sinkで出来ていたことが出来ていない
漫画家としての作者の実力はここで記述するまでも無い程に圧倒的なのは周知の事実である。しかし、この作品においては、その実力を発揮しきれていない。サスペンスにも関わらずコマ割りが細かくテンポ良く進むため、サスペンスが必要な箇所でなんてこと無い日常の様に進んでいってしまう。ましてや大ゴマにする必要の無い箇所で大ゴマにしてしまっている。絵の造形も不気味な雰囲気が失われギャグのキャラ造形になっている為、ここでもサスペンスが失われる。sinkで出来ていたことが何故出来ていないのだろうか?
「バーズ」休刊により、「空電ノイズの姫君」がイブニングに移籍。
女子高生でバンドものというと元気で爽やかというイメージを抱きがちですが、この作品はやはり冬目景といいますか、ゆったりとしていてどこか陰のある雰囲気です。
また私が音楽をやっているのでどうしても敏感になってしまうのですが、作品内に「音楽」という概念・文化がごく自然に息づいていて、すごくリアルだなと感じました。たとえば少年漫画にありがちなように「これが私たちの音楽だ!」みたいに変に美化されたり特別視されているようなこともなく、サラリーマンのお父さんが普通に会社に行くがごとく彼女の傍らにはギターがあります。
1話でギター少女と歌う少女が出会ったからといって、その場で組んでグラミー賞獲ろうぜ!!とはならない代わりに、じっくり見守っていきたくなる漫画です。
というかスタジオ付きの家に生まれ育つってめっちゃ羨ましいw