皇の器

話題のやつはやっぱりすごい! #読切応援

皇の器
天沢聖司
天沢聖司
1年以上前

サムネだけ見て「おっ、BLか?」と思ったら双子の皇子をめぐるガチガチにドシリアスな中華風歴史物語でした。普段ラブコメにしかクチコミ書かないと決めてるのに、すごいクオリティだったので思わず書いてしまいました。 https://shonenjumpplus.com/episode/3269754496545162575 未来のシーンから始まって、どちらが玉座についたのかわかる状態で物語が読める構成が好き。 明確に才能に優劣のついてしまった双子というシンプルでわかりやすい設定でありながら、画力が抜群に高くてしかも服装からなにから描写がむちゃくそ丁寧なので説得力と物語の奥行きが半端ない。 特に最後の朝服図がカラーの演出がものすごくかっこいい…世界史の教科書に載ってそうなくらいリアル。 なんというか「ストーリーは少年マンガらしくシンプルで、画力は月刊青年誌並みの描き込み」という、作品の全体のバランスの取り方がすごい。 青年誌に載ってるとしたらなんとなくアフタヌーンよりはハルタっぽいなーと思った。 これで話も複雑だったら「少年」要素が薄くなってジャンプラの読者にこんなにウケてないんじゃないかなと思います。 作者の歴史愛がビンビン伝わってくるいいお話でした。 早く連載作品が読んでみたい! #読切応援

夢見列車のかいぶつ

これはよいギブアンドテイクな百合

夢見列車のかいぶつ
nyae
nyae
1年以上前

試験勉強で根詰めすぎて通学中の電車でうとうとしてしまう主人公が、たまに見かける後輩の女学生に「自分も一緒に寝たい」と言われる。そしてその後輩と一緒に寝ると、不思議と何時間も寝たかのように頭がスッキリしているという不思議な現象が起こる。後輩は主人公の"夢"を食べているらしいのですが、良い睡眠がとれることで成績もアップしいい事ずくめ。 そして後輩は、人の夢を食べ続け、大きくそして強くなってゆく。どんどん人間離れしてゆく(そもそも人間じゃないのかも)姿に恐ろしさと同時に執着が生まれてゆく。そんな愛しきかいぶつから、もう離れられない。という話でした。 最初は後輩の方からグイグイ距離を縮めてきていたのに、気づいたら立場が逆になってしまっていた…という構図は大好物です。よいギブアンドテイク。

泣く男

山田芳裕の初期短編集

泣く男
かしこ
かしこ
1年以上前

天才が天才になる前の短編集。荒々しさはあるけどハズレなしで全部が面白い!特にギタリスト木田の壮絶ギタープレイが見れる「木田」と、表紙作の「泣く男」が好きだな。「泣く男」は表紙のイメージよりもシンプルで単純なストーリーなんだけど、ピカソの名画「泣く女」が出てきたり所々の演出がカッコいい。 でもこれを描いた人がこれから日本で1.2を争うくらい面白い漫画を描くようになるって予見できるかって聞かれたら、自分にはそこまでの審美眼はないって思う…。山田芳裕が美大に落ちたって話を知って、自分も優れた才能を見過ごしてるのかもしれないと思いました。

出会って5秒でバトル

タイトルのチープさを裏切る面白さ(祝アニメ化)

出会って5秒でバトル
さいろく
さいろく
1年以上前

タイトルから想像されるとおりデスゲーム系で、能力系バトルもので、お色気あり。 そこまでは非常にわかりやすく思ったとおりなのだが、じゃぁ「5秒」ってなんだ?というところや、1巻の表紙の主人公は「どういう能力」なのか、「どんなバトル」なのかっていうのが想像を上回る。 主人公はチート能力転生系をクロスさせたような元々の天才ぶりで、ゲームのルールをしっかり読み込むとなかなかに面白い。 もちろんストーリーや展開だけの面白さではなくキャラクターの魅力や画力の高さなども良い。エースで連載しててもおかしくない、というかエースっぽい。と思ってたら出身がエースだった…さすがのエース、色濃く残るなぁ。 なにしろ裏サンデーでもう16巻も続いているので人気は言わずもがなだが、デッドマン・ワンダーランドのような残酷な描写や、未来日記のような戦略思考シーン、折り紙付きの画力が振るわれるお色気シーンも少なかれ登場するので読んでみて損はない(上からっぽくてごめんなさい) そして祝アニメ化(1クール分終わっちゃったけど) その辺の詳細は公式Twitter見たらわかるけどフィギュアとかはまさに今週プライズで市場に出回り始めてるようで、ギリギリまだ旬じゃないかな? https://twitter.com/dea5_anime

ぱんだぱんち 福々

珍本?パンダ専門の漫画誌という試み

ぱんだぱんち 福々
チャンピオンスキー
1年以上前

「ねこぱんち」ならぬ「ぱんだ」オンリーの描き下ろし漫画を集めた、少年画報社のコンビニコミック。パンダ専門の漫画本というのは初の試みだそうで、シリーズの続き期待していたが、結局この一冊だけになってしまったな…。 この本は角光先生の「パンダのこ」繋がりで知ったのだけど、掲載作「おやこdeパンダ」は「パンダのこ」とは別作品。しかし、よく見ると知ってるキャラがいるような…?探してみると面白いかも。 しかしこれだけパンダ漫画家が集まってると、角光先生のパンダ愛がいかに飛び抜けてるかよくわかる。無双といっても良いくらいである。ねこぱんちの作家さんもチラホラと見かけるけど、猫と熊猫はやはり親和性高いように思う。 ただ、「日本パンダ奇譚」(つるんづマリー)だけは、他の作品と違い独特の異彩を放っていた。これは可愛いというよりも話が摩訶不思議すぎて面白い作品だった。岡井ハルコの作品も設定こそ奇抜だが、やはり漫画が上手いというか実力者なんだなというのがわかる。 可愛いだけでなく風変わりで面白い漫画も多く収録されてるので、パンダ好きの人に限らず読んでみてはいかがだろうか。 (参加漫画家) 角光 高橋まい しゅりんぷ小林 岡井ハルコ ほしのなつみ みかみふみ 前田とも 中森ゴゼン キビクラチサト 山野りんりん 三山ナミ へげ鴨子 南幅俊介・がっち ゆきなきなこ つるんづマリー 藤凪かおる

パンダのこ

祝・復刊!逆境の連載から始まった青春パンダ漫画

パンダのこ
チャンピオンスキー
1年以上前

偶然拾った赤ちゃんパンダを、女子高生・乃仔が1人で飼育し始めるという中国人もビックリの漫画。 コメディタッチながらパンダに関しては妥協なき描写力で、ただ可愛いさを伝えるだけでなくパンダの生態だったり、本気で自宅で飼うとしたらどうなるのかを描いた、とてもパンダ愛にあふれた作品である。 2012年の少年チャンピオンで連載開始と同時に、不幸にも東京・上野動物園のジャイアントパンダ、シンシンの赤ちゃんが、生後まもなく亡くなる出来事と重なってしまう。 https://www.j-cast.com/2012/07/13139443.html?p=all とんでもない逆境の中、連載は続行されたが、単行本は1巻が発売されてから続刊が出ない状態のまま連載は終了してしまった。2巻以降はもはや読めることはないと半ばあきらめてたが、突然の電子書籍化により復刊してくれたおかげで数年ぶりに読み返すことが出来た。 所々ストーリーを忘れかけていたが、後半にかけてパンダだけでなく、青春群像劇的な要素にキラリと光る良さがあって、作者の別作品「ニコべん!」を読んだときも思ったけど、登場する子たちが皆とにかく純粋で、読むだけで幸せな気持ちになれる、チャンピオンの良心みたいな漫画だった。 3巻の終わりには、新たに最終話以降のエピローグの描き下ろしが収録されている。単行本を待ちわびていた読者にとっては、数年間の空白を埋めてくれる最大の御褒美となるのではないだろうか。

未亡人登山

未亡人出没注意

未亡人登山
名無し
1年以上前

題名を見て「もしかしてエロ漫画!」と 思ってしまった。 ゴメンナサイ。でも人間だもの。 第一巻を読んだ限りエロ要素皆無。 きわめて健全な男女バディの登山漫画でした。 愛した夫が亡くなり、夫が愛した山に登ることで 知らなかった夫のなにかを知ろうと未亡人が山に。 そして登山道で、山を愛し登山者を愛する男と出会い、 そこから未亡人は男に登山を基礎から指導してもらい、 山を、夫について判っていなかったことを 徐々に知っていくことになる。 いい物語なんですよ。ピュアで。 登場人物みなさんが純粋で。 山って自然っていいものなんだな、と感じるし、 登山を始める人向けの教科書みたいな内容になっているし。 けれどヒロインが未亡人だとか、夫が残した山日記があるとか、 ちょっと題名や設定が浅い感じもしましたね。 未亡人であることを題名にまでするほどか、とか、 夫の気持ちを知るのに山で見聞きしたことだけでなく 山日記があって都合よく理解の手助けになる、とか、 ちょっと話が安直というか、ストーリーが深いようでいて わりと安易で浅い感じもうけました。 登山道で普段着みたいな未亡人に出会うとか、 出会った男が下心皆無とか、 そういう物語を「だから面白い」と思うか 「ないわー、それはありえんわー」 と思うかで、この漫画の評価は別れるでしょう。 私は 「ありえんわー、山で未亡人と出会うとか、  山で熊に会うよりありえん出会いだわー」 と思いましたが、そのありえなさもひっくるめて、 ちょっと奇抜な設定の登山漫画で、一周まわって こういうのもアリかもなあ、と思いました。

ギャルとクトゥルフ

ギャルとクトゥルフが一緒に住んでる #1巻応援

ギャルとクトゥルフ
ANAGUMA
ANAGUMA
1年以上前

古今東西、ギャルに合わない題材ってあるのか!?というのがこのところのもっぱらの命題なのですがその疑問がまた一つ解消されました。クトゥルフも合う。 駆け出しアイドルの女子高生フタバちゃんがたまたま拾ったクトゥルフを「くーぴん」と名付けて飼い始めたことから周りで不思議な出来事が起こり始め、学校生活アイドル活動全てが不思議な力で順調に回り始めるのが見てて楽しいところ。不思議な力ってあるんだなぁ。 これまであまたの登場人物がクトゥルフの前に人生をメチャクチャにされてきたわけですが、本作の主人公はギャルだから正気度判定が勝ちすぎて絶対にSAN値下がりません。この説得力が半端じゃないです。ギャル強すぎる。クトゥルフへの答え、ギャルでした。 異常に湿度の高いファンクラブ「深きものども」が結成されたり狂気山脈でライブが開催されたり元ネタのいじりもツボを押さえてあって面白いです。 ぜひこれからもフタバちゃんには末永くくーぴんちゃんと仲良くクトゥルフライフを送ってほしいですね。いあ!!(結びの言葉)

純情バタフライ

人はそれを青春と呼ぶ

純情バタフライ
野愛
野愛
1年以上前

生々しくて甘酸っぱくて、こんな日々のことをずるい大人たちは青春とか初恋とか言いたくなるんだよなあ、とたまらない気持ちになりました。 柔道部の少年少女たちの恋物語ではなく、あの子の匂い嗅ぎたいとかおっぱい触りたいとか、あいつをどうにかしてやりたいとか、馬鹿みたいで幼くて暴れ出しそうな劣情が爽やかに描かれています。 その渦中にいる少年少女たちにとってはちっともキラキラしていなくてドロドロした日々なんだろうけど、青春でしかないんですよね。性欲と恋心の区別もつかず、悩んだり暴走したりかっこつけてみたり。眩しいです。 タイトルにもなっているバタフライですが、汗の匂いの表現として登場するのが素晴らしいです。いつでも妄想にトリップできちゃう思春期のあの感じが伝わってきます。

異世界の沙汰は社畜次第

異世界社畜BL!

異世界の沙汰は社畜次第
名無し
1年以上前

異世界もの出し尽くしたように見えて全然なので少しでも面白そうなもの見つけたら読んでしまいます。 異世界×社畜×BL! なるほど…面白かったです! というか途中まで「日本の社畜は異世界で国家の経理部分(財務省的な?)まで食い込んで国家転覆企てられるんでは!?」と思うほどキャラの頭キレる描写がよかったです。 原作は小説のようです。 BL要素的には騎士×社畜なのでそういう萌え要素も楽しめつつ、異世界の予期せぬハプニングも楽しめつつな漫画だと思います。

えとせとら

懐かしい!!!

えとせとら
名無し
1年以上前

昔に読んだような読んでないような…ぐらいの記憶だったんですが今読むとじんわり懐かしい気持ちになってます。 中華少女と牧師というなんともミスマッチな組み合わせで旅をします! おじいちゃんから譲り受けた「エトガン」で干支の動物が出てくる弾を撃つ、というなかなか面白い設定。 弾を撃つためには動物のエキスを込めなければならないので、馬糞を塗りつけたり虎のパンツを塗り?つけたりかなり強引な装填方法をするのですがドタバタで懐かしい昔の少年漫画の匂いがして好きです! 昔の漫画ってタッチが洗練されてると思うんですよね…この頃の絵柄はこの頃の絵柄でいいものがたくさんあったなと思う今日この頃です。

狛犬撫でたら

受験生の願いを叶えてくれる狛犬

狛犬撫でたら
名無し
1年以上前

とある学習塾には「近所にある神社の狛犬を撫でると第一志望に合格する」というジンクスがあって…という話なのですが、ファンタジーというよりヒューマンドラマでした。もしかしたらその狛犬には特別な力があるのは本当かもしれませんが、今のことろは普通の狛犬です。 第一話では噂を聞いてジンクスを試そうとする二人の女子高生が主人公でしたが、親が金持ちかどうかとか頭の良し悪しとか、同じ年齢で同じ環境にいたら気になっちゃいますよね。お互いに黙っているより吐き出せてよかったんじゃないかな(でも私だったら遥ちゃんと友達やめると思う…)。 次回は女子高生リエちゃんのバブリーなお母さんが主人公になるようですが、そこにどう狛犬が関わっていくんでしょうか。毎号楽しみにしたいと思います。

そもそもウチには芝生がない

皆それぞれ大変なんだな…

そもそもウチには芝生がない
む
1年以上前

自分は結構苦労話、暴露話系漫画が好きでよく見ます。 うーん40代のリアル! 隣の芝生がどうとか気にする余裕もない三者三様の苦労話で面白い! 読んだ時皆頑張ってるから自分も頑張ろうみたいな気分になるんじゃないでしょうか。 エッセイ好き、共感できる話好きな人は是非読むべし。

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