10年の寿命と引き換えに憎い相手を呪殺する呪術師カイと人形のマリー、そしてカイの影である黒猫の物語です。さすが長編だけあって主要人物?のキャラはしっかり確立されていて、カイは依頼人の心の闇をすくい取るクールな男、生きる人形であるマリーはときにはコミカル、ときには女の子らしくカイに近づく女性に嫉妬してみたりとなんともかわいらしい。また黒猫は隙あらば主体のカイを喰ってしまおうという野望の持ち主。オーソドックスな少女向けホラーのイメージがある著者ですが、本作では長年積み重ねてきた彼らの個性が非常に浮き出ていて、人間ドラマの要素が色濃く出ているところに好感が持てます。この著者が伊勢の出身ということを知ったので、調べてみたら妹も漫画家の志摩ようこ。地元民なら、曽祢と志摩と聞いてピンとくるかと思いますが、姉妹とも出身近くの地域名からペンネームをとっているわけですね。

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OH!離婚家族

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幼いころに両親を亡くし、叔母の家で暮らすジュリアは、公園で、寄宿学校に通う少年アローと出会う。互いに惹かれあう二人だったが、アローの病弱な美しい母は、彼に異常な執着を示し、決して彼を手放そうとしないのだった。家に呼び帰らせられたアローを追って、ジュリアは氷と雪に閉ざされた街へ向かう。

曽祢まさこ短編集 氷の城 分冊 ふたりの街角

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受験をひかえた中学3年生の理栄(りえ)は、親から勉強のことをしつこく言われ、うつうつとした日々を送っていた。そんな気持ちを晴らすため、母に隠れて通う喫茶店で、理栄は兄と同じ高校を退学になった勇(ゆう)と出会う。しかし、勇と会うことを禁じられた理栄は――。

曽祢まさこ短編集 夢の園のミア 完全版

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逃げてしまった青い鳥をさがしに出たミアは、夕暮れせまるセントヘレンの町で、少年マリオンに出会う。たった一度の出会いなのに、なぜか忘れられず、いつしかミアは、夜ごと彼の夢を見るようになる。そして、夢の中にあらわれるマリオンに、感じ始めていたのです。愛を……。夢見る少女の胸にゆれるほのかな恋心をファンタスティックに描く愛の感動巨編。ほか、「少女たちは午後」「しあわせ日記」収録。

夢の園のミア

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逃げてしまった青い鳥をさがしに出たミアは、夕暮れせまるセントヘレンの町で、少年マリオンに出会う。たった一度の出会いなのに、なぜか忘れられず、いつしかミアは、夜ごと彼の夢を見るようになる。そして、夢の中にあらわれるマリオンに、感じ始めていたのです。愛を……。夢見る少女の胸にゆれるほのかな恋心をファンタスティックに描く愛の感動巨編。

少女たちは午後…

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アルベールたち男の子の遊び仲間は、妹たちをいじめたり、遊びの邪魔をしてばかり。そんなとき、いちばんのいたずら者のフランソワがけがをした。妹たちが集まっているのをのぞき見したアルベールが見たものは……?

ホラー雑誌ハロウィンの時代から続く、息の長いシリーズにコメントする