BE・LOVEの感想・レビュー229件<<678910>>病院を舞台にした本格ミステリーH/P ホスピタルポリスの勤務日誌 杜野亜希名無し杜野亜希先生の新連載。 熱血で突っ走って空回りしがちな新人警察官が、病院で起きる事件を解決していくミステリー。 屍活師と同じ病院を舞台にしていながらも、ヒロインのキャラは真逆。 第一話ではいかにもミスリードを狙うために配置されたモブキャラ的動きをしていて、事件解決時のカタルシスは今ひとつだった。 今後の成長に期待。養親になる覚悟と実践の物語かぞくを編む 慎結兎来栄寿様々な事情があって実親の下で生活できなくなった子どもを養子として迎える養親たちを描いた物語。 現代社会における養子制度を非常にわかりやすい形で描いたドラマとなっています。まず実際に面談をして養親となるのに相応しいかどうか、そしていざ初めての親となった後の苦労と段階的に「養子を迎えるということ」を描いており、学びがあります。普遍的な子育ての苦労と重なる部分も多いですが、逆に養親はある程度の年齢になっている時点でそこと向き合わねばならないというリアルさでもあります。 「親になる」ことに終わりはない―― という言葉、1巻で描かれるエピソードに色々と考えさせられました。 順調に巻数を重ねればその内実写化されそうな内容です。制度的なものを知るという意味でも、社会的な知見を深めるという意味でも、読んでおいて損はないでしょう。命について考えさせられる幽体門 庄司陽子名無し庄司陽子先生の新作。 事故で意識不明の渋滞になった主人公が、幽体になって他の幽霊の事情を聞き、魂を成仏させる話。 一話で一通りのオチはつくため、星新一的なライトさがあり気軽に読める。 命の尊さについて考えさせられ、読後感も良い。 ただ内容的にはよくある幽霊物といった感じなので、もう少しひねりが欲しいところ。脳性麻痺のバイオリニスト水晶の響 斉藤倫名無し短編からの新連載。 脳性麻痺のバイオリニスト・式町水晶さんという実在の人物のヒストリーを描いた作品。 幼少期からバイオリンが得意で、同じような障害を持つ子どもたちと友情を育んだり、有名なバイオリニストに弟子入り志願の手紙を書き続けたりと、全てのエピソードがとにかくポジティブ。 ただキレイな部分だけを描いているような印象があるので、もう少し泥沼の(?)音楽業界に踏み込んでほしい。 超天然女子、美大に入学する。ニコ色のキャンバス 式田奈央名無し離島出身の天然JDニコが、美大で大活躍するかもしれない、という序盤。しかしいくら離島とはいえ、こんな常識のない子が育つものだろうか。 さらに、美大受験に合格できるものなのか……というあたりは、たぶん突っ込んではいけない。 このお騒がせキャラが、どんなふうに美大の常識をぶち壊していくのか、謎のイケメン先輩は何者なのか、先が楽しみ。養子縁組という制度の裏側かぞくを編む 慎結名無し養子縁組を進めるNPO職員の視点で描かれる、ハートフルなだけではない家族のエピソード。 短編連作なので1組1組の話はあっさり進むが、内容はとても重たい。 ビーラブの読者層にマッチしているし、社会的な意義のあるテーマではないかと思われる。相変わらずの人間関係ピーチガールNEXT 上田美和名無し相変わらずさえが鬱陶しい。 うじうじした操ちゃんもウザめ。 多少成長したシーンがあったとしても、結局人の本質は変わらないということかも。 目指せ、パラリンピック!ブレードガール 片脚のランナー 重松成美名無し重松成美先生の新作。 病気で片足を失ったJKが、ハイテクな義足を手に入れてパラリンピックを目指す話。 導入部はまだヒロインが義足に出会っておらず、絶望のあまり反抗的な態度になるあたり、非常に感情移入しやすい。 そこから一気にやる気が出るシーンはドラマチック(やや演出過剰?)で、一気に引き込まれた。 続きが楽しみ。昭和を舞台に、銀幕のスターに憧れる少女の物語昭和ファンファーレ リカチ名無し昭和ファンファーレの感想を語りましょう〜最新話について語ろう!ちはやふる 末次由紀名無し※ネタバレを含むクチコミです。 もし好きな人が犯罪者だったら?私の正しいお兄ちゃん モリエサトシ名無しモリエサトシ先生の新連載。 いかにも白泉社的なシンプルな絵柄と、分かりやすいラブ&サスペンスに満ちた導入。 主人公は筋金入りのブラコンだが、兄に似ている上に影のあるヒーローの魅力に抗える気がしない。 しかし展開しだいでは、実際の兄の行方と事件が絡んで、面白いミステリーになりそう。新大久保が舞台のイケメンわんさかグルメコメディ新大久保で会いましょう 香穂nyae売れない崖っぷち漫画家の花(30歳独身)、冒頭からいきなり彼氏に振られてどん底にいたところ、気分転換に美味しいものを求めてさまよい歩いていたら、最高美味しいグルメとイケメンの街、新大久保にたどり着いて… いきなり3人のイケメン(そのうちの1人は女子)と唐突に仲良くなって、まさにシンデレラストーリーが繰り広げられるかのように思えますが、 意外とラブコメ要素は少なく、イケメンたちとの交流の中で、美味しい韓国グルメに出会って感動しつつ、本業の方も少しづつ上向きになってゆく、という話ですね。 最近、新大久保の賑わいにやっと関心をもつようになって、出てくるのも本当にイケメンだったので、読んでみました。 イケメンたちと花が仲良くなる過程はかなりスピード感があってなぜそんなにみんなは花に惹かれるのかはあまり良くわかりませんが、 キャラそれぞれの人となりがとても魅力的で、本当にこんな子たちに会えるのかしら…と勘違いしそうになります。 自分的にはグルメ漫画としてよりは、4人が毎度繰り広げるドタバタを見てるのが楽しいです。離婚、拒食症の娘、ボケた母…だけどたかこの人生はこれから。たそがれたかこ 入江喜和nyae好きなもの、好きな人ができるといろんなことを頑張れる、という気持ちは理解できるけど、45歳の冴えないおばさんをここまで変えるほどのことって、ただ事ではない。 はたから見てるととにかくたかこの言動は痛々しいのだが、実際には誰もが一度は感じたことがある痛みばかりで、たかこの逆境に立ち向かう姿に「無理あるよー」と思いながらも目をそらすことなんてできない。 心を病んで拒食症になった娘に懸命に寄り添う姿も、若手のバンドのラジオを少女のようにときめいて聞いている姿も、どちらも一生懸命生きるたかこの姿だ。 入り込みすぎてなんかこっちまで足腰が痛くなりそうになる。笑 藤末さくら先生の新作オオカミの住処 藤末さくら名無し普通にリア充な主人公が、サイコパスな年下美少年のいとこに絡め取られていくサスペンス。この作品が普通の少女漫画で連載されていたなら、ヒーローの狂気に気づかないまま『同居した年下美少年に溺愛されて困ってます』的なラブコメになる気がする。文字が読めない男の子の話ぼくの素晴らしい人生 愛本みずほ名無し学習障害(LD)という一般にあまり知られていない障害を持った男の子が、それでも夢を諦めず前向きに生きていく話。 普通に文字が読める人には理解しにくい部分をリアルに描いてくれるので、目からうろこがボロボロ落ちる。 授業についていけない=頭が悪いからだと思われ、いじめられる学生時代。 でもそれは、文字が怪文のようにぐちゃぐちゃに見えるからで、声に出して読み上げたり虫眼鏡で拡大したり、タブレットを使えば読める。 そうやって工夫しながら、周りとのコミュニケーションを諦めず、脚本家への道を進んでいく主人公を素直に応援したくなる。ちょっと悲しい気もするけど幸せで素敵な体験ができる本いないボクは蛍町にいる タナカミホ名無しパラ、とめくった時に宮崎夏次系の絵っぽくてアーティスティックな作風かな、と思った。 主人公は友人を交通事故で亡くしてしまうんだけど、星に願ったらその友人に会えるようになってしまう。 切り株の穴を潜るとか、蛍の光を追いかけるとか、どこか童話的だなと思うけど主人公の健の心情とか友人とか人間が描かれててストーリーはすごく大人…な気がする。 何というか、大人が夏休みのある一日を振り返ったような、そんな感じもしてくる。どこか懐かしいような。 悲しい始まりなのに、死んでしまった人は別のどこかで生きてるとか、こうあって欲しいな〜ってことが漫画では実現できる。 だから幸福感を感じるのか。子供の話だから懐かしさを感じるのか。 タッチも作品に合っていて総じて素敵だな〜って思う。 うまく説明できない。ちょっと読んでみて欲しい。 小6の夏、友達が死んだ。もう一度だけ彼と遊びたい……ボクはそう願った。いないボクは蛍町にいる タナカミホ兎来栄寿> 「なァんかさ思い出すンだよナ > クラス離れてから遊ばなくなった奴とか > 転校してったやつとかを > でも それでも仲良かった奴って覚えてるだろ?」 > 「――…ウン > 普段思い出すことはないけど > 忘れることもないよ > ずっと覚えてる」 ページを開くと在りし日の想いを、鮮烈に蘇らせてくれる…… 今回紹介する『いないボクは蛍町にいる』はそんな作品です。 小学生の頃、一番仲が良かった友人のことを覚えているでしょうか。 私は今も彼との想い出を昨日のことのように思い出せます。 40日以上の長い夏休み。 好きなだけ寝坊できて、でも夏休み特別アニメの時間には起きて。 普段は観られない昼ドラまで観て。 毎日のように遊んで。 プールやイベントや海や山に行って。 そして、最後の数日は溜めに溜めた宿題に追われて……。 その時、夏休みの日記に何度も書いた名前。 中学で離れ離れになった後もたまにやり取りすることはありましたが、今何をしているのかはもう判りません。ただ、元気に生きていてくれれば良いなと思います。 『いないボクは蛍町にいる』には、小学生の時分ならではの喜怒哀楽が鮮やかに描かれていて、当時の自らの記憶や感情が強く呼び起こされました。 他人から友達へと変わる最初の些細な切っ掛け。 重いランドセルを背負った登下校中の、他愛もない会話や奇行。 わずかな休み時間を目一杯校庭を駆け回って遊んだ時間の楽しさ。 些細なことで守れなかった、友達との約束。 もっと優しく接することができたはずなのに、幼さ故にそうできなかったこと。 それらに対する後悔や気不味さの苦味。 読み手によって、様々なシーンで様々な想いが引き出されることでしょう。子供という存在のリアリティを感じ取れる数々の表現からは、筆者の誠実で真摯な眼差しが感じられます。 この物語の主人公・健(たける)は、大切な友人・卓哉(たくや)を交通事故で喪くしてしまいます。 小学6年生というのは、一般的に考えられているよりもずっと大人で分別もつく歳だと個人的には思いますが、それでも大人でも辛い友人の死を受け止めるには幼すぎるのも確かでしょう。 しかし、健は卓哉が言っていた「不思議な光る物体」に導かれた先で、卓哉が生存しているもう一つの世界線のような町に行き着きます。自分の住んでいる町とほぼ同じながら、少しずつ違う所もある町。この不思議な世界を行き来しながら、切なく優しいドラマが紡がれて行きます。 本作で特に印象的だったのは、ある人物が健にこんなセリフを述べる一連のシーン。 > 「…ボクもねぇ > 不幸を嘆いたことがある > 何度も 何度もね > …だけどねそんな中でも > なにかに感謝する気持ちを持てたとき > それは立派な幸福の気づきだと思うんだ > …この歳になってようやく > そう思えた」 この言葉は、友達を喪って自暴自棄になっていた健の心にどんな響きをもたらしたでしょうか。 そして、健を通して読者の心にも慈愛をもって響いてくるセリフです。 誰かに何かを感謝することができるなら、それは幸せなこと。そんな幸せを、人は生きているだけで日々沢山もらっているはずですが、不幸に囚われるとそのことを簡単に忘れてしまう。だからこそ、辛い時ほど感謝する気持ちを大事にして生きていくべきだ、と。 最後のページの健の表情を見た時、澄み渡るような気持ちになると共に、この作品に出逢えて本当に良かったと思いました。 ひと夏の哀しい喪失と優しい奇跡を経て、少年が成長する物語。 現実と地続きの少し不思議な世界を一度は体験してみたい、と思ったことのあるあなたに強くお薦めしたい一冊です。 これはいいパラスポーツ作品になりそうブレードガール 片脚のランナー 重松成美sogor25テーマはスポ根っぽいけどBE・LOVE連載なだけに文脈は少女マンガ寄り。義足の専門的な話などもありつつ全体的に爽やかな画作り。言ったら幾らでも重い展開に出来るようなテーマなんだけど、例えば骨肉腫で右下腿を失ったっていう設定を説明だけに留めて、画面作りを明るく、かつ純粋に走ることに対する物語を中心に展開。パラリンピックを見据えた企画だろうし、極力ポジティブな物語にしようという描き方には好感が持てる。物語が進む中で主人公の鈴がカッコよく走るようになってくれることを期待。 1巻まで読了。片脚のランナーが風を起こす!!ブレードガール 片脚のランナー 重松成美名無し単行本で読むのを楽しみに待っていた作品。 少女マンガらしくSっぽいヒーローとは偶然出会い、出会い頭にタメ口を利かれる1話の展開は安心感があっていい。 走れば体が風を感じるのは健常者にとっては何でもないことだけど、そのことを「風が吹いたんじゃない あんたが風を起こしたんだ」と言う風見のセリフがとても印象的だった。 1巻の最後の引きはズルい!!笑 続きが超気になる 日本人を誇りに思う昭和元禄落語心中 雲田はるこ名無し落語見に行くことにしました 師弟関係にすごくあこがれます その人にしかできない芸術ってすごいことですね言葉は愛で呪い…ゆりあ先生の赤い糸 入江喜和む※ネタバレを含むクチコミです。ぴくぴく仙太郎より好きだったきこちゃんすまいる 布浦翼かしこ当時アニメにもなってたから知ってる人も意外に多いはず。 美男美女のパパとママから産まれた目つきの悪い市松人形のようなきこちゃん(隔世遺伝です)は、こう見えてスーパー園児である。無口なので会話はすべてジェスチャー、六法全書を読んだりC言語を学んだり、兄弟が欲しいでしょ?と言う両親の夜の営みに態度で反抗したりする(無口だから)。しっかり者なのでツッコミ役が多いんだけど、たまにやるボケが大きいのがご愛嬌。散歩から帰って朝食を作り始めたけど自宅じゃなくて知らない人の家だった!とかね。周りの大人からは変わり者扱いされるけど、悪口は右から左に流すから心はいつでもステンレスのようにピッカピカ。きこちゃんのクールさと淡々としたコマ割りで魅せるギャグが今も変わらず好き。 「ちはやふる」の中学生編 ちはや・太一・新の中学時代ちはやふる 中学生編 末次由紀 時海結以 遠田おとマンバ【掲載誌】 BE・LOVE2017年21号(2017年10月13日発売)より連載開始 【受賞歴】 遠田おと『恋するダビデ』 第14回 スーパーキャラクターコミック大賞 受賞 【公式ページなど】 BE・LOVE http://be-love.jp/ 時海結以オフィシャルサイト 風の鳴る音 http://www.naruoto.visithp.jp/home.php 遠田おと Twitter https://twitter.com/10da010 人間の業とはこれいかに。昭和元禄落語心中 雲田はるこ華子2016年にアニメの一期が放送され、よく年には二期が放送、今年はなんとNHKでドラマ化までされております。 現在放送中。 今や飛ぶ鳥を落とす勢いの雲田はるこ氏の名前をスターダムに伸し上げたのが、この落語心中ではないでしょうか? 落語で天下取ったるでー! みたいなサクセスストーリーなら、読んでなかったと思います。 この漫画で描かれているのは、人間の業でございます。 登場人物の誰もが業に取り憑かれている。 業によって落語と死のうとする者、業によって落語を辞めなければならない者、業によって好きな男と離れ離れになる者、業によって弟子を失う者。 運命の糸は何度となく、絡まり、解け、また絡まる。 全ては業のなせる業。 泣かずに読めません。 最終巻は賛否あったようですが、可愛いさ余って憎さ百倍、女心は秋の空って言いますし、師匠、そのお年で!?と考えると、それもまた一興。 漫画も面白いんですが、アニメは声優陣の豪華さに加え、語られてナンボの落語を、文字でなく耳で聴けるるのでオススメです!<<678910>>
杜野亜希先生の新連載。 熱血で突っ走って空回りしがちな新人警察官が、病院で起きる事件を解決していくミステリー。 屍活師と同じ病院を舞台にしていながらも、ヒロインのキャラは真逆。 第一話ではいかにもミスリードを狙うために配置されたモブキャラ的動きをしていて、事件解決時のカタルシスは今ひとつだった。 今後の成長に期待。