怪奇・ミステリーマンガの感想・レビュー3336件<<102103104105106>>人間のリアリティ刻刻 堀尾省太ニワカストーリーもさることながら、刻刻は人間の描き方がよかった。とくに家族側の俗物のお父さんが印象的だった。普通バトルものでは味方サイドの人間は成長する。それは大人でも、子供でも関わらない。良い見せ場を作り、退場したり、心を入れ替えたりする。しかし、お父さんは最後まで俗物のままである。 主人公や他の人物たちも成長というよりは、見えていなかった本質が徐々に見えてくるという形をとっている。この分かりやすい成長譚でないところが、自分には面白かった。ニートの翼が急に大活躍したりもしない。力を持っている人間が、ただ力を使う。 大きな出来事が起こるからといって人が変わったようになる、なんてことはなく、その本質が出る。そういう意味だとある意味リアルだなと思った。百鬼夜行シリーズのスピンオフ&名探偵・榎木津が主役百器徒然袋 志水アキ 京極夏彦マウナケアこんなふうに描かれると、榎木津って漫画チックなキャラということがよくわかりますね。原作は京極堂が活躍する「百鬼夜行シリーズ」のスピンオフで、名探偵・榎木津が主役の短編シリーズ。「百鬼夜行」がどっしりとした本格推理ドラマなのに対し、こちらはライトテイスト。そしてこの漫画版はさらにコミカル度がパワーアップしていて肩ひじ張らずに楽しめます。元子爵の父親からの依頼で砧青磁を探すことに…ということで、瓶や壺の分類など小難しい話もあるにはありますが、メインキャラの個性が思っていた以上に強調されていて、それを見ていると細かい話はどうでもよくなります。しょっぱなから「このぐぶぐぶ魔人!!」と言い放ってる榎木津をはじめ、へらへらしている益田君、眼を合わせたら殴られそうな木場刑事、まるで置きものみたいな古物商の今川。そして京極堂は額にしわを寄せて口をひん曲げ、不機嫌さを絵に描いたような感じ。そんな連中がわいわいと事件を片づける。名探偵とその下僕による「これぞ探偵活劇」という雰囲気がたまらないです。このバディは最高LIMBO THE KING 田中相starstarstarstarstar_borderさいろく腐女子じゃなくてもそう思えるであろう最高にわかりやすくド定番な組合せ。 そしてこの世界設定、展開の勢いに表現力、オノ・ナツメに似たここではないけど近いどこかの異世界感があって素晴らしくハリウッド的で本当に映画のよう。 ていうか映画化したらいいのにこれ。絶対おもしろいよ、何番煎じとか言われるかもしれないけど知ったことか。サイバーパンクとかスチームパンクとか未来系アニメとか電脳コイルとかが好きな人はきっと読むべき。 好き。殺し屋好きはマストバイだぞ!!!鈍色のカメレオン 春日井明ANAGUMA女殺し屋っていうのが最高なので 表紙のクソカッコよさに惹かれて買いました。 とりあえず言えることは ・ちゃんと凸凹の相棒が居る ・アクションがマジでウマい。銃撃戦超スタイリッシュ 以上でスコア200億点です。 ジョン・ウィックとかキングスマンの新しい雰囲気をまといつつ 時代設定がバブル期っていうこのギャップがイイですね…。 ユーレイ窓がとにかく怖い三宅乱丈作品集 ユーレイ窓 三宅乱丈nyaeこれ読んだのは結構前なんですが、表題作の「ユーレイ窓」がとにかく怖かったという記憶があります。それ以外の話がどんなだったか思い出せないほど。読み返せば良いんですが、ユーレイ窓が怖すぎてなんか読めない。 短編集ですが全部がホラーというわけではないです。ただこれだけは伝えておきたい。 ユーレイ窓はとにかく怖い。乙一 × 大岩ケンヂGOTH 乙一 大岩ケンヂマウナケア乙一の小説を「NHKへようこそ!」の大岩ケンヂがコミカライズした作品。ちょっと意外な組み合わせですが、端正な画風が暗く冷たい物語にはまっていて、見ごたえある作品に仕上がっています。異常殺人に興味を抱く「僕」と謎めいた黒髪の美少女・森野。2人が猟奇事件に遭遇し、巻き込まれた森野を「僕」が救出する、というのが基本の構造。しかしホラーの旗手・乙一が原作ですからありきたりのヒーロー活劇にはならない。やれ切断した手を集めるだの、生きたまま人間を埋めるだの、死体損壊だの…。そんな原作のグロ・イメージをクールに止め絵にして挿入。主人公たちには無理ない程度に現実感を追加し、全編に紅葉が舞うといった漫画ならでの演出もさらりと見せてしまう。乙一ファンの私にとって惜しいのは、原作にあった「犬」が漫画化されてないことですが、それを差し引いても合格点です。しかし「エース」の漫画ってこんなの多いですね。誰の趣味なんでしょうか。昭和30年代、巨匠たちによる幻の合作くらやみの天使 【石ノ森章太郎デジタル大全】 石ノ森章太郎 赤塚不二夫 いずみあすか(石ノ森章太郎) 水野英子 U・マイア(赤塚不二夫・水野英子・石ノ森章太郎)マウナケアそんじょそこらの企画物の合作とは訳が違います。本作の著者は水野英子、石森章太郎(当時)、赤塚不二夫の3人。頭文字のイニシャルを取って、ペンネームはU.マイア。内容は「死神の目」というダイヤにまつわる事件に巻き込まれた少女チコが、愛犬クロとネズミのシロ、そして家族とともに謎を解き明かすミステリーです。幻の作品といわれるだけあり、発表は昭和30年代初頭。さすがに絵柄や設定(パパが警察官、兄が新聞記者)に古臭さを感じるのはしょうがないところですが、テンポよく読めて3人で描いていることを全く感じさせません。これは絵が似ているということではなく、しっかり構成をして、それぞれの長所を生かして漫画にしているということ。秀作になるのは当然です。また何となくですが、楽しみながら描いているふうにも見えるんですよね。冒頭の事件の概略説明パートにチラッとU.マイア先生の自画像を描いているところとかも。これは誰のアイデアなんだろうw 巨匠の3人には失礼ですが、ちょっとほほえましく思います。 サガノヘルマーは、今、どこにいるのだろう。わんぱくTRIPPER サガノヘルマー(とりあえず)名無し…って、別にググればいくらでも現在のサガノヘルマー情報は出てくるのですがね。 しかし、どんなにググって「知識」を得ても、この奇才の掲載当時の衝撃度は、知らない人にはたぶん推測することもできないのです。 かつてヤンマガ本誌で、つまり、日本中のコンビニで誰でもごくごく手軽に買える媒体で、常軌を逸したエロとグロをまき散らしまくっていた異形の奇才が、今はほぼ忘れられてしまっているのに茫然とする。 このマンバでも、作品一覧に『BLACK BRAIN』がないのだから。ヤンマガで連載して単行本10巻とか出していたのに…。 まあ、それもしょうがないのか。 ヒドい(=凄い)漫画家だもんなあ。 今じゃあ絶対、一般誌に載せられないよなあ。ホントにヒドい(=凄い)もんなあ。 『わんぱくTRIPPER』は、サガノヘルマーのデビュー作です。 さすがにデビュー作だけあって、その資質が全開です。作者も編集部も、ほぼコントロールできてないです。ヒドい(=凄い)です。個人的には、ブラブレや後年の成年誌発表作より、イっちゃってると思います。 素晴らしいです。 駕籠真太郎とかがお好きなかたは、ぜひ。 これが、日本中で若者が読んでいた雑誌に載っていた時代があったんだなあ。 「僕は二十歳だった。それが人生でもっとも美しいときだなんて誰にも言わせない」 ポール・ニザン まあ、少なくとも毎週サガノヘルマーを読んでたのが二十歳頃だったら、そりゃあ美しくはないよなあ。ヒドい(=凄い)よなあ。天才小説家・野崎まどが放つ極上の絶望バビロン 野崎まど 瀧下信英mampuku 伊藤計劃や虚淵玄、冲方丁らに比肩しうる「天才」野崎まどが放った"読む劇薬"こと超問題作『バビロン』シリーズ。原作小説は現在3巻までリリースされています。極めて理性的な論理展開によって人類・社会に「問い」を投げかけ、しかしその裏では巧みな伏線や布石によって読者の感情を手玉に取りやがて絶望と恍惚へと引きずり込んでいく。 地獄のような物語を書く、悪魔のような作家です。 とりわけバビロンのヒロインにして悪役(ヴィラン)である「曲世」は、これまで出会ったことのあるあらゆる悪役の中でもとびきり極上の絶望でした。 「だれでもいいから、早くこの化け物を撃ち殺してくれ」と願わずにはいられない。 【上巻読了時点の感想】 コミカライズ版もよくできてはいるけどもともと上下巻に収まるようなスケールの話ではないので結果的にはやはり超駆け足です。 原作小説を読み、賞賛し、胸糞悪くなり、反芻し、後悔し、やがてまた身体が「バビロン」を求めだすのでそうした頃にコミック版を手に取るのをおすすめします。 ※追記 ↑やっぱりおすすめしません。下に続きます秀逸な和風ファンタジー夏目友人帳 緑川ゆきとある少女漫画スキー平凡な高校生の男の子が、常識はずれな妖怪に振り回されつつも、少しずつ成長していく姿に胸を打たれる。 妖怪たちはときに恐ろしく、ときに人間よりもピュアな心を持っていて、どうにも憎めないキャラばかり。 特にマスコット的ポジションのニャンコ先生はとても可愛くて、グッズがたくさんつくられるほど人気が出るのも納得。 15巻のエマとノーマンの議論約束のネバーランド 白井カイウ 出水ぽすかtaiki※ネタバレを含むクチコミです。ショートショート漫画といえばいいのか一万十秒物語 倉多江美starstarstarstarstarマンガトリツカレ男シリアスな話だったりギャグだったりといろんな種類のすごい短い短編がまとまっていてる作品集。正直よくわからない内容もあるけどまあこれはこれでいいなと思いながら読めて面白い。寝る前に読むのが最高だな 稲垣足穂の一千一秒物語がタイトルの元になっているのかなわかりやすくおもしろい神さまの言うとおり FROM THE NEW WORLD 金城宗幸 藤村緋二名無し誰がなんのためにとか難しく考えなくてただ理不尽にあってそれに対し立ち向かっている感じが読みやすくて面白い。 律儀で骨太な演出宗像教授伝奇考 星野之宣影絵が趣味何を隠そう、影絵が趣味さんは、この宗像教授シリーズが大好きで大好きで仕方ありません。「なんでそんなに好きなのか」という問には、とにかく面白いからとしか応えようがないんですが、同じく手塚賞でデビューしていらい盟友として、あるいは切磋琢磨するライバルとして星野之宣と並べられることの多い諸星大二郎、彼のマンガも大好きなんですが、同じ民族学を題材にするマンガ家同士といっても好きの種類がどうも違うような気がするんです。 諸星大二郎はすっとこどっこいといいますか、あの無茶な演出がバカバカしくて好きなんですけど、星野之宣はというと、ひたすら律儀で骨太な演出を淡々と積み重ねてゆく。たぶんそこが好きなんですね。宗像教授シリーズは短編連作としてかなりの巻数を重ねていますが、毎回〃〃もの凄く面白いものを読んだなぁと深い後読感が残るんですけども、何を読んだのかと言われるとアレ? となってしまう。というのは内容が伝綺とか伝説だからなんでしょうけど、読んでいるあいだは律儀で骨太な演出に引き込まれて興奮しながらページを捲ってしまうんですね。これがもの凄い。 諸星大二郎については語ろうと思えばいくらでも語ることができると思うんですが、星野之宣はというとこんなに面白いのに何故か口吃ってしまうようなところがある。これがいつも不思議なんです。ひょっとすると星野のマンガはある種の透明性に達しているのかもしれません。音楽に賭ける夢Blow Up! 細野不二彦マウナケア主人公はミュージシャン。サックスで身を立てようとする青年のお話です。主人公を含めた音楽に携わる者たちの置かれた状況をうまくとらえて、彼らの音楽に対するスタンスの違いでストーリーを構成。うまいだけのスタジオミュージシャン、最後のチャンスに賭けるベーシスト、親の七光りのアイドル…。埋もれるのかのし上がるのか、それは技術だけじゃないし心意気だけでもない。自分の才能を信じて道を進むその悲喜こもごもが伝わってきます。それで、夢の途中というより苦労の途中、で終わってしまうのが何とも切ない。このラスト、決してHAPPYじゃないと思うのですが…。苦労してる知り合いを見ているせいで、深読みしすぎてますかね。だんだん理解が追い付いて、だんだん面白くなる虚構推理 城平京 片瀬茶柴mampuku ファンタジーとミステリーは相いれないと思われがちだが案外そうでもない。米澤穂信の『折れた竜骨』は中世欧州は海賊の時代が舞台のローファンタジーで、魔法ありバトルあり殺人事件の謎解きありのなんでもありなのに美しくまとめられており、魔法も込みで見事な推理で事件解決してみせている。世界のルールや常識を読者に押し付ける「説得力」とか「強度」が凄いのかもしれない。この『虚構推理』もそのような意味では面白いリアリティを持っている作品だと思う。 妖怪や幽霊のような存在と密接に関わり合いながら、都市伝説じみた事件を解決していく伝記ファンタジー。謎解きモノとして読者が掴まっていられる拠り所となるリアリティの線引き(世界観の輪郭みたいなもの)が1巻2巻と読み進めていくうちに徐々に鮮明になっていく。 たとえば、第1章『鋼人七瀬編』の1巻で登場する怪人「鋼人七瀬」は、それまでの流れ的になんとなく異物感があって腑に落ちない感じがするが、登場人物の思考や「七瀬」への感じ方を通して読み手が抱く「七瀬」に対する違和感の正体がだんだんわかってくる。これがなんとも快感なのだ。 本編には関係ないが、裏表紙の紹介文が1巻では「伝記×ミステリー」だったのが2巻で「伝記バトル」、3巻では伝記ミステリーに戻っている。変遷に意味はあるのかないのか・・・ 本当の意味での成人向け漫画快楽の罠 TB Production名無し絵のタッチが所謂、萌え系でないのがまず良いです。 絵がそっち系で、冴えない主人公がやたらとモテて、 読んでるだけで気恥ずかしくなってしまうような作品は巷に溢れていますが、 本作はそういった要素がありません。 ストーリーもシリアス感があり、大人の読者を引き込みます。 30代以上、上質な官能小説のようなエロスティックな作品を求めている人にお薦めしたい作品です。ほのぼのミステリー鎌倉ものがたり 西岸良平マウナケアほのぼのミステリー…って、矛盾しているとは思いますが、この作品を形容するにはほかに適当な言葉がみつかりません。主人公は推理作家の一色正和と童顔の妻・亜紀子。二人が地元・鎌倉で起こる怪事件を次々と解決する…ことはするのですが、う~ん、やたら人が死ぬにも関わらず、その内容にほんわかとしてしまうといいますか。だってあまりにも舞台仕立てが現実離れしすぎていて、脱力してしまうんですもの。坊主の身代わりをする狸や霊が乗り移って尋問をする刑事が出てきたり、つぶれた映画館が週末になると復活していたり、遺産が気になって生き返るお婆さんとかサーフィンをする鬼だとか、もう何でもあり。また鎌倉という土地もこれらとほどよく馴染む。古都であり、高級住宅地もあり、外国人も多く、かつ古戦場でもある街。浮世離れしたイメージがありませんか。うん? やっぱりミステリーじゃなくて、ファンタジーなのかな? まあ読んで判断してください。真の自己を実現する者の旅ア・ホーマンス たなか亜希夫 狩撫麻礼starstarstarstarstarマンガトリツカレ男あらすじも正しいのですが、全く内容の本質には触れていないです。 ア・ホーマンスとは、真の自己を実現する者の旅のことをさします。 記憶喪失の男が、自分の正体を知りたくもあり知りたくもない状態で始まり、生まれ変わるいいチャンスだということで最終的には「真の自己を実現する者の旅」出るところで終わる。 狩撫麻礼っぽい台詞が出まくるので好きだけどもう少し続いてほしかった部分もある。 いまだに気になっているのは、松田優作がこれを映画化しているんだがその際に、マンガの中のある一コマを指差し、「主人公のこの表情を映画にしたい」ということ始まったのだが、どのコマなのかが気になって仕方がない。 つのだじろうのオカルト・ロマン短編集ときめきの墓 つのだじろうマウナケアオカルト系の漫画?と思わざる得ないタイトル、そしてハート型の窓?からのぞく死霊に顔を寄せる女性という表紙。そんな唯一無二のセンス漂うこの作品の内容は?といえば、男女の恋愛にちなんだオカルト短編集、がその正体。そのまんまといえばそうだし、想像できないといえばそうだし、う~ん。アノ最中に物が壊れる映像を思い浮かべる女性やストリッパーの控室での出来事など大人向きの表現が多く、恋愛話が中心なのでこのあたりが”ときめき”なのでしょう、きっと。じゃあ”墓”はどこかというと、必ずといっていいほど人がお話の中で死んでいる、ことからではないかと。まあ、これは単なる私の思い込みなのですが、内容的に実話に基づく話と思っていたら「本当にあってもおかしくない」と教訓じみたオチであったり、双子の同一性の謎解きかと思えば復讐譚であったりと、タイトルの意味以外でも幻惑されっぱなし。これはこの本に目を止めた時点で、著者の特異な世界観に捕らわれてしまったのかも。どうかみなさんは惑わされないように。オカルトミステリーの金字塔エコエコアザラク 古賀新一マウナケア私が少年のころ、まわりはオカルトに満ちていたように感じます。「オーメン」「ゾンビ」「エクソシスト」「サスペリア」「マニトウ」という映画を劇場で見た記憶がありますし、江戸川乱歩や横溝正史の小説が手に届くところにありました。また、テレビでは夏になると「あなたの知らない世界」を昼間から放送していましたし、漫画も日野日出志に楳図かずお、つのだじろう、古賀新一のホラー作品をよく読んだものです。こうして挙げてみると壮観ですね。ただ、本作はここにあげた中でも別格。恐怖というより得体のしれない未知の世界を教えてくれた存在でもあるのです。主人公は女子中学生。この黒井ミサという主人公が魔女という噂通りの魔性を備えた女。気に入らないものには容赦なく、死かそれと同等のことで罪を償うことになるという妖しげなダークヒロイン。加えて魔術や呪文、黒ミサなど世界の闇を教えてくれる訳ですから、思春期の精神には蠱惑的でした。今読んでもそのころの刺激的な出会いを思い出してしまう貴重な作品です。どんでん返しにつぐどんでん返しモンキーピーク 志名坂高次 粂田晃宏名無し人間の怖さと闇がわかる漫画 まさかまさかでまさかの展開。 どんでん返しとはこのこと。 ヤマシタトモコの短編うますぎる運命の女の子 ヤマシタトモコ名無しヤマシタトモコの短編うますぎる 二人芝居がうまいというか、それでいて1話で最終的に予想外に持っていくのがうまい! ヤマシタトモコ作品の作中でよく「耳の後ろでドクドクと血が流れる」というモノローグがあります。 すごく激昂したり興奮した主人公が何かをする前、ものすごく感情が高ぶっている描写。 この表現好きなんですよね。 あと女性の少し狂った妖艶に笑むバストショット。 ペラりとページめくったあとこのバストショットあるとああ〜やっぱヤマシタトモコ好きだな〜と思ってしまいます。 足首が太いとか女性の皮肉にもリアルな部分の描写、他人に対してすごく本音で会話して接する描写。 女性描かせたらヤマシタトモコ以外にうまい人はいないな、と。 よく観察してる…ちょっとゾッとするくらい。 そこがくせになるんですよね…パソコンの勉強に役立つかもBLOODY MONDAY ファルコンのコンピュータ・ハッキング FALCONマウナケアコンピュータの扱いについては疎い方です。用語の使い方も、最近までハッカーとクラッカーをごちゃまぜにしていたりして恥ずかしい限り。で、これではいかん!と一念発起して勉強しようと思っていたら、意外に身近なところにこんな良い本がありました。漫画の『BLOODY MONDAY』のスピンオフとでもいうべきこの作品は、ファルコンこと高木藤丸が著者という設定。パソコンに興味をもった人が、ハッカーへの道を歩むことができるよう、基礎的なことから最新のパソコン・ネット事情などをわかりやすく解説してくれる読み物です。一歩目はパソコンの構造や歴史から。次に用語を学び、システム、ネットへと話題は高度化していくのですが、扱っていることが一般的になっていることばかりなので特に抵抗感はなく、するっと頭に入ってきます。本来は元ネタ同様、中高校生向けなのかもしれません。ですが、いまさら聞けないことの多い私のような中高年こそ読んだ方がいいのかも。<<102103104105106>>
ストーリーもさることながら、刻刻は人間の描き方がよかった。とくに家族側の俗物のお父さんが印象的だった。普通バトルものでは味方サイドの人間は成長する。それは大人でも、子供でも関わらない。良い見せ場を作り、退場したり、心を入れ替えたりする。しかし、お父さんは最後まで俗物のままである。 主人公や他の人物たちも成長というよりは、見えていなかった本質が徐々に見えてくるという形をとっている。この分かりやすい成長譚でないところが、自分には面白かった。ニートの翼が急に大活躍したりもしない。力を持っている人間が、ただ力を使う。 大きな出来事が起こるからといって人が変わったようになる、なんてことはなく、その本質が出る。そういう意味だとある意味リアルだなと思った。