リアル感とドリーミイ感を共存させている格闘漫画にコメントする

次のコメント

名無し
1年以上前
格闘漫画では、実在した伝説的な猛者をその漫画なりに アレンジしたキャラが登場することが多い。 空手のマス大山、合気道の塩田剛三、 ボクシングのアリやタイソン。 プロレスの馬場や猪木。 餓狼伝でも松尾象山は明らかにマス大山がモデルだが、 明らかに猪木をモデルにしたレスラーも登場する。 グレート巽。 プロレス団体FAWの社長でありエース。 多種多様な格闘技・格闘者が登場する餓狼伝だが、 比較的、プロレスに対しては好意的に扱っている感がある。 スタイルの違うレスラーが何人も主要キャラとして登場するし。 それらの餓狼伝に登場するレスラーの中でも 最強レスラーの香りを纏った 凄みもありながら華もあるストロング&エレガントなキャラ、 それが明らかに猪木を模したグレート巽だ。 コミックスの4巻あたりからは数巻にわたり、 巽の回想録的な話が展開される。 その内容は、まさに猪木ドリーム。 猪木が力道山の付き人だった時代のエピソードまで アレンジして取り上げ、アメリカ修行時代等は 地下格闘技の世界で壮絶な戦いを繰り広げていた 最強で最高なキャラとして描かれている。 実際のアントニオ猪木は1998年に引退し、 いまではすっかり、政治家だったり 「ダーッ」や「闘魂注入ビンタ」などの 面白キャラとしてのイメージが強くなっている感がある。 だが、かつて猪木は本当に 一部のプロレスファンにとっては 最強であり神だった。 馬場への挑戦や小林、大木などとの日本人対決。 ゴッチ、ロビンソン、シン、アンドレ、ハンセンらとの激闘。 アリやウィリーとの異種格闘技戦。 そんな猪木に熱狂し、神の様に称えたプロレスファンは多かった。 しかし猪木自身の年齢などによる体力的な衰え、 90年代の格闘技ブームにより反比例して凋落したプロレス人気。 暴露本などによるプロレスの裏側の情報の浸透。 それらにより、かつてのプロレス・猪木の最強伝説が 揺さぶられ翳りが生じたことは否めない。 そういう意味では餓狼伝の猪木(巽)も 古きよき時代の神話でしかないかもしれない。 だが、あの頃に多くのプロレスファンが猪木から感じた熱狂、 猪木に見た最強で最高なレスラーという夢。 時代を経て時代が変わった今、改めてそれらを 良くも悪くも思い出させてくれるのが 餓狼伝でのグレート巽の物語だと思う。 恐らくは、原作者の夢枕獏先生が 抱いていた猪木に対する夢、憧れを フルパワーで熱く面白くキャラ化した、 それがグレート巽なんじゃないかと思う。 餓狼伝を今になって読み返すと、 初めてマス大山を知った頃に受けた極真空手の印象、 プロレスファンになった頃に猪木から受けた プロレス・レスラーの印象。 それぞれに最強感とロマンが溢れていた印象。 当時に感じたそれらの印象を今更ながらではあるが 思い出させてくれるものがある。
格闘漫画では、実在した伝説的な猛者をその漫画なりに
アレンジしたキャラが登場することが多い。...

前のコメント

名無し
1年以上前
最強の男は誰か、最強の格闘技は何か、を追求するなら 個々人の資質やセンスや体格や体力や修練度を 最高レベルで均一化したうえで、 打・投・極の全てをいかんなく発揮できるルールを作り、 身分や立場や金銭的なメリットデメリットなどのしがらみを 無くして平均化して、 多数が同時に心身ともにベストコンディションで 戦える場に選手一同を終結さけなければならない。 そんなことは現実には不可能だ。 だからこそ古今東西、漫画・小説・TV・映画という 夢を現実化できる世界で、数え切れないほどに テーマにされて作品化されている。 だがそれでいて、いまだに これが最高、これが究極、これこそがリアルだと 万人を納得させる作品は出現していない。 リアルとドリーミイのバランス取りが難しすぎるのだろう。 ある意味で作品化、描写が不可能レベルな難題で 「最強論漫画」は永遠の夢なのかもしれない。 その最強論漫画への挑戦・証明のための手法として、 リアリティとドリーミイをいい感じにミックスして 凄くいい感じに魅せてくれているのが 原作・夢枕獏、作画・板垣恵介の「餓狼伝」だと思う。 矛盾した言い方になるがリアリティとドリーミイが それぞれに充分に共存した漫画になっている。 空手・柔術・プロレス・ボクシングなどの 各種格闘技の(前記した条件を満たした)精鋭が 一同に会して闘うという 「現実にはありえんだろ」という世界を 小説(原作)や漫画だからドリーミイをある程度まで 魅せてくれている作品は他にも少なからずある。 「餓狼伝」もそういった、漫画だからこそ成立している ドリーミイな面はあるし、その面での描き方も凄く面白いのだが、 それだけではない板垣先生ならではの上手い描き方が 「餓狼伝」では、なされていると思う。 添付画像は第三巻からの抜粋だが、 夜の公園で闘っている二人の攻防のポイントを 的確に判りやすくコマ割りして絵にしている。 そしてそれだけでなく、 「電灯が揺れる」 シーンを間に挿入している。 たった一つのコマではあるが、 普通に格闘場面を描き、そこにリアリティを強調しようと だけ考えたら、なかなか揺れる電灯のコマなんて この流れの中に挿入出来ない、描かない。 だがこの一見、たいした意味のなさそうな一コマで 単純に技に入り決める動作を連続写真的に 絵にするだけの漫画よりも、 投げ、電灯、絶息、手のクラッチという流れにすることで リアルとドリーミイが判りやすく漫画として成立している。 こんな感じの、ただリアルを追求するだけの 絵やコマ割りだけではない、漫画手法としての ドリーミイがあちこちに描かれている。 それはもともとの夢枕獏先生の原作にそれだけの 要素が詰まっていたのだろうけれど それをまた板垣先生が上手く漫画化したんだな、 と感じている。
最強の男は誰か、最強の格闘技は何か、を追求するなら
個々人の資質やセンスや体格や体力や修練度...

人気のコメント

名無し
1年以上前
最強の男は誰か、最強の格闘技は何か、を追求するなら 個々人の資質やセンスや体格や体力や修練度を 最高レベルで均一化したうえで、 打・投・極の全てをいかんなく発揮できるルールを作り、 身分や立場や金銭的なメリットデメリットなどのしがらみを 無くして平均化して、 多数が同時に心身ともにベストコンディションで 戦える場に選手一同を終結さけなければならない。 そんなことは現実には不可能だ。 だからこそ古今東西、漫画・小説・TV・映画という 夢を現実化できる世界で、数え切れないほどに テーマにされて作品化されている。 だがそれでいて、いまだに これが最高、これが究極、これこそがリアルだと 万人を納得させる作品は出現していない。 リアルとドリーミイのバランス取りが難しすぎるのだろう。 ある意味で作品化、描写が不可能レベルな難題で 「最強論漫画」は永遠の夢なのかもしれない。 その最強論漫画への挑戦・証明のための手法として、 リアリティとドリーミイをいい感じにミックスして 凄くいい感じに魅せてくれているのが 原作・夢枕獏、作画・板垣恵介の「餓狼伝」だと思う。 矛盾した言い方になるがリアリティとドリーミイが それぞれに充分に共存した漫画になっている。 空手・柔術・プロレス・ボクシングなどの 各種格闘技の(前記した条件を満たした)精鋭が 一同に会して闘うという 「現実にはありえんだろ」という世界を 小説(原作)や漫画だからドリーミイをある程度まで 魅せてくれている作品は他にも少なからずある。 「餓狼伝」もそういった、漫画だからこそ成立している ドリーミイな面はあるし、その面での描き方も凄く面白いのだが、 それだけではない板垣先生ならではの上手い描き方が 「餓狼伝」では、なされていると思う。 添付画像は第三巻からの抜粋だが、 夜の公園で闘っている二人の攻防のポイントを 的確に判りやすくコマ割りして絵にしている。 そしてそれだけでなく、 「電灯が揺れる」 シーンを間に挿入している。 たった一つのコマではあるが、 普通に格闘場面を描き、そこにリアリティを強調しようと だけ考えたら、なかなか揺れる電灯のコマなんて この流れの中に挿入出来ない、描かない。 だがこの一見、たいした意味のなさそうな一コマで 単純に技に入り決める動作を連続写真的に 絵にするだけの漫画よりも、 投げ、電灯、絶息、手のクラッチという流れにすることで リアルとドリーミイが判りやすく漫画として成立している。 こんな感じの、ただリアルを追求するだけの 絵やコマ割りだけではない、漫画手法としての ドリーミイがあちこちに描かれている。 それはもともとの夢枕獏先生の原作にそれだけの 要素が詰まっていたのだろうけれど それをまた板垣先生が上手く漫画化したんだな、 と感じている。
最強の男は誰か、最強の格闘技は何か、を追求するなら
個々人の資質やセンスや体格や体力や修練度...
名無し
1年以上前
格闘漫画では、実在した伝説的な猛者をその漫画なりに アレンジしたキャラが登場することが多い。 空手のマス大山、合気道の塩田剛三、 ボクシングのアリやタイソン。 プロレスの馬場や猪木。 餓狼伝でも松尾象山は明らかにマス大山がモデルだが、 明らかに猪木をモデルにしたレスラーも登場する。 グレート巽。 プロレス団体FAWの社長でありエース。 多種多様な格闘技・格闘者が登場する餓狼伝だが、 比較的、プロレスに対しては好意的に扱っている感がある。 スタイルの違うレスラーが何人も主要キャラとして登場するし。 それらの餓狼伝に登場するレスラーの中でも 最強レスラーの香りを纏った 凄みもありながら華もあるストロング&エレガントなキャラ、 それが明らかに猪木を模したグレート巽だ。 コミックスの4巻あたりからは数巻にわたり、 巽の回想録的な話が展開される。 その内容は、まさに猪木ドリーム。 猪木が力道山の付き人だった時代のエピソードまで アレンジして取り上げ、アメリカ修行時代等は 地下格闘技の世界で壮絶な戦いを繰り広げていた 最強で最高なキャラとして描かれている。 実際のアントニオ猪木は1998年に引退し、 いまではすっかり、政治家だったり 「ダーッ」や「闘魂注入ビンタ」などの 面白キャラとしてのイメージが強くなっている感がある。 だが、かつて猪木は本当に 一部のプロレスファンにとっては 最強であり神だった。 馬場への挑戦や小林、大木などとの日本人対決。 ゴッチ、ロビンソン、シン、アンドレ、ハンセンらとの激闘。 アリやウィリーとの異種格闘技戦。 そんな猪木に熱狂し、神の様に称えたプロレスファンは多かった。 しかし猪木自身の年齢などによる体力的な衰え、 90年代の格闘技ブームにより反比例して凋落したプロレス人気。 暴露本などによるプロレスの裏側の情報の浸透。 それらにより、かつてのプロレス・猪木の最強伝説が 揺さぶられ翳りが生じたことは否めない。 そういう意味では餓狼伝の猪木(巽)も 古きよき時代の神話でしかないかもしれない。 だが、あの頃に多くのプロレスファンが猪木から感じた熱狂、 猪木に見た最強で最高なレスラーという夢。 時代を経て時代が変わった今、改めてそれらを 良くも悪くも思い出させてくれるのが 餓狼伝でのグレート巽の物語だと思う。 恐らくは、原作者の夢枕獏先生が 抱いていた猪木に対する夢、憧れを フルパワーで熱く面白くキャラ化した、 それがグレート巽なんじゃないかと思う。 餓狼伝を今になって読み返すと、 初めてマス大山を知った頃に受けた極真空手の印象、 プロレスファンになった頃に猪木から受けた プロレス・レスラーの印象。 それぞれに最強感とロマンが溢れていた印象。 当時に感じたそれらの印象を今更ながらではあるが 思い出させてくれるものがある。
格闘漫画では、実在した伝説的な猛者をその漫画なりに
アレンジしたキャラが登場することが多い。...
武士沢レシーブ
謎に読み返したくなる
武士沢レシーブ
六文銭
六文銭
思春期に「セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん」をリアルタイムで読んでいた人はわかってくれると思うのだが、ギャグ漫画としてのマサルさんの衝撃はとにかく凄まじかった。 意味不明なのに爆笑できるという体験をさせてもらった作品で、シュールのような斜に構えたものでもなく、浦安鉄筋家族のようなわかりやすいギャグでもない。 でも面白い!という今でも強烈に覚えているほど私には衝撃的だった。 そのうえで、次回作がコレ。 そして、『ピューと吹く!ジャガー』に続く。 つまり、マサルさんとジャガーの間が本作。 わかりやすく言うと打ち切りなのだが、これはこれで私にとっては衝撃的だった。 マサルさんの衝撃後、同著者の新連載ということで本作を読んだら、文字通り ??? となった。リアルタイムで読んでいた人は(以下略 雰囲気はマサルさんチックなのだが、ヒーローに憧れるとかバトル要素が強く、どことなくギャグのキレも弱い。 でも、大人になるとなぜか無償に読みたくなる。 マサルさんの著者なのになぜ?と友人とよく話していた思い出補正もある。 加えて、マサルさんからジャガーへ昇華される段階なのか?という捉え方ができたり、純粋に天才だと思った作家の人間味を感じる。 ギャグ漫画の鬼才だと思っていた人間も、迷走するんだなと。 (マサルさんの後半も結構失速感はあった) 大好きな作家の、そんな一部が垣間見えるということで、謎に読み返したくなる作品です。 作家ファンの人にとっては貴重な体験になるのではないでしょうか。 最後に、ギャグのキレが弱いと言いましたが。「イヌーピー」(要はアレ)というキャラだけは、腹かかえて笑いました。
ボルカルス
ボードゲーム発、タイムリープ怪獣バトル #1巻応援
ボルカルス
兎来栄寿
兎来栄寿
『放課後さいころ倶楽部』の中道裕大さんがボードゲーム原作のマンガを描くと聞いたときは、特大の「むべなるかな!」という気持ちが湧き起こりました。 原作者はドロッセルマイヤーズの渡辺範明さん。原作となっているボードゲーム 『Kaiju on the Earth』シリーズは遊んだことがないですが、非常に力を入れて作られており、グッズも多数つくられ『ゴジラ』などともコラボしているようでとても面白そうですね。 どこかから現れ人類を脅かす謎の怪獣という、『ウルトラマン』などでお馴染みの王道展開。故に熱く、燃えそうです。 それをマンガとして非常に上手く盛り立てているのが本作です。 一見すれば怪獣との戦いを描くパニックホラー的なものを想像しそうですが、蓋を開けてみると読めば読むほど続きが気になってくるタイムリープサスペンスとなっています。 一度は現れた怪獣によって滅ぼされかけた39歳の主人公は、気付くと記憶を保ったまま小学生へと戻っておりそこから人類を救う道を模索するべく立ち上がっていきます。 タイムリープしてやり直しを行う作品は多いですが、そうしたタイプの作品の中ではちょっと珍しい展開がありそこに面白さを感じました。 個人的には黒髪ロングストレートのヒロイン藍田さん激推しです。藍田さんの設定も王道からは外れたところがあって、今後どのように扱われていくのか気になります。 牧歌的であった『放課後さいころ倶楽部』とはまた全然違ったテイストで大ゴマや激しいアクションシーンもしばしば登場しますが、中道さんの絵も物語にフィットしていて魅力的です。 原作好きな方だとニヤリとできる部分などもあるのかもしれませんが、原作未読でもまったく問題なく単体で面白く読めます。今後、他のシリーズもマンガ化されていくのかどうかも気になります。
ストアに行く
本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
この作品のお気に入り度は?
星をタップしてお気に入り度を入力しましょう
メモ(非公開)
以下のボタンから感想を入力することができます(別ウィンドウが開きます)
感想を投稿
完了する
フォローする
メモを登録
メモ(非公開)
保存する
お気に入り度を登録
また読みたい