チャラチャラしているけど悪いやつじゃない西岡のキャラクター好きなんだけど、馬締と険悪チックになっているのが残念だった。下巻ではいい感じに戻るのかな。
辞書作成を「舟を編む」と定義する面白さと説得力
舟を編む 雲田はるこ 三浦しをん
作中で主人公が述べている。
「辞書に主観はいりません。」
そう言われても普通は、だから辞書はつまらない、
それくらいにしか感じられない。
しかしそのつまらなさそうな辞書を作る作業を通して
とても面白い物語が進行する。
辞書編集者という主観を除外する仕事をしている人達が、
その仕事を「舟を編む」と主観で例える。
けして客観的ではない、むしろ曖昧な表現をする。
しかしその表現からは矛盾は感じない、
面白さと説得力がある。伝わってくる。この物語からは。
いかに辞書が、言葉が、大事な存在なのかということも。
辞書を作ることがいかに大変でいて、浪漫が溢れる、まさに
「舟を編む」仕事だということも。
辞書を編集する仕事を「舟を編む」と表現する言葉が
出版業界では古くからあることなのか、
原作者の三浦しをん先生が考えた言葉なのかはわからない。
けれども納得させられる面白い言葉であり題名だった。