残虐の暴君か、国を護りし英雄か――。15世紀中期。南にヨーロッパを席巻するオスマン帝国、西に大国ハンガリー。ふたつの強国に挟まれた小国・ワラキア(現・南ルーマニア)にひとりの若き公が戴冠する。その名は、ヴラド三世。国内政治は貴族に支配され、外交は大国の情勢に左右される中、ヴラドは故国・ワラキアを護るため、その才を発揮していく――。“串刺し公”の異名を取り、ブラム・ストーカーの小説『ドラキュラ』のモデルとなったヴラド三世。その実の姿に迫る、歴史ロマン。
遠く異国より、日本に移り住んで百数年。土地神となった吸血鬼ヴラドは、人間と妖怪の想いを繋ぐべく、様々な願いを叶えていた…。心温まる、感動の和風吸血鬼譚、ここに開幕。
吸血鬼の類である「蛭子(ひるこ)」を殺すことが家業の焔殿朱周(えでんあけちか)。彼は、蛭子に憑かれているという霞彩静羽(かさいしずは)の監視を依頼される。彼女に憑いている蛭子は、もともと朱周と同じ家業をしていた玄天秋霖(くろかみしゅうりん)だった。秋霖について調べていくうちに、過去から繋がる不思議な因縁が明らかに…。朱周は静羽を救うことができるのか――!?
ブラック・レイヴンズ・シティはヴァンパイアと人間が共存する街で、一時は犯罪が頻繁に勃発する場所であった。しかし、ドレークという街を守る番人のおかげで、争いは徐々に減っていった。そんな中、大量虐殺事件が起こり、新たなドレークとして、ヴァンパイア刑事のアブラハムが任命された。アブラハムは相棒のハミルトンとともに事件解決ために真相のカギを握る場所スプークタウンへ向かった。勇敢な二人が目の当たりにした事件の真実とは...。
幼なじみのはじめと勉強していた女子高生ひさきは今川義元の下にいる占い師に導かれて戦国時代に――。彼女を庇護してくれたのは、京の権力者・三好長慶。長慶を信じられず京の町に逃げたひさきは賊に襲われ…そんな彼女を偶然、助けた織田信長は瀕死の重傷を負う。天下を獲るはずの信長が死にかけて動揺するひさきは長慶に助けを求めた。長慶は信長の首に噛みつき…信長は吸血鬼として生まれ変わったのだった。
聖職者のレオンは、闇の城の城主・ルシフェル卿の手によって吸血鬼に堕とされた。人間に戻ることを餌に、試練に挑むが…。耽美にして暴虐、ヴァンパイアゴシックストーリー!!
真崎春望×新撰組×吸血鬼―――妖しくも艶やかなコラボレーション!連載雑誌休刊のため未完に終わっていた真崎春望の幻の傑作が、描きおろしを加えて15年ぶりに復刊!ふたりの美しい男たちが織り成す、激しく切ない物語。
大正7年、帝都。華族の血を引く女学生・瑠璃は、白鷺という名の美しい吸血鬼に血を吸われてしまう。変わってゆく身体、次々と起こる怪異。瑠璃は曾祖母の知り合いだという黒曜という名の吸血鬼に助けられるが…!?大正吸血鬼奇譚、開幕!
ワラキアの串刺し公といえば、様々な創作物に名を残す歴史上の有名人です。とはいえ、彼がどのような行為の結果、歴史に名を残したのか知っている人間は少ないのではないでしょうか(なんて書いている自分もその一人ですが) オスマンがヨーロッパ各国の脅威である時代、ワラキアという東欧の小国を護ろうと奮闘している君主。作中でヴラド三世は権力を確立するため、政敵に対して容赦しません。それは血生臭い粛清も辞さない「強い」為政者の姿ともなりますが、外患に対峙するために必要なことでもありました。 歴史上、虐殺を行った為政者の名前は悪名として残ります。時代や地域を越えて「ドラキュラ」のモデルという不名誉なイメージばかり語られるヴラド。この作品でどのように描かれるのか、続刊を楽しみにしています(異名通りの残虐行為の描写もあるので、グロが苦手な方はお気をつけ下さい)。