さすがにもう、あれで中身が人間です、では
説明がつかないところまで来ているよね。
けれどもあの看板を前に佇む姿は人間っぽい。
実はやっぱり人間でした、という展開には
行かないで欲しい。

もともと自分は、魔猿はUMAであってほしかった。
非科学的とか生物学的にありえないとしても、
こざかしい人間の考えなど超越して
神さまとして怒りの大暴れをしてほしかった。
「テメエら、俺の縄張りで何してくれてんだ!」と。
なので真・魔猿が登場して、八木さんや水口を
殺したときには、ここからさらに過激に暴れて
藤谷社員も薬害関係者もみんな纏めて皆殺に
されそうになっててんやわんや、という
展開を期待した。
論理的だったり人間ドラマも含んだ面のある
パニックホラーもいいだろうけれど、
どちらかというと
ゴジラvsキングギドラみたいな
ノリが自分は好きなので(笑)。

真・魔猿vs二鉈使いの着グルミ猿、
真・魔猿vs警官隊数十人殺し日本刀男、
真・魔猿vs安斉、
そして
真・魔猿vs早乙女。
そんな壮絶な対決を見たかった。
もはやそんな展開はほぼ望めなくなっているが、
トオルの早期退場で、チョットだけまた
無双の真・魔猿が見られるほうの展開になるかと
すこしだけ期待している。

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宝石の国

重さと軽さが同居する、命の話

宝石の国
アフリカ象とインド象
アフリカ象とインド象

大好きな漫画です。 学生の頃、この漫画に狂っていた時期がありました。 友人全員にこれを読めとしつこく勧めて、 読んだ人に対してはお前はこの漫画の何もわかってない!と浅い考察を語る最悪のオタクでした。黒歴史です。 つまり、人を狂わせるほど魅力ある漫画ということとも言えます。言えますね。 とはいえ、こちらは既に多方面で紹介され尽くした人気作でもあります。 今さら自分の稚拙な語彙でレビューしても読むに耐えませんので、 ネットの海に散乱した情報に少しだけ補足をして、読むことを迷っている方の壁を取り払えればと思います。 この漫画が話に上がる時についてくるのが、とんでもない鬱漫画だという話題。 これが読み手の1つのハードルになってしまっていると思います。もったいない! 大丈夫。救いはあります。怖くないです。 確かに取り扱うテーマは重く、展開に心が締め付けられることはありますが、この作品の魅力はそこだけではないです。 素晴らしいのは重厚な世界観の中に、ポップさのエッセンスを忘れず組み込んでいること。 (ここで言うポップさとは、いわゆる大衆に寄り添う心のこと) 会話のテンポ、 キャラの関わり、 かわいらしいジョークのセンス。 そういう要素の節々に、作者である市川春子氏の人柄を感じられます。 そしてその人柄から読み取れるのは、 この人は読者の心をズタズタにしたい訳ではないよ〜。 ということ。 きっと最後まで読み切った方なら共感してくれると思います。 苦しさの先に希望がある。 これは人間の話。命の話。生と死の話。愛の話。宇宙の話。 火の鳥超えてます。ガチ。

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