相田裕の時代物
ガンスリファンですが見逃してました。 舞台が明治時代でも相田作品は面白い! というか設定がガンスリをそのまま持ってきた感じで胸熱です。 不死という設定、女の子可愛い、死を望む少女…どれも好きすぎる
「GUNSLINGER GIRL」の相田裕、最新作!!明治、東京。幕末に死に損ねた武士・春安は、死に場所を求めて大久保利通の暗殺計画に手を出すが「不死」の力を持つ少女・シノに暗殺を阻まれる。ようやく死ねると思った春安だったが、シノは自らの「不死の母を殺し、自分も死ぬ」という宿願を果たす為に春安を助け眷属とする。しかし、母殺しを目指す中で明治政府、不死の兄弟たちが立ちふさがり…!?不死の少女が血を流し命を燃やす、明治浪漫譚!!
死の匂いがする、と感じて読み進める。不死者の物語であるはずなのに、登場人物の誰もが死と隣り合わせの様な、妙な悲壮感で前のめりに進んでゆく。
不死の眷属の女性と、彼女から血を分けられた元会津藩士。不死者を殺す事ができる刀を求める二人の戦いは、「大切な者」を殺す予定に向かって進んでゆく。
新たな目標に再び生き甲斐を見つける元会津藩士。美味しい食べ物を知る不死の女性。活き活きと前進し、刀を振るって躍動する二人。
しかし切られれば深く傷つくし、強力な敵の前に危険は尽きない。不死者の尊厳を奪う構造は江戸幕府滅亡後も残り続ける。そしてなんと言っても「不死者を屠る刀」という、強力なジョーカーの存在。残酷さに震えながら、読む手を止められない。
そこにある切なさからは「強力なサイボーグだが代償に短命を宿命づけられる」という『GUNSLINGER GIRL』と同様の、悲しい袋小路を想起してしまうが……。