10年の寿命と引き換えに憎い相手を呪殺する呪術師カイと人形のマリー、そしてカイの影である黒猫の物語です。さすが長編だけあって主要人物?のキャラはしっかり確立されていて、カイは依頼人の心の闇をすくい取るクールな男、生きる人形であるマリーはときにはコミカル、ときには女の子らしくカイに近づく女性に嫉妬してみたりとなんともかわいらしい。また黒猫は隙あらば主体のカイを喰ってしまおうという野望の持ち主。オーソドックスな少女向けホラーのイメージがある著者ですが、本作では長年積み重ねてきた彼らの個性が非常に浮き出ていて、人間ドラマの要素が色濃く出ているところに好感が持てます。この著者が伊勢の出身ということを知ったので、調べてみたら妹も漫画家の志摩ようこ。地元民なら、曽祢と志摩と聞いてピンとくるかと思いますが、姉妹とも出身近くの地域名からペンネームをとっているわけですね。
死ぬほど憎い相手がいるなら、呪術師のカイを訪ねてごらん。たった10年の寿命と引きかえに、おまえの望みをかなえてくれる…。収録作品:迷宮の少女/スイートホーム・ララバイ/マリーちゃんの時間最初の対決
死ぬほど憎い相手がいるなら、呪術師のカイを訪ねてごらん。たった10年の寿命と引きかえに、おまえの望みをかなえてくれる…。収録作品:迷宮の少女/スイートホーム・ララバイ/マリーちゃんの時間最初の対決