その他の感想・レビュー3417件<<112113114115116>>異能力野球漫画の極北デッド・オア・ストライク 西森生名無し出来るだけ、はちゃめちゃな野球漫画をイメージしてほしい。その三倍くらいヤバイのがこの漫画だ。入学の洗礼に電車に降り注ぐボールの雨。初っ端からこれである。もはやギャグ漫画というべきだろう。 ただ、はちゃめちゃなだけでなく魔球と魔振という概念を用いて、意外と、ちゃんとスポ根もする。ちょっと気になる人はGANMAで読んでみるといい。おそらく見たことのない野球漫画がそこにあるこれを純愛と呼ばずしてなんと呼ぶ心中するまで、待っててね。 市梨きみsogor25子供のころの"ある記憶"を失くしてしまっている主人公の福太。人当たりのよい好青年のように見えてどこか他人に対する関心が薄いようにも見える彼の前に、その"ある記憶"に関わる、小さい頃大好きだった葵兄ちゃんが現れる。しかし福太はある違和感に気づく。福太が小学生のころ、葵は中学生。それなら今は年齢的にはアラサーのはずなのに、本人曰く「なぜか突然若返って」当時とほぼ同じ姿だったのだ。 という、若干のファンタジーっぽい導入から始まる作品。しかし、作品を読み進めていくと、ファンタジー要素は作品のただの一部分であり、それどころかそれ以外の全ての要素が物語の枝葉末節に過ぎず、福太と葵、2人の"純愛"だけが物語の中心なのだということを見せつけられる。葵が"若返った"理由にも福太がの幼少期の"ある記憶"が欠落しているのにももちろん理由があり、私なんかはその仕掛けの巧みさにも魅せられてしまうのだけど、最後まで読むとそれすらも2人の物語の前には路傍の石ほどの価値もないのだと印象付けられる。上下巻、全10話で過去と現在を繋ぎながら一気に駆け抜けていく、2人の狂的なまでの純愛の物語。 上下巻読了読むほどに沁みる下町群像劇月光橋はつこい銀座 イシデ電nyae人生で初めて読んだイシデ電作品であり、一番好きな作品です。 下町の、昭和の香り漂う商店街で乾物屋を営む竹田家を中心に、どこにでもいそうな人々の悲喜交々を描いた、読めば読むほど味が出て心に沁みる群像劇。 あとがきにも書いてありますが、志村貴子先生が作画のお手伝いをされてる箇所があるので必見です。 地味で平凡な人生に時には悲観的になることもあるけど、登場人物みんな自分の仕事に誇りを持っている。長男タケも、普段はアホだけど家に対する誇りを一人前に持ってて逞しい。閑散期に父親が出稼ぎに行くという話で、タケのこの言葉に男らしさが滲み出てますね…小編ながらこれは傑作ウルトラマンタロウ 石川賢 円谷プロダクションマウナケア地球を守る正義のヒーローが活躍する物語という設定も、石川賢の手にかかれば、SFバイオレンス的な内容に。すっかり手の内に入れてかなりハードな作品に仕上がっています。オリジナルの設定で残っているのはウルトラマンタロウというキャラクターのみ。タロウはウルトラの母によって選ばれた地球人だし、闘う相手も怪獣ではなく、人間の負の精神を受け継いだ奇形獣や宇宙人たち。少年誌連載とは思えない、作者お手のものの残酷シーンや派手なアクションたっぷりで石川節を存分に楽しめます。だから4話で終わってしまったのか?と思わなくもないんですが…。しかし、好きに描いたからこそ特撮ドラマではあまり表面に出ない、「なぜウルトラマンは地球を守るのか」とか、「地球はこのままでいいのか」など、メッセージ色が色濃く出ているのですね。血が流れないと痛みも感じないし、悲惨な未来を見ないと現実を省みることもしない。描かれた時代と対象層が微妙にずれていたのかもしれませんが、現代では正当に受け入れられると思います。 つのだじろうのオカルト・ロマン短編集ときめきの墓 つのだじろうマウナケアオカルト系の漫画?と思わざる得ないタイトル、そしてハート型の窓?からのぞく死霊に顔を寄せる女性という表紙。そんな唯一無二のセンス漂うこの作品の内容は?といえば、男女の恋愛にちなんだオカルト短編集、がその正体。そのまんまといえばそうだし、想像できないといえばそうだし、う~ん。アノ最中に物が壊れる映像を思い浮かべる女性やストリッパーの控室での出来事など大人向きの表現が多く、恋愛話が中心なのでこのあたりが”ときめき”なのでしょう、きっと。じゃあ”墓”はどこかというと、必ずといっていいほど人がお話の中で死んでいる、ことからではないかと。まあ、これは単なる私の思い込みなのですが、内容的に実話に基づく話と思っていたら「本当にあってもおかしくない」と教訓じみたオチであったり、双子の同一性の謎解きかと思えば復讐譚であったりと、タイトルの意味以外でも幻惑されっぱなし。これはこの本に目を止めた時点で、著者の特異な世界観に捕らわれてしまったのかも。どうかみなさんは惑わされないように。漫画史上最悪の女性キャラ激!!極虎一家 宮下あきらマウナケア私にとって、この作品を忘れられないものとしているのは、学帽政の男っぷりの良さでもなく、虎の破天荒な生きざまでもありません。漫画史上最悪の女性キャラクター、枢斬暗屯子の存在ゆえです。これ「すうざんあんとんこ」、と読みまして、連載当時に人気だったアメリカの歌手をもじった名前なのですが…。中身は女傑というか怪女というか、とんでもない猛女なんですね。ぱっと見、セーラー服を着ているのでかろうじて女性だとわかりますが(当時は今みたいに女装タレントはいなかったし)、レスラーのような風貌はともかく、ヒゲが生えているって…。そして用をたすのは男子便所、どうなってるのかわかりませんが立ちションしてます。しかも下着はふんどし。それでもってキレると「犯したるっ!」と叫び荒れ狂うってもう何がなんやら。女性蔑視も過剰暴力もお構いなし、という無茶苦茶っぷりが、いつまでも頭にこびりついたままなのです。強烈なキャラは他にもいますけど、彼女を超える衝撃はお目にかかったことありません。ホント、罪な女ですよ。ブラックユーモアに富んだ異色作ワルワルワールド 赤塚不二夫マウナケア時代とともに、ウケる”笑い”の質は変化していきます。漫才などもオシャレに笑うことが受けたかと思えば、捨て身のギャグが評判になったり。当然、漫画の世界でも手を変え品を変えさまざまなギャグが考案されてきた訳です。しかしながら、果たして大衆に受けたのか、はなはだ疑問なのが、ギャグの帝王・赤塚不二夫の異色中の異色作であるこのタイトルです。主人公は小学生のタロ。彼は悪人だらけ(というか悪人しかいない)町でずる賢く生きているのですが、内容はもう、ヒドイのひと言。家族の愛情などないに等しく、おやつは愛犬の足だし、学校では万引きのやり方を教え、警官(目玉のおまわりさん)は自分の息子を誘拐させて点数を稼ごうとする。八百屋の親父も突如として包丁を振り回し、医者はすべからく藪医者と、お子様には到底見せられない代物。暗黒面が全開です。不快でないのが唯一の救いでしょうか。赤塚絵だから許されるのであり、”笑えないギャグ”というのは言いえて妙。普通のギャグに飽きた方にオススメ、してもいいのかなぁ。 前情報ない方が楽しめると思うサブリナ ニック・ドルナソ 藤井光hysysk※ネタバレを含むクチコミです。ハレンチ大戦争の破天荒さハレンチ学園 永井豪マウナケア性描写の漫画的表現についての話題になると、この作品の名がよく出てきますが、現代に生きる人が読んでこれを過激と捕らえますかね? 描かれている性的な描写はむしろ永井流のあっけらかんとしたイタズラ描写で、連載当時スカートめくりの流行を増長させたということはあったにせよ、いまさら目くじらたてるほどのものではないと思うのですが。ハレンチという言葉や映像化された作品のイメージで想像されているような…。ということで読んでみてくださいこの作品。読めばわかりますが、性的な描写よりも過激なのがバイオレンス描写。第1部の終盤、「ハレンチ大戦争」と銘打たれたシリーズで描かれる、ハレンチ学園を潰そうとする軍隊と生徒や先生との抗争はその最たるものです。ここまでの作品の明るさが吹っ飛んでしまうという凄まじさ。血しぶきがあがり、首は落ち、級友は爆死し、親も撃ち殺してしまうという暴力の嵐が吹き荒れます。この部分だけは今読み返しても戦慄しますし、深読みもしてしまう。こういったところを見てもっとみなさん語ってほしいのですけどね。話の盛り上げ方が上手い。少年の町ZF 小池一夫 平野仁マウナケア東京の空に謎の発光体(=UFO)が出現。これを目撃した11人の少年達はその発行体を追い、高陣山へ向かう…。こんなオーソドックスな導入部にも関わらず、続く話の盛り上げ方の上手さにびっくりしてしまいました。ピクニック気分の探索から場面は一転、どしゃぶりの雨の下に笑い声とともに佇む美少女が…、と、きたらもうこの先が気になって仕方がない。うまく書けなくてもどかしいですが、対比のさせ方と波紋の投げかけ方が絶妙で、ドキドキ感が途切れないんですね。少年達の中にひとりだけ謎の美少女を入れ、冷静沈着なリーダーにはライバルの野性味あふれる少年を絡ませる。そしてそのリーダーにも本能的な面があることを描写。敵は神のようでもあり悪魔のようでもあり、精神的に少年達を追い詰めていく。これらのエピソードを積み重ねることにより、キャラの特徴はどんどん際立ち、サスペンス要素はますます深まっていきます。さすがに名作といわれることはありますね。これを読んだら昨今のパニックSF漫画って、亜流にしか見えなくなってしまうなあ。 なにひとつ野球じゃないのに野球をしている(友人より)デッド・オア・ストライク 西森生名無しタイトルはこの漫画を友人に勧めたときの感想だ。デッド・オア・ストライクは、『高校野球』という架空のスポーツをテーマにした『バトル野球漫画』である。まずは好きな野球漫画を思い浮かべながら読んでほしい。今までの野球の常識は破壊され、理解できないが、きちんと理論に基づいている(と納得させられる)魔球と魔振が飛び交い、思ったよりスポーツ漫画っぽい。 様々な能力スポーツ漫画を好む人にはもちろんだが、そういったジャンルを避けてきた方にこそおすすめする。ただしショートはゴロに轢かれるギャグの密度が濃いねえTHE MOMOTAROH にわのまことマウナケアこの作品を読むと、ひと昔前の少年漫画って本当にギャグの密度が濃いなあと思ってしまいますね。本作はおとぎ話をモチーフにしたキャラが闘うプロレス漫画なのですが、ギャグ作品なため登場レスラーはシャレの効いたキャラ揃い。モモタロウ永遠のライバル・キンタロウはイケメンなのに髪切りマッチで敗れて河童状態だし、あんまりなモジリの牛バカ丸や、酒呑童子ならぬシュテンドルフと、そのキャラの立ちっぷりやネーミングは抜群。そして彼らとモモタロウ対決の中で繰り広げられるギャグの応酬。これがまた半端じゃない。それこそひとコマごとに小ネタが入り、その合間に試合をしているようなもの。このネタ、ちゃんと押さえていくと普段の3倍くらい読むのに時間がかかるw。で、さんざん笑わせてかっこよくキメる、というのが小気味良い。気を楽にして読むことをおすすめします。また、オールド・プロレスファン向けのネタもあるのでそこも楽しんでもらえたら。ブラック・モモタロウの正体である影幻春架の元ネタとか、わかるかな?つづいさんの押しへの楽しみ方がうける腐女子のつづ井さん つづ井名無し彼氏がいなくたって、幸せ!! 素敵な友達がいて羨ましいです。 やっぱり大好き。楽しい生活 加納あずま名無し昔から加納あずまさんの作品が大好きで、何度も何度も読み返していました。 ほのぼのしていて読んでいて心地よく、程よく笑いもあり、疲れたり落ち込んだりしたときに読むととても心が癒されます。 ギャグ漫画ではないので「ゲラゲラ」と言う感じではないけど、さりげなく散りばめられている「プッ」と吹き出させる笑いのセンスが絶妙です。 今回の『楽しい生活』も素晴らしい!! ごく自然に共感できる現実的な部分がありつつも、やっぱりどこかファンタジーと言うかメルヘンな雰囲気で、小さい子に読み聞かせても問題ないくらい、ほんわかとした絵本のようなストーリー。 一話完結タイプなのも読みやすく、一日の終わりに一話ずつ大事に読みました。 本当は一気に読みたかったけど、勿体なくて。。笑 お話とお話の間にある、お料理メモや旅行メモなども非常に勉強になるし興味深かったです! 何時であろうと、読むといつも凄く料理がしたくなります。 加納さんがイラスト入りのお料理本などを出してくれたら良いのにと、いつも思っています。 『毎日がピクニック』などのように、こちらの作品も電子書籍だけではなく書籍化してくれないかな。。 電子書籍は場所もとらずいつでもどこでも読めて便利ですが、古い考え方の自分としてはやはりお気に入りの作品は特に、手に持ってページをめくり読みたいなと思ってしまいます。 毒のない、とてもとても優しい作品です。 老若男女問わずオススメします。デコボコ親子が刑事としてコンビを組むおやこ刑事 林律雄 大島やすいちマウナケアしょっちゅう意見は対立するものの、互いを認め合っている父・勘太郎と息子の文吾。そして個性豊かな下ノ町警察署の面々。そこには泣ける人情話もありクスリと笑える楽屋落ちもある。一話完結で読みやすく、恋も友情も出会いも別れもあって、どんな年代でも楽しめるはず。現存するカラーページをすべて復刻版したもので、またそのカラー原稿の美しいこと。こんなもん見せられたらやっぱり復活させてくれた人々に感謝ですよねえ。清野とおるは我が人生まあどうせいつか死ぬし ~清野とおる不条理ギャグ短編集~ 清野とおる名無し今作にも再録されている「不快な読み物」の一部「街」を読んで鮮烈な衝撃を受けたまま10年近く、そこから派生して多くのかけがえない出会いを経て 清野さん、あなたがいなければ私はどれだけつまらない人生を送っていただろう?と本気で思って生きています。 世間的には清野とおるはエッセイ漫画家としての認知が高いと思われますが、私の中では不条理創作漫画の人なので 令和の時代に氏の短編集を新刊で読める日が来るなんて感無量です。私がまあどうせいつか死んだらコミックスを棺に入れてほしいので、どうぞよろしくお願いいたします。 騙されたと思って読んでみてください。 100人読んだら99人が騙されたと、「これの何に心を動かされたの!?」ときっと思うことでしょう。そうではないひとりに、あなたがなるんですよ。そう、私のようにね いずれにしても唯一無二の感情をお約束します。 おすすめです。 これで育ったポケットモンスタースペシャル 日下秀憲 山本サトシ 真斗大トロ何度も読み返した漫画で、私にとってのポケモンはゲームやアニメよりもこちらです。 緻密な表現でポケモンの世界の豊かさが描かれています。「敬語」を巡る甘酸っぱい攻防戦!年下の先輩ちゃんには負けたくない なめたけあうしぃ@カワイイマンガ先輩には敬語を使いたい大学生・坂上良太郎に、「年下なのでタメ口で」と迫る高校生の先輩・山下かをり。バイト先での「敬語」を巡る攻防が、今日も静かに繰り広げられる……。 先輩であるかをりは、高校生なのにやたらと仕事のできる、頼りになる存在。助けられてばかりの坂上は、気後れしてつい、色々遠慮してしまう。一方かをりは、そんな彼をからかうように、「敬語禁止!」などと言っては坂上に、打ち解けることを要求する。 クールに坂上を手玉に取るかをりと、年下の彼女にどうしても敵わない坂上。この構図、ちょっと『からかい上手の高木さん』っぽいと思いません? さらに二人と共に仕事をしつつ、二人の仲を(主に坂上の方を)いじってくる、女子高生の若菜と真中のおかげで、二人の仲がじわじわ進展していく……ようでいかない感じが、もどかしくも楽しい。 ホームセンターが舞台なので、コンビニやスーパーではなかなかお目にかかれない商品と、それにまつわる顧客対応の模様なども目新しい。結構特殊な商品知識が問われる場所なんですね……。 遅々として進まない二人の先を見たいと願うよりは、いつまでも二人でああでもない、こうでもないと駆け引きして、拗らせる様子を眺めていたい。その先に少しでも進展があるといいな……という感じで楽しみたい漫画。 クールなかをりの静かな笑顔、マジ天使!銭ゲバという生き様銭ゲバ ジョージ秋山マウナケア愛よりも金、といいながらその金で美しいものを追い求め、一方では美しい行為でもいともたやすく金でねじ曲げるといった、二元論では説明できない人間のあさましさを漫画にした…、哲学的な作品といえばいいでしょうか。主人公の蒲郡風太郎は極貧の少年時代を過ごしたために、金に執着し、時に人を欺き、殺人に手を染める。目的のためには手段を選ばず成り上がり、やがて地位も名誉も欲しいものは何でも手に入れてしまう。しかし唯一手に入らなかったもの。それは人の心…などという陳腐な結論にならない。さすが問題作といわれるだけのことはあります。ただ言いたいことはすでにストーリーの端々に露見しているのですね。金への執着や人への愛情など人間の行為すべては欲望の産物なのだから、結局、本質はみんな同じ。そんなことをずーっと投げかけられているような感じで、読み終わってもちっともすっきりとしません。なので、気持ちがハッピーなときに読むことをお薦めしたいと思います。。。 クサい台詞が芸能界を動かす!純真ミラクル100% 秋★枝あうしぃ@カワイイマンガ弱小芸能事務所の所長・高杉は、新人ミュージシャン・木村の恥ずかしい顔、困った顔にゾクゾクする。変な芸名、衣装、仕事を木村に与えて楽しもうとするが、それが次第に妙な方向へ盛り上がりを見せ……。 この作品で常にネタなるのは「クサい」「恥ずかしい」という言葉。 例えば大人の高杉がわざと「恥ずかしさ」を木村に与えようとしているのに、それをポジティブに捉える未成年の木村=モクソンは、却って大人が吐くには「恥ずかしい」言葉を高杉に与え、狼狽させる。 登場する大人達は皆それぞれに、仕事でも恋愛でも何かを隠しながら、捻くれた行動しか取れないのだが、モクソンの才能と嘘のない真っ直ぐさには、照れながらも自然と心を寄せ、協力を惜しまなくなる。 時に彼女のパチモンとも心を通じ、ウザいっす、と言われながらも大切に思い合う関係を築き、友情のドラマを紡ぐモクソン。彼女は敵を作らずに、みんなを繋ぐ中心となる、タレントとしては最高の「人たらし」の才能を持ち、音楽の才能も相まって大きなムーブメントを形成していく。 モクソンの描く理想は「ずっと事務所のみんなと仕事したい」というもの。大人たちのグチャグチャの人間模様は、それを安易に許さない。しかしそれでも「モクソンのため」という大人達の思惑の一致がどのようなラストを見せてくれるか、最終5巻の最後の最後まで、目が離せない。もうほんとに最高だから腐女子のつづ井さん つづ井やむちゃ腐女子ってこんなセンス高いん!??って驚愕するレベルの笑い。 「裸一貫つづ井さん」から読み始めた者だけど、もう読み始めたら止まらん。 よくある感じの自虐じゃない。そういうネガティブな要素はない!!! だから明るい気持ちになれる!!!下手な自己啓発本よりよっぽど人生楽しくなるヒントに満ちてるからとりあえず知り合い全員に読ませたい。木村直己の初期短編集さよならインプ 木村直巳マウナケアデビュー作「最後の妖精」を含む、木村直己の初期短編集がこれ。「監察医朝顔」や「天涯の武士」など、青年誌掲載の木村作品を読んだことのある人には、あまりに現在と作風も絵柄も違うことに、ちょっとした驚きを感じると思います。この本に収められているのは、すべてSFファンタジー。そして絵柄は手塚治虫や石ノ森章太郎に近い、柔らかなタッチ。漫画家の絵柄は、何年も描き続けていくうちに変わってくるものですが、それにしても現在と比べるとまるで別人のよう。また一方ではそれ以外の絵も描けるんだといわんばかりの、劇画タッチの作品「小雪鬼」なんて作品もあり、将来花開く才能の片鱗も見受けられます。これら5編の短編が中学三年から高校三年の間に発表され、単行本にまとめられていたということにもびっくり。木村直己という漫画家に興味をもった人は、一度読んでおくべきかと思います。 ガンドラゴン・オブ・ジョイトイGUNDRAGONΣ 寺沢武一マウナケア「コブラ」の著者がCGを駆使して描いた衝撃的なカラー漫画。今でこそCGはお馴染みですが、本作が発表されたのは1998年。当時、CG漫画として十分に画期的な作品でありました。しかし実はこれ以前に「タケル」で著者は3DCGを導入しており、その点では”初”という冠はつきません。では何が衝撃的だったのか。それは主役に女優を起用し漫画と合成した、ということです。女優はインリン・オブ・ジョイトイ。全編Tバックでバイクにまたがりサービス満点、という衝撃もあるのですが、さらに衝撃なのが、大変な製作過程が推測できてしまうこと。下絵を描きそれに合わせてブルーバックでインリンを撮影し合成。全カットこれですからそりゃあ手間はかかります。そしてその写真がピタリとはまって、ちゃんと寺沢漫画の一員になっている。これが一番の衝撃。これからは漫画で何でもできると思ったものです。この作品以降、同様の手法で描かれた作品を聞かないことからも、偉大な実験作と言っていいと思います。盗み癖のある女子中学生のお話つぼみ 楠木あるとstarstarstarstarstarひさぴよまじめそうな子が、ストレス解消とばかりに、友達の財布からバンバンお金をスリまくります。彼女がそうなってしまったのは、おおよそ家庭環境に原因にあるのですが、友達の方も盗みに気付いているようで、ある日を境に事態は急展開を見せます。 なんとなく「これ、昔のアフタヌーン四季賞のような読み味だな・・」と思って調べてみたら、作者の楠木あると先生は1988年に、四季賞を受賞していた経験があるとのこと。それを知ったとたんに「いや〜良いマンガ読んだわ〜」と謎の自信が出てきました(笑) とはいえ、主人公がやらかしてた盗み行為は立派な犯罪ですからね。物語上、そこは肯定してはいないと思いますが、色々な部分が省略されすぎているので、誤解される要素はありそうです。そのあたりで、読んだ人の反応は分かれるかもしれません。<<112113114115116>>
出来るだけ、はちゃめちゃな野球漫画をイメージしてほしい。その三倍くらいヤバイのがこの漫画だ。入学の洗礼に電車に降り注ぐボールの雨。初っ端からこれである。もはやギャグ漫画というべきだろう。 ただ、はちゃめちゃなだけでなく魔球と魔振という概念を用いて、意外と、ちゃんとスポ根もする。ちょっと気になる人はGANMAで読んでみるといい。おそらく見たことのない野球漫画がそこにある