怪奇・ミステリーマンガの感想・レビュー3336件<<103104105106107>>ホラー雑誌ハロウィンの時代から続く、息の長いシリーズ呪いの招待状 曽祢まさこマウナケア10年の寿命と引き換えに憎い相手を呪殺する呪術師カイと人形のマリー、そしてカイの影である黒猫の物語です。さすが長編だけあって主要人物?のキャラはしっかり確立されていて、カイは依頼人の心の闇をすくい取るクールな男、生きる人形であるマリーはときにはコミカル、ときには女の子らしくカイに近づく女性に嫉妬してみたりとなんともかわいらしい。また黒猫は隙あらば主体のカイを喰ってしまおうという野望の持ち主。オーソドックスな少女向けホラーのイメージがある著者ですが、本作では長年積み重ねてきた彼らの個性が非常に浮き出ていて、人間ドラマの要素が色濃く出ているところに好感が持てます。この著者が伊勢の出身ということを知ったので、調べてみたら妹も漫画家の志摩ようこ。地元民なら、曽祢と志摩と聞いてピンとくるかと思いますが、姉妹とも出身近くの地域名からペンネームをとっているわけですね。話の盛り上げ方が上手い。少年の町ZF 小池一夫 平野仁マウナケア東京の空に謎の発光体(=UFO)が出現。これを目撃した11人の少年達はその発行体を追い、高陣山へ向かう…。こんなオーソドックスな導入部にも関わらず、続く話の盛り上げ方の上手さにびっくりしてしまいました。ピクニック気分の探索から場面は一転、どしゃぶりの雨の下に笑い声とともに佇む美少女が…、と、きたらもうこの先が気になって仕方がない。うまく書けなくてもどかしいですが、対比のさせ方と波紋の投げかけ方が絶妙で、ドキドキ感が途切れないんですね。少年達の中にひとりだけ謎の美少女を入れ、冷静沈着なリーダーにはライバルの野性味あふれる少年を絡ませる。そしてそのリーダーにも本能的な面があることを描写。敵は神のようでもあり悪魔のようでもあり、精神的に少年達を追い詰めていく。これらのエピソードを積み重ねることにより、キャラの特徴はどんどん際立ち、サスペンス要素はますます深まっていきます。さすがに名作といわれることはありますね。これを読んだら昨今のパニックSF漫画って、亜流にしか見えなくなってしまうなあ。メモ的にモンキーピーク 志名坂高次 粂田晃宏名無し※ネタバレを含むクチコミです。地獄でメスがひかる地獄でメスがひかる 高階良子名無し美しいカラダと顔に生まれかわったひろみ💎 ではあるがココロは【弥生ひろみ🐉】のまま 医学の発展のためと先駆者になろうとする医師 巌俊明の野望 子供にはちと刺激が強かったのをおぼえている 復活!ふらんの続編フランケン・ふらん Frantic 木々津克久名無し祝1巻発売! 1巻には1~3話が収録。 その他に読切作品である、前作とのコラボ作品「フランケン・ふらん対開田さんの怪談」、 田舎で暮らす女の子2人が不思議な事件に巻き込まれる「アリスとうさぎの儒艮事件」「アリスとうさぎの犬権問題」を収録。巻末には「フランケン・ふらん Frantic」3話の後日譚となる描き下ろしの3.5話が収録。 連載&単行本の感想や、前作から続く伏線の書き込み求ム。 ※最新のチャンピオンRED連載の感想がメインなので、単行本派の人はネタバレに注意してください。 小説版、映画版を見た上で、漫画版の良いところを。告白 湊かなえ 木村まるみマウナケア近年はメディアミックスにアニメやマンガが加わることも増えてきました。漫画の表現力も小説や映画と遜色ないほど成熟してきたということなのでしょう。この漫画もそんなメディアミックスのひとつ。ベストセラー小説をオリジナルに映画化もされた作品です。で、私はこれらを全部見ました。そして思ったのは漫画版には絵として誇張される怖さがある、ということでした。小説は目に見えないが故に衝撃があり、映画版は役者が演じる生々しさがあります。対して漫画は、作画者が強調すべき部分を、どこにも存在しない絵にして見せることができる訳です。女教師・森口の魂の抜けた視線や、理屈を並べて自己正当化しようとする少年少女の姿。これらは実際ありえないけどシンボル化された絵としてある。だからこそ、悲しみや苦しみが誇張されるのではないでしょうか。あと必見は原作と違うラスト。小説や映画でもできる手法ですが、このオチの付け方は作画者のクリエイターとしての力量だと思います。月刊誌へ移籍した第7部ジョジョの奇妙な冒険 第7部 モノクロ版 荒木飛呂彦マウナケアこの作品がスタートしたとき真剣に”あっ、こんなにうれしいことだったんだ”と思いました。当時はずいぶんやきもきしたことをおぼえています。この前のシリーズである『ストーンオーシャン』が連載誌での立ち位置を微妙にしたまま、これまでのシリーズの流れをぶっ壊した形で終了し、新章スタートまでずいぶん間が空いたんですね。次はジョジョじゃないかも?なんて噂もあったり、また連載が再開してもしばらくは正式に第7部とは謳ってくれず、実質7部のようなものというアナウンスがあり、落ち着いたかなと思ったら掲載誌移籍。いや打ち切りのピンチか?とドキドキものでした。ただこの月刊ペースへの移行が結果的に良かった。いいタイミングだったなと思います。アメリカ大陸横断レースがメインで、舞台も砂漠に草原、山、海、都市と次々変わり、スタンド以外に回転という概念も導入。バディものであり師弟ものでもあり、そして宗教的な謎が絡むといった壮大かつ挑戦的な内容。月刊誌のボリュームが見事にハマった。個人的に一番好きなシリーズです。 ありがちだけどLAND LOCK 小田原愛やむちゃ法律が変わって、無人島みたいなところに飛ばされて、周りは犯罪者ばっかりで…って何度か見覚えあるんだけど…この漫画は絵がちょっと綺麗な感じですね。フルカラーだし。 あと敵であろう錦豪のかっこよさも良い。 極寒というのも、逃げてるだけじゃ死ぬやつなのでサバイバルとしてはいいですね。まだ1巻しか読めてないけどちょっと気になる漫画です。摩訶不思議な山の体験談山怪 五十嵐晃 田中康弘starstarstarstarstarひさぴよ現代版「遠野物語」というキャッチフレーズで、ベストセラーとなった「山怪」(さんかい)の漫画版。 表紙の左下にいる狸がなんともかわいらしいです。墨絵の素朴なタッチが原作の味わいを再現していて、名前も付けられてないような“得体の知れない何か”を描くにはピッタリの手法かと。(ある意味、マンガの原点回帰です) 一つ一つのエピソードは、ゾッとする怖い話もあれば、「え?ここで終わるの?」という投げっぱなしオチも多いのですが、現代に起きた話がほとんどなので、古くから語り継がれてきた民話や昔話のように完成度されていません。原初の体験談のようなものです。それだけに、より身近でリアルさを感じてしまいます…。しょせん、物語の完成度なんてものは、人の理解できる範疇の事でしかないのかもしれません。木村直己の初期短編集さよならインプ 木村直巳マウナケアデビュー作「最後の妖精」を含む、木村直己の初期短編集がこれ。「監察医朝顔」や「天涯の武士」など、青年誌掲載の木村作品を読んだことのある人には、あまりに現在と作風も絵柄も違うことに、ちょっとした驚きを感じると思います。この本に収められているのは、すべてSFファンタジー。そして絵柄は手塚治虫や石ノ森章太郎に近い、柔らかなタッチ。漫画家の絵柄は、何年も描き続けていくうちに変わってくるものですが、それにしても現在と比べるとまるで別人のよう。また一方ではそれ以外の絵も描けるんだといわんばかりの、劇画タッチの作品「小雪鬼」なんて作品もあり、将来花開く才能の片鱗も見受けられます。これら5編の短編が中学三年から高校三年の間に発表され、単行本にまとめられていたということにもびっくり。木村直己という漫画家に興味をもった人は、一度読んでおくべきかと思います。 煽り文が怖い恋の罪 如月芳規mampuku※ネタバレを含むクチコミです。ゾンビはエモいゾンビ少年と殺人鬼少女 田村ゆうきたか人を切り刻みたくてしょうがない衝動を抱えて生きる優等生の女の子と、ある日ゾンビになってしまい異臭を気にして公園でコソコソ生きる男の子の話。 も〜〜!!このあらすじだけでエモい…!! 死なないゾンビと殺人衝動。 まさに破れ鍋に綴じ蓋の関係性…!! 決して死なないゾンビ君だけが、彼女の殺人鬼としての性を受け止めてあげることができる…! そして、異臭を放ち、切り刻まれては縫われツギハギだらけで人混みに行けない(と強く思っている少年の慎ましさ、健気さがたまらない…!)少年を受け入れてあげられるのは、少女だけ………!! 積極的に迫るヒロインと、元は快活だったろうに自分の臭いに劣等感と羞恥心で奥手な少年。 同じ時を重ねるに連れ、二人は互いを強く必要とし合う。 ひゃ〜〜!尊い……無理……。 サディスティックで猟奇的なゾンビの恋(全2巻)にキュンキュンしてください!!神社のご神体である海人の卵を巡る物語海帰線 今敏マウナケア多くのすばらしい作品を世に送り出し46歳で唐突にこの世を去ってしまった今敏。そんな彼が本格的にアニメ制作に進出する前、漫画を描いていた時代の作品です。リゾート開発に揺れる海辺の町。その町に住む開発推進派の神主の息子と、神社のご神体である海人の卵を巡る物語です。絵柄は漫画の師である大友克洋に酷似。細部にこだわり、コマを細かく割って大ゴマを極力抑えるタメのある構成は、ムービーカメラを通して見たような立体的雰囲気があります。また彼の作品の多くに見られる日本の風景や風習が丁寧に描写されていて好感。宮崎駿の「風の谷のナウシカ」のように、アニメと並行して漫画を描いても、良い作品が生まれたんじゃないかな、と思います。やっぱり、死ぬには早過ぎですよ…。 相性抜群!パノラマ島綺譚 丸尾末広 江戸川乱歩マウナケア相性抜群とはまさにこのことですね。幻想的かつ蠱惑的な江戸川乱歩の原作にいつもよりエログロを抑え気味にした丸尾末広の作画。奇跡のコミック化!という表現に偽りなしです。でも、もっといえば奇跡なのはコミック化されたことだけではなくて、この原作を漫画ならではの描写で昇華させて、空想するしかなかったパノラマ島を具現化させたことだと思うのです。原作にある「上下左右とも海底を見通すことのできるガラス張りのトンネル」や「空を打つかと見える絶壁」など、現代の技術ならば容易く映像化できますが、ここに「日夜をわかたぬ狂気と淫蕩、乱舞と陶酔」をどう織り込ませるのか。映像だとギラギラと生々しい作品になってしまうことでしょう。それが丸尾作画だとしっくりきます。大正浪漫風の作画を下地に、彫刻や滝、裸の男女の営みなどを大スケールかつ精緻に描写し、墓場で歯を抜く場面やフリークス的な表現をオリジナルで加えていく。美しくもあり醜くもある、そんな楽園世界を誕生させているのです。私、原作の初読は10代のころでした。以来、長年もやもやと想像していたものの真の姿がこの漫画にあります。栗本ミステリーの漫画版名探偵伊集院大介 鬼面の研究 栗本薫 まんだ林檎マウナケア幅広いジャンルで活躍した栗本薫原作のミステリー。伊集院大介を主人公とした人気シリーズの長編の漫画化です。私が知らないだけかもしれませんが、栗本ミステリーの漫画版ってあまり見かけたことがなくて、長年のファンとしては原作を尊重しているか一抹の不安がありましたが、これがなかなかのもの。事件現場や関わる人間の描き方が丹念で、原作の雰囲気を心得た作品になっています。細部まで描き込まれた人里離れた集落と繊細なタッチの人物とのコントラストも、非常にこの原作にあっているのではないでしょうか。ただでさえ、落人、日本の秘境、九州の山奥とアイヌ人、独特の風習、たたり、嵐の山荘、とただでさえおどろおどろしくならざるおえない状況がてんこ盛り。その中、伊集院やカオルはそのシンプルな描写ゆえに部外者的な感覚が常にあって、事件の本質を冷静に追っていける、という感じ。適度に漫画的な小説家と探偵のコンビ、という設定も良いアクセントになっています。まあ、あまり書くとネタばらしになるので、あとは見てのお楽しみということで。ヤダなー、こわいなー稲川淳二のすご~く恐い話「血を吐く面」 稲川淳二 (C)株式会社ユニJオフィース 瀬河美紀マウナケアあたしねぇ~こう見えて、稲川怪談っていうんですか、好きなんですよ、ええ。毎年ライブをやってるでしょ? おっかねえなぁ~なんて思いながらも、つい行ってしまうんだなぁ。でね、帰ってきて、何かおかしい……、て感じることがある。でもってよーく考えると、語りに熱中していて、ちっとも細かいところを覚えてないんだ。怖かったことは覚えてる。でもそれがどんなものだったかはまるで覚えてない……。でもねえ、これが漫画だと違ってくるでしょ。ほら、この「血を吐く面」。なんだかなぁ~オチまんまだったりするわけなんだけど、このお面の絵みたらば、あーやなもの見ちゃったなぁってなるでしょ。実はあたし、同じ内容の違う作家さんの作品を見たことがある。ところがこれがダメなんだ。まるでお面が××そのまんまで、思わずよせや~い、って叫んじゃいましたよ。ええ。あたし、ここでピーンときたんですよ。この作家さん、瀬川美紀さんの絵って、怪談向きなんだなぁ、って。ねぇ。そんな貴重な体験を夏の終わりにさせてもらいました……。はい。 ゲスで汚いデスノート天才子役、誘拐される 日高トラ子たかネットの広告で見て、単行本発売を待てずにコイン買って全部読んでしまったほど引き込まれた作品。主人公の親父が汚い夜神月って感じでとにかく最高だった…! 主人公の天才子役・シズマ(11)は仕事帰りに2人組の誘拐犯にさらわれ暴行を受ける。誘拐犯たちは有名プロデューサーであるシズマの父に身代金を要求するのだが、なんと父は国民から身代金を集めるため、監禁中のシズマや身代金の受け渡をテレビで配信することを犯人たちに提案。 シズマはテレビ越しに会見を見て父の意図を汲み取り絶望するが、生きて外へ出るために知恵を振り絞る…というあらすじ。 監禁している男の1人、シズマを性的な目で見て手を出そうとしてる男は当然カスなんだけど、もう1人のやつは必要以上にシズマを害したりしないため、読んでいるうちに不思議と良い奴に見えてくる。「ストックホルム症候群ってこんな感じなんだろうな…」と勉強になった。 そして**この作品の見所は、なんと言っても息子を金づるとしか見てない父親。**多少は親として子供への罪悪感や情があるだろうという、こちらの期待を見事に裏切ってくる**底なしのクズ。** 話が進むにつれて、金を稼ぎたい父となんとか脱出したいシズマが、それぞれ知恵を巡らせる姿はデスノートを彷彿とさせます。デスノに比べて果てしなくゲスで汚いですが…。 個人的に、セリフの言い回しや言葉選びが非常に自然かつゲスなところが素晴らしいなと思います。 可愛い美少年が酷い目に遭うところが見たい人はぜひ…! https://www.mangabox.me/reader/97234/episodes/大味なんだが魅せてくれる漫画DIRTY~ダーティー~ 天王寺大 富沢順名無し原作が「ミナミの帝王」「白竜」などの天王寺大先生。 絵が「企業戦士YAMAZAKI」などの富沢順先生。 天王寺先生の作品って自分の印象としては インパクト重視で細部はちょっと、という感じ。 えーあれはそのままでそっちにいっちゃうの? みたいな展開を感じる部分があったりする。 しかし「ダーティ」はそういう天王寺先生のストーリーと 富沢先生の絵とが上手くあっている。 結構、荒い話を絵が上手く動かしていくというか、 ここを抑えておかないと理解できなくなるよ、 という点はわかりやすく絵にしていて、 そこは深く考えたら楽しめないよ、 という点はスッと流している感じがする。 いい意味で細部のアラが目立たない。 なので話の途中でテンションが落ちたりしないで 一区切りするまで読ませる力が ある話になっていると思う。 細かいアラ捜しをしたら出ないわけじゃないので 奥が深い作品だとかは言い難いのだが 大味なんだけれど面白いというか面白く読める漫画だ。 悲劇とキセキから始まる、京都が舞台のゾンビアクションシカバナ―はな、したい、こと― nojo 門里慧名無し※ネタバレを含むクチコミです。 面白い!約束のネバーランド 白井カイウ 出水ぽすか名無し先が全く読めません! ハラハラドキドキしながら最新話まで読みました。押切ワールド全開の脱力ホラーギャグ!でろでろ 押切蓮介猫あるく押切先生の絵はなんだかあったかくて読んでると楽しい気持ちにさせてくれる。ゴリゴリのギャグマンガだけどたまにちょっとキュンとさせられたり、大事なこと言っていたりと何かと忙しいドタバタ感が楽しい。そして犬が全漫画の中で最高に可愛い。もっと続いてほしかった拷問トーナメント 高遠由子 アオイセイ十六夜咲夜つまんねとか言う人は見ない方がいいと思う。普通に面白いです。エロいし過激なシーンが多いけど。 逆にこれで完結なのが…もっと続いてほしかった。 震災後の「スカイハイ」天間荘の三姉妹 スカイハイ 高橋ツトムナベテツ想像を絶するような災害に遭った時、創作者はどんな言葉を紡ぐことが出来るのか。東日本大震災の後、多くのクリエイターが様々な表現で向き合いましたが、この物語もそんな状況と対峙した作品の一つです。 この作品の前に描かれた「ヒトヒトリフタリ」の基底に感じられたのは怒りと前に進む意思でしたが、本作はより深い哀しみと、前を向く希望でした。 作者の代表作の一つであるスカイハイシリーズの中で、本作は恐らく最も広範な読者に受け入れられる作品なのではないかと思います。 自分の好きな劇作家の鴻上尚史さんの文章に、「現実の出来事に対して、演劇は無力であり、涙の根元の原因を無くすことは出来ない。ただ、その涙をそっと拭うハンカチのような作品になれば幸いです」といった主旨の言葉があり、この作品にもそんな想いが感じられました。 災害で辛い気持ちを抱えている人の現実に、何か出来ることがあると思うほど傲慢ではありません。ただ、自分のいる所で日々出来ることをする。他者に想いを馳せる想像力のきっかけにとなる作品の一つなんじゃないかと思っています。面白い!約束のネバーランド 白井カイウ 出水ぽすか名無し先の見えない展開がすごく面白いです! 毎巻ハラハラしながら読んでます!<<103104105106107>>
10年の寿命と引き換えに憎い相手を呪殺する呪術師カイと人形のマリー、そしてカイの影である黒猫の物語です。さすが長編だけあって主要人物?のキャラはしっかり確立されていて、カイは依頼人の心の闇をすくい取るクールな男、生きる人形であるマリーはときにはコミカル、ときには女の子らしくカイに近づく女性に嫉妬してみたりとなんともかわいらしい。また黒猫は隙あらば主体のカイを喰ってしまおうという野望の持ち主。オーソドックスな少女向けホラーのイメージがある著者ですが、本作では長年積み重ねてきた彼らの個性が非常に浮き出ていて、人間ドラマの要素が色濃く出ているところに好感が持てます。この著者が伊勢の出身ということを知ったので、調べてみたら妹も漫画家の志摩ようこ。地元民なら、曽祢と志摩と聞いてピンとくるかと思いますが、姉妹とも出身近くの地域名からペンネームをとっているわけですね。