あんきらこんきら
あらすじ
人生が終わってゆくその前に、あなたは何を想う ──胸、締め付けられる読切作品。(ビッグコミックオリジナル増刊2020年1月増刊号)
ほしにねがいを
あらすじ
板一枚で閉ざされた部屋。きらめく俊才が描く家族の肖像。(ビッグコミックオリジナル増刊2019年9月増刊号)
まっどあんどわんだー
あらすじ
【ビッグコミック&ビッグコミックオリジナル 第8回合同新作賞 審査員賞+入選】UFOに憧れを抱く少年ワンダーは、偶然、宇宙人マッドの宇宙船に乗り込む。不時着した惑星で、宇宙征服を企む軍団に命を狙われることになった二人は…(ビッグコミックオリジナル増刊2022年5月増刊号)
みどり
あらすじ
こうして僕は、あの子と出会った。(ビッグコミックオリジナル増刊2022年3月増刊号)
ほるんはうしろになく
あらすじ
爽快読切!頑張って上手くいかないあなたへ——(ビッグコミックオリジナル2024年1月増刊号)
ほーたいとれたら
あらすじ
おしなべて、女子が男子よりとても大きい。…そんな世界はいかがなもの?(ビッグコミックオリジナル増刊2020年1月増刊号)
けいななひゃく
あらすじ
【第90回小学館新人コミック大賞 青年部門入選作】(ビッグコミックオリジナル増刊2022年9月増刊号)
おせろ
あらすじ
意味はまだ、あなたには言えない。(ビッグコミックオリジナル増刊2022年9月増刊号)
きょうのうりょくしゃのにちじょう
あらすじ
男は、力を得た。人生と世界を変えるほどの。『THE3名様』の作家が挑むSF読み切り!(ビッグコミックオリジナル増刊2021年3月増刊号)
ろすとねーむ
あらすじ
望んで手に入れた生活と、そこから知らず知らずのうちにこぼれ落ちたもの。(ビッグコミックオリジナル増刊2021年1月増刊号)
ゆびおりいくつも
あらすじ
一歩前に進むため、人は思い出の街に旅に出る———。(ビッグコミックオリジナル増刊2020年11月増刊号)
へんさちぎんがけいのぼく
あらすじ
小さな大きな岐路に立つすべての人へ。(ビッグコミックオリジナル増刊3月12日号)
久しぶりに帰省した主人公は東京で女芸人をしている。父と母は兄の子供である孫に夢中で、90歳を過ぎた祖母はボケてきていた。今現在の時間の流れを主人公の視点で語りつつ、そこにボケて子供に返った祖母の記憶と意識が混ざる構成。 祖母が子供だった頃の村では凶作で食うに困った人達が芸を見せて金をもらい歩いていて、同情した父親が彼らを家に泊めたが、翌朝に物が盗まれていたことがあった。主人公はパソコンの画面越しにネタ合わせしていた相方に「どうして里帰りしたの?」と聞かれ「自分は子供に返りたかったのだ」と気づく。子供に返ってしまった祖母と子供に返りたい孫。二人ともそれぞれの過去と現在のしがらみに苦しんでいる。 物語の最後で東京に帰ろうとする主人公を玄関先で呼び止めて「私からもらったと言うな」と祖母がお菓子を握らせる。おそらく祖母のボケた思考回路の中では、子供心に印象的だった貧しさから盗みをしてしまった人物達と、同じく芸をしている孫を混同しているが、この行為は祖母からの泥棒をしたあなた方を恨んでないというメッセージだと思う。主人公は自分が買ってきたお土産を渡してくる程ボケても子供のように可愛がってくれる優しい祖母だと感じている。 ある意味ここで意思のすれ違いが起きているけれど、同時に祖母も孫も救われている。そこに気づけるのは読者だけ、というのも面白い。 短編集『心臓』に収録されていた作品それぞれに登場したモチーフが数多く見つけられた。高野文子のオマージュのような表現もそう。今回の「あんきらこんきら」で一つの完成形に達したような感じがする。けれども奥田亜紀子の進化はまだまだ続くと確信を持てる傑作でもありました。