ちなみに『かごめかごめ』の最終話に出てくる、ザザとヤニクが主人公でアミラとヴィーも出てくる。
いい短編集だ
「母とは」みたいなことを考えさせるような内容かと思ったんですが、そういう複雑さとか押し付けがましさとか一切なくただただ良い短編集でした…。 他の方も書いてますが、一番最初に載ってる「きらきらと雨」が抜群にいい。過去の回想シーンがたまらなかった。 この作者はどんな年齢の女性を描いてももれなく可愛らしくて好きです。
母にまつわる短編集。主人公になるのは、母だけではなく息子や娘のものも半分くらいある。『かごめかごめ』のアフターストーリーに当たると思われる作品も3つ収録されている(『ザザetヤニク』『カラスの鳴く夜にヤニクは』『アンテルメ』)
個人的に特に好きだったのは就職して独り立ちする息子をもつ母親の話の『きらきらと雨』修道院に捨てられたヤニクと母の話の『カラスの鳴く夜にヤニクは』引きこもりの息子とその母の話の『stand up』の3つ。どれも悲しかったり感動している表情がとても強烈で、表情でキャラクターの感情がめきめき伝わってきてよかった。
母の話となると、(僕は)いわゆるお涙頂戴的なのを想像してしまうが、そういうのはあまりなく普通の母親と息子娘を描きながら、その時々に感じているだろう感情を逃さず描いているから、キャラクターたちに感情移入してとても感動するような作りになっていていい短編集だった。
愚直で、凡庸で、時に狡猾で。それでも母親はすべての子供たちを照らす優しい光。「母」をモチーフにした珠玉の短編集。かつて子供だった母親と、やがて母親になる子供たちへ。