『みちかとまり』感想
※ネタバレを含むクチコミです。
“竹やぶに生えてた子供を神様にするか人間にするか決めるのは最初に見つけた人間なんだよ” 8歳の夏、まりが竹やぶで出会った不思議な少女みちか。他の人とは違うルールで生きるように見えるみちかは、まりの同級生でいじめっ子の石崎からとても大事なものを奪ってしまう。責任を感じるまりはみちかに誘われ言葉で理解できる世界の外側へ足を踏み入れる──。『子供はわかってあげない』『水は海に向かって流れる』の田島列島が贈る、ちょっぴりグロくてうっかり神話なガールミーツガールの開幕です。
『水は海に向かって流れる』が、すごく好きで、自分としては数少ない著者縛りをしている作家さんだけに、この新連載は純粋に嬉しかったです。
しかも一挙2話掲載。(モーニング・ツー2022年10月号)
まだイントロ段階ですがすでに面白そう。
竹やぶで生えてきた?女の子を拾った主人公。
その女の子は、なんだか普通じゃない感じで、主人公に化けたり、同級生の目玉をくり抜いたりする。
と思ったら、瞬時に場面が変わり「夢」だったのか?と感じさせるも、いや、やっぱり現実なのか?という展開が続いて揺さぶってくる。
この夢なのかファンタジーなのか、わからないまま話が進むのが、たまらないです。
同じように竹やぶに生えてきた女性もでてきて、
「人間になるのか、神様になるのかは、最初に拾った子が決める」
といったところで終了。
ぞくぞくしながら、あっという間に読んでしまいました。
特に最後、竹やぶの女の子が、人間か神かを主人公が決定させるというところ。
個人的に著者の魅力は人物描写だと思っていて、特におかれている環境(誰もが抱えているどうしようもない現実)を受け入れたり、ときに受け入れなかったりしながら、登場人物たちの変化や成長の描き方が巧みだと思っているんですね。
だから、この竹やぶから生えた女の子が、この状況下で何を感じてどう変わっていくのか、そして人間か神になるのか、楽しみでしかたないです。
おとぎ話風味なのも、絵柄とマッチしていて、すごく好きです。
今後が楽しみな作品です。