口が裂けても君には

口裂け女と人間の不思議な結婚生活 #1巻応援

口が裂けても君には
sogor25
sogor25
1年以上前

マスクをしていると美しい見た目をしているが、「私、綺麗?」とマスクを外すと耳元まで大きく裂けた口が露わになり、それを見た誰もが恐怖するという伝説の怪異「口裂け女」。 しかし、口裂け女が世間を騒がせていたのは1979年ごろのこと。 伝承としての信憑性が失われるほど口裂け女の怪異としての存在も徐々に薄れていってしまいます。 この作品はそんな「口裂け女」のみろくが、自身の力を取り戻すため怪異の逸話を管理する人間の一族「茶乃家」の当主である17歳の高校生・紅一に嫁ぐことになるという物語です。 ただ、みろく本人はこの結婚に納得しておらず、自身の力だけで力を取り戻すためにこの結婚を破談にしようと企みます。 そのために紅一に「彼が18歳になるまでに一度でも彼を怖がらせることができれば婚約を破棄してもらう」という賭けを提案します。 普通なら乗る必要のない賭けなのですが、なぜか紅一はこの賭けに乗り気です。 というのも、この縁談、自身に力を取り戻させるための政略結婚だとみろくは思っていましたが、実は紅一のほうは縁談とは関係ないところで元々みろくに惚れていて、この1年の間で逆にみろくのほうを口説き落としてみせると宣言します。 みろくが紅一のことを"恐怖に落とす"のが先か、それとも紅一がみろくを"恋に落とす"のが先か、という賭けの上に成り立つ、人間と口裂け女の不思議な結婚生活が始まります。 1巻まで読了

一色さんはうまぶりたいっ!

本格麻雀マンガとラブコメのハイブリッドな作品 #1巻応援

一色さんはうまぶりたいっ!
sogor25
sogor25
1年以上前

舞台は都立文永高校の麻雀部。 高校生プロ雀士である白鳥正宗は、後輩の一色麗花の打ち方を見て彼女がかなりの実力者だと感じていて、部活で麻雀を打っている最中も彼女のプレーの意図や思考について色々と尋ねてきます。 しかし、一色さんの麻雀の実力は白鳥が思うほど高いわけではありません。 というのも、彼女はテレビ対局で見た白鳥に憧れて麻雀を始め、プロの対局から学んだ麻雀中の所作は上級者そのものなのですが、肝心の麻雀のほうはまだまだ練習不足。 そのため、白鳥先輩の質問に対しても、本当は偶然いい結果が出ただけなのに、あたかも自分が意図して打牌したような"うまぶり"の答え方をしてしまいます。 この作品はそんな"うまぶり"で必死に自分の実力を隠しつつ、白鳥先輩に興味を持ってもらおうとする一色さんを描くラブコメ作品です。 高校生プロ雀士である白鳥先輩の麻雀に対する思考は非常に深く、一見違和感のある一色さんの打牌に対しても合理的な理屈を見つけてきます。 なので作中の麻雀の描写はラブコメマンガとは思えないほど高度なものになっています。 しかし一色さんは白鳥先輩が考えるような高度な思考ができておらず、いろいろ考えているフリをしてなんとか"うまぶろう"とします。 この「偶然起こった展開をさも自分の意図したものだと振る舞う」という表現はマインドスポーツの中でも偶然の要素の強い麻雀ならではのもので、一色さんの実力を過大評価する白鳥先輩と"うまぶる"ことでなんとかごまかそうとする一色さんの様子を2人の関係性として見事にラブコメに昇華している作品です。 この作品は これまでの麻雀マンガで表現されていた高度な戦術論をラブコメという形に落とし込んだ、まさに"ハイブリッドな作品"と言えるのではないでしょうか。 1巻まで読了

犬のジュース屋さん

「左中間」でジュース屋を営む犬

犬のジュース屋さん
nyae
nyae
1年以上前

続編?のZ(ぞね)の方は読んでいるんですけど、こっちを読んでいませんでした(読んでなくても問題ないですが)。今更ながらどちらもヤンジャンで連載していたと知りびっくりしました。いまのバス江的な立ち位置だったんだろうか。 全1巻のようですがすごいところで終わってるので単行本未収録の話があるんですかね。でもあれで完結と言われれば、まあそうかぁ、という終わりかたです。 パッと見コロコロとかで連載してそうな空気を出しながら実際はわりと邪悪なんですけど、どこか生活感のある描写がたまらないギャグ漫画です。 おおひなたごう先生の漫画といえば小ネタの多さが特徴ですが、その点で言うと週チャン連載のフェイスガード虜の方がこれでもか感がありました。電子化してほしいなあ。

監禁嬢

過去と向き合うという地獄

監禁嬢
野愛
野愛
1年以上前

あなたは今までどれだけの人を傷つけましたか? と問われて、正確な数字を答えられる人はきっといないはず。 傷つけたことすら気づいてないことも、忘れてしまったこともたくさんあるはず。 そんな過去が今の自分をぶち壊しにきたら、どうする? 愛する妻と子どもと暮らす、平凡な高校教師・岩野。 ある日突然、カコと名乗る女に監禁され日常が奪われていく。 カコの正体と目的を突き止めるべく、岩野は自らの過去と向き合っていく。 過去に交際していた女性達と会うたびに、蓋をしていた記憶が開いていく。 人は誰しも思い出したくない過去はある。 傷つけたり傷ついたりした記憶ほど忘れたいものないので、その傷をひとつひとつ突きつけられるなんて拷問だよ…と岩野に同情してしまうほど。 黒歴史と笑い飛ばせない過去くらい、人にはあるものでしょう。それによって現在進行形で傷ついている人がいたとしたら、どう生きていけばいいのでしょうか。 カコの正体と目的を知り、岩野が出した答えが妥当な気がした。正解ではない気がするけど、人は生きてかないといけないし。 すっきりしないくらいがちょうどいい。過去は消えないものだから。

堀さんと宮村くん

青春時代に読んだ至高の学園ラブコメ群像劇! #完結応援

堀さんと宮村くん
たか
たか
1年以上前

高校生のときに個人サイトで連載されてるWEBマンガにハマってて、クラスの友達に読解アヘンというサイトを教えてもらい読んだのがこのHERO先生の「堀さんと宮村くん」でした。 全く意識していませんでしたが、2007年から連載がスタートしたまさに自分がリアル高校生のときにリアルタイムで読んでいた高校生たちの学園群像劇です。 今のアラサーのオタクで「堀宮」通ってない人は居ないのではというレベルの作品。 もう、絵のスタイルがなにもかも良いんですよね…! スッキリしたデフォルメも、フルカラーのポップな色使いの塗りも、縦長でシンプルなコマ割り…全部好きです。 「ギャルに見えて弟の世話でものすごく家庭的な堀さんと、陰キャに見えて実はタトゥーだらけな宮村くん」という、クラスメイトには見せない顔を持った2人が秘密を共有するというストーリーがとにかくエモい。今思い出してもキュンとします。 クラスメイト、両親、兄弟姉妹。 全員が個性的で魅力的で、そんな登場人物たちが部分的に繋がり合って織りなすシリアスでコメディな人間模様が最高。 メチャクチャ読み返したいけど読み返したら懐かしさでどうにかなってしまいそうで怖くて読めないのがつらい… http://dka-hero.me/

まんがかぞく

激レア設定(ノンフィクション)家族のリアルな愛惜

まんがかぞく
名無し
1年以上前

父母姉妹全員が漫画家。 父・大島やすいち、母・川島れいこ、 長女(本作の作者)大島永遠、次女・三島弥生。 その長女が描く実録家族漫画。 もしかしたら世界中でもこの一家だけかもしれない 家族全員が漫画家の一家という漫画家家族(ややこしいな) という激レア設定。 しかもノンフィクション。 私は大島やすいち先生といえば「おやこ刑事」の先生、という イメージはありました。すみませんが他の先生の作品は 読んだことがありませんでした。 けれどあの大島先生の家族がそろって漫画家になっていて、 その実態を漫画化していると聞いて、凄く興味をもって読みました。 読む前の推測では、漫画家って忙しくて人気商売で とにかく大変だろうな、 その家族って、まさに修羅の家みたいな普通じゃない家族生活を 過ごしてきたりしたんだろうな、と思いながら読みました。 その推測はあたってもいたけれど、それ以上に予想外の世界でした。 確かに父が多忙で母子と普通のコミュニケーションが とれていなかったとか、 修羅なエピソードもありましたけれど、それよりも 母が仕事を手伝う娘(小五)に乳首の描き方を指定するとか、 予想外の修羅な家族エピソードに意識を成層圏まで飛ばされました。 それでいて、家族ができる前の大島先生と川島先生の 馴れ初めなんて、いかにも漫画家カップルの出会い成立の なにそれその面白展開、という話にちょっと萌えたり(笑)。 結局、普通の家族の話ではないんですよね。 確かに世界に一つあるかないかの 家族全員漫画家というレアケースの話。 なので、普通の家庭の話と比較してもしょうがない話で うわ、こんな家族でも成立するんだ、と驚くしかないのですが、 それでいて垣間見える家族愛が、 そんな状況でも存在し成立するということで より深いものなのかもと考えさせられました。 漫画を絆にして成立するという、 一般的ではない家族なのだけれども だからこそ、いい家族なのが判るというか。 それでもやっぱり特殊な例、あくまでも特殊な成功例だとは 思いますけれど。 普通は、大島永遠先生、グレちゃうと思いますね。 こういう家庭環境だったら。 そこでグレずにそれぞれ成功し家族も維持し、 漫画でもヒット作を生む、というのが 漫画家サラブレッドとしての才能なのかもしれません。 よくわからんけれど。 特殊でレアなケースで、参考にはしようがないのだけれども、 これも一つの良いファミリー実録漫画なんでしょうね。

こいで、こがれて

繊細なタッチの作画と内容のシンクロ率1000%

こいで、こがれて
名無し
1年以上前

12月にデザート2月号を購入し、 このレビューを描くために再読しました。 ・作画に関して 「新人」にも関わらず、 絵がとても繊細で、透明感があってキレイでした。 雑誌の中から漫画を探すとき、 一回目に読んだ時同様、二回目もほかの作品に 紛れるくらい違和感がなく、一瞬だけ迷子になりました(笑) ・個人的に好きなシーンについて 私はコマと少ないページを十分に利用して 作中、そのシーンだけ長い時間が経過しているイメージを与える手法? が好きです。今作でもその手法が確認できました。 見開き2ページという短く制限されていたにもかかわらず、 主人公の帰宅という何気ないシーンでも、主人公と読者にとっては 長い長い時間が経過しているという印象を受けました。 ・内容について 私は成人しているため、高校生が舞台の少女漫画に対しては 「もう卒業かな、、、」と思い、少女漫画への興味が薄れてしまい 敬遠していました。 しかし、SNSでの噂を聞きつけ、少しだけ興味が湧きました。 また、作品の絵柄も好みであったため読んでみようと思い、 購読しました。 これがびっくり、思わずにやけてしまいました。 私が現役の高校生だったらわーきゃーと言いながら悶えていました。 (さすがに現在は内心にとどめていますが・・笑) 男の子の所作が女子のハートを丸掴みしています。 相手は無意識でも、やられているこっちは 色々な考えが巡ってしまうんですよね~ 長々と失礼しました!

リーガルエッグ

法律家の卵・司法修習生を描く新連載

リーガルエッグ
名無し
1年以上前

超難関なことで知られる「司法試験」。人によっては何年もかけて合格を目指す国家試験ですが、試験を突破したその先にある1年間の修習を描く新連載です。 司法試験に受かったからと言って自動的に「法律家」になれるわけではないんですね。修習では、志望先に関わらず裁判官・弁護士・検察官の実務修習があるそうなのですが、びっくりしたのがこの修習を受けてから志望職業を決める人がいるということ。 まさにこのマンガの主人公・筒松くんがそれです。真面目でアツい彼は、はじめての「取り調べ」でも、何事も決めつけずに慎重なところが好印象。 キャラクターが突飛じゃなくても面白い漫画は好きなので今後が楽しみです。

東京物語

家庭と仕事と戦争。妻と夫の戦時日常物語 #完結応援

東京物語
たか
たか
1年以上前

東京・国立の文化住宅に暮らす若い夫婦の暮らしを描いたお話。「日常もの」と思って読んだら下巻で予想もつかない衝撃の展開が2回もあり打ちのめされています。つらすぎる…。 戦闘機のテストパイロットである夫の仕事と、妻が家で行う家事に戦争が影響を及ぼす様が描かれていて読み応えがあります。 白河夫妻の関係、そして2人が住む洋間がある和風住宅がが本当に素敵でまるで朝ドラを観てるみたいでした。 だからこそ、下巻での2度の衝撃は読んでいて堪えました…。 本当にあまりにも唐突すぎて、正直こんなの物語としてありかよという気持ちになりました。しかし、戦時だろうと平時だろうと時代が変わろうと、こうやって大事な人が納得できない形で突然いなくなる可能性はいつでもあるんですよね…。 夫婦の温かい日常を描きながら受け入れ難い事実を突きつけてくるいい作品でした。

性別X

とある苦しみの為の〈物語〉 #1巻応援

性別X
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
1年以上前

本作は作者の「苦しみ」と解放のノンフィクションです。 性的マイノリティとしての苦難を描くのですが、その苦難とは何かと言えば、 ①肉体的苦痛・違和感 ②社会=人間関係からの精神的苦痛 ①についても具体的に、生々しく語られて抉られるのですが、冒頭から印象的に語られるのは②について。 同志と思っていた人の裏切り、仲間を探しに行った先での疎外感、過去に受けた裏切りなどの歴史が語られます。性的マイノリティの間でも居場所を得て安心することが難しかった「陰キャ」の作者の呪詛が、かなり明け透けに語られる。この恨み節には性的マイノリティだけではなく、「陰キャ」同志も同調できると思います(私にも響いた)。 切ない思い出と「陰キャ」の為の恨み節は、実は意外と広い賛同を得られるのではないか。そしてそこをきっかけに、(性に限らない)多様性への理解と、そこへと開かれた表現の可能性も広がるのではないか、とも思うのです。 自らの性交渉について諦めている「レズビアンではない」作者が、戦前の「エス文学」に救いを求め、美しい百合御伽噺を創作した第9話は「百合」の本質を明瞭に解き明かしている。そしてそれは、何故マイノリティの為の物語が必要か、という事……潜在的読者がどれだけいるのか、という事への回答だと言えるでしょう。

アーサー・ピューティーは夜の魔女

とにかく大好き、本当に再開が待たれる

アーサー・ピューティーは夜の魔女
なかやま
なかやま
1年以上前

私は木々津克久先生作品全般が大好きなのですが、それを決定付けたのがこの作品でした 圧倒的な自然・神の暴力に翻弄される物語の登場人物たち なすすべがない中、あがきに足掻きまくる!でも・・・ まず、作品単品でも非常に面白いこと間違いなしですが、木々津克久先生の他作品読んだ上で仕上げにこの作品を読むと、作品の旨味が増すこと増すこと! 読み始めて「ぉぉ、、、そっち!?」 読んでいると「いやー、これ無理ゲーでしょ・・・なんとかなるの?」 最後に「ぉぉぉぉ・・・・おおお?!???」 色々な意味で先生の作品の見方が変わる力強い作品です。 作品の発表順で言うと おどろ 〜陽子と田ノ中の百鬼行事件簿〜 ヘレンesp フランケン・ふらん フランケン・ふらん Frantic アーサー・ピューティーは夜の魔女 なので、ヘレンとふらんは押さえておいて読むとベストマッチです

ヘレンesp

やさしい超能力作品

ヘレンesp
なかやま
なかやま
5ヶ月前

木々津克久先生の作品は捻った落とし方が多いですが、この作品は頭のテッペンから爪先までやさしいです。 見えない、聴こえない、話せないの三重苦の主人公ヘレンが、愛犬のヴィクターと共に周りに起きた不思議な出来事を、「超能力」と言うよりも彼女のやさしい心で解決していく一話完結型の作品 物悲しい終わり方もする話もありますが、作品全体の雰囲気が非常に心地いい 残念ながら二巻で完結の作品ですが、だからこそ人にオススメしやすい作品です。 木々津克久先生の作品を未読であれば、ぜひこの作品から ※先生の作品はクロスオーバーも多いので、他の作品でヘレンがチョロっと顔を出すことも!

久生十蘭漫画集

河井克夫さんって文章を漫画にするのが上手いんだなぁ

久生十蘭漫画集
かしこ
かしこ
1年以上前

これまでそんなこと気づかずに読んでしまっていたなぁ…。久生十蘭という小説家のことも初めて知りましたが、江戸川乱歩とか横溝正史がデビューした雑誌で活躍していたそうです。本当は色んなジャンルの小説を書いているらしいですが、漫画化された「予言」はそういう感じのストーリーでした。

ゆびさきと恋々

今風で胸キュンで100点

ゆびさきと恋々
む
1年以上前

今風の画風、今風の男女で勝ちに行ってるなと言うのが第一印象。 4巻まで読みました! 耳が聞こえない女の子と外国によく行くアクティブイケメンボーイの話。 世界は広いか、 その問いに対して答えが変わってくる。 耳が聞こえない子は世界を渡り歩く男子に対して世界の広がりを感じ、世界を渡り歩く男子は身近な所に知らない世界があることを知ってそれを知る。 惹かれ合うには十分な動機ですね。 なんか出会うべくして出会ってるじゃん!と思いました。 女子も可愛くて男子もイケメンなので100点!

バ吾Aのマンゴーホッピーで乾杯

マンゴーホッピー飲みながら読みたい

バ吾Aのマンゴーホッピーで乾杯
名無し
1年以上前

と思ったけどそんなお酒がほんとに存在するのか謎。なぜなら検索しても出てくるのはこの本だけだから。 いわゆる“ただの妄想”とも言えるものを、こうして読みものとして成立できるのは芸人さんの力だなと思います。 あ、ちなみにこれは漫画ではありません。 なんだかんだで最初に載ってる武井咲がいちばん面白かったです。 Kindle Unlimitedで1冊読めるので気になった方はぜひ。

かいじゅう色の島

孤独な二人を包む大きな… #1巻応援

かいじゅう色の島
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
1年以上前

『綺麗にしてもらえますか。』では熱海の穏やかで美しい光景を描く、はっとりみつる先生。同時連載中のこの『かいじゅう色の島』ではもう少し荒々しく大きい、しかし美しい光景を描き、そこに二つの孤独を描写する。 離島に暮らす少女・棔(こん)と、家出少女の歩流夏(ふるか)。ぼっちの二人はまた、「普通の」恋が出来ない事も共通していた。 アワビの貝殻が供えられる社の前で、互いを知り、友達を一足飛びに近づく距離。発現する「かいじゅう」の不思議な力に包まれて、洞窟で触れ合い、睦み合う二人。 荒々しい波、磯、剥き出しの鳥居。優しくは無い場所で、二人の描線だけが柔らかい。 切なく苦しい世界で、二人はようやく見つけたお互いの幸せを願うことしか出来ない。二人はかいじゅうの生贄なのか、いつか引き離される時が来るのか……切なさが大きいからこそ、小さな幸せも、とてつもなく大きくなる。

加賀谷次長、狙われてます!【電子単行本】

エリート銀行員の加賀谷次長に育成されたい男子達

加賀谷次長、狙われてます!
かしこ
かしこ
1年以上前

最近のエレガンスイブの漫画って(「凪のお暇」とか「10年シてないスダチさん」とか…)どれも面白いよな〜と思ってこちらも読んでみました! みどり銀行まちなか支店に勤めている加賀谷次長は、生まれつき備わっていたかのようにスマートな人心掌握術の持ち主。上司や部下のハートをガッツリ掴んでいるので、彼のことを嫌いな人なんて一人もいません。正直モテモテです。しかし彼は心の中でこう思っています「女性を口説くより誰かを育てる方がずっと楽しい」と。 そうです。この漫画はやる気が空回りしている若手社員や、親の借金で卑屈になっていた苦学生を、エリート銀行員の加賀谷次長が育成する漫画です。しかし育てられる側はどちらも恋愛感情を持っちゃうし、加賀谷次長も思わせぶりな態度を取ったりします。なかなかハッキリしない感じが長かったですが、2巻のラストで思いっきり加賀谷次長のことを抱きしめたので確信しました。これはBLです。 作者の小山田容子さんの他の作品も銀行が舞台になっているものばかりだったので調べてみたら、金融機関で10数年間勤務されていた経験があるんだそうです。どうりで銀行員の業務の描写がリアルな訳だ!お仕事マンガとしてもオススメです。

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