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人気のコメント

吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
1年以上前
全3巻読み終わった。 若干ネタバレあります。 ありがたいと思えるのは、4人それぞれがそれぞれのきっかけでしがらみで狭くなってしまった視野から外に脱して俯瞰して現在の状況を見れるようになったことだ。 他人には他人の、自分には自分の事情がある。 それはどうしようもないし、特に他人の状況は友達がどうこうしようと無駄だったりする。 「それでも友だちが友だちにできるのは それでも友だちでいることだけだ」とは継の父さんのセリフ。 全員がこじれたまま会わずに大人になっていたらこういう結末にはならなかったろう。 高校生の柔軟さだからこそ出来得る着地点だと感じた。 もっと読んでいたかったが、これくらいがちょうどいいのかもしれない。 現状の人生に気負いすぎてる全ての思春期に読んでもらいたい。 巻末に載っていた読み切り「ラブレター」も素晴らしかった。 世論的には幼児をネグレクトした母親を責めるのは当然だし、そういった流れをある程度は否定しないが、こういう視点もあるという提示が愛おしい。 誰しも望んでそうなったわけじゃない。 全ての生命は素晴らしく、漏れなく素敵だという神視点。 人は変わる。 一度犯罪を犯してしまった人間を苛烈に叩き、再起不能レベルに貶めるのはどうだろうかとは思う。 人生は素晴らしくあるべきだ。 顔を上げて楽しもう。と思った。
この世界の片隅に

漫画と映画を久しぶりに見返した!

この世界の片隅に
かしこ
かしこ

2025年のお正月にNHK広島放送で映画「この世界の片隅に」が放送されたのは、今年で原爆投下から80年が経つからだそうです。この機会に私も久しぶりに漫画と映画をどちらも見返してみました。 やはり漫画と映画の一番の違いはリンさんの描き方ですよね。漫画では夫である周作さんとリンさんの関係について触れられていますが、映画ではありません。とくに時限爆弾によって晴美さんと右手を失ったすずさんが初めて周作さんと再会した時に、漫画ではリンさんの安否を気にしますが、映画ではそれがないので、いきなり「広島に帰りたい」という言葉を言い出したような印象になっていました。映画は子供のまま縁もゆかりもない土地にお嫁に来たすずさんが大人になる話に重点を置いているような気がします。それに比べると戦時下無月経症なので子供が出来ないとはっきり描いてある漫画はもっとリアルな女性の話ですよね。だから漫画の方が幼なじみの海兵さんと2人きりにさせた周作さんに対して、あんなに腹を立てたすずさんの気持ちがすんなり理解することが出来ました。個人的には男性達に対してだけではなく、当時の価値観で大事とされていた後継ぎを残せない自分に対しての悔しさもあるのかもしれないと思いました。けれどもあえて女性のリアルな部分を描きすぎない選択をしたのは、原作である漫画を十分に理解してるからこそなのは映画を見れば明らかです。 久しぶりに漫画と映画を見返してどちらも戦争が普通の人の生活も脅かすことを伝えているのはもちろん、すべてを一瞬で無いものにしてしまう核兵器の恐ろしさは動きのある映画だから強く感じた喪失がありました。そして漫画には「間違っていたら教えて下さい 今のうちに」と巻末に記載されていることに初めて気づきました。戦争を知らない私達が80年前の出来事を想像するのは難しいですが、だからこそ「この世界の片隅に」という物語があります。どんなに素晴らしい漫画でもより多くの人に長く読み続けてもらうのは大変なので映像化ほどの後押しはないです。これからも漫画と映画どちらも折に触れて見返したいと思います。

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