歴史マンガの感想・レビュー1574件<<1718192021>>思ってたより冒険活劇だった縄文少年ヨギ 【水木しげる漫画大全集】 水木しげるstarstarstarstarstarひさぴよ縄文時代を舞台としているものの、あくまでも水木しげるの想像上の縄文であり、考古学的に合ってる合ってないといったツッコミは野暮かも。いたるところに南国の原住民の雰囲気があって、やはりパプアニューギニアでの体験から物語を作り出している感じがした。 基本は少年読者向けの冒険活劇ではあるけど、人間を食べる食べられる話がやたらと多かったり、おそろしい怪物に襲われたりといった話が多い。河童のようなもの(ほぼ河童だったが)、どこかで見たことあるような化物も出てくる世界ということで、あまり細かいことを気にしてはいけないと思いつつも、さすがに「空中大レース」の回だけは内容がハチャメチャすぎてツッコミ不可避の回だった。やっぱり面白い 横山三国志三国志 横山光輝六文銭学校の図書館であった数少ないマンガ「三国志」(あと、「はだしのゲン」) 小さい頃、夢中になって読んだ記憶がありますが、今あらためて読み直してもやっぱ面白いなぁと思う。 三国志関連のマンガは後にも沢山でてくるけど、この横山三国志は原点であり至高だと思います。 思い出補正とかではない、確かな魅力があります。 後続に比べて蛋白なキャラ絵なのですが(ともすれば見分けがつかない笑)、それでもしっかり理解できるのは、きちんと「人間」を描いているからだと感じます。 セリフだったり、表現だったりで、登場人物の人となりを描ききっているから、記憶にも残るのだと。 三国志のコマがよくネタにもなるくらいなので。 リアルな絵だから良いというわけではないのだと痛感します。 ちばてつや先生もそうなのですが、昔のマンガにはよくある傾向だなぁと最近よく思う。 本質に迫るからか、風化されない面白さがあります。 なんにせよ、横山三国志はやっぱり面白い!それに尽きます。 たまに読み返したくなります。図書館の思い出はだしのゲン 中沢啓治名無し小学校の頃図書館に全巻あったので、休み時間に毎日読みに行ってた。 賛否両論ある内容だと思うが、やはり受けた衝撃は忘れられない。語り継いでいく名作だと思う。「闇の土鬼」読んでみた闇の土鬼 横山光輝かしこ赤ん坊の時から口減らしの為に土に埋められても生き返る強靭な生命力を持った主人公。その才能を見込んだ元暗殺者が技を仕込み育ての父となるが、組織の裏切り者として暗殺集団から殺されてしまい、土鬼と名付けられた主人公が仇を打とうとする話なんだけど…中盤で「父から教わったこの技を極めたい!」と土鬼が言い始めたところから様子が変わる。序盤はあんまり面白さが分からなかったけど中盤からは面白くてあっという間だった。結末が少年漫画とは思えないくらい渋いのもよかった。 無限の住人のスピンオフがアフタヌーンでスタート無限の住人~幕末ノ章~ 沙村広明 陶延リュウ 滝川廉治mampuku公式スピンオフと銘打ってアフタヌーンで連載が始まりました。続編(幕末編)ですね。 どう転んでも面白くなる時代を舞台に万次さんの活躍が再び見られるのは大変喜ばしい反面、沙村先生のセンスがスペシャル過ぎたことをはからずも思い知らされたというか。。絵はよく似せてありますがそれだけにコマ割りや台詞回しに差がありすぎてパチモノ感が際立ちます。 ただまぁこの絵柄で新選組が勢揃いしてるのはなかなか壮観なので、今後の展開には期待したいです。明治の北海道を舞台に金塊探しゴールデンカムイ 野田サトルタカ明治の軍人杉本は、アイヌの少女アシリパと出逢い、アイヌの秘蔵していた金塊のことを知る。幼なじみの梅子の病気の治療のために金が必要だった杉本は一緒に金塊を探すことになる。ギャグとシリアスなシーンやグルメも織り交ぜられていて非常に面白い。信長協奏曲の感想 信長協奏曲 石井あゆみクロキサブローという現代の高校生が、織田信長と入れ替わるという歴史ファンタジー。意外と歴史については造詣が深く的確に描写されており、面白い! 謎解きが楽しい薬屋のひとりごと 日向夏 ねこクラゲ 七緒一綺 しのとうこyun謎解きや豆知識が作中に出てくるのでとてもおもしろい。元々謎解きが好きなので読んでいてなるほどとなるし、少し恋愛要素も入るのでどんどん読み進めてしまう。絵もとても気に入っている。『狼の口』久慈光久が描く薔薇戦争鋼鐵の薔薇 久慈光久兎来栄寿三浦健太郎さんが逝去された後も、盟友・森恒二さんやスタッフの方々が遺志を継いで制作中の『ベルセルク』の行方が気になり過ぎる今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。 そんな三浦健太郎さん、そして森薫さんという偉大な師を持つ久慈光久さんの最新作1巻が発売になりました。 代表作である『狼の口 ヴォルフスムント』もそうですが、久慈さんと言えば中世ヨーロッパ。そんな久慈さんが「薔薇戦争」における″ジャック・ケイドの反乱″を描くとなればこれはもう、間違いありません。個人的に今年発売の1巻の中では、坂本眞一さんの『DRCL』と並んで「間違いないな……」と感じた企画です。 試し読める1話から、期待通りにたっぷりと甲冑を着た騎士の闘いを堪能できます。 そして、2話に登場するリチャード・プランタジネットは、『狼の口』のヴォルフラムを髣髴とする悪辣さを見せながら、一方で怒りの理由が◯◯◯◯であるなど当時の命の軽かった世相を強く感じさせます。 歴史に詳しくなくとも十分楽しめるのも、『狼の口』と同様です。たった一人で行う△△△など、エキサイティングな見所も満載。 馬の名前に反応してしまう人は仲間です。 こういう歴史マンガが増えると、どんどん歴史を学ぶ楽しみも増えていって良いなと思います。ハイブリッドな感じの現代マンガの新しいカタチ日本三國 松木いっかさいろく長らくマンガ読者をしてるマンガファンからすると色々と「いいところ」が詰まっているなぁと感じるのではないだろうか。 絵はまだ粗いものの、キャラや世界設定、物語とその展開など見事に整っていて新世代だと感心した。 所々入ってくるジョークもイケてる。 私は序盤のSEVEN(ブラピ&モーガン・フリーマン主演の映画)のような展開がキツくてシンドイなーと思っていたが、単行本が出た事で改めて読み直して上記のような感想を持ちました。 まだ2巻だけど、無根拠に見えるインフレは起こらなそうだからちょっと安心しながら読める(気がする)。今後が楽しみなやーつ。 ゴールデンカムイ、完結ゴールデンカムイ 野田サトルさいろく※ネタバレを含むクチコミです。「活動弁士」と年下妻との“愛無き結婚から始まる恋の物語“ #1巻応援活弁王子の花嫁さん 島崎無印 はまsogor25この作品の舞台である大正時代、映画は“活動写真”と呼ばれる音のない無声映画しかなく、上映されている横で映画の内容を解説して盛り立てる“活動弁士”が人気を博していました。 この作品は「活弁王子」とも呼ばれている人気活動弁士の高階功四郎と、彼と結婚した8歳年下の女性・一之坂花絵との結婚生活を描く作品です。 実は2人の結婚は、名門華族だったが関東大震災の影響で没落してしまった一之坂家と、短期間で富を築き成金となったために名家との繋がりを欲した高階家、という双方の家の思惑が一致して結ばれた、政略結婚のようなものでした。 そのため2人の結婚生活は、「これは相手が望まぬ結婚ではないか」と互いが互いのことを気遣うせいでぎこちない雰囲気から始まるのですが、その気遣いの心が少しずつ相手への好意へと変わっていく様子が伝わってきます。 この物語はそんな2人が本当の意味での夫婦としての関係を築いていく様子を描く、“愛無き結婚から始まる恋の物語“です。 1巻まで読了待ちに待った、釣りと人情の時代劇! #1巻応援ぶらり 釣り侍 田中つかさstarstarstarstarstarひさぴよ最初の出会いは確か2017年頃のコミック乱ツインズ?に再掲載された読切(『理津の釣り』) を読んで、その頃からこの作品に惹かれていた。しばらくして連載化されたと知って、単行本が出るのを気を長くして待っていたら、いつのまに数年経っていたでござる…。というわけで作品を知ってる人によっては、待ちに待った1巻となる。 ストーリーは主に、釣り好き浪人の父親・川瀬流悟と、しっかり者の娘・里津を中心に、釣りを通じた人と情のおはなし。釣りに興味がない自分でもスッと入り込めて一話完結で読みやすい。古い時代劇画のイメージを感じさせない、生き生きとした江戸の人間模様と、昔の豊かな河川の自然描写がすばらしい。作品の雰囲気を明るくしているのは、やはり理津の存在が大きい。理津の喜怒哀楽を見ているだけでも面白いのだけど、母親を知らずに育った過去を持ちながら、利発で明るく誰にでも優しい所が人情噺の良さをより引き立たせるのである。 この先、2巻3巻と続巻が出るのが楽しみな作品。 また気を長くして待ちたい。 とみ新蔵 初期名作選 8~城盗物語 悲士助次郎~の感想 #推しを3行で推すとみ新蔵 初期名作選 とみ新蔵starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ この世界観の忠義とはなんぞや家はなんぞやと思わせる内容だった。「忠臣儀右衛門」と「日陰に死す」は寝る前に読むのは向かないな ・特に好きなところは? 戦鬼が特に面白い。他の巻でも同じテーマの劇画があったと思うがこれが一番好きかな。豪胆な主人公が同僚に妬まれつつも能力によって認められていきつつ、問題を起こすが殿の温情でことなきを得る。その後の戦で殿の温情を戦場で返すという内容 ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! ちょっと短期間で一気に読んでいるせいか話の区別がわからなくなってきたし、執筆した年代もかなり違うのか作品によってのタッチが違いすぎてわかりにくい面もあるがやはり面白いな とみ新蔵 初期名作選 7~惨なり!~の感想 #推しを3行で推すとみ新蔵 初期名作選 とみ新蔵starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 惨なりは他の巻でも同じテーマの劇画があったがこっちの方が好きかな どんなテーマかというと、残酷な行為が好きな人物が努力の末、精神の安定を手に入れたがふとしたきっかけで再び残酷な行為を行うという内容 ・特に好きなところは? 収録されている黄金乱夢。貧乏な浪人が人助けをしお礼にそこそこの金額をもらうところから始まり、どんどんお金持ちになるがその代わりに人の心をなくしていく。最後のオチも込みで好きなタイプの短編だった ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! いきなりこれを読むよりは1巻から読んだほうが楽しめると思います時代に埋もれてしまった天才画家の半生ジェリコー 中原たか穂ななしドラクロワの「民衆を導く自由の女神」は誰でも知っている名画ですが、それ以前に衝撃的な作品を描いてスキャンダルを巻き起こした画家がいました。それがこの漫画の主人公・ジェリコーです。彼は自分がフランス革命後のいわゆる終わった時代に生まれてしまったことを苦々しく思っていました。だからこそショッキングな事件を題材にして人間の本質に迫ることで革命を起こそうとしたのです。死体をアトリエに置いて描いていたというエピソードからもその本気が伝わると思います。ダ・ヴィンチ連載だけあって文学作品のような高尚さがありましたが、全1巻なので読みやすかったです。 彼女達はこれから闘う #1巻応援女の子がいる場所は やまじえびねあうしぃ@カワイイマンガ様々な国の、10歳の少女達に降りかかる抑圧を描いた本作では、必ず最後に思いを胸に、押し黙る少女達が印象的だ。 サウジアラビア、モロッコ、インド、日本、アフガニスタン。各国の少女達は、女性に対する差別への苦しい思いを抱く。 差別は男性からも、そして女性からも押しつけられる「ように見える」。それは社会構造が差別的であるためだし、人の内面にこびりついて剥がれないものもある。差別を内面化するしかなかった女性も描かれる。 どこまでも苦しい現実。しかし、少女達は押し黙りながら、未来をぼんやり考える。 昨日まで幼かった、しかしあと数年で結婚も視野に入る、10歳という年齢。溌剌さと、挫折を知る前の純粋さで、これから世界と対峙してゆく少女達の、真剣な眼差しは強い。 辛い気持ちも、割り切れなさも、闘う気持ちも、彼女達と共有して、せめて共闘したいと願う。少年時代の感想 #推しを3行で推す少年時代 藤子不二雄(A)starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 小学生ぐらいの時に読んだのと今読むと全然違う感想になるな ・特に好きなところは? タケシを弾劾するところとその後のタケシと進一の関わりかた ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 小学生のころはタケシを嫌なやつだとしか思えなかったが今読むとクラス内での権力争いなどからくる性格の変化などがわかってより面白い。他の疎開マンガが読みたいね 「チ」は地動説のチ 異端者と少年が宇宙の真理に迫るチ。―地球の運動について― 魚豊名無し※ネタバレを含むクチコミです。 新撰組、こんな集団をこんな視点で描く青のミブロ 安田剛士さいろく新撰組、男の子は誰しも大好き幕末の話において欠かせない集団。 小説・映画はもちろん多くのマンガでも取り上げられ、それらを読んでいくうちにいつのまにか「英雄の集団」のようにも見える。 だが、悪役として名高い芹沢鴨やその取り巻きのように、史実に沿った物語はすべからく非業の死を遂げていく英雄たちを見る事になるのも幕末物語。 神格化しすぎて今ではそれですら良いもののように見えてしまうけど、そんな幕末の新撰組を題材にひょんなスパイスが加わった視点で描いているのが本作。 まだ3巻だけどここからどうなっていくのか楽しみである!ぐう聖煙と蜜 長蔵ヒロコさいろく尊さが天元突破する。 普通に見たら心配になるほど悪役顔の軍人×12歳の許嫁の姫子。 当時の許嫁制度は家庭の事情やなんやかんやで顔も見知らぬうちに決められて否応無しに夫婦になるものという印象でしたが、本作の2人は幸せそうです。 3巻出ました、よかった。とみ新蔵 初期名作選 6~ゼニ馬鹿~の感想 #推しを3行で推すとみ新蔵 初期名作選 とみ新蔵starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 他の巻数に比べてギャグ要素が多い。とみ新蔵のギャグっぽいのも面白い 「マンハント一途」はとみ新蔵 初期名作選のなかに同じような設定があったが実は続きものなのか ・特に好きなところは? 収録されている「翔んで翔んだ?おじさん」のわけのわからなさが好き ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! とみ新蔵のギャグを読むならこの巻がオススメ 超巨大熊という神話獣剣伝説 村上もとかstarstarstarstarstarひさぴよ村上もとか中期の作品。父の仇である羆を追う1人の青年とアイヌの物語。なのだが、表紙の熊が予想外にウソだろっていうくらいデカかった。全長9mを有に超えておりザ・ワールド・イズ・マインのヒグマドン(北海道時点)の全長8m以上、銀牙なら赤カブトの全長10mに匹敵する、大体その中間くらいのデカさだと想像していただいて差し支えない。 当然、現実ではありえない大きさなのだが、この作品は人を襲う化け物に復讐を挑む物語であると同時に、アイヌの神としての熊が消え去ってゆく物語としても描かれている。人と熊の神話の終わりを描いた一大叙事詩で、最後は言葉にならない感動があった。『決闘裁判』がテーマのマンガ決闘裁判 宮下裕樹 後藤一信名無し※ネタバレを含むクチコミです。<<1718192021>>
縄文時代を舞台としているものの、あくまでも水木しげるの想像上の縄文であり、考古学的に合ってる合ってないといったツッコミは野暮かも。いたるところに南国の原住民の雰囲気があって、やはりパプアニューギニアでの体験から物語を作り出している感じがした。 基本は少年読者向けの冒険活劇ではあるけど、人間を食べる食べられる話がやたらと多かったり、おそろしい怪物に襲われたりといった話が多い。河童のようなもの(ほぼ河童だったが)、どこかで見たことあるような化物も出てくる世界ということで、あまり細かいことを気にしてはいけないと思いつつも、さすがに「空中大レース」の回だけは内容がハチャメチャすぎてツッコミ不可避の回だった。