あらすじ

定年退職後もフリーのデザイナーとして仕事を続け、オシャレをして好きなものを食べ、64歳まで一人で気ままに生きてきた玲子(れいこ)。これからも人生を楽しんでポックリ逝きたいと思っていたのに……。20年住んだアパートを追われた玲子は新しい住居を探すが、一般住宅は断られ、あるのは「高齢者専用住宅」ばかりで……。「今の社会にあたしたち高齢者を受け入れてくれる場所は無いの」“独り身の高齢者”の現実を描く【セカンドライフ編】。
ヘルプマン!(1) 介護保険制度編

現実を真正面で受け止めなければならない介護の現場に入所した百太郎は、様々な体験を重ねて行く。そして老人との交流の中で百太郎はひとつの答えに辿り着く。ジジババ介護に風穴を開けろ!今まで誰も描かなかったリアルな「老人介護」漫画!!

ヘルプマン!(2) 在宅痴呆介護編

在宅介護はもう他人事じゃない!認知症の義父の在宅介護に追われる主婦・公子(きみこ)。そんな彼女はある日、過酷な介護生活によって倒れてしまう!公子に任せっきりで介護から目を背けていた家族たちは、介護保険の存在を知り安心するが……。親のボケ、家族はどう受け止めますか?在宅介護の現実をリアルに描く、在宅痴呆介護編!!

ヘルプマン!(3) 介護虐待編

介護虐待の闇に迫る!!親の「世話」が「虐待」に変わる瞬間。――脳溢血の後遺症で半身麻痺が残る幸助(こうすけ)と、半年間その介護をしてきた妻の玉緒(たまお)。55歳で早期退職し、実家に戻ってきた正孝(まさたか)は、尊厳を失った父親の姿に動揺を隠せない。そんな折、玉緒も倒れて入院。幸助の介護と必死に向き合うが、当の幸助は「恩知らず」「出来そこない」と罵るばかりで……。

ヘルプマン!(4) 高齢者性問題編

老人の「自分らしさ」って何だろう……?――軽度の認知症高齢者が集まるグループホーム。体が元気でも生気がないマサルさんに、百太郎(ももたろう)が“エロビデオ”を見せたことから、大事件が勃発!!“男”と“女”を取り戻すことで、急速に活気づいたホームだが……!?老人の性を問う、【高齢者性問題編】。

ヘルプマン!(5) 介護支援専門員編

【介護支援専門員編】介護保険制度のキーマンであるケアマネージャー。現場だけでは変えられない現実を知った神崎仁(かんざき・じん)は、ケアマネージャーとしてもっと大きく介護を変えようと転職する。しかし、そこには新たな介護制度の問題が山積みされていた……。要介護者、家族、ヘルパー、業者……いくつものしがらみの中で、ケアマネージャーとして考えうる最良の介護を実現することはできるのか?※単行本に収録されている「介護の現在を考える3人のヘルプマン対談!!」はこの電子書籍版には収録されておりません。ご了承下さい。

ヘルプマン!(6) 介護支援専門員編

“介護サービス”は、介護する側の論理で出来ている!?仁(じん)がケアマネージャーとして見つめた介護企業の実態。そこには利用者の気持ちを無視した、ビジネスとしての介護があった。新制度・介護予防給付の成立とともに、日本の介護はさらなる局面を迎える!!

ヘルプマン!(7) 介護支援専門員編

老人達が利用しやすい介護プランを立てるためケアマネージャーとなった神崎仁(かんざき・じん)。しかし現実はスケジュールに忙殺され、利用者に対しビジネスライクにしか付き合えなくなっていく。しかし、そんな状況でも仁を待っていたのは、ほかならぬ老人達だった。彼らの心に触れ、再び闘う意欲を取り戻した仁は、反対派だったケアマネ事業所の所長やスタッフ達のやる気を起こし、少数精鋭の仲間とともに知恵を絞り合うが……。

ヘルプマン!(8) ケアギバー編

弟夫婦と一緒に暮らしていたはずの母親が突然小宮(こみや)家にやってきた。しかも母親は認知症。キャリアウーマンの妻と、気ままに生きる娘は介護に関わろうとせず、家族の間の溝は深まるばかり。しかし、小宮は母親への愛情があって見捨てることができない。そんなとき、いつでも明るくお年寄りを敬うことを忘れないフィリピーナのヘルパーに出会い、母親に、そして小宮一家に笑顔が戻る。しかしそこには、介護の現場で働く外国人の厳しい現実もあった。

ヘルプマン!(9) 介護福祉学生編

「してやれなかったんじゃない、してやらなかったんだ……」百太郎(ももたろう)の祖母が亡くなった。一緒に暮らしていながら、一週間前に倒れたことにも気付けず「ばあちゃんは元気だ」とばかり思っていた百太郎は、あまりのショックに介護の仕事から逃げ出すが……。国家試験4年連続不合格の百太郎が、介護福祉士の資格獲得に挑む、【介護福祉学生編】!※単行本に収録されている「教員ヘルプマン!の現場から」はこの電子書籍版には収録されておりません。ご了承下さい。

ヘルプマン!(10) 介護福祉学生編

『老いる』とは何なのか!?介護はまだまだ縁遠いと考える介護学生・北丈夫(きた・たけお)。そんな彼が見つめる『老い』の現実。親しくなったばかりの近所のおばあちゃんの死をきっかけに、老いること、生きること、そして幸せとは介護とは何かを考え始めた丈夫。地域コミュニティーの崩壊しつつある集合住宅で起きた老人の孤独死や独居老人達と交流し、半熟ヘルプマンが彼等に支えられ成長する!【介護福祉学生編】完結!

ヘルプマン!(11) 認知症編

「イヤだ……ボケるのはイヤだイヤだイヤだイヤだ!!」認知症の視点から見た世界。記憶が抜け落ち、時間軸が曖昧になる。誰でも可能性があり、30代、40代でもその兆候は脳にわずかに出てくる認知症。他人ごとでは片付けられない問題に鋭く迫る、【認知症編】!!

ヘルプマン!(12) 認知症編

広告代理店のエリートサラリーマンだった蒲田喜久雄(かまた・きくお)。趣味は仕事の延長で覚えたゴルフ。家庭では二児の父として妻子から愛され孫にも恵まれた。そんな彼が定年退職を迎えた矢先、突然『認知症』になってしまった。失語、幻覚、失認……。これまで出来ていた事が、日を追う毎に出来なくなり自信喪失。認知症に理解の無い家族は症状を改善させようとし、結果喜久雄の自尊心をズタズタに傷つけ、悲劇は取り返しの付かない方向へ向かって行く――。※単行本に収録されている「ヘルプマン検定」はこの電子書籍版には収録されておりません。ご了承下さい。

ヘルプマン!(13) 介護職員待遇編

介護職は情熱だけじゃ食えない……?離職者が後を絶たない介護現場――。天下りの施設長と、介護現場未経験の事務長は、「なぜ介護現場は人材難なのか!?」と苦悶する。職員不足で満足な介護ができない現場の葛藤、高齢者の事故(ヒヤリ・ハット)の続く状況に、現場責任者の介護主任は、苦渋の決断を下した!日本認知症ケア学会読売認知症ケア賞特別賞受賞!!

ヘルプマン!(14) 介護職員待遇編

現場の万年人手不足、介護職への偏見、制度上、上がることのない給料……。介護職の制度や待遇面に初めて向き合った恩田百太郎(おんだ・ももたろう)は、自らが考える理想のケアを入居者に固辞されたことで自信を失い、職場を無断欠勤してしまった。「自分を必要としてくれる職場に」と父親の勧めで鉄工所に転職するが……。一方施設では、現場と施設長がノルマと現実をめぐって対立。誰も報われない制度の現実が重くのしかかる――。

ヘルプマン!(15) 介護職員待遇編

「自分が介護を志した頃のことを思い出してみて」――恩田百太郎(おんだ・ももたろう)の起こした波が、主任や事務長を動かした。介護の仕事に誇りを持ち、自分たちが本当にやりたかったケアをすること――。しかし、そこには「法律」「制度」「役所」の壁が大きく立ちはだかっていた!介護士と入居者が一緒になって作り上げる新しい施設を目指して、百太郎たちは走り出す!

ヘルプマン!(16) セカンドライフ編

定年退職後もフリーのデザイナーとして仕事を続け、オシャレをして好きなものを食べ、64歳まで一人で気ままに生きてきた玲子(れいこ)。これからも人生を楽しんでポックリ逝きたいと思っていたのに……。20年住んだアパートを追われた玲子は新しい住居を探すが、一般住宅は断られ、あるのは「高齢者専用住宅」ばかりで……。「今の社会にあたしたち高齢者を受け入れてくれる場所は無いの」“独り身の高齢者”の現実を描く【セカンドライフ編】。

ヘルプマン!(17) セカンドライフ編

64歳で独身の玲子(れいこ)と理恵(りえ)。計画性もなく、いつまでも今の生活が送れると思っていた玲子は、アパートからの立ち退きを迫られ、仕事も減って窮地に。一方、綿密なセカンドライフのプランを立てていた理恵は脳出血で倒れ、実姉の世話になることを余儀なくされる。「年を取ったというだけで……この手から一人前の選択権が奪われる」――最後まで自立した、自分らしい生活をしたい2人が出した結論は?

ヘルプマン!(18) 成年後見制度編

2000年、介護保険制度と共に誕生したもう一つの制度に迫る、【成年後見制度編】!第40回日本漫画家協会賞大賞受賞作!――夢のマイホームを買ったはいいが、家庭内がごたごたし始めた吉崎(よしざき)。しかも、向かいのおばあさんがたびたび夜中にやってきて、ひと悶着。認知症の独居老人と家族、さらには介護士の恩田百太郎(おんだ・ももたろう)も出てきて、騒動に巻き込まれていく……。

ヘルプマン!(19) 成年後見制度編

認知症になった独居高齢者・犬塚時枝(いぬづか・ときえ)は、向かいに住む吉崎(よしざき)や近隣に迷惑をかけていた。通報を受けた娘・米倉則子(よねくら・のりこ)は、母の世話と共に財産管理をする事に。しかし母の多額の財産に目が眩み、預金を使い始めた。一方、介護士・恩田百太郎(おんだ・ももたろう)は、急速に悪化する時枝の症状を緩和するため、地域で独居継続を支援する仕組みを則子や吉崎に提案。しかし百太郎の全力の行為は一蹴され、時枝は尊厳を奪われ悪化していく。

ヘルプマン!(20) 成年後見制度編

人間の尊厳に介入する禁断の制度に鋭くメスを入れた本作。2000年、介護保険制度と並び産声を上げたもう一つの制度『成年後見制度』。この制度は利用する老人本人以上に、見守る側の倫理観が問われる。認知症の独居老人は、どこまで尊厳ある生活を営めるのか?ひとりの老婆を通じ見えてくる、介護関係者、独居老人の家族、そして地域の関わりを描いた3部作ついにクライマックス!!

ヘルプマン!(21) 【震災編】episode1

【震災編】一人の社会福祉士が見た壮絶な3日間。2011年7月。仙台で行われた東日本大震災復興イベントに参加した作者が、被災体験をした多くの主催者達から、震災の実状を描いて欲しいとオファーされ実現した本作――。仕事の一環で、海岸に面した長閑な街を訪れたソーシャルワーカーの神崎仁(かんざき・じん)。会議前に喫茶店で一服していた仁は、そこで巨大地震に遭う。逃げ惑う群衆の中、仁はとんでもなく大きな津波を目の当たりにする!!

ヘルプマン!(22) 【介護起業編】

金無し・ツテ無し・知識無し。借金まみれの飛石亘(とびいし・わたる)は、“みんながオイシイ商売”を理想に、営業前のキャバクラを借り、高齢者と若者の“年の差合コン”を企画。そこで「質素倹約」、「老いては子に従え」とは全く異なる、アクティブな新時代の高齢者と出会い、「介護ビジネス」という将来性抜群の商売に魅かれていく――。

ヘルプマン!(23) 【介護起業編】

借金まみれの飛石亘(とびいし・わたる)は、“みんながオイシイ商売”を理念に高齢者ビジネスで一攫千金を狙う。しかし、旧態依然とした介護事業所・至極(しごく)会は、新参者の飛石を排除しようと動き出す――。「介護」のリアルが見えてくる『介護企業編』!

ヘルプマン!(24) 【介護起業編】

時代遅れの“常識の壁”にきっと風穴開けられる!!――スキルがあるのに!?需要もあるのに!?それを生かして商売しちゃいけないって……どーゆーこと!!?金無し・ツテ無し・知識無し。借金まみれの飛石亘(とびいし・わたる)は、みんながオイシイ「介護ビジネス」を理想に、アクティブシニアと組み、天下りが横行する介護業界に伸るか反るか大勝負に出る!

ヘルプマン!(25) 【認知症予防編】

20年前、宇宙飛行士として心身共に厳しい訓練を受けた元宇宙飛行士・汲田光(くみた・ひかり)60歳。彼女は、執筆活動や講演会などフリーで仕事を受けつつ悠々自適なおひとり様暮らしをしていた。ところがある日、地域包括支援センターから父親が認知症になったと報告を受ける。認知症の父親と向き合う事は未知の領域。光は研究者として認知症を深く理解しようと「認知症重度化予防実践塾」を受講し、社会実験を開始した――。著者が実際に「認知症重度化予防実践塾」を取材・体験した内容を作品化した【認知症予防編】!

ヘルプマン!(26) 【監査編】

高齢者は溢れ出し、税金は枯渇し、介護保険制度は破壌寸前!?国の目の届かない所で起こる『放置、虐待、ネグレクト、搾取、二重取り……』。介護業界は民間企業参入で、無法地帯に!?世界最速で高齢化する日本社会を支える第3のインフラ“有料老人ホーム”は、救世主になるのか!?配属間もない業界無知の県庁高齢者支援課・小池一郎が、急成長産業・介護ビジネスの闇を目撃する!!

ヘルプマン!(27) 【監査編】

制度を悪用し、老人たちを搾取、介護放棄する有料老人ホーム「おはなばたけ」に対し、恩田百太郎(おんだ・ももたろう)や神崎仁(かんざき・じん)はついに立ち上がる。しかし味方のはずの県庁は様々な言い訳をつけ動こうとしない。高齢者支援課職員・小池一郎(こいけ・いちろう)は、上司を、県庁を、動かすことはできるのか――!!10年以上にわたり老人介護の最前線を描きつづけてきた『ヘルプマン!』ついに完結!そして『ヘルプマン!』は2014年末より<週刊朝日>に移籍決定!