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地球を守る正義のヒーローが活躍する物語という設定も、石川賢の手にかかれば、SFバイオレンス的な内容に。すっかり手の内に入れてかなりハードな作品に仕上がっています。オリジナルの設定で残っているのはウルトラマンタロウというキャラクターのみ。タロウはウルトラの母によって選ばれた地球人だし、闘う相手も怪獣ではなく、人間の負の精神を受け継いだ奇形獣や宇宙人たち。少年誌連載とは思えない、作者お手のものの残酷シーンや派手なアクションたっぷりで石川節を存分に楽しめます。だから4話で終わってしまったのか?と思わなくもないんですが…。しかし、好きに描いたからこそ特撮ドラマではあまり表面に出ない、「なぜウルトラマンは地球を守るのか」とか、「地球はこのままでいいのか」など、メッセージ色が色濃く出ているのですね。血が流れないと痛みも感じないし、悲惨な未来を見ないと現実を省みることもしない。描かれた時代と対象層が微妙にずれていたのかもしれませんが、現代では正当に受け入れられると思います。