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アフター0

1つ1つに様々な要素が濃密に詰まった逸品SF短編集

アフター0 岡崎二郎
鳥人間
鳥人間

SFといってもジャンルに多少の幅があり、王道なSFの他に、ファンタジーっぽいもの、超常現象や超能力など色々ある。岡崎二郎作品は宇宙家族ノベヤマを読んだことがあるけれど、あの作品のようにとても気持ちがほっこりとするような話が多い。このアフター0もバッドエンド的なお話はほとんどないと思う。 これでもかというくらい示唆に富んだストーリー、感情表現、舞台設定など多種多様な要素がみっちみちに詰め込まれている。「そうきたか!」と唸らざるをえないひねりや、なるほどと思わせる登場人物の考え方(たぶん作者の考え方なんだろう)など、読むと自分の世界が広がるような漫画だ。こういう感覚を抱いたのはグレッグ・イーガンの「ディアスポラ」を初めて読んだとき以来かもしれない。比較的ゆるい感じの絵なので、いわゆるハードなSF好きな方々はそこで敬遠してしまうかもしれないが、騙されたと思って一度読んでみてほしい。 「これも学習マンガだ!」にも選出されているようで、なるほど確かにお子さんが読んでもほぼ安心だし、かつ、多くの驚き・発見が得られる良書だと思う。しかもわかりやすい話が多い。自分も、もっと子供の頃に読んでみたかった。 http://gakushumanga.jp/manga/%E3%82%A2%E3%83%95%E3%82%BF%E3%83%BC-0/

白竜

気が付けばシリーズ累計100巻以上

白竜
ピサ朗
ピサ朗

ちっぽけな組に過ぎない黒須組に、ある日白竜の異名を持つ若頭が台頭してからあれよあれよと裏社会で頭角を現していく、揉め事の解決は暴力やダーティーな手段だったりの、良くも悪くも普通のヤクザ漫画。 …だったのは初期の話、天王寺大氏が実際の事件を広げたネタを扱う事も多かったので、ゴルゴ13のような「実はあの事件の裏には白竜が関与していた!」オチのネタが結構あったりする。 シリーズ後半ではその手のネタが増えて行くが、この第一シリーズである無印は比較的そういうネタは薄め、なんだかんだ危険な香り漂う裏社会でのし上がっていく姿は正直ワクワクする部分も有り、強引すぎたりアレな解決も「こまけえことはいいんだよ!」の精神で十分楽しめる。 …後のシリーズでは陰謀論を加速させかねない色々と不幸で幸運な現実に見舞われたりしてるけど、それも割り切れば作品の魅力。 組のメンツも少人数な分、上も下も描きやすいのか、若頭主人公だが下っ端から組長まで交流があり、それなりにキャラを立たせつつキャラ被りも無しと、今見ると設定時点でなかなか秀逸。 ヤクザ漫画としては、シノギの描写が意外と広く、これもまた第2シリーズ以降の時事ネタを扱うのに違和感が無い要因だろうけど、解決手段はシンプルに非合法だったりで「できるか んなもん!」な、描写がてんこ盛りで、これをツッコミどころとするか、展開が早くて良いとできるかで面白いと感じられるかは分かれそうな気がする。 とはいえシリーズ累計で100巻以上を成し遂げてしまってるように、こういう作品が好きな男自体はなんだかんだ根強く存在している事も実感するが。 実際のあれこれをネタにしている部分とか、多々あるツッコミどころにせよ、素直に名作と認めたくはないが読んでて楽しい部分も有るのは確か。 作風が完全に確立したのは第2シリーズのLEGENDだが、その移り変わりも含めタバコと酒臭さが似合う漫画ゴラクの象徴の一つ。

あふたーぜろ
アフター0 1巻
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