怖い。。。
娘がいる自分としては、怖かったです。さまよう刃を読んだときにも感じた怖さ。家族愛にたどり着く前に怖くてちょっとキツくなりました。サスペンス好きにはとっても面白いと思います。というか、こんなにハラハラさせられることあります!?
溺愛する娘の彼氏(半グレ)を殺してしまい、それを目撃した妻と家族を守るためにミステリ趣味で培った知識を総動員して隠蔽工作するが、勘がいい半グレの一人に執拗に証拠を探されて、また夫婦もスレスレで魔の手をかわしてカウンターを仕掛けるホームサスペンス。
第一話の時点から面白すぎるので、まだ読んでいない方はまずは試し読みでもいいから読んでほしい。
http://yanmaga.jp/contents/myhomehero
面白いのは、人殺しにも関わらず主人公である父にも正義があり読者は思わず応援してしまうという点だ。
もちろんごく普通のしがないサラリーマンであった彼はとんでもない罪悪感に苛まれはするが、娘の幸せのため、家族の未来のために修羅となる。
そしてそこからが鮮やかだった。
信じられない方法かつ納得のいく具体的なやり方で死体を処理し、万が一のことを考え防衛策を何重にも張り、その万が一が起きてからもひたすらに奔走し一つ一つ解決していく姿はまさにヒーローに違いない。
しかし、それは一般的ヒーロー像そのものでは決してなく、家族を守るその家族限定のヒーローでしかない。
なぜなら殺した相手にも家族はあり、自分の家族を救うために、関わった者を不幸にすることは一切厭わないからだ。
そして敵を知れば知るほど相手にも正義があることが分かってくる。
最終的にはエゴのぶつけ合いでしかないが、そこには家族愛がしっかり描かれている。
人殺しという犯罪者である父を思わず応援してしまうのはその家族を愛する姿に心打たれるからだ。
こんなに常人で情けなくてかっこいいお父さんは見たことがない。
そこに痺れる憧れる。
いいマンガの条件の一つとして敵役も魅力的に描かれる点が挙げられるが、登場する敵にも家族があり愛があり事情があり彼らなりの正義があり一家のヒーローである。
敵なのに、悪役なのに、感情移入できてしまう。
だから面白い。
間違いなく傑作の「マイホームヒーロー」。
展開的にはずっとクライマックスでずっとヒリついている。
6,7巻くらいでコンパクトに収まるのかな?
毎週読んでいると気持ちが持たないので単行本派の僕は今日発売の4巻を読んだ。
早く、早く5巻を読みたい…。
頼れる妻と、ちょっと反抗期気味だけど可愛い高校生の娘。鳥栖哲雄の人生はそれなりに幸せだった。娘の顔に殴打の傷を見つけるまでは。「100万の命の上に俺は立っている」の山川直輝、「サイコメトラー」「でぶせん」の朝基まさしの異色コンビが描く、罪と罰、愛と戦いの物語、開幕!
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