※ネタバレを含むクチコミです。
夢と現実が曖昧になるような不思議なストーリーだけど、一人の少年の勇気と正義に感動した。自分にもできるような気がしてくる。θ波を出す訓練しようかな。 ただのいじめっ子といじめられっ子同士の喧嘩で終わらずに、最初に張っていた伏線をしっかり回収。物事がひとつ上手くいったからといって、その他全てが良い方に変わるという都合のいいことも起きないというメッセージも良いと思いました。 いじめっこの熊田くんの風貌が昭和のヤンキーすぎるところも含めて、いい味出してる作品でした。次回作めちゃくちゃ期待してます。
絵柄を見た瞬間、待ってました!という感じで、ここ最近の四季賞受賞作のなかでもかなり好きなやつです。幸村誠先生のコメントにもあるように、いたいけな子どもが大人の道具にされるような設定は読んでいて胸が痛むのですが、単純に「これ描けるのすげ〜…!」と感動の鳥肌が立ちました。そもそも作者名が覚えやすいんですけど、絵柄とかも含めて、ずっと忘れられないくらい強い印象が残りました。なにより忘れられないのは、ファミリーのドン・ニコラですね…。 絶望的な運命に抗うこと無くただ受け入れるしかない子どもたちが描かれますが、どこかメルヘンチックな作風なので面白く読めました。
六内円栄(ろくだいまるえい)さんという漫画家さんをご存知でしょうか。アフタヌーン四季賞の読切「死よ来たれ」の頃から、只者ではないオーラを発し、活躍の場をジャンプSQ.に移してからも、抜群に面白い作品を描かれている作家さんです。 この読切「フィラデルフィアの棺」についてはグダグダ感想は書きません。 Twitterでバズった「古代文明の人々が宇宙人の下請けだった話」を読んでもらう方が話は早いでしょう。 https://twitter.com/rokudaimaruei/status/1269077461788049408 ついでに「死よ来たれ」も講談社のサイト、モアイで読めます。 http://www.moae.jp/comic/shiyokitare/1 今のところ、単発の読切タイプの話作りがめちゃくちゃ巧いという印象に留まりますが、ファンタジーでもオカルトでもSFでも、どんな話でも面白く描ける方ではないでしょうか。いわゆる「ストーリーテラー」タイプ。読者の想像する結末なんて、軽く飛び越えてしまうような物語を生み出せる、希少な才能を持った人だと思います。 ジャンプSQ.で初めての連載「Thisコミュニケーション」をスタートし、長編でどこまで奇才を発揮してくれるのか楽しみです。将来的に「鬼才」と呼ばれるような作家さんになると、個人的には感じています。
この著者の漫画は「ひまわり」から読んでいます。新作を読むたびに(言い方が上から目線だけど)成長を感じるというか、単純にどんどん絵が上手くなってますし、漫画としての読み応えもいつも前作を上回っている気もします。 「ひまわり」はある意味で自分の中に強い印象を残した作品なので、この人はこの先一体どんな漫画を描くのだろうと思っていました。想像していたよりも多彩な作風なんだなと感じつつも、一貫している部分はあり、毎回おもしろいなあと思って読んでいます。 最新作の「友達が拾った友達の財布」は、ある日人の財布を拾った友人と、そのお金で焼き肉を食べてしまった主人公にふりかかる不幸を描いています。 そんな犯罪じみたことしたんだから当然の報い、といってしまえばそれまでですが、主人公の彼をどうしても嫌いになれない。実際、一番悪いのは財布を拾ったクセに悪びれもしない友人なのに、主人公は友人を悪者として責めるでもなく、自分が犯した罪は自分の力で償おうという行動力もある。いい子なんだろうな…と思わずにいられません。 今彼に声をかけるとすれば、ありきたりなことしか言えないけど「きっと、そのうち、良いことあるよ。…多分。」
絵になる絵を描く人ですね…ファンになりました。 心をこわして透明人間になってしまった(と思われる)弟とその姉の、シリアスになりすぎないユーモアに富んだお話でした。 むりやりこちらへ引っ張り戻そうとするのではなく、いつでも戻っておいでというような、良い距離感の優しさを感じます。
この読切は、ただ骨壷の蓋のあたまに付けた小鳥のオブジェが大きかった、ただそれだけのことに大人数の大人たちがふりまわされる話なんですが、とてもコミカルで重くも暗くもない。山田洋次監督が撮る映画のような雰囲気があります。 さすがの四季賞、こういうワンシチュエーションでどんどん話が広がる漫画を描けるのってすごいと思いますし、主人公とおじいちゃんの関係性も話の流れのなかでよく分かる。霊媒師が出てきちゃった時は「まじかよ」と声に出してしまいました。最後のあの見開きにはまさに一件落着!という言葉がぴったりです。
もうすぐ結婚するという青年が兄に連れられてやって来たのはエッチでグロテスクな見世物小屋。そこで一番人気の踊り子マユに目が離せなくなってしまう。ステージで大蛇と踊るマユはその色気とは対照的にどこかほんわかした印象もあってとても可愛い。しかしショーが終わり楽屋に挨拶に行くと、夫がマユに騙されて全財産を取られた挙句に自殺したという女が暴れていた…! まったく悪びれていないのが本物の悪女って感じで逆に気持ちいいです。あの青年はもうマユのとりこになっちゃってますね。このままだと心優しい青年の人生が破綻していくのは間違いないと思うんですけど、読み切りで終わっちゃうのはもったいない。もっとマユの活躍を見たいです!
自己肯定感がとても低くなっている時にこれを読んでいたら、オイオイ泣いてしまったと思う。主人公には「ちゃんとすること」を強要してくる親がいたけど、それでもそばでずっとちゃんと見てくれている人がいてよかった。 歩は最初は薄情な最低野郎だなと思ったけど、振り返るとお風呂掃除のくだりとか、考えてみればあれは最低野郎の行動じゃなかったなと気づくなど。 鯖ななこさんの漫画は面白いな。
ジャンプSQにこんなすごい読み切りが載っていたとは、今まで完全に見逃してた!これもっと話題になっててもおかしくないと思います。 地球に彗星が墜落し、「蛹(さなぎ)」という巨大な虫の大量発生により人間は捕食され、人口が半分になってしまった。しかし同時期に人間の体に発現した「拡張器官」というものが蛹に対抗できることが判明し、2095年現在、蛹駆除は仕事としてスタンダードなものになっている近未来が舞台。 主人公は蛹駆除の仕事をしているケイとナナミの女の子二人組。どちらも気が強くてぶつかってばかり、上司にも怒られてばかり。 そんなふたりがとある解体予定のビル内にいるとされる蛹の駆除を依頼されるが、そこにいた蛹はいつも駆除しているものとは違い…というのがメインのストーリー。頭で考えずに反射で動くガサツな2人が頭を使って頑張る姿が応援したくなります。アクションシーンの作画も完璧ですし、ドタバタ劇のコメディとしても最高に面白い。 拡張器官とか、設定が凝っているので続きをぜひ描いて欲しい! ただ、デカイ虫とか虫の大群とかが全く駄目な人には薦めづらい。笑
とにかく描き込みが凄くて、とにかく読んで楽しい気持ちになる読切。 未知の生物だらけになってしまった地上から逃げ、人類が地下シェルターで生活をはじめて千年。修学旅行で地上へ来ていた真面目な女学生・スズキさんは、同級生の手により崖から突き落とされてしまう。しかし崖の下で魔物から助けてくれた男子学生二人組に出会うことで、閉ざされた地底にいたらわからなかった、世界の広さを知る、というお話です。 面白いのが、男子2人(ホンダとカワサキ)が地上にいる理由が、千年前の日本で描かれた「ヤンキー漫画」の続きを探すためで、彼らはその漫画を「古代の書物」として扱っていること。でも、漫画を読んで心が躍ったり震えたりする様子は、今と全く変わらない。千年後の子供達と、やっぱり漫画は最高だよな!という気持ちを共有できたようで嬉しくなりました。 すごいデビュー作だなと思います。次が楽しみ。
レオンとらいがのふたり、可愛すぎるよ…🦁 いやゲッサンに載ってるし、兄弟かもしれないし、全然BLじゃないかもしれないけど、とりあえずお礼だけ言わせてください。幸せをありがとう。 たったひとつ願いが叶うならば、続きが読みたいです。 というかこの著者の方、少年サンデーで描いてるんですね!
第二次大戦末期、戦死した山本五十六が述した密旨。 そこには本土防衛のための最強の航空部隊を編成する構想が遺されていました。この「密命」を受けた海軍大佐源田実が部隊創設を決意するまでがこの読切で描かれています。 源田が率いることになる海軍第343航空部隊は『ドリフターズ』にも出てきた「デストロイヤー」菅野直が所属したというのを知りました。 読切ではシルエットだけの登場でしたが他にもクセの強そうなパイロットが揃っている予感。 「最強戦力の結集」と言うと、一寸聞こえはいいですが実際には窮状を表しているのだと思います。とはいえ、最後の防衛線として組織された異分子のチームが海軍という巨大組織の中で存在感を発揮していくのは見応えがありそう。 本格連載が早く読みたくなるプロローグでした!
この現場、アシスタントのクセ強すぎるでしょう!いろいろ無茶苦茶なんだけど、それぞれが訴えてることはけっこう刺さる人いるかも知れないですね。本当は自由に好きなものを描きたいけど、諸々の理由でそれができない立場の人とか。 というか、名前ちょっと違うけどブクロキックスの著者の方なんですね!?
宇宙とカナダという、物理的にとても離れたところで生活している2人の日本人女性が主人公で、設定としては壮大に見えるけど「故郷を離れて頑張る人」や「派遣社員」「移民」といった不安定な立場にいる人には非常に刺さる内容かと。 過去に少しだけ関わりがあった2人が、それぞれの事情で心が折れそうになった時に起きた奇跡がもう一度立ち上がるきっかけになるところが感動的。
コミックビームの付録小冊子に載ってる読み切り、もれなく全部面白いんだけど、なかでもこれがいちばんよかったかも…。 アレックスの王子様っぷりも去ることながら、主人公の顔が変わる瞬間のコマにはいい意味で鳥肌がたった。
とある夏の日の、とある家族の一日を描いた読み切り。 平和でなんか泣けてくる。 巻末のコメントに、昨年の夏のことを描いたとあったので作者自身のお家の光景が元になっているっぽいです。今年もこんな平和な夏休みを過ごせるといいですね。
「ドウェイン・ジョンソンを嫌いな人間がこの世に存在するだろうか」というのが自分が常日頃考えている命題のひとつです。『グレート・ワン』が世に放たれた事実こそ、この問いへの答えではないでしょうか。 圧倒的にロック様をモデルに描かれているバレル少佐はある日体重が驚異の9万6千トンに。時同じくして地球上に現れた巨大生物から人知れず人類を守っているのですが、特異体質ゆえに娘のマヤに会いに行くことも出来ず、日々孤独な戦いを強いられていました。 ヒーローというのは誰かを助ける存在です。ではヒーローのことは誰が助けてくれるのでしょうか?『武装錬金』で提示されたこの問題に本作もあたたかく、かっこいい答えをきちんと用意してくれています。 常に銀幕の中で我々の心を救い続けるロック様をモデルにこの作品が生み出されたというのが、グッとくるポイント1.7億点ですよ!彼のインスタフォロワーひとりから1点ずつ集めて1.7億点計算です。 そして読む前でもあとでもこの際いいと思うのですが『ランペイジ 巨獣大乱闘』は絶対合わせて観てほしい!そうだろジョージ!
うおお〜〜! もう、とんでもないものを読んでしまった…凄まじい!! 扉絵を見た時点で「うわこれ絶対おもしろいやつ」と思ったし、実際半端じゃない面白さだった。 https://i.imgur.com/7aLgHGm.png (『奈落の仔』辻田大誠 週刊少年ジャンプ2020年19号より) まず何よりもこの作品について言いたいのが、絵の上手さ。 スタイリッシュなキャラクター、かっこいい構図、白黒ハッキリした塗り、世界の解像度を高める背景・小物の描き込み。 週刊少年ジャンプの名作に共通する「技術的な経験則」をすべて抑えてあって、紙面が完全に「面白い少年漫画」のそれで、もはや絵だけで「あっ面白い」と脳が認識してしまうレベル。 辻田先生の絵に関して、自分は全肯定大絶賛なんだけれど、仮にこの絵を「へたくそ」と言う人がいても、その言い分はなんとなくわかる。 辻田先生の画風はONE先生と共通するところがあると思う。 細かい描き込みや構図という、見せ方(表現)のセンスがずば抜けていて、かつ絵の線に『独特の歪み』があって素晴らしい味わいを生み出しているところが似ている。 そして2人とも、線の歪みが顕著なコマがある一方で、ここ一番の大事なシーンでは線を研ぎ澄ませ絵のクオリティを高めているところも共通している。 この『線の歪み』という一部分にだけに注目してしまうと「へたくそ」に見えるかもしれない。 https://i.imgur.com/CeNyIXl.png (『奈落の仔』辻田大誠 週刊少年ジャンプ2020年19号より) …………。 否定的な人を想定して、先回りして理解があるようなことを書いてみたけど、いやでもメッッッッチャ絵上手いでしょ…!?!!! 見ればわかるよな??? 最高だよ絵のセンスなにもかも…。 そして絵だけじゃなくて、キャラクターもストーリーももっと読みたくなる設定でたまらない。 キャラクターの設定も、クセが強すぎずベタすぎず(個人的に「ウジウジした弱虫」「明るさだけが取り柄の馬鹿」はもう見飽きてるので勘弁)ですごくいい。100万本の刀拾いをしていた少年が、死にかけの男から神の宿る妖刀をもらうっていう導入がクソ格好良い。 サイドキャラクターの魎も凶子も出しゃばりすぎず、しかしそのバックグラウンドを自然と想像してしまう存在感がある。そしてそんな2人との出会いで主人公は成長する。 はぁ〜! 良良良〜〜〜!!!! いや、ホント良さしかない…!! 本編の前に掲載されている「ご挨拶」によると、先生は1998年生まれで14歳から持ち込みをされているとのこと。ここらでぜひ連載していただきたい…!! 辻田大誠先生の次回作、『連載』を楽しみにしています!!
すごい漫画ですこれは…。 素直にマッチングアプリ使ってるおじいちゃんも、それで出会ったのがきくお君というのも、きくお君のサーフィンスタイルも、なにもかもが素晴らしい。最高すぎる。 トーン使いも匠の技。新人さんと書いてあったけど、描画レベルは相当高いです。はやく次の作品を読ませてくれ〜!
叶えたい願いのためなら悪魔を召喚してしまう山田さんと、真面目で心優しい田中くんの過激だけど真はとてもピュアなお話。 ふたりともお幸せにな…という気持ちです。これからも山田さんは突飛なことをしてしまうと思うけど、ぜんぶ田中くんが受け止めてくれるからきっと大丈夫。のはず。
また連載化して欲しい読切です…! 九匹の龍が眠る九龍城砦で、タピオカドリンク店を始めるように言われるマフィアの七天と狗が主人公。マフィアが主役でありながらバイオレンス要素は一切なし。 そして、ほのぼのコメディとして読んでいると、この二人と龍の関係性が見えた瞬間、一気に世界観が広がり、いい意味でゾワッとします。読切で終わらせてしまうのは非常にもったいない。絵もきれいだし上手いです。 この作家さんは初めて知ったのですが、新人作家というわけではないみたいですね。 きっと他のマフィアのメンバーや、九匹の龍もいるはずなので、続編を読めることを願って全力応援します!
※ネタバレを含むクチコミです。