あらすじ

亡き久保にそっくりなプレーをするブラジル代表・光岡があらわれたことで、トシたち、ユース日本代表候補メンバーは激しく動揺する。必要以上に、光岡に対して攻撃的な態度をとる岩上。このままではチームが一つになれないと感じたセルシオ監督は、いきなり、紅白戦を行うと宣言。バラバラなチームが、ゲームを通して次第に一つにまとまり始める。最強のジャパンユースの誕生だ!
シュート! 1巻

憧れの「背番号10」久保嘉晴(くぼ・よしはる)とプレイするために、新設の掛川高校に入学した田仲俊彦(たなか・としひこ)=トシ。掛西中では活躍していた田仲だが、入院中の久保にも会えず、雑用ばかりやらされる毎日にうんざりしていた。が、マネージャー遠藤一美(えんどう・かずみ)の策略で、2年生と試合するはめに……。

シュート! 2巻

先輩2年生との試合に挑んだ田仲率いる1年生チームは、高校サッカーの実力を思い知らされる。苦戦する田仲の前に現れたのは、掛西中時代の名トリオ、和広と健二だった!一度はサッカーを捨てた和広と健二だったが、マネージャー一美とトシの情熱に、再びサッカー部に入部を果たす。残念ながら負けてしまった1年生チームだが、がんばりが認められ、1年生にもインターハイメンバーへ選ばれる可能性が生まれた。

シュート! 3巻

天才・久保嘉晴も部活に戻り、活気が出てきた掛高サッカー部。インターハイ目前の時期、ついにレギュラーのメンバー発表が行われる。トシ、和広、健二の1年生3人は、果たしてレギュラーになれるのか!?

シュート!(4)

天才・久保嘉晴がつくったミラクルチーム掛川が、インターハイでその強さをあらわしはじめた!!インターハイ初戦、湖東学園との試合は掛高の圧勝で終わった。だが2回戦、強豪・浜野高校に挑んだトシたちは、シード校の実力を思い知らされる!

シュート!(5)

GK(ゴールキーパー)白石の大活躍で、シード校である強豪・浜野高校をPKで破った掛川高校!決勝トーナメント進出を決め田仲俊彦(トシ)たちは、マネージャー・遠藤一美(えんどう・かずみ)を誘い、強豪・藤田東を偵察することに。一美を誘えたことで浮かれるトシだったが、親友・和広(かずひろ)の彼女への想いを知り、自分の気持ちに嘘をつくようになっていく。本当の実力を見せずに決勝へと進んだ藤田東の圧倒的な強さを知り、掛川イレブンはショックを隠しきれない――。

シュート!(6)

決勝トーナメント2回戦、袋井(ふくろい)工業との試合会場に、掛川の主将・久保嘉晴(くぼ・よしはる)の姿はなかった。電話で伝えられた田仲俊彦(トシ)へのメッセージは「左を使え!」。エースを欠き、動揺する掛川イレブンたちは試合開始直後、次々と点を入れられてしまう。久保の親友・神谷はチームの建て直しのため、トシを左ウイングに投入。追い詰められたトシの左足が火を噴いた!!勢いに乗った掛川は、大逆転勝利を収め、ベスト8に進出。次の相手は東海学園!!

シュート!(7)

快進撃を続ける田仲俊彦(トシ)たち・掛川高校イレブン。県大会の決勝トーナメント準決勝の相手は、秘密兵器と呼ばれる広瀬清隆(ひろせ・きよたか)を従えた掛北高だった。2校の実力はほぼ互角とされていたが、広瀬の放つ不規則に変化するナックルシュートに手も足も出せずにいた。しだいに引き離される点差に焦りの見えるトシたち。そのとき、ゴール前に下がっていた超高校級・エースストライカー・久保がボールをキープし激走!はたして掛高は決勝への切符を手にすることができるのか…!?

シュート!(8)

脅威の11人抜きを成し遂げ、掛川高を初の決勝進出に導いた主将・久保嘉晴(くぼ・よしはる)が死んだ――。白血病を患っていたことを隠し、サッカーにすべてを捧げた久保。あまりに突然の死に、悲しみの中決勝に臨んだメンバーは、思うようにプレーが出来ずあっけなく敗退する。次の大会に向け、練習に励む掛高イレブンだったが、久保のいない淋しさを埋めることができずにいた。神谷は久保の死を信じきれない田仲俊彦(トシ)に、久保のサッカーへの熱い想いを語る。その心を知った彼は、あらためてサッカーに青春を懸けることを誓う!

シュート!(9)

エース・久保嘉晴(くぼ・よしはる)の死にとらわれ、動き出せずにいた掛高サッカー部は、久保の言い残したことを守り以前と同じ練習を続けていた。新しく入部したブラジル帰りの馬堀圭吾(まほり・けいご)は、そんな部員達を見て異を唱える。久保の残したサッカーの本当の意味とは……!?そして、再びサッカーが自分達のためにあるものだと気付いた彼らは、新たな目標、全国高校サッカー選手権に向けて動き出す!!

シュート!(10)

全国高校サッカー選手権の冬の大会に向けて組まれた新レギュラーで、エースナンバー・10番を託された田仲俊彦(トシ)。しかし、初戦・金森との試合ではプレッシャーからか必要以上に力が入り、チームは勝ったが、思うように動けなかった自分に苦悩する。励まそうとハッパをかける遠藤一美(えんどう・かずみ)に八つ当たりしたトシは、彼女を傷つけてしまった。そのせいで一美がマネージャーをやめると言い出して……!?

シュート!(11)

横賀戦以来、好調の続く田仲俊彦(トシ)。故・久保の彼女、美奈子(みなこ)とも逢う回数が増え、浮かれる毎日を送っていた。しかし、富士南との試合で自分勝手なプレーに走り、馬堀にケガを負わせてしまう。10番を背負った事で、久保に近付いていると勘違いするトシに、神谷は激怒!!神谷の10番に対する思い入れを大塚に語られ、目の覚めたトシは、美奈子に別れを告げる決心をした――。

シュート!(12)

清水学苑(しみずがくえん)の新戦力、“フィールドの魔術師”芹沢直茂(せりざわ・なおしげ)の存在は、田仲俊彦(トシ)たち掛川イレブンに衝撃を与えた。だが、苦戦を強いられる掛高に、思いがけない救世主が現れる。それは清水に敗北した、掛北のメンバーだった!!彼らの好意に感謝し、猛特訓に励む掛高イレブンは、清水の弱点を聞き出した。果たして、心・体・技の全てを兼ね備えた清水を倒せるのか――!

シュート!(13)

清水学苑(しみずがくえん)の“フィールドの魔術師”芹沢直茂(せりざわ・なおしげ)はハーフタイムプレーヤーだった!ついにスタミナの切れた芹沢は動きに精彩を欠き、並のプレーヤーになってしまう。だが、清水は芹沢を交代させることなく、芹沢の復活に勝負をかけてきた――。時間がない!!魔術師の復活か、田仲俊彦(トシ)の左足が火を噴くか?行き詰る勝負の行方は!?

シュート!(14)

静岡大会決勝は、掛川高校vs藤田東!準決勝で圧倒的な強さを見せつけた藤田東の帝王・加納の「天才・久保の作り上げた掛高を倒す」という執念は並大抵のものではない。試合前日、田仲俊彦(トシ)は遠藤一美(えんどう・かずみ)から願をかけたミサンガをもらう。その気持ちに応えるため、また志半ばで倒れた久保のため、全力で試合に臨む決意をする。本当の決着をつけるために――。

シュート!(15)

松下のカウンターシュートで度肝を抜かれた掛高イレブン。藤田東に勝ち越され、あせる田仲俊彦(トシ)たちだが、和広のガッツで同点に持ち込む。あと1点はトシの役目だと言い残し、ケガを負った和広はグランドから出る。決勝戦の残り時間もわずかとなり、最後まで勝利を信じるイレブンたちは、強い信頼と絆でひとつになった。それぞれの想いがボールへと伝わり、ゴールへの道をつないでいく。そして、掛高の運命は……!?

シュート!(16)

激戦の末藤田東を破った掛川は、ついに全国大会へ進出!!盛り上がりは地元だけにとどまらず、静岡代表として全国ネットのテレビ出演の話が舞い込んだ。他県の強豪校と顔を合わせた田仲俊彦(トシ)たちは、闘志をみなぎらせる。そんな時、TV局にマネージャーとして同行していた遠藤一美(えんどう・かずみ)がスカウトされ、アイドルデビューを果たしてしまう。トシと和弘の胸中は複雑――。

シュート!(17)

全国大会に向け、練習に励む掛川イレブン。そこへ、亡き久保のドイツ留学時代を知るという男が訪ねてきた。掛川の練習風景を見て、失望したといい放った男。彼は群馬県代表の全国大会常連校・前山工業のミッドフィルダー、ヴィリー・ラインハルトだった。ショックを受ける田仲俊彦(トシ)たちの前に現われた今日の練習相手は、静岡大会で戦ったベストイレブン!みんなの期待に応えるためにも、負けるわけにはいかない!!

シュート!(18)

いよいよ始まった冬の全国高校サッカー選手権大会。掛川の初戦は強豪埼玉代表・青城南。しかし予選の時から格段に成長した掛川イレブンの実力は、7対0という大差の勝利が証明していた。その夜、一美(かずみ)に電話したい一心で宿舎を抜け出した田仲俊彦(トシ)だったが、芸能界デビューにむけ、忙しい彼女と話す事はかなわなかった。落ち込むトシは帰りがけに、次回対戦校・鶴ヶ崎の氷室(ひむろ)と出会う。

シュート!(19)

2回戦の相手は、北海道代表鶴ヶ崎学園。下馬評は決して高くはなかったが、徹底的な守備によって相手に得点させず、“北海の氷壁”氷室明彦(ひむろ・あきひこ)が前へ出て1点をもぎ取ることによって勝ちあがってきた。同じく1年生エースとして注目される田仲俊彦(トシ)との直接対決!先制点は許したが、トシの“幻の左”に勢いづけられ、掛川の攻撃が炸裂する!!

シュート!(20)

圧倒的破壊力で、4回戦進出を果たした掛川高校。聖地・国立競技場まで、あと1試合。その前夜、掛高・正GKの健二は夏姉とこっそりデートをする。暴漢に襲われた夏姉を助けるため、ボコボコニされてしまった健二。警察官に連行されたが、掛高の出場停止を恐れる彼は無言を通し、一晩を過ごすが釈放はされない。そして、健二が戻らぬまま、試合のホイッスルが鳴り響く――。

シュート!(21)

予選にとどまらず、全国大会においても無敵を誇っていたマジックシザーズ・高橋兄弟を擁する豊川高校。GK白石健二(しらいし・けんじ)を欠いた布陣で試合に臨む掛川イレブンは、激しい点の取り合い合戦を制し、豊川を撃破した。ついに掴んだ国立競技場への切符。準決勝第一試合、前山工業対掛川高校の試合がついに始まった――。

シュート!(22)

全国高校サッカー選手権大会。掛川高校と前山工業の決勝をかけた試合が始まった!!ピッチを支配するのは「双頭の竜」……!!前山の“攻めの司令塔”ヴィリーと、“守りの司令塔”東(あずま)。二つの“頭=司令塔”をたくみに操る前山とのゲーム、掛川は思った以上の苦戦を強いられることに。しかも、ヴィリーからは、「狼(おおかみ)の牙(きば)」と呼ばれる“殺人シュート”が飛び出して――掛川、圧倒的なピンチに!?

シュート!(23)

全国高校サッカー選手権大会準決勝戦、掛川高校vs.前山工業!!前山1点リードの状態で、なんとか迎えた後半戦。圧倒的な攻勢を受け、防戦一方だった掛川だが、「前山のゾーンプレス攻撃の盲点」をついた作戦を実行することで、待望の1点をもぎ取ることに!しかし、キーパーと激突したトシが気絶してしまい、フィールドの外に運ばれてしまうことに……。はたして掛川は、10人で守りきることができるのか……!?

シュート!(24)

掛川高校、全国高校サッカー選手権大会決勝戦へ!!掛川を迎え撃つのは、高校サッカー界の王者・帝光学園。大歓声の中、いよいよキックオフ!和広(かずひろ)の「消えるヒールショット」からボールはトシへと渡り「幻の左」炸裂(さくれつ)、帝光のゴールを襲う!!しかし、帝光キーパー・草薙(くさなぎ)は、和弘のヒールショットをすでに見破っており……!?

シュート!(25)

全国高校サッカー選手権大会決勝戦!掛川高校がはなつ渾身(こんしん)のシュートは、帝光のキーパー・草薙(くさなぎ)を前に、苦戦……。しかし和広(かずひろ)の個人技と連携プレーで、帝光を翻弄(ほんろう)する!掛川、シュートのチャンス到来!と思ったが束の間、帝光の主将・岩上(いわかみ)に止められてしまう!「日本サッカー界の至宝」とまで言われる男、帝光学園・岩上がついに動き出す!!

シュート!(26)

全国高校サッカー選手権大会・決勝戦。掛川VS.帝光の試合は、個と個、チーム対チームの、決勝戦にふさわしいハイレベルな闘いが繰り広げられていた。そんな中、互いのチームがゾーンディフェンスに切り替わる!試合を左右するのは神谷(かみや)と岩上(いわかみ)、二人のゲームメーカーだ。先制点を上げるのは帝光か掛川か――。そして怒涛の後半戦、帝光の新たな秘密兵器が現れる!!

シュート!(27)

帝光の1年生木之内(きのうち)は、和広をつぶすために送り込まれた秘密兵器だった!和弘に徹底的に喰らいついた木之内はボールをキープ、そこに恩田が“黄金の左”でシュートを放つ!後半20分、ついに帝光が先制点をあげた。絶体絶命のピンチを切り抜ける秘策は、トシと和広、二人が放つツープラトンシュート!!ボールは惜しくもはずれ、勝敗の行方はロスタイムへと持ち越した!!

シュート!(28)

全国高校サッカー選手権大会・決勝戦。神谷の執念のゴールで、ついに試合は延長戦へ!ケガの手当てに下がった神谷が復帰した後半。残り2分、傷めた足でスルーパスを放った神谷の執念が、和広に届く!恩田の徹底マークに、和広が見せたのはダブルを越えるトリプルヒールショット!!奇跡は再び起こるのか!?

シュート!(29)

全国高校サッカー選手権をみごとに優勝で飾った掛川高校。トシを含め、5人のメンバーがジャパンユース代表に選ばれた。かつてのライバルたちが、今度はチームメートとして世界を相手に戦う。最終メンバー決定に向け合宿が始まり、猛練習に励むメンバーたち。だが、突然現れた光岡という男のプレーを見て、一同は愕然とする。彼のプレーは、亡き久保にそっくりだったのだ!!

シュート!(30)

亡き久保にそっくりなプレーをするブラジル代表・光岡があらわれたことで、トシたち、ユース日本代表候補メンバーは激しく動揺する。必要以上に、光岡に対して攻撃的な態度をとる岩上。このままではチームが一つになれないと感じたセルシオ監督は、いきなり、紅白戦を行うと宣言。バラバラなチームが、ゲームを通して次第に一つにまとまり始める。最強のジャパンユースの誕生だ!

シュート!

久保建英や大谷翔平、井上尚弥の出現により、スポーツ漫画に求められる変革とは

シュート! 大島司
mampuku
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若干18歳にしてA代表に選出され、ビッグクラブへの移籍も確実視されている日本サッカーの至宝・久保建英。いま連載されている主要なサッカー漫画に、彼と同等以上の活躍をしている高校生はいません(まぁ現実にもいないんですけど)。アオアシの栗林もBeBluesの久世も、主人公の遙か先をいく圧倒的存在として描かれていますが、久保建英はそのさらに遥か先を行っています。 かつての名作には名門バルセロナで活躍する大空翼、メジャーリーグで投打に燃えた茂野吾郎などがいました。漫画だからこそ自由に描けた夢に、現実が追いついてしまいました。それによりスポーツ漫画に求められる役割が少しずつ変わってきたような気もしています。 読者が憧れるヒーローや漫画ならではのスペクタクルといったものから、競技そのものの面白さ・奥深さ、競技を取り巻く人々のドラマなどにスポットライトが移ったような印象です。 代表的なのがサッカーなら「フットボールネーション」「アオアシ」「サポルト」「ティエンポ」、野球なら「バトルスタディーズ」「グラゼニ」「ラストイニング」など。 本カキコミのタイトルに井上尚弥の名を上げておきながら不覚にも次世代的なボクシング漫画の例が思いつきませんでした……。ティエンポみたいなボクシング漫画、読んでみたい!