読み切りから連載に、そして面白そう
あれ〜?モーツーなの!?って感じですがじわじわと面白いですね〜 講談ってなに?講談社? ぐらいには無知ですが話し始める姿はなんかみたことがある気がする。 若い人は知らないだろうことを若い人間が一生懸命やる姿、結構くるものがあるので応援したい… 一話いい感じだったので次も期待です!
感情が表に出にくく理屈が先走るせいか、子供の頃についたあだ名は「へりくつ仮面」。そんな性格が災いして、子供の頃から一貫して「集団」というものに属することができずにいた犬神(いぬがみ)君。大学に進学しても友達が一人もできず、昼飯を木の洞で食べる「ぼっち」状態。だがふとしたことから、演劇研究会、略して“劇研”に入ることになり、初めての仲間・居場所を見つけて──―犬神君の思わぬ大暴走が始まる!!
シュールでいてハートフル。
そしてこれほど全5巻の作品で
読みすすめていくうちにドンドン印象が
変わって行ったマンガもあまりない。
感情表現が出来ないというか、感情が無いとすら
思える殆どサイコパスのような主人公・犬神君。
犬神君は犬神君なりに集団に属したい、普通の感情を
理解し味わい身につけたいと、
大学で演劇サークルに入会する。
しかし犬神君はそのキャラゆえに周囲を振り回し
あきれ返させまくる。
衣装は燃やすわセットは破壊するわ、
話の手綱を異世界へと引っ張るわ。
ドタバタ・コメディ的な展開で話は進む。
第3巻での犬神家の祭りはほとんどその究極。
なので最終第5巻あたりではドンダケ~なレベルに
コメディがエスカレートしていくのだろうと思っていたら・・。
犬神君は空気を読まない、読めない的な性格で
いわゆる典型的なコミュ障ではあるが、
それは逆に言えば「裏表がない」性格にも見える。
正直過ぎるレベルで常に本音を語る人格にも見える。
見えてしまう。一見では。
表面的な仮面をつけない性格なのだという印象を受ける。
受けてしまう。最初は。
演技とは通常は仮面を被ることだ。
犬神君が感情を知るために演技を学ぼうとする。
このマンガは二重の意味でその矛盾を突いてきた。
「演技は虚構である」
「仮面は表面につけるもの」
ということを突いてきた。
演技は虚構であるがそれだけではない。
仮面は心の奥底に被せるものだ。
第5巻まで読んで、犬神君が演劇サークルに入ったことを
素直に良かったねと思ったし、
その物語を読んで自分も救われたような気持ちになった。