氷室がこれまでにしでかしたゲスな行動を
箇条書きにしたら100行くらいになりそう(笑)。
使い込みはするわ、
宮田にミスをおしつけるわ、
その上に掃除までさせるわ、
宮谷にスーツでの登山をしろとからかうわ、
宮田の持っていた水は殆ど飲み干すわ、
脅迫者は殺すわ、
早乙女に毒見をさせようとするわ、
早乙女に罪をきせようとするわ、
助けてくれようとした早乙女を追い込むわ、
八木さんの衛星携帯は紛失させるわ、
いかん、マジで100行いきそう。

なのでもっとしぶとく生き残るかとも思っていたし、
死ぬときはそれこそ壮絶な死に方をして
読者の溜飲を下げてくれるかと思っていた。
謎の怪物・魔猿に食いちぎられて死ぬ、ってのは
壮絶で、いやなむごい死に方ではあるけれど
作中ではそれほど絵にして見せてくれていないので
今ひとつ、あっけなさも感じる。
グロすぎるシーンになるから
あえて描かなかったのかもしれないが
自分としては詳細に描写してほしかったな。

優しい宮田が放っておいたら猿に殺されるであろう氷室の合流をきつく拒んでたの
日頃の自分へのパワハラより
会社のお金横領&殺人より(でもこれが本人の告白によって確定した時宮田早乙女林は小屋にいなかったから知ってるのかわからないけど)
衛星電話壊して救助を台無しにしたことより
二度も氷室を助けようとしてくれた早乙女を二度も陥れて
その度に早乙女がとんでもなくひどい目に遭わされたことが一番の理由な気がする
早乙女も宮田が特に自分のために怒ってくれてるのはわかってただろうから話し合いの末氷室同行が決まった時
遠慮がちに「宮田…」って(そういう条件だったらいいか?みたいに)声かけてたんだと思う

中学時代の宮田大人しそうだったし、優しくて臆病な性格だから喧嘩とか今までしたことがなさそう。
そんな宮田が早乙女を救出するために「殴りますよ」って脅しをかけたり、早乙女に酷い仕打ちをした安斉が許せなくて決別したりしてんだよね。
氷室に対してもそういう怒りはあったと思う。
早乙女の氷室ですら見捨てられない優しさは立派だとは思うんだけど、結果的には「猿の遣い」だった氷室を招きいれちゃって最悪の事態になったし、どうにもモヤるんだよなー。
死刑廃止とか、凶悪犯の人権を守ろうとするご立派な活動家に対する感情に近いのかも。
氷室同行の場面でも「いや危険だろ追い返せよ」って思った。

モンキーピークについて語ろうにコメントする
iメンター すべては遺伝子に支配された
遺伝子とAIに支配された世界
iメンター すべては遺伝子に支配された
六文銭
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自分の遺伝子に応じて、適職や配偶者までも 「iメンター」 と呼ばれるAIツールのようなものが判断してくれる世界。 しかも精度が高いからほぼ合っているという感じで、人類は無駄な努力というものがなく(例えば、野球選手になれる特性がなければ野球をしないとか)、効率的に人生を送れるというもの。 近未来では、わりとこうなりそうな感じで読んでてワクワクした。 しかも、1話完結のオムニバス形式ですが、徐々につながっていく感じはゾクゾクしました。 余談ですが、昔何かの本で、 パンドラの箱の中身にあった、すべての災いの正体は「自分の未来」 という解釈をした本があって、それを思い出しました。 つまり、将来自分がどうなって、いつ何で死ぬかを知ること以上の絶望はないという解釈だったのですが、確かに、どうなるかわからないから可能性にかけて頑張れるというのありますよね。 だから本作のように、生まれながらにして将来が決まってしまう世界は、絶望しないのかな?とか考えてしまった。 登場人物、意外と穏便に過ごしているので。 いずれにせよ、SFジャンルとして考えさせられる作品で、3巻完結なのも読みやすくて良い作品でした。
グリーンボックス【合冊版】
一国か自分の命かを選ぶ設定が秀逸
グリーンボックス【合冊版】
六文銭
六文銭
気がつくと謎の部屋「グリーンボックス」に閉じ込められた主人公。 その部屋には 「欲しいものを思い浮かべながら滅ぼしたい国を選べ 当たりなら開放」 の文字と世界地図。 最初はテレビの企画か何かと疑い何もせずにいるが、徐々に我慢の限界になり試しに1つの国のボタンを押し自分のスマホと交換。 スマホからニュースを確認すると、それが現実であることを知る。 自身の命(というか食欲などの欲)と一国を天秤にかけるという設定が秀逸で、その後タカが外れたように国を滅ぼすことに抵抗がなくなっていく主人公の心理が面白い。 ボタン1つで国が滅びるというのが実感がなく、また人ひとりではなく、国単位なのも想像しにくいからより葛藤がないのだろう。 また自身もこの部屋に閉じ込められたという被害者意識から自らの欲を優先していく様が、生々しい。 当然、各国もだまっていなくて対策を講じるも、根本的な解決にならない。 このボックスの正体も徐々に明らかになっていくが、ジリジリとしたストーリー展開ですごい先が気になるつくり。 とにかくヒキがうまい。 どうオチがつくのか最後まで見届けたい作品です。
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