帝都影物語
まずしい農村出身の一矢(かずや)。ある日、出された奉公先は、なんと宮廷で!? 言葉遣いから、立ち居振る舞い、全てが未知の煌びやかな世界で、次期“帝”と目される主人・春宮(はるのみや)を守り通すことは出来るのか。陰謀渦巻く宮廷で皇子を守る、影武者奮闘録!『真昼の百鬼夜行』で現代に生きる妖怪をコミカルに描いた比嘉史果。最新作は、絢爛豪華な宮中の生活を、耽美に魅せます!
大麦、ホップ、水。3つの材料から豊かな文化を築き上げてきたビール作りの物語、それが『ネコと鴎の王冠(クローネ)』。一風変わった題名の作品ですが、「ネコ」と「鴎」は主人公の男女をイメージしたもの。そして、少し高い位置からビールを注ぐと、美しい泡の王冠(クローネ)が生まれます。物語の舞台はダッハカンマー醸造所。見習い(アツビ)として働くクロウ・アイダは幼なじみのアンナ・ヴィンターとともに、職人(ゲゼレ)、そして親方(マイスター)になるべく、ビール作りを学び始めました。空港のビアホール、巨大なビール釜、純粋令、民族衣装(ディアンドル)、旧式の打栓機や麦芽の買い付けにいたるまで――。クロウとアンナといっしょに、ビールにまつわる大きな文化をひとつひとつ学んでいきましょう。そして、意外なことに、ふたりのお話はこの1冊でひとまずおしまい。物語は新しい主人公を迎えた続編『キツネと熊の王冠(クローネ)』へと続いていきます。そう、この連載には『王冠(クローネ)』シリーズとして主人公が移り変わりながら、さまざまな醸造所、さまざまな時代、さまざまなビール作りを描き連ねていく、連作形式となる計画があるのです。
Juice
【第一回八咫烏杯受賞作】「私の朝はいっぱいのジュースからはじまるーー」。女子高生がたまたま見つけた、あたらしい習慣。(ハルタ85号)
九国のジュウシ
時は戦国、筑前国。戦の歴史の中でも、もっとも激しく凄惨な寡戦(※)があった。【岩屋城の戦い】――。大友家家臣・高橋紹運率いる軍勢は700余に対し、対する島津軍は5万。この戦いで高橋軍は圧倒的少数関わらず、2週間もの長きに渡り籠城戦を繰り広げたと言われている。その立役者こそ本作の主人公、十四郎(じゅうしろう)。彼は森の中で狼に育てられた野生児である。紹運と十四郎の出会いを描く第1巻。十四郎は戦のある度、戦場に赴いた。母である狼の食料としてズバ抜けた強さで兵を蹂躙し、その死体を持ち帰るためである。高橋紹運はその強さを買って自らの陣営に引き入れようと画策するが――。【岩屋城の戦い】でなぜ高橋軍は島津軍と対等に渡り合えたのか。その答えに新しい言説を投げかける、作者の意欲作。(※)少数の兵で多数の兵と戦う戦のこと
みくまりの谷深
1994年に講談社のアフタヌーン誌にて発表された小川幸辰の『エンブリヲ』は、虫とヒトとの共生を主題とした“生物學(バイオロジカル)ホラー”として人気を得、2008年には出版社を代えてエンターブレインより復刻版が刊行。新しい世代のファンを獲得し、その色あせない魅力が再び評価された。小川幸辰は、その徹底的にリアリズム的な筆致によって、紙の上に現実を描き上げ、そしてミステリ・オカルト的な幻想との融和を果たすことに成功している。今回の作品は出版社から「『エンブリヲ』の精神的な続編の執筆」を依頼されたことにより企画された。千葉県・印旛沼周辺の河童伝説を題材とし、実際には生息していないはずのもの、しかし多くの報告が寄せられるものを漫画で描き上げることにした。物語は3話から構成される。第1話&2話は80ページ強。しかし第3話は186ページとなった! この重厚かつ真摯な作品は、一度雑誌に連載されてからまとめるのではなく、直接、単行本描き下ろし作品として発表されることになる。舞台は東京都心と国際空港を結ぶ土地に拓かれた“万葉ニュータウン”。照葉樹の暗い森に包まれたこの街で連続失踪事件が起こった。犯人の特徴は、全身をうろこでおおった、まるで獣のような……。唯一無比の民俗学(フォークロリスティクス)ホラーとして、小川幸辰による共生の物語が、ふたたび刊行!
代々優秀な忍者を輩出する、雀家。その次期頭首・雀チヨ代が恋をしたのは、フツーの高校生のワタルくん。告白しようとチャレンジするけど、人から隠れることを叩き込まれた体は勝手に忍んで、失敗ばかり……。スゴ腕忍者であるが故、この初恋は難しすぎる!!実力派作家、設楽清人がおくる、恋する忍のストーキング・ラブコメ!
ぼくは学校に向かう途中で、おさげ髪の、ふしぎな雰囲気の女の子と出会った。白河メルと名乗った彼女は、人ならざるモノ――草木や動物、果ては幽霊――と会話できた!死者の声を聴く少女・メルとの出会いをきっかけに、頭脳明晰な少年・ワキヤは幽霊専門の探偵業を始める!『機動旅団八福神』『星屑ニーナ』『バララッシュ』など、読者の想像を超えていく展開と、リアリティ溢れる表現力で読者を魅了してきた福島聡。実力派が描くのは、声なき者の未練をほどくジュブナイル心霊ミステリ!
「未来の結婚相手は、16歳年上の、家賃が払えない小説家らしい」アパート「コーポさくま」の大家を務める高校生・佐久間 紫(さくま・むらさき)。彼女の初恋の相手は、103号室に住む、売れない小説家・四十万万里(しじま・ばんり)。家賃を滞納しがちな「先生」を、月に一度追い込みながら、紫は初めての恋を育んでいく――。漫画誌・ハルタで圧倒的人気を誇る、まっすぐな恋物語。
欅姉妹の四季
日本の四季の移り変わりを、4姉妹とともに描く読切連作。初夏は明るい時間が長くて過ごしやすい季節。軽装で運動に適し、雨も多いが海遊びも楽しめる。そして、この季節を最大限楽しめるのが三女の欅いずみ! スポーツ万能・運動大好きで明るくまっすぐな性格。単行本第1巻ではいずみをフィーチャーしながら、初夏に過ごす4姉妹の様子が描かれていきます。長女・睦実は料理が得意で、大声持ち。次女・朱美はスタイル抜群の読書家美女。四女・瞳は清楚で奥ゆかしく、手芸が得意。著者・大槻一翔の柔らかで魅力的な作画にもご注目下さい!
想幻の都
21世紀末のフランス。移民の受け入れを禁止したことによる、労働力低下に悩んだこの国は、死んだ人間をビオロイド(人造人間)として復活・再生させることにした。「花の都パリ」・「芸術の都パリ」に代わって新しく呼ばれたその名は「想幻の都パリ」……。作者はこれが初連載となる・梶谷志乃。ビオロイド工場で働く、自分自身もビオロイドの美女ジルが案内人となり、世紀末の怪しく蠢くパリを舞台の中に人間の愛と憎しみを描き上げる。世紀末フランス幻想!
きらびやかな宮中の描写が素敵だった。パラレルワールドの明治時代という感じの世界が舞台で、影武者の主人公が仕える相手・春宮高明親王が生まれたのが「継明40年 皇紀2567年(=明治40年)」なのでやはり時代設定はその辺りっぽい。 毎朝2人の身長を測る身体測定の儀式が雰囲気があってすごくいい。 3尺8寸6分は146.68cmらしい。調べてみたら1910年の14歳の平均身長が146.6cmなので、2人もそのぐらいの年頃かも。