あらすじ

東京での演技レッスンを終えた犬神君は熊本のおばあさんの家に帰省することに。同行した夏目と狭山が目にしたのは、この一族にして犬神君ありというおかしな親族と、サバイバルゲームっぽい夏祭りを筆頭とするおかしな風習の数々。そんな環境で育った犬神君の初恋の人といえば、くまモン。ああ、くまモン!
犬神もっこす(1)

感情が表に出にくく理屈が先走るせいか、子供の頃についたあだ名は「へりくつ仮面」。そんな性格が災いして、子供の頃から一貫して「集団」というものに属することができずにいた犬神(いぬがみ)君。大学に進学しても友達が一人もできず、昼飯を木の洞で食べる「ぼっち」状態。だがふとしたことから、演劇研究会、略して“劇研”に入ることになり、初めての仲間・居場所を見つけて──―犬神君の思わぬ大暴走が始まる!!

犬神もっこす(2)

レッスン、合コン、東京観光、本物の芝居体験に、行く先知らずのアドリブ芝居!夏休みを利用してアクタースクールに送り込まれた犬神(いぬがみ)君と夏目(なつめ)さんが巻き起こす、東京での嵐のような日々!!そしてこの巻では犬神君の恋愛観に端を発して、熊本のご当地人気キャラ「くまモン」まで登場!!!!

犬神もっこす(3)

東京での演技レッスンを終えた犬神君は熊本のおばあさんの家に帰省することに。同行した夏目と狭山が目にしたのは、この一族にして犬神君ありというおかしな親族と、サバイバルゲームっぽい夏祭りを筆頭とするおかしな風習の数々。そんな環境で育った犬神君の初恋の人といえば、くまモン。ああ、くまモン!

犬神もっこす(4)

本格的に俳優としての道を歩み始めた犬神(いぬがみ)君。「人間をよく観察しなさい」「人とよく関わりなさい」というアドバイスを受け、劇研の仲間やミス研の人たちと積極的に関わり合い、みんなの奥底に潜んでいた感情を引き出していく!しかし一方で自分の奥底にある感情は出すことができず……!?信じられるのはお金だけ?犬神君、人間の間で遭難中。

犬神もっこす(5)

ついに終劇、大団円!!いよいよ迫ってきた夏公演!予期せず主役に抜擢された犬神(いぬがみ)君が、「ビルマの竪琴」の呪縛からようやっと解放された夏目(なつめ)プレゼンツ、劇研初オリジナル脚本に挑む。ヒロイン役は犬神君が超絶苦手な美人・蔵前(くらまえ)さん。犬神君の心の中にガンガン踏み込んでくる蔵前さん……。犬神宗(そう)、18歳、こんなことは今までなかった!最後の最後まで目が離せない波瀾万丈の夏公演、ここに開幕!描きおろし番外編『ミス研もっこす』も収録!

犬神もっこす

読み終わって、救われた気持ちになりました。

犬神もっこす 西餅
名無し

シュールでいてハートフル。 そしてこれほど全5巻の作品で 読みすすめていくうちにドンドン印象が 変わって行ったマンガもあまりない。 感情表現が出来ないというか、感情が無いとすら 思える殆どサイコパスのような主人公・犬神君。 犬神君は犬神君なりに集団に属したい、普通の感情を 理解し味わい身につけたいと、 大学で演劇サークルに入会する。 しかし犬神君はそのキャラゆえに周囲を振り回し あきれ返させまくる。 衣装は燃やすわセットは破壊するわ、 話の手綱を異世界へと引っ張るわ。 ドタバタ・コメディ的な展開で話は進む。 第3巻での犬神家の祭りはほとんどその究極。 なので最終第5巻あたりではドンダケ~なレベルに コメディがエスカレートしていくのだろうと思っていたら・・。 犬神君は空気を読まない、読めない的な性格で いわゆる典型的なコミュ障ではあるが、 それは逆に言えば「裏表がない」性格にも見える。 正直過ぎるレベルで常に本音を語る人格にも見える。 見えてしまう。一見では。 表面的な仮面をつけない性格なのだという印象を受ける。 受けてしまう。最初は。 演技とは通常は仮面を被ることだ。 犬神君が感情を知るために演技を学ぼうとする。 このマンガは二重の意味でその矛盾を突いてきた。 「演技は虚構である」 「仮面は表面につけるもの」 ということを突いてきた。 演技は虚構であるがそれだけではない。 仮面は心の奥底に被せるものだ。 第5巻まで読んで、犬神君が演劇サークルに入ったことを 素直に良かったねと思ったし、 その物語を読んで自分も救われたような気持ちになった。