その他の感想・レビュー3417件<<110111112113114>>楽じゃないけど、不幸でもない生き方。アコロコタン 成田英敏まさお民俗学って案外好きなので面白かった!ゴールデンカムイよりディープなアイヌの文化が分かる漫画。思うのは、食べ物は手に入りづらいからこそ神様にたくさん感謝して、死が身近だからこそ、沢山おまじないっぽいのが多いんだと思う。 それにしても、アイヌが先住民族として認められたのが2019年5月って事実に驚きが隠せない!ひどすぎる泣。飲んでポア~ンと酔ってこそ、酒なのかものんdeぽ庵 イタバシマサヒロ なかはら・ももた名無し自分は酒好きではあるが、 酒の味が判っているという自信は無い。 利き酒で銘酒を飲み分けられる舌も持たないし、 そもそも銘酒を飲み比べた経験も乏しい。 かといって酔っ払って気分が良くなればいいからと、 安酒をチャンポンでガブ飲みする訳でもない。 一番好きな酒、一番美味いと思う酒をあげるなら、 汗をかいた後のビール。 そして気心の知れた居酒屋で適度に会話したり 店の雰囲気を味わいながら飲むビール。 そしてビールにあう肴が食べられれば嬉しいと感じる。 それでも「のんdeぽ庵」は、読み始めるまでは 酒や酒肴を扱う漫画としては勝手に軽んじていた。 女性向け漫画らしいし、どうやら 女性が女性向けに経営している酒と食の店、 創作酒肴料理の店、オシャレな店、 そんな店を舞台にした感じの物語らしかったので。 もっとハッキリ言えば、 いかにお酒を明るく楽しくオシャレに味わうかを追求した 軽い内容の漫画なのだろうな、と想像していた。 実際に読んで、そう感じる面も一部にあったが(後述)、 意外に感じた点も多々あった。 ・思ったより日本酒、焼酎等に関する本格的な話が多いこと ・酒と肴自体の美味さも重視はしているが、飲食したうえでの 酔ってポワ~ンとなる感覚を重視していること ・疑問点もアルが、商売としての居酒屋、酒屋、酒蔵の経営に つっこんだ話題がわりとあること などだ。 そして意外なほどに自分の酒の飲み方と比較してみて 考えさせられる内容だった。 オシャレ感覚漫画どころか、寧ろ自分なんかよりも よっぽど酒と肴を味わっている漫画なのでは無いか? そう思わされた。 ただ美味しいだけ、なら色々な食べ物が世の中にある。 ポワ~ンと酔い気分になる美味しさがあり、 それを味わってこその酒食・酒席・飲み屋なのではないか、と。 自分はまだまだ本当の酒の味を、味わい方を、 最高のポワ~ンとなる気分を勿体無いことだが いままで味あうことはなかったかもなあ、と そう考えたりもしてしまった。 ただ、後述すると この漫画に出てくる料理は 「ホントに美味いのか?酒と合うのか?」 という疑問も感じた。 なんだか洋風傾向のオシャレな創作料理が中心で、 やたらと濃い味にしている感じの料理だったり、 ちょっと高級な食材だったり馴染みがない味付けを した料理が多い感じで、自分には 登場する料理の味が想像しがたかった。 別の意味で「ポワン」とした疑問も感じた(笑)。 そのへんは、やはり自分がオッサンなんだから なのかもしれないが。 身体の一部が大き過ぎるカップルの話ふくらみふくらむ 水瀬マユ作品集 水瀬マユ名無し胸が大きい主人公の盛盛実乃梨(もりざかりみのり)が、自分の胸を意識せずに接してくれる同僚の金城玉ノ輔(きんじょうたまのすけ)に恋をして、二人であれこれするラブコメディー!このカップルは二人とも名が体を表してるんです。 主人公が健気なドジっ娘ヒロインなのがいい。胸が大き過ぎることが原因で起こる、胸元のボタンが吹っ飛ぶなどの「おっぱいの失敗=おしっぱい」シーンがたくさんある。おしっぱいっていうネーミングセンスにツボる。 作品集という扱いになってますが、ほぼこのカップルのお話です。そうだ、プロレス楽しめるようになってみようぜ新日学園 内藤哲也物語 新日本プロレスリング株式会社 広く。さいろくあなたの近くにもプロレスファンがいませんか? その人は間違いなくいっぱい語りたいはずです、知識をひけらかすではなく一緒に熱くなるために。 プヲタはめんどくさい人が多い、そう思われがちなんですが… 決してそれはウザい人がマウントしてくるのではなく、上手く語るのが難しいのに共感を得たくてウズウズしているからなんですよ。 昨今、というか今現在はまさに空前のプロレスブーム(第3次)でして、新日本プロレスをブシロードが運営するようになってから拍車をかけるようにクリーンでメジャーで大きくなっています。 日本のファンのみならず、今や新日本プロレスは世界で2番目に大きくメジャーな団体と言っても過言ではない状態。(1番はアメリカのWWEであることはまだまだ変わりません) これほどまでに日本のプロレスが熱い状況な今、ラグビーの1試合をたまたまTVで見ただけで大熱狂できるあなたなら(自分はそうでした)プロレスはぜっっっったいに面白い。 というわけで! プロレスにどこから手を付けていいかわからないよ!という人へのジャブとしてまずはこれを読んでみてはいかがか? という話でした。マンバユーザーならマンガから入るのがよかろうもん。 ちなみに「スーパースター列伝」とかも読むのはいいんですがあれってその人達がすごいわーぶっ飛んでるわーで終わってしまうんですよね。 この漫画はアマゾンプライムビデオでも超大人気のくりぃむしちゅー有田哲平が送る「有田と週刊プロレスと。」の第一シーズンから挿絵を描かれているイラストレーターさん(漫画家だったらごめんなさいですが)が描いているので、そこもぜひ要チェックです。 はい、冒頭にすら入れてないのにこんなに長い。これがプヲタの悪いところですが聞いてもらいたい、伝えたいことがいーーーーっぱいあるんですよ。 それだけ魅力がいっぱいの世界な上に、今は女子人気もすごいので観に行っても別に臭くないです!大丈夫!やったぜ! このマンガにだけフォーカスすると、内藤哲也という新日本プロレスで純粋にまっすぐに育った男がスターになるためにどう苦労していたか…みたいな話かと思いきや(ここ数年はまさに新日本プロレスの3本柱と言ってもいい中心人物です)このマンガでは新日本プロレス全体を一つの学園と見立てて、因縁とか生い立ちみたいなものをわかりやすくコメディ風にコミカライズしているという、全然事実と違うじゃねーかっていうとこもある内容になっております。 ファンが見ると面白いんだけどね! 長くなりすぎるのでここまでー 読んでみてくださいー こういう話を読みたい時があるロマンス タムくんのラブストーリー ウィスット・ポンニミットhysyskシリアスな大人の恋愛でもなく、ちょっとエロいラブコメでもなく、ファンタジックでロマンチックな恋愛。人間が有史以来営んできて、これからも続いていくような…。いい歳こいたおっさんが声を大にしてこれを好きだというのは気恥ずかしさがあるが、表題作の『ロマンス』がとても良くて、心が洗われる。描き下ろしの『ラブ・エレベーター』もめっちゃわかるな〜という感じで、失恋したり歳を重ねたりすることも悪くないと思える小品が詰まっている。 タムくんの作品解説も面白くて、タイのバスのルール(座る人が立ってる人の荷物を持ってあげる)は素敵だなと思った。ホラー漫画家が猫エッセイを描いたらギャグ漫画になった伊藤潤二の猫日記 よん&むー 伊藤潤二nyae本屋のネコ特集棚でなんとなく立ち読みして即買いした、いまのところ自分の中では猫マンガのトップに君臨し続ける一冊です。 絵は著者の普段のタッチを変えておらず、そんな恐ろしく猫を描くな!と言いたくなりますが、文句を言いながらもせっせとお世話する著者の姿に猫への愛情がじんわりじっとりと伝わってきます。同居人との猫に懐かれ度を競うなど大人げないバトルは本当に笑えます。 猫を飼うって大変なんだな、ということを一冊通して学びました。わたしは猫アレルギーなので猫飼いにはなれないのですが、飼ったらネタの宝庫なんだろうなと羨ましくなります。 以前、この画像のコマがプリントされたTシャツを見つけたとき、買うかどうか本当に悩んだけど買わなかった。でも未だに後悔してるので次見つけらた買おうと思ってます。人生で読むべきマンガの一つボーイズ・オン・ザ・ラン 花沢健吾名無しへたれ男どもにはたまらなく沁みる男の背中を描く傑作。 何歳だって青春だ。 もうすぐ三十路のダメサラリーマンが、恋をして浮かれ、裏切られて奪われて絶望のどん底へ突き落とされ、ダサくても不格好ながら泥臭く何度だって立ち上がって、意志を貫く。 その姿を見て沸かない男はいるだろうか? 震えない男はいるだろうか? いや、いない!! 傷を負ってこそ男は輝くってもんだ! これを読まないといくつになっても大人になんてなれません!! 海外のオタクが日本に暮らしたら!シンガポールのオタク漫画家、日本をめざす フー・スウィ・チンぺそすこし前に海外エッセイ漫画と海外ウェブトゥーンにハマっていて、フランスはとにっきやモンプチ(フランスに偏ってますが)などを読み漁っていました。そのころにたまたま「海外のマンガ家さんが日本での生活を描いたエッセイ漫画」という興味ドンピシャのマンガがあると知って「絶対面白い…!」と思いながら読んだのがこれでした。 https://www.comic-essay.com/episode/68/ 絵がすごくかわいい!コミックエッセイらしさとお洒落さが絶妙なバランスの絵が素敵✨ クチコミを書くにあたりさっき冒頭を読み返してみたら ・アニメやマンガで買い物袋から突き出しているものが「ネギ」だと知って真似したくてスーパーで買う ・日本で人の家に招かれた際、「(※客間に)上がって上がって」の意味がわからなくて、3階まで上がって待っていた ・スーパーで売ってる下着が地味なのが不思議 …という面白エピソードがたくさん出てきて笑ってしまいました。 ちなみに私が好きなのは「あられの日に窓の外を見たら男の子がマンガみたいに屋根の上で空を見上げていた」という話。もし自分が海外出身のオタクでそんな光景を見たらエモすぎて一生忘れられないと思う…!! (↓このエピソードです。「第10話 あられで出会った少年2」) https://www.comic-essay.com/episode/read/747 20話以上がコミックエッセイ劇場で公開されているのでぜひ読んでみて下さい! (追記) 当時は知らなかったのですが、フー・スウィ・チン(FSc)さんは、日本でも著者を発表してる有名な作家さんなんですね。最近知ってすごく驚きました。 (画像は序文の挨拶のところ。優しい塗りと洗練された柔らかいデフォルメが素敵です。)ここから、すべては始まった。ショート・ピース 大友克洋(とりあえず)名無し※ネタバレを含むクチコミです。短篇漫画の教科書愛物語 かわぐちかいじ(とりあえず)名無しかわぐちかいじは、上手い漫画家である…と、こんな当たり前のことを書くのもどうかと思うのだが、本当に上手いのだから仕方ない。 もちろん現在では、『沈黙の艦隊』や最近の『空母いぶき』のような大柄な世界観設定をもった「戦艦」物で知られているのだろうが、なにせキャリアが長く、売れるまでの「下積み」も長い人である。 『風狂えれじい』やら竹中労と組んだ『黒旗水滸伝』まで遡る必要はないが、出世作『アクター』以降(いや、本当の出世作は麻雀漫画の意味を変えてしまった『プロ』だろうが)、狩撫麻礼とのセッション『ハード&ルーズ』、絶品の青春ヤクザ物『獣のように』他、それぞれの時代で忘れがたい佳品を描き続けてきている。(個人的にはモーニング連載以降なら短命に終わった『アララギ特急』を偏愛しています) そのどれを読んでも、とにかく漫画が上手い。 構成・コマ割り・コマ内のキャラの置き方・ネームの処理、どれをとっても天下一品のなめらかさ。 下積み時代に練り上げ獲得した「漫画を見せる術」については、他の追随を許さないと思う。 この短篇集『愛物語』は、そうした漫画の巧みさをほぼ完璧な形で発揮させた、まさに「教科書」たり得る一冊だ。 例えばアーウィン・ショーの『夏服を着た女たち』のような、手練れの小説家の短篇集に匹敵する肌触りがある。 良質なエンターテインメントとして、ジャンルは違うが、ヒッチコック劇場みたいだ…と言っても言い過ぎではないのではないか。 正直なところ、ちょっと鼻につくぐらい「上手い」です。 しかし、『力道山がやって来た はるき悦巳短編全集』とか、あだち充の『ショートプログラム』とか、『1 or W 高橋留美子短編集』とか、このあたりの名前のある漫画家は、本当に短篇が上手い。 最近、こういう手堅く風通しが良いのに個性豊かな短篇が、あんまり読めなくなっている気がして、さみしいですね。 キュートで色鮮やかにゴッホの晩年と作品を描き出す!ゴッホ 最後の3年 バーバラ・ストック 川野夏実書肆喫茶mori店主アルルでの暮らし、ゴーギャンとの共同生活と諍い、サン−レミの病院生活と、最後の時を過ごしたオヴェール・シュル・オワーズ…ゴッホの晩年を描いたグラフィックノベル! ゴッホの作品に負けないくらい色鮮やかで、とてもキュートな絵柄ながら、そのときどきのゴッホの心の揺れ動き(ときにはあまりにも不安定な)が可視化されています。 ページの随所で、風景だったりゴッホの描く姿によって、多くのゴッホ作品が登場するのも見どころのひとつです!タイトルからは想像できないピュアな短編集!女の裸を生で見たい 西沢5ミリ天沢聖司最近Amazonでこの表紙がよくおすすめされるのですが、「女の裸を生で見たい」というド直球タイトルに手をこまねいていました。「ど〜せこの表紙の女の子がすーぐエロエロになっちゃうドスケベなやつなんでしょ〜?」と疑いつつも、ページ数も短くKindle Unlimited作品だったため読んでみたら… めっっちゃ良いラブコメじゃんすか…!!なんだこれ…!!? 5つのお話からなる短編集なのですが、特に表題作がピュアっピュアで素敵でした。早々に芸術に目覚め、ヌードを絵画と同じようにしか見れなくなった主人公(無駄なエロがないのが好感度が高い)だったけれど、最後は関西弁女子(元気で明るくて可愛い)との恋が実り…という展開が上手い…! 百合カップルや逆玉など、他のお話は結構下ネタもあるんだけど、出てくる女の子が「いやらしくない可愛さ」なのがとにかく好き! https://i.imgur.com/2osXyyy.png (画像は本編より。こんな可愛い子に優しくされたらそらまた来るわ) 翻訳が出てくれてありがとうな作品ナイトメアアンドフェアリーテイル フー・スウィ・チン セレナ・ヴァレンチノ 兼光ダニエル真なかやまシンガポール出身のフー・スウィ・チンさんの日本で最初の商業誌 出会いのキッカケは「弐瓶勉先生がウルヴァリンのアメコミを描いているらしいぞ!」と言うことでネットの通販サイトを観ていたら、たまたま隣に表示されていたことだったと思います。(十数年前のこと・・・ 当時はマーベルやDCでもない作品が翻訳される事など無いと思っていて、一生懸命 英語で読んでいたのが懐かしいです。 作品は、各話で変わる「人形のアナベル」の持ち主の女性を主人公とし、彼女たちが何らかの事件に巻き込まれていくことで話が進んでいきます。 後半は赤ずきんやシンデレラのおとぎ話をベースにした話に変わっていくので読みやすくなっていきます。 ただ、全体を通して後味が悪い話が多いため、人を選ぶとは思います。 自分がこの作品(作者さん)が好きなのは 日本人にはかけない絵柄で、日本人に読みやすいマンガの形で成立している という点です。 現在出版されている他の作品も魅力的ではありますが、彼女の作風がよく出ているという点では自分はこの作品を一番推しています。 絵柄が気になったら是非気にかけて頂きたい作家さんです。 とにかく日本で出版してくれてありがとうございます 何かのキッカケに 同人誌で描いていた muZz も出版されないかなぁ・・・ アレも良いんですよ・・・ あ~これは…まあどうせいつか死ぬし ~清野とおる不条理ギャグ短編集~ 清野とおる名無しひどいですね。たまにはいつもと全然違うやつ読んでみようとして振り切っちゃった…。絵はうまいと思うのでもったいないと思ってしまったけど、小・中学生男子には人気あるだろうなぁ~このセンス。女の私には理解できない魅力があるジンバルロック 古泉智浩名無しあまり知られていないが古泉智浩先生の作品はほとんど映像化されている。クリエーターに愛される作家なのである。私もジンバルロックを面白いなと思いながら読んだのですが、おそらく本当の意味では理解していないんだろうなという自覚がある。女の子と一線を越えるかもしれないけど、その子はあんまり可愛くなくて好きでもなくて、自分に対して「ごめん」って謝るシーンがある。結局は女の子に「私のこと好きじゃないでしょ?」と言われてパンツを脱がずに終わるんだけど。なんで謝るのか…分かるけど、分からない。主人公の気持ちにシンクロできないというか。でも、みんなが好きな古泉先生の魅力ってこういうところなんでしょ?と勝手に思ってる。私も心からジンバルロック面白いって言えるようになりたい。ディティールがぬるかった。。美術学生イトウの青春 未熟な研究者たちのひたむきな日常 イトウハジメhysysk美術も数学もステレオタイプを補強するものでしかなく、現役の大学院生のリアルな生活の描写というよりは世間の欲望を具現化した感じで私の読みたいものとは違った。 芸術の答えがひとつじゃない、数学の答えがひとつなんてのは大学院レベルでは単純すぎる考え方だし、美術系の人間が使う感覚的な言葉は単なるオノマトペではない。 業界内で使われている言葉そのままだと一般の人には理解不能になるから分かりやすくした、ということなのかも知れないけど、ディティールのぬるさが気になって没入できなかった。学生時代を淡く美化しつつ思い出すにはいい作品だと思う。 30年以上の積み重ねが生んだ精緻なアイヌ漫画にイヤイライケレアコロコタン 成田英敏兎来栄寿アイヌというと皆さんはどんなイメージを思い浮かべるでしょうか。近年ではゴールデンカムイやうたわれるもの、咲-Saki-といった作品で興味を持つ方も増えていると思います。 そうして少しでもアイヌに興味がある方にぜひ読んで欲しいのがこの一冊。筆者は30年以上前からアイヌの漫画を描きたいという想いを持っており、それが遂に結実したのが本書です。 1話10ページ前後の短編で、様々なアイヌの風習や文化、日々の営みが紹介されていきます。アイヌ式の求婚や犯してはならないタブーなど、今まで知ることのなかったアイヌにまつわる知識が得られます。特に丁寧に数多くルビが振られたアイヌ語は沢山学ぶことができます。 アイヌの歴史は悲劇の歴史でもあり、アイヌへの差別などについても意志を持って触れられています。元々、アイヌではなく知識も全然無かったという筆者が、それを自覚して真摯にアイヌについて長年調べて学び、蓄積していった膨大な知識が漫画という形に昇華されています。 私はかつて阿寒湖に行った時にアイヌコタンに入りカルチャーショックを受けましたが、この本を読んだ後に行くとまた違った視点から見ることができそうです。 これだけ高純度でかつ読み易いアイヌの本もなかなかないのではないでしょう。読んでおいて損はない一冊です。水族館のお仕事とは水族館で働くことになりました 日高トモキチマンガトリツカレ男水族館で行う仕事がなんとなくわかるマンガ。最初に書いてある通り、「事実に基づくフィクション」で水族館をであった出来事をマンガに落とし込んでいる。 水族館の仕事内容にも興味が出たが一番気になったのはドルフィントレーナーの授業を受けられる専門学校があること。 水族館みたいな外から見るのは多いけど内部のことがよくわからないマンガは定期的に読んでしまう いい時間の使い方大家さんと僕 矢部太郎starstarstarstarstar干し芋大家さんといると時間がゆっくりと流れる。 なんて素敵なことでしょう。 毎日時間に追われ、やらなきゃならない事をバタバタと感情もなくやり過ごしている私には、この本を読むだけでもゆったりとした時間を分けてもらえた気分です。 大家さんも矢部さんと出会えて幸せでしたね。 家の道を挟んだ前のおばあちゃんも雨が降ってきたら、わざわざドアホンで『洗濯物が濡れますよ!』と教えてくれます。 こんな将棋漫画、見たことがない!こんなレベルの低い将棋見たことがない! 安藤たかゆきstarstarstarstarstarひさぴよ「3月のライオン」や「ハチワンダイバー」が大好きだけど、将棋経験はゼロ!という作者が、棋譜を読めるようになりたいという理由から将棋を学び始めるエッセイ漫画。 同レベルの対戦者との勝ち負けに一喜一憂しながら、体当たりで学んでいく姿が、もう可笑しくて可笑しくてしょうがない! 特に先輩漫画家(伊丹澄一&さぬいゆう氏)とのやりとりはマジで爆笑もの。 序盤こそギャグ多めですが、どんどん将棋の奥深さにのめり込んで行き、次第に真剣さを増していきます。 2巻では、将棋界の実力者達から指導対局を受け、さまざまな対局を重ねていく作者。 自身の内面を描きながら、将棋の本当の面白さに気付いていく描写に、読んでいてこちらも思わず将棋がやりたくなってしまうほどの熱量を感じました。 物語は2巻の時点で一区切りついてますが、もし続きがあるなら読みたい。 「帯の推薦コメントを羽生善治氏にお願いしたら断られた」という、あらすじのエピソードも含めて、笑いも楽しめる漫画です。愚者の詩この小さな手 郷田マモラ 吉田浩(とりあえず)名無し郷田マモラは、稀有な才能である。 彼は、あのしなやかで硬質な、独自としか言いようのない描線で、極めて重いテーマを果敢にフィクションへと昇華する。 遺体の監察医が主人公の『きらきらひかる』、新人刑務官と死刑囚の友情を描く『モリのアサガオ』、さらに、裁判員制度を通して死刑を見つめた『サマヨイザクラ』など、彼の作品は不器用だけれど真率な力に溢れている。 関西の巷のエネルギーに満ちたはるき悦巳と、猥雑さにまみれた青木雄二を、足して二で割り、さらに端正にしたかのような、真にユニークな存在だったのだ。 だが、郷田マモラは、愚か者でもある。 彼が犯した罪について、ここで触れるつもりはない。 しかし明らかに、彼は愚か者だ。 本作『この小さな手』は、郷田が原作を担当し、吉田浩が作画を担当している。 マンバの「あらすじ」の、郷田が寄せたと思しきテキストにある通り、あまりキャリアがあるとは思えない吉田は、郷田が描いたネームを忠実に漫画に起こしたであろうことが、その画面からうかがえる。 本来は、郷田自らがあの筆致で描くべきだっただろう。 この、それほど優れているとは言えないかもしれない漫画には、しかし、確実に漫画家・郷田マモラがいる。 その愚かさが、傲慢さが、不器用さが、真率さが、弱さが、痛いほど脈打っている。 「漫画」という宿痾のひとつの内実が、ここにはある。ジョーカーという絶えぬ狂気の「誕生」バットマン:キリングジョーク 完全版 秋友克也 アラン・ムーア ブライアン・ボランドキャップ推し※ネタバレを含むクチコミです。 世界観と見開きが唯一無二マザー・コスモス 杉山実なかやま現在はイラストレータとして活動している作者のデビュー作 出版は「青林工藝舎」でいかにも青林工藝舎っぽいファンタジーSFロボット漫画的な作品 世界観と画力がマッチしていて読んでいて引き込まれ、その世界観と設定がぶっ飛んでる 【拳銃】 火薬で弾を打ち出すのではなく、小型の母性愛機関によってメンタルなエネルギーを衝撃波として放出する。 母性愛機関?メンタルなエネルギー?なんぞ? このザラッと殺伐とした設定と細かい書き込み(特に見開き)が実にマッチしている。 正直、「絵が上手い」わけではないのが、読み進めていけば気にならなくなり 、すごい作品読んだな・・・ という気分になれる。 残念なのが、この雰囲気の作品が次の ガール・デバイス の2作で終わってしまっている事 いつかまた漫画を描いてもらいたい作者さんです 空白の一日実録たかされ 本宮ひろ志マウナケア江川卓と小林繁の「空白の一日」をリアルタイムで体験した身にとって、何とも言えない感傷的な気分になるものですね。小林はこの時までは将来の巨人をしょってたつ男であり、対して江川卓は大エースとなる資質を持った男。巨人ファンだった私は、結局どちらも嫌いになることはできませんでした。そんな騒動の内幕を本宮ひろ志が取材し、実録と銘打って発表したのがこの作品。「空白の一日」は単行本一冊を費やして描かれています。やはり球史に残る大事件だけのことはあり、表に出ない部分で蠢いている思惑の、なんと複雑なことか。いつもの本宮節を控えめにして、事実を客観的に積み上げていくことにより、緊迫した雰囲気と大人の事情に翻弄される青年の姿が際立ってきます。作中にある、小林さんが話をきいたあとにニヤッと笑ったというのも静かな凄みを感じさせる場面。やはりふたりとも被害者だったのでしょう。だから私はふたりとも応援したんだな、と今更ながら思います。<<110111112113114>>
民俗学って案外好きなので面白かった!ゴールデンカムイよりディープなアイヌの文化が分かる漫画。思うのは、食べ物は手に入りづらいからこそ神様にたくさん感謝して、死が身近だからこそ、沢山おまじないっぽいのが多いんだと思う。 それにしても、アイヌが先住民族として認められたのが2019年5月って事実に驚きが隠せない!ひどすぎる泣。