まじめそうな子が、ストレス解消とばかりに、友達の財布からバンバンお金をスリまくります。彼女がそうなってしまったのは、おおよそ家庭環境に原因にあるのですが、友達の方も盗みに気付いているようで、ある日を境に事態は急展開を見せます。

なんとなく「これ、昔のアフタヌーン四季賞のような読み味だな・・」と思って調べてみたら、作者の楠木あると先生は1988年に、四季賞を受賞していた経験があるとのこと。それを知ったとたんに「いや〜良いマンガ読んだわ〜」と謎の自信が出てきました(笑)

とはいえ、主人公がやらかしてた盗み行為は立派な犯罪ですからね。物語上、そこは肯定してはいないと思いますが、色々な部分が省略されすぎているので、誤解される要素はありそうです。そのあたりで、読んだ人の反応は分かれるかもしれません。

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特装版「女が叫ぶとき~戦争という地獄を見た~」

「ヒロシマのおばちゃん」を読みたくて購入

特装版「女が叫ぶとき~戦争という地獄を見た~」
ひさぴよ
ひさぴよ

https://www.shogakukan-cr.co.jp/book/b110795.html 『漫画が語る戦争 焦土の鎮魂歌』(小学館クリエイティブ)で読んだ曽根富美子の短編「ヒロシマのおばちゃん」が衝撃的だったので、もう一度読みたいと思って電子書籍版を探してたら、この短編集に収録されていた。 「ヒロシマのおばちゃん」以外の短編は、戦争の話というよりちょっと昼ドラっぽい話が多いものの、それでも表題作を読むためだけに買っても損はないと思う。 作品の詳しい時期は分かってないのだが、状況からして1990年代頃の設定と思われる。広島での戦争体験を語り継ぐの”一人のおばちゃん”を通して、戦時中の自身の半生を振り返るところから物語は始まる。巧みな語り口と、曽根先生お得意の、不幸で陰湿な心理描写にグイグイと引き込まれてゆく。そしておばちゃんは不幸のドン底と同時に、原爆の日を迎えるのだが…。 変わり果てた広島の街を、怨念そのものとも言える鬼気迫るタッチで描き出し、一度目にしたら忘れられないような光景がこの漫画にはある。おばちゃんは最後に「あれは地獄だったよ」とだけ語る。と同時に、この出来事が教科書の中のたった数行に収まってほしくない、と願うのだった。 個人的には「はだしのゲン」と同じく、ぜひ読み継がれてほしい戦争漫画の一つだ。

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漫画家30年やってみて雑誌で描けないことを記した漫画本~合本版~

漫画家30年やってみて雑誌で描けないことを記した漫画本~合本版~

『漫画家も30年やってると色々あります。』個性が強すぎるアシスタントさん、パワハラ編集者、連載打ち切りの衝撃…。漫画家あるあるに、近所の歯科医の裏話。大っぴらには言えないあんな事やこんな事。昭和の教育、遠足の思い出…息子との2人の生活。馬鹿馬鹿しいことにも大真面目。日々の何気ない気付きを、独自の目線で綴るちょっぴり毒があるお話。太宰治が大好きで漫画を描いていたら、まさかの映画出演オファーが!快諾したのは良いけれど、撮影開始早々不穏な空気が…?ドキュメンタリーなのにやらせ?内容もよく分からないまま撮影開始?そして差し出された契約書には…。今だから明かせる裏話!日々の疑問や体験談、こんなことあった、あったら面白いよねのあるあるネタ。くだらないけどついつい突っ込みを入れたくなる身の回りの出来事。私生活もぶっちゃけちゃいます!!どこから読んでも面白い短編を一冊にまとめたフルカラー合本版!!『重役秘書リナ』『ビーマイファミリー』など数々の名作を生み出したストーリーテラー・楠木あるとが綴る漫画家ならではの視点で描かれたアソート気分で楽しめる豪華短編集!

【合本版】冤罪

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「この人、痴漢です!」通勤途中の柿山健志(33)はその日、身に覚えのない容疑で、駅員たちに羽交い締めにされてしまう。家庭のある健志はデッチ上げの冤罪だと訴え、テレビで見た対応マニュアルを思い出し…必死の抵抗を試みる。――この国では一言で、一人の男を陥れることができるのだ…。憤慨した健志だったが、自分を犯人呼ばわりする女・佐藤遥(27)の瞳の中に、計らずも15年前のあの事件を見つけるのであった…。冤罪が生んだ負の連鎖は、男と女の運命を動かしていく―― ※この作品は「冤罪」(1)~(7)の合本版です。

重役秘書リナ【完全版】

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『重役秘書リナ』が連載当時のイラストを収録して完全版として復活! ーあらすじー 成田リナは、丸の内銀行の副頭取、川村京介付きの秘書。川村は出世ばかりに固執せず、泰然自若とした人格者だ。リナは尊敬するボスと共に、今日も銀行の裏側や、サラリーマン社会の人間ドラマを目撃する!

ビーマイファミリー  里親と里子絆と愛の物語

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子どもを切望し、辛く苦しい不妊治療を続けていた中野道朗(34)と綾(39)。綾はつらい不妊治療に限界を感じ、とうとう治療をやめる決心をする。そんな中、二人で見ていた児童虐待のニュースを切っ掛けに、“養子”をもらうと思い立ち、児童相談所を訪れることに……。『子供のための親ですから』不思議な雰囲気の児童福祉司・千代田なな美と出会いによって、養子を迎える事の難しさを知る。養子とはいったいどういうことなのか……。また“里親”とはどういうことなのか……。2人は戸惑いながらもひたむきに、自分たちの知らなかった世界について学んでいく。昨日までの他人が『親子』になるとはどういうことなのか?血のつながりのない『親』と『子』の絆が結ばれていく感動の物語が始まる―。

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コンシェルジュ、それは究極のおもてなしビジネス。ホテルリミングトンヨコハマの新米コンシェルジュ、来栖実々は、お客様からのあらゆるリクエストにおこたえしていく。たとえそれが、「奥さんとよりを戻したい」というものであっても――!

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「せんせい、あのね、ぼくのおうちは おねいちゃんにしたがうおうちです」小学2年生の類(るい)は、優しい母と、4歳上の姉・杏(あん)の三人暮らし。毎日長時間シャワーを浴びドアノブにも触れない極端な潔癖性の杏は、類を汚いものとして激しく嫌い、母の留守中に手袋をして暴行、虐待していた。泣き叫ぶ類。なぜか杏に遠慮がちの母。閉じられた家庭の中で、それぞれの心の闇に出口はあるのか…家族の現実に迫る問題作。

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人生に負けそうな漫画家Kと中学生の息子・大仏、そして隣に住む不幸顔の犬・パグリのゆるくてシビアなショートコメディ全21話。ほのぼのした日常描写に終わらない、恋と冒険を盛り込んだ楽しいオールカラー作品です。

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