「犬神もっこす」という題名は
「肥後もっこす」という言葉からの作語だと思う。
肥後もっこすとは熊本地方の男性気質を表し
頑固者で議論好き、みたいなことを言うらしい。
犬神君は熊本出身。
その場の空気に配慮せず持論を述べ、
結論がでるまで延々と討論を続けようとする。
本来の肥後もっこすが指す頑固さとは少々違うような
気もするが、これはこれでもっこすなのかもしれない。
では「犬神」のほうはどうか?
作中には「犬神もっこす版の犬神家の一族」
(犬神君の家族、親戚)も登場してくる。
もっこすでは横溝正史の犬神家をどこまで意識して
同じ名前にしてキャラ設定をしたのかは判らない。
けれどラストまで読みきったら、
ただのギャグキャラ一族かと思っていた
犬神家の存在が、
「あれ、かなり深いところで犬神君という
キャラが成立するのに関わっているな。」
と考えてしまった。
考えすぎや思い違いかもしれないが。