3.6
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タイムスリップ含む広義のループものが好きなので、
本作も最初は読んでたいたのですが、途中で挫折。
(8巻あたりの演劇の所)
終わりってどうだったけかな?と気になったので一気に読んでみました。
このきっかけは、久保ミツロウ先生の作品って、
毎度、え?これで終わり?的な感覚を残されると、
そこかしこで言われていた(主に読者レビュー)のを目にしたから。
本作も同様のことが言われていた。
自分自身、好きな作家さんなので、作品には全部目を通しており、似たような感覚は経験しているからよくわかった。
だけど、本作を読んでわかったんす。
あくまで個人的な意見なのですが、久保ミツロウ先生は
「最後だけ決めて描いている」
んじゃないかってこと。
最後にこれだけ伝えたい!
ってことがあって、そこから物語をスタートさせているじゃないかってこと。
物語のつくり方としては、ある意味正しいのですが、
久保ミツロウ先生の場合、最後だけがバッチシ決まってて、その勢いで舞台や設定が決まり、導入に戻り、そして勢いが続かず中盤がちょとダレる。(失礼)
そして、ダレた中盤から、まくしたてるように結末に向かうから唐突感がすごいんだろうと。
そう考えて読むと、妙に納得ができ、理解が深まったんです。
(繰り返しますが、個人的な感想です。)
本作で言えば、最終巻が言いたいことの全てだと思います。
自分の中では、タイトルのとおり。
未来がわかると、人は頑張らなくなる。
どうなるかわからないから、あれこれ悩み、考え、がむしゃらになったりする。
例えそれが良いものであって、悪いものであっても、未来がわかることは絶望なのだと。
それが言いたかったのかな~と思いました。
結局のところ、繰り返すこと、やり直すことー「アゲイン」ーに、あまり意味はなく、未来がわかったからといって、本質的には何も変わらないのです。
最後の今村がそうでしょう。
そこから、他の巻のエピソードを読むと、自分的には得心がいきましたよ。
その中で、だからこそ何度やり直しても変わらない「思い」があるってとこには、グッときましたね。
また一つループものの名作に出会えました。