の表現者のテイストを味わうには格好の一冊だし、なに気に、「創世記」読んでみようかなあ…と思う人にとって最適のコミカライズだったりします。 それはともかく。 ロバート・クラム本人を追ったドキュメンタリー映画『クラム』(テリー・ツワイゴフ監督)というのがありまして、これを観ると、「ああ、漫画家というのは、本っ当っにっ因果な商売なんだなあ」と思います。 もちろん、アンダーグラウンド・コミック・シーンの巨匠であるクラムですから、実にエクストリームに悲惨かつユニークで、それを普通の漫画家と一緒にしちゃあかんとは思うのですが、その生まれ育った家庭環境(いや、本当にすごいですよ、母とか兄ふたりとか)を思うとき、そこに「なぜ人は漫画を描くのかということの真実」を、どうしても感じてしまうのです。 『クラム』はすごい(ヤバい)映画なので観ていただければと思うのですが、要するに、 “狂った家族(世界)の中で、唯一ほんの少しだけまともだったロバート・クラムだけが、漫画を描くことでその狂気を外在化し、世界と戦い得た” ということで、そしてそれは、多かれ少なかれすべての漫画家にある「描く理由」だ、と私は思わざるをえないのですね。 いやあ、漫画家ってすごい。 猥雑という使命Dark Moon 矢萩貴子(とりあえず)名無し矢萩貴子のクチコミを投稿しようと思い、マンバの作品一覧を見たら、そのあまりの猥雑さに、ほとんど感動した。 ご興味のあるかたは、この「矢萩貴子」の名前をクリックしてみてください。 そして、そこにズラズラと並ぶタイトル(?)やあらすじの、ド直球で明け透けで奥行きのない下品さに、言葉を失っていただきたい。 その後でぜひ、この『Dark Moon』の試し読みを開いてみて欲しいのだ。 オープニングのカラーから巻頭数ページだけで、この漫画家が持つ画力の精緻で凄絶なクオリティーの高さが、まざまざと分かると思うから。 かつて、レディースコミック誌というジャンルがあった。 当初は少女マンガを卒業した読者のための、男性向けでいう「ヤング誌・青年誌」のようなくくりを意味していたと思うが、やがて多様な進展を示して、主に短篇読み切りの成人女性向けエロをメインとする一群が隆盛し、そして、BLやTLの発展と入れ替わるように、急速に衰退していった。 多くのレディコミ漫画家は少女誌デビュー後にその発表の場を移してきており、作風自体は(少し古い)少女マンガのものだった。 一方で、牧美也子や川崎三枝子、あるいは森園みるくのように、(かなり古い)劇画テイストを手に入れた作家もいて、彼女たちはレディコミ界のケン月影とも言うべき無視できない漫画家たちである。 そして、それらとはまったく異なる光芒を放つ硬質の個性として、矢萩貴子は存在したのだ。 「東京芸術大学で油絵を専攻。卒業後、絵画教室の講師や高校の美術の非常勤講師をしながらSMを題材にした同人誌を作り、1987年(略)デビュー」(Wikipediaより)だそうだ。 まるで団鬼六ではないか。 つまり、矢萩貴子は、伊藤晴雨や喜多玲子と一直線に繋がる「闇の絵師」なのである。 エロを描くという志にその身を捧げた凄腕の絵師は、歴史上枚挙に暇がないが、レディコミというあだ花なジャンルにおいては、矢萩貴子こそが無比の存在だとつくづく感じる。 ただ、現在の読者にとって「面白い」作品かと問われれば、少し言葉を濁すことになるのだけれど。 彼女を心から賞賛するまでには、私たちの時代はまだ成熟していない。ゲーム業界の胃が痛くなるリアルチェイサーゲーム 松島幸太朗 柚木元 松山洋mampuku実在のゲーム制作会社を舞台にしたお仕事漫画。エンタメでありながら、胃が痛くなるようなリアルさで面白い。「NEW GAME!」よりは「東京トイボックス」や「SHIROBAKO」寄り。ロマンや情熱、挫折と成長……も無いではないですが人間どうしが集まった"会社"というものの難しさが描かれています。 全話無料公開されています。 https://www.famitsu.com/serial/chasergame/201812/17169258.html クリエイター論としても非常に共感できる内容です。 あとITの分野の話なのに絵やノリがレトロでちょっと新鮮wホラー風ねこ漫画の新作!苦悩!化け猫おはし 小話集【単行本版】 日日ねるこたか新シリーズとなり、ますます表紙が図書室にあった小学生向けの怖い話みたいになった「化け猫おはし」。 1話の「おどるの巻」ではテレビをつけることを学んだおはしが、三味線にあわせて踊っているのを観て真似して踊りだします…めちゃんこかわいい。 手ぬぐいの代わりにタオルを被ってノリノリで踊っていたところを子供たちに見つかり、なんとかごまかそうとするのですが、そのごまかし方も最高にかわいい…!! 4話の「ひっかくの巻」は、家族を傷つけてしまったことで苦悩するおはしと、お母さんの愛情に思わず涙がこぼれそうになりました。優しい世界…! スマホでサッと読めるので、いつでもどこでもおはしに癒やされてください! https://www.sukima.me/bv/t/ohashikobanashi/v/1/s/1/p/0 (画像は「苦悩!化け猫おはし 小話集」第1話より)ホラー風ねこ漫画苦悩!化け猫おはし 日日ねるこたか※ネタバレを含むクチコミです。収録されている「エル・オンブレ」が最高だった南アラスカ海流 松森正 関川夏央マンガトリツカレ男南アラスカ海流 俺の大好きな「M資金」「ヒトラーの遺産」ネタがたっぷり入った短編。全編通して舞台も内容も暗いが最後の感じが明るくいい。 エル・オンブレ 第一話の扉絵でかっこよさに痺れた。松森正の書く「かっこいい男」の極地みたいなページだ。全編通してハードボイルドとは何かを追求している短編だ。 劇画が松森正で、主人公の設定の元傭兵というのが狩撫麻礼の「ライブマシーン」と似ているので覚えておかないと間違いそうな感じではある。 「よんぶんのさん」というキーワードが最高3/4 ほんまりうstarstarstarstarstarマンガトリツカレ男主人公の堀場要が応援団を抜けるところから始まる。その後個性的な師匠や、京都の竹松梅松兄弟と戦う。麻雀の自体は多少「オカルト」が入っているが「勝負には流れがある」というのを前提で読めば気にならない。 麻雀の勝負でも楽しめるが、最後の「マンケン」の下りで麻雀だけではなく「人間の変化・成長」を書いた傑作だと思った かわぐちかいじ/片山まさゆきといい明治大学漫画研究会関係者の書く麻雀マンガ(劇画)は傑作だらけ過ぎる。 タイトルの3/4は「四分の三程度のところで満足しちまう性格の人間は、一流にはなれない」という意味です。幻の逸材仏師 下村富美(とりあえず)名無し時に、途方もない才能が世に生まれ落ち、そして、それほど大きな支持を得ることなく、シーンからフェイドアウトしていってしまう。 そんなことは、どんなジャンルにも、よくあることだろう。漫画界にも、それこそ数え切れないほど「幻の逸材」は存在してきたと思う。 しかし、明らかな才能のきらめきに満ちているにも関わらず、なぜ彼らの作品は多くの読者を得ることができなかったのか。 もちろん理由はそれぞれだろうし、それは読者サイドからは掴みきれないことだ。 私たちは、ただ、その単行本を初めて読んだ時の、新しい「なにか」に触れたという心の震えだけを、それ以降、モヤモヤとただ胸中で反芻することしかできない。 私にとって、下村富美はそういう才能だった。 『仏師』のプチフラワー版コミックスを読んだ時、「ああ、この漫画家さんはすごい。絶対来る」と確信したのだが、それ以降、下村はそれほど活躍することなく消えていってしまった。 後にイラストレーターとして多くのヒット小説の装画などを担当しているので、「消えた」と言ってしまったら失礼かもしれない。 しかし、その漫画作品が持つ、素晴らしい絵のクオリティーと奥行きのある物語は、「花の24年組」や「ポスト24年組」に匹敵するような才能であったと、今も思う。 もっと下村富美の漫画を読みたいと、ずっと願っているのです。「他者」によって物語られる世界の亀裂亀裂 欧州国境と難民 カルロス・スポットルノ ギジェルモ・アブリル 上野貴彦ANAGUMAEU域内への難民流入が国際問題として認識され始めてもう5年近くが経とうとしています。もはや日常となってしまった光景の実像が閉じ込められているのが本書です。 ルポライターのアブリルとカメラマンのスポットルノは2014年、モロッコ国境に接したアフリカ大陸のスペイン領メリリャから取材を始めます。 そこから2年のあいだに、いかにして難民という存在がヨーロッパに「定着」していったのか、彼らと国境がせめぎあって生まれた「亀裂」を、全編写真による表現で克明に写し出していきます。 通常マンガを構成しているのは、突き詰めていけば作者ひとりのことばだと言えるでしょう。キャラクターというフィルタを通しこそすれ、絵によって描かれた存在である彼らはあくまで作者の分身です。 「亀裂」の事情が異なるのは、登場する難民や国境警備の兵士、フロンテクスの職員は写真で撮影された実在する「他者」だということです。 しかしながら、カメラに映る人物はフキダシでしゃべることはありません。彼らのことばは、すべてアブリルの目と耳を通して紡がれるナレーションの中に消化されていきます。 写真という他者の絵をそのままに使うようすはドキュメンタリー映画のようでもありますが、「作者」のことばで綴られた紛れもないマンガという形で結実しています。 難民の抱える事情は地域や個々人により千差万別です。 他者の像をそのまま映し出し、それを自らの言葉で解きほぐそうとするアブリルの姿勢は非常に真摯なものと言えます。 本書の刊行は2016年。この3年の間に「亀裂」はより広く、細かく、深いものになっていったことを読後に想像させるに充分な力を持った作品です。スタイリッシュなだけじゃない!短編集あたらしいひふ 高野雀starstarstar_borderstar_borderstar_borderかしこ言われてみれば服ってヒフだなぁと表題作に気づかされました。自分のテイストを変えてくれるヒフ、考え方ひとつで未来感が出てきます。登場人物が全員フラットな位置関係にあるのもいい。誰もが主役であり脇役である、そういえばそれって当たり前のことだった。高野雀さんって視点が新しい人ですね。 個人的に一番好きなのは、女の子にとってはホクロが多いことがコンプレックスなんだけどそれが宇宙の中の星みたいで片思いしてる男の子がいる話。コンプレックスはその人の個性だし抗えない程の魅力になり得る。見つけた人だけの特権のようなもの、という感じでドキドキした。少しのずれからとんでもないことにハウアーユー? 山本美希hysysk理由は分からないが突然夫が失踪する、という出来事が少しずつ人間関係を歪ませていき、やがて決定的な事件に発展する。登場人物の細かい心の動きから大きなうねりを生む物語のダイナミズムが素晴らしい。 巻末の作者による解説も「ここまで考えて描いてるんだ!」という驚きがあって面白かった。不倫じゃない偽装不倫 東村アキコ大トロ独身なのに既婚者設定にしてしまってミスり続ける主人公。 展開が読めなくてワクワクします!テレビでよく見る「大阪」は実際にリアルにああなのか…?大阪ちゅーとリアル だたろうmampukuTwitterで作者本人が宣伝していたので読んでみたところ、リンク先でめちゃくちゃ読めた上に面白くて止まらなくなった。 https://curazy.com/manga/episode?id=4110# 物心ついて以降、大阪に住んだことがないのでどこまで鵜呑みにしていいのかわからないが寸分違わぬ「イメージのなかの大阪」過ぎて逆にホントかよwとつっこみたくなる。 さまざまな「大阪っぽさ」をベースに魅力的なキャラクターたちがオモロイ日常(ラブコメあり)を繰り広げる。私は根っから江戸っ子なので住んでみたい、とまでは思わなかった(笑) 大阪に詳しい人や大阪の人がいたらどんな感想かきになるゴトウユキコ作品好きな人これも読んでみて…水色の部屋 ゴトウユキコ名無し全2巻で読めます。 まあ結構暗い話だけどゴトウユキコ好きな人はこっちも、って感じ。 邦画好きな自分には結構ズドンとくる。 女性の肉感的な描写ほんとうまい あらすじ見て気になるって人は上下巻読んでみて もっと困らされたい!困ったじいさん【同人版】 大江慎一郎 大江しんいちろうたかTwitterでファンになり、マンバで単行本が出ていると知り読みました(KindleUnlimitedで読めますのでぜひ!) 表紙から伝わる自費出版感が作風とマッチしていてたまらない…! 雑誌でよくある、話の最後に書かれる「★付きのアオリ」を作品の一部にしているところがすごい好き。 単行本描き下ろしの、若い頃のじいさんとばあさんのエピソードにはいつも以上にキュンとしました。じいさんやるな〜!! LINEスタンプもあるのでこれで大切な人を困らせましょう。 https://store.line.me/stickershop/product/6835839/ja悪を蹴散らす「悪童」の闘い悪童-ワルガキ- 志名坂高次にわかギャンブルがなにより好きな荒くれ者の男が、ヤクザに殺されて、自殺した子供の身体に転生する話。 主人公の精神構造はまさしくワルガキ、そこがいい。ただの「悪」でなく、一本筋の通った理屈から「悪童」らしく解決していく。敵対する敵は「邪悪」な人間が多いのでスッキリとした読み応えもある。 志名坂高次作品のファンとしては、主人公が適度な「怯え」をもっているという点が面白い。ヤバそうな敵はなんと避けようとして、チンケな邪悪は蹴散らしていく。なんというか普通の「暴れん坊」の感性を保持している。 これから勝負が過激になっていくだろうから、バランスを維持するのか、ガラっと変わるのか、楽しみな作品腐女子になりたいとか思っちゃったりして腐女子のつづ井さん つづ井名無し鉛筆一本で描いたみたいなラフな線と、最低限の描き込み。推しに対してはどこまでも真摯に向き合う姿勢が眩しいです。自分も常々こうでありたいと思います。つづ井さんの人間性を証明するかのように、まわりの友達とも信頼関係を築けていますね。こういう生き方も「ていねいな暮らし」と言えるのでは? トレーナーの文字がたまに変わるといった細かい技も流石です。 ところで連載がしばらくストップしているようですが、続きを読める日はいつか来るのか…バンドデシネの「イメージ」の根幹に関わる一作アンカル アレハンドロ・ホドロフスキー メビウスANAGUMA広大な宇宙の彷徨、発達した科学、自己精神世界への言及、哲学的な問い…。メビウス、ホドロフスキーの黄金コンビが手がけた本作はSFのジャンルでいうと「スペースオペラ」に当てはまります。 BD(バンドデシネ)でもよく見かける定番のジャンルです。 定番ではあるのですがやはり『アンカル』の絵と物語のクオリティは一線を画しています。 私立探偵ジョン・ディフールと謎を秘めた「アンカル」をめぐる冒険活劇がホドロフスキーの豊かなスペクタクルとメビウスの達者な筆致で描き出されていくと、途中で読むのをやめるのは難しいです。人間の想像力って無限なんだなと思い知らされます。 他にことばを絞り出すのが難しいくらい、端的に言って作品としての完成度が高すぎる。 よくもわるくもBDといえばSF・哲学的・アーティスティックというのが一種のステレオタイプとして今でも通用しています。 実際にはそれはBDの一側面に過ぎないのですが、この『アンカル』のような作品が存在しているために強固なイメージとして定着したのは間違いないように思います。 BDの世界に触れるとなったときに避けては通れない傑作のひとつであることは、これまでもこれからも変わらないでしょう。画が綺麗なセンシティブ大学物語木曜日は君と泣きたい。 工藤マコト兎来栄寿まず美麗な絵に惹きつけられました。表紙絵に心を掴まれた方は、本文の絵も美しいのでぜひ読んでみて下さい。そして、物語としても良いものです。 主要人物たちの持っている秘密、そして各々の関係が複雑に絡まり合い生み出されるドラマ。一話冒頭のモノローグから不穏さを感じずにはいられないですが、これらが一体どこへ帰着するのか楽しみで続きが毎回気になります。 ちなみに、筆者の工藤マコトさんは元々『花もて語れ』『夜明けの旅団』の片山ユキヲさんのアシスタントだそうです。表情の良さや感情表現の豊かさなどは通ずるものを感じました。 『からかい上手の高木さん』の山本崇一郎さん、『吾輩の部屋である』の田岡りきさんに続いてチーム片山も素晴らしい人材をどんどん輩出していますね。片山ユキヲさんの師匠である藤田和日郎さんチームからの良い遺伝子が脈々と受け継がれているのを嬉しく思います。漫符は発明!ギガタウン 漫符図譜 こうの史代nyae1つの漫符の意味を解説して、実際に漫符を使用した例を4コマ漫画で描いた本。改めて、漫符の使い方や意味を知ると、意外と「なるほど」という気持ちになれる。 日本の漫画表現における漫符の存在意義と、他にはない使い勝手の良さのようなものを実感した。 実用書のようでもあるが、著者らしいのんびりと、かつシュールな世界観を十分味わえ、ファンであれば読んで損はないはず。 表紙でわかるように鳥獣戯画へのオマージュをされており、表情豊かな動物たちの日常が楽しい。荻野真作品じゃあ一番好き小類人 荻野真世界の妖怪大全能力ものとしてすごい面白かったよな。ここ二十年ほど誰ともこの作品について話していないことに気づいた。だれか覚えてる?<<118119120121122>>
人見知りの天王寺さん(完璧人間)とコミュニケーションを取る唯一の方法はボードゲーム!ということで主人公がボドゲ部に入部しボードゲームの魅力に出会い…。 っていうところまではよくある美少女部活モノですが、本作は主人公の南森さんが相当の負けず嫌いのため、真剣にゲームに勝ちに行こうとします。 その結果テンション高めのカードゲームアニメみたいなノリになるのが面白い。 放課後さいころ倶楽部がボードゲームを通したキャラクターのやり取りにフォーカスしてるのに比べて こっちは「ガチでゲーム!!!」っていうスポ根スタイルを採っていてプレイングやルール理解に重きを置いているのが伝わってくる…。 天王寺さんのカワイさに頼らずゲームの差し合いにページ数を費やす心意気、しかと見届けました。 じっくり時間をかけてひとつのゲームをするタイプの作品になりそうな予感で楽しみです!