機動戦士ガンダム Twilight AXIS

女性主人公のガンダム、ありまぁす!

機動戦士ガンダム Twilight AXIS Ark Performance 矢立肇 富野由悠季 矢立肇・富野由悠季 サンライズ 蒔島梓
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

アニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』観てますか? 史上初の女性主人公ガンダムとして(もちろん初の百合ガンダムとして)新たな試みである『水星の魔女』ですが(ここまで『ポケットの中の戦争』のクチコミと同じ)、そういえば今までのガンダムに百合はないのか?!せめて女性主人公ものはないのか?!と漫画読みに聞いてみたところ、この『機動戦士ガンダム Twilight AXIS』を教えてもらいました。 元ジオンのメカニックの女性とテストパイロットの男性のコンビもの。しかしその設定が「ニュータイプ能力をメカに対して使う女性」と「シャア =アズナブル専門のテストパイロット」と言えば、二人のヤバさは十分伝わりますよね? 古巣・アクシズに残されたサイコフレーム資料の回収に同行しつつ、シャアに対して複雑な思いを抱く二人の心残りを探しにゆく物語は、一年戦争からシャアの反乱に至る裏側や、UCからF91の「歴史の空白」を埋める物語にもなります。 自分の思いのために相棒を振り回す主人公と、それを受け止めるMS戦の猛者。親子ほどの年齢差に見える二人の独特な関係もなかなか強い!そこにニュータイプを巡る切ない出自を絡めて、主人公の幸せを祈りたくなる物語でもあります。 モビルスーツ好きにはNT-1アレックスのアフターストーリーとしても要注目。優秀だったのねアレックス……。 (教えてくださったナベテツさん、ありがとうございます!) 追記 毎年ね、元旦に「宇宙世紀0080年1月1日、連邦とジオン公国の間に終戦協定が結ばれた……とのことで、1月1日は(ガノタ的には)一年戦争終戦記念日です」って言いながらガンダム一年戦争関連の漫画のクチコミを書いてるんです。 今年は『水星の魔女』があるから、女性が活躍する作品を二点、書いてみました。もう一点は『機動戦士ガンダム ポケットの中の戦争』です。そちらは初の女性ガンダム乗りの話なのでよければどうぞ!

天

福本先生の魅力と成長が詰まった代表作

天 福本伸行
完兀
完兀

「初期の作品にはその人の要素が全て詰め込まれている」なんて話を聞いたことがある。 反例がいくらでも出てくる主張だが、比較的合致する例だってある。福本先生の場合、この「天」が合致するだろう。 人情話、ピカレスクロマン、極限勝負下の心理描写、緻密な勝負を構成する理による駆け引き、勝負を制する理の守破離、そして福本先生による人生哲学… 面白いと評される福本先生の要素が、ほぼ全て詰め込まれていると思われる。欠けているのは敗者の悲惨な末路描写と格闘描写ぐらいだろうか(ただしバイオレンスシーンなら天にもある)。 成長も詰め込まれている。絵の成長、演出の成長、話の構成の成長も魅力的なキャラ描写の成長も全てある。初期~中期の福本先生と共にあった漫画なんだからそれは当然なわけだが… そういった点で、天を軸に他の同時期作品と並読するのも面白い。 ただし、葬式編からは並読はできない。読んでいて涙がぼろぼろ出てしまうあの最終章に、横槍は禁物だ。       この漫画には、私がどうしても取り上げたくなる一節がある。 あまり顧みられることのない、ともすればあまり触れないでおこうみたいな風潮もみられる最初期赤木の、印象的なセリフだ。 私はそれを、作者による自己言及も含んだ創作論だと勝手に思い込んでいる。 というわけで、独断と偏見に基づいて私的解釈によるセリフ改変を傲慢にも以下に記す。     『お前この世で一番うまいもの何だか知ってるか? たとえば漫画だ…世の中には頓狂な奴がいてよ こんなラチのあかねえ娯楽に… 自分の分こえた代価 人生さえ賭けちまう奴もいるのさ…… まあそんな奴だから… 頭は悪いんだけど…… 描きたい気持ちはスゲェーもんだ… 後のない…勝負処での大事な一作に バカはバカなりに必死さ… 持てる全知全能をかけて描き上げる 決断して そして躊躇して それでもやっぱりこれしかない……て そりゃもうほとんど 自分の魂を切るように描く漫画があるんだよ その魂の乗った漫画 そういう漫画を読むこと…… それはまるで人の心を喰らうようだ… この世じゃ人の心が一番うまいんだ……』

きみだけがほんとう

女性恐怖症の主人公と幼馴染の双子(♀&♂)による倒錯的ラブコメ #1巻応援

きみだけがほんとう やっそん義之
完兀
完兀

表紙の子、かわいいですよね。最高ですよね。 表紙の子、天使っぽいですよね。最高ですよね。 表紙の子と瓜二つの容姿を持つ双子がいるラブコメです。最高ですよね。 まあその双子は男女の双子なんですが。 主人公・力丸と双子の姉・かがみは付き合ってます。 ピュアな幼馴染同士のプラトニックラブ。応援したいですよね。 しかし力丸は女性恐怖症のトラウマ持ちで、苦しんでます。 距離を縮められないプラトニックラブ。応援したいですよね。 力丸もかがみも、自身の抱える弱みに勝てず、苦しんでます。 人間的に脆くて未熟な二人です。健気な二人です。応援したいですよね。 そんな関係の中、双子の弟・きょうが動き始めます。 主人公に協力してくれる幼馴染の男友達、最高ですよね。 主人公の悩みを聞いてくれる幼馴染の男友達、最高ですよね。 傷心の主人公を受け止めて背中を押してくれる幼馴染の男友達、最高ですよね。 幼馴染の友達ポジから恋人以上の積極性で迫ってくる美少年、最高ですよね。 姉と同じ容姿もこれまでの境遇も利用して迫ってくる美少年、最高ですよね。 人の弱みに優しく漬け込んでくる魔性の美少年、最高ですよね。 絶望の淵にいる主人公を翻弄し、さらなる深みへ堕ちるよう誘惑してくる魔性の美少年、最高ですよね。     脳の性的嗜好領域を破壊してくる禁断の三角関係双子ラブコメ。おすすめです。

きみだけがほんとう

男女の双子に挟まれる最高で最悪の三角関係 #1巻応援

きみだけがほんとう やっそん義之
天沢聖司
天沢聖司

今週のヤンマガ(23年4・5号)に1話が載っててソッコーで1巻を買ってしまいました。最高すぎる!!! 父親が不倫相手とセックスしているところを見てしまったせいで女性に触れられなくなってしまったモテそうな感じの高校生・力丸が主人公。幼馴染のかがみと付き合っているのですが、女性に触れられないのは幼馴染であっても例外ではなく、恋人らしいふれあいをしてあげることができず不安にさせてしまい、ついに秘密を打ち明けて、まずは手だけでも触ってみようということになるのですが……。 いや〜〜このシーンの天国から地獄へ突き落とす流れ。 彼氏の手に触れて幸せそうなかがみと、彼女の手にすら嫌悪を感じる主人公の絶望顔(からの嘔吐)。 天才的でした…! この関係の最高(最悪)なところは、彼女に瓜二つな双子の弟・きょうがいてこの弟には問題なく触れるっていうところなんですよ!! しかもきょうの方からグイグイ来るんですよ。困りますねぇ☺️ この漫画のメインディッシュって、誰がどう見てもかがみじゃなくてきょうとの関係ですよね!? ってことは実質BLなんですけど、BLと違うのはがっつりかがみとの関係が描写されるところ。 「彼女との関係をきっちり描いたうえで弟とも関係を持ってしまう」という話の展開は青年マンガだからこそできるもので、BLでは味わえない深みがあって本当に素晴らしいなと思います。 「(フツーの女の子vs男の娘だったら男の娘一択じゃん!?こんなん…!)」と思いながら最後まで1巻を読んだら、おまけ絵がメチャクチャエッチなきょうのイラストで笑いました。ですよね!!!解釈一致。 そんで絵がとにかく上手くていい。 主人公はかっこいいし、かがみちゃん&きょうくんはかわいい。 久々にいい恋愛マンガに出会えました。続きが楽しみです。

将棋指す獣

女性の快進撃が楽しみ

将棋指す獣 市丸いろは 左藤真通
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

「アイアンバディ」の左藤真通原作、「ミリオンジョー」の市丸いろは作画のタッグが描く、いまだかつて女性がプロ棋士になったことがない中、女性主人公が将棋界へアマチュアの大会から攻め込んでいく。 プロ棋士になるためには、2つ方法がある。 奨励会というプロ予備軍たちの龍の巣を26歳までに勝ち抜くか、プロ棋士から推薦を受けてアマチュアから「プロ編入制度」を使う方法だ。 調べてみたら、女流棋士とプロ棋士はどうやら少し違うらしい。 一話目からスピード感があって面白い。 女の子がかわいいのに男がブスでいい。 藤井聡太の現実離れした快進撃で将棋ブームに火が付き始めているらしく、知り合いがよく通っている将棋教室は今までになかった賑わいを連日見せているらしい。 さすがに漫画界もこのタイミングを見逃さないのか、ジャンプやスピリッツ、そしてバンチでほぼ同時期に将棋漫画が始まったが、一話目のワクワク感からいまのところ一番期待できそうなのがこの「将棋指す獣」だ。 やはり天才を見るのは楽しい。 いままで見れなかった景色をその目を通して見せてくれる。 楽しみがまた一つ増えた。