酒と恋には酔って然るべき【電子単行本】

飲みたくなる!粋な日本酒と恋のマンガ

酒と恋には酔って然るべき 美波はるこ はるこ 江口まゆみ
nyae
nyae

酒(主に日本酒)オタクのアラサー女子が主人公で、恋と酒どちらにも酔い“過ぎない”のがこの作品のいいところ。 主人公の松子は頭の回転が早くユーモアもあって明るいしっかり者。人に媚びたりもせず、いつでも等身大で、友だちになりたいタイプ。 わりと冒頭から後輩社員(男)と2人で家飲みする展開がありますが、とくに何も起こらず、それに対してもモヤモヤしたりはしない。 日本酒愛に対して恋愛パートは薄味かと思いきや、2巻が終わるまでに展開も早く大きく動きます。 友達から紹介されたイケメンの「ウイスキーが好きだから度数は40が基準」というマウンティングに対しても、思ったことがそのまま口から出ちゃうところ(※画像参照)で松子のことが大好きになりました。 季節や行事、その時の気分や会う人によって何をどう飲むかを心から楽しんでいる様子が羨ましくて、こんな楽しく飲めたらいいなと思いました。カップ酒=おっさん、というイメージもガラッと変わります。 中に出てくるお酒と用語の解説も各話の後ろについてるので知識が欲しい人も必読! あとツイッターでもし実写化したらのキャスト予想がたくさんつぶやかれてますが、確かにドラマ化したら面白そう。

逆境ナイン

これは相当上位にランキングせざるを得ない野球マンガ

逆境ナイン 島本和彦
酒チャビン
酒チャビン

失礼ながらそれまで全然存じ上げなかったのですが、半年くらい前に初めて作品に触れて、いまはサインをもらいたいマンガ家ベスト3に入ってくる島本和彦先生による野球マンガです。 アオイホノオをはじめとするマンガ家マンガの面白さについては大信頼をしていましたが、その他のスタイルのマンガについては、これまた失礼ながら完全にナメてました(だってアオイホノオで描かれているものが軒並み面白くなさそうだったんですもん!!)。 が、WBCに備えて世の中の全野球マンガを制覇しておこうとしている以上、避けては通れないということで手に取りました。 これは相当上位に来てしまいます。 もう第1話からめちゃ面白いです!!! あとはとにかく作中に通底する熱いメッセージがとにかくしびれます。最後の最後、飛行機がなぜあんなに高く飛べるのかについての答えとして、「すさまじいばかりの空気の抵抗があるからこそなのだ‼︎」で脳天にカミナリが落ちました。 努力や特訓を描いてその大切さを説くマンガは多く、そういったマンガはわたしも好きなのですが、このマンガは正面から努力や特訓のシーンを描くのとは少し違った形で、そういったものの大切さを教えて下すってます。こういうやり方もあったんか。。。 あまり努力とか頑張るとかそういう熱さが似合わない時代なので、多分この作品を面白いと感じる人は少ないと思いますし、あえて読んでほしいとも思わないのですが、島本先生には引き続きわたしのような者を熱くみちびく作品を著し続けてほしいと心から願っています。サインください!!!

霧島嵐児

ジェットコースター気分が味わえる傑作

霧島嵐児 かざま鋭二
完兀
完兀

この漫画、まず読んでいて非常に振り回される。先が読めない物語進行でありながら、短期的ゴールや障害が次々と現れる。そして倫理観の欠如を蛮勇と脊髄反射的情動で補填した主人公の嵐児はそれらを痛快に乗り越えていく。 その展開の体感速度も尋常ではない。読者が劇中で起こっている事態を飲み込みきる前に嵐児と物語は先へ進んでいく。あまりの超展開に思考が停止しそうになってもおかまいなしである。 しかも「ようやく飲み込めてきた。一息つけそうだな」と思ったあたりで読者を強烈に振り回してくる。つまりこの漫画で読者に心休まる時はない。恐らく作者はこの点に関してだけ注意を払っている。 そのうえで漫画から拒絶されるような置いてけぼりは喰らわないのがこの漫画の妙味である。 むしろこの漫画は、その無駄に迫力ある絵と直球165km/hどストレート頭部死球的人物描写の魅力で読者をガッチリとホールドし、落伍者を生み出さない心地よくも恐るべき魅力で満ち溢れている。(脱落する人は、この漫画に愛想を尽かして自発的に逃げ出すか、読んでて体力が持たないかのどちらかだろう) こんな漫画と出会った時、人はどうなるのか。笑うしかない。 細かいことはどうでもいいから、ただ読んで感じた面白さをストレートに笑いに変換するしかなくなる。 絶叫マシンに乗り込んでその速度とGから強制的に脳内麻薬を分泌され、展開に身を任せつつも冷静になるのを惜しむように自ずから楽しむような感覚が近い。読後感もジェットコースターと同じだ。 こんな感覚、他の漫画では到底味わえない。少しでも興味をお持ちなら是非読んで欲しい漫画だ。

カノジョも彼女

どっちか選ぶんじゃない!二人同時に大事にするラブコメ

カノジョも彼女 ヒロユキ
六文銭
六文銭

沸点が低いもので、アホガールを筆頭にヒロユキ氏のハイテンションギャグが大好きなんです。 新作が出ていることを見落としていたので、慌てて読みましたが、その面白さに一瞬で溶けました。 やっぱりいいです。 彼女がいる主人公が、美少女に告白されて、「正々堂々」二股するという話。 この「正々堂々」というのがポイント。 主人公は、嘘をつけないというか、変にクソ真面目なところがあるので、二股も隠れてすることができず、彼女にしっかりと懇願し、このような展開に。 そして、元々の彼女・咲(さき)と、告白した渚(なぎさ)と主人公の3人で同居生活をすることになる。 この時点で、もう十分面白い。 隠れて二股したり、つかず離れずの女性関係が多いハーレムものとも異なり「彼女」として2人と同時に付き合うとか斬新すぎるでしょ。 そして、それを許す「彼女」二人もまたスゴイ。 普通、こういう関係だと、とったとられただののドロドロの地獄絵図を想像しますが、そんなことにはならず、お互いの良いところ認め、むしろ主人公との関係を鼓舞するようなサポートもしていきます。 なんて良い子達なの…。このヒロインたちも本作の魅力なんです。 咲は思い切った性格で元気いっぱいで可愛い。 渚は甲斐甲斐しく健気で可愛い。(勉強できないというおバカ設定あり。) 2巻以降は巨乳の第3のヒロイン・理香(主人公に告白したが、玉砕)も出てきて、飽きさせません。 また、そんな魅力的なヒロインたちと織りなすラブコメもよいのですが、 何より主人公がこのヒロインたちを精一杯大事にする姿もまた魅力的です。 どんな時もどっちか一方だけに肩入れとかせず両方大事にする姿勢を貫きます。全くブレない。 二股 とやっていることは下衆っぽいですが、ここまで一生懸命だと、逆にカッコよくなるから不思議です。 どちらかを選ぶのではなく、どっちも選ぶ。 なかなかよいラブコメではないでしょうか。

僕のヒーローアカデミア

マンガ喫茶に通わざるをえないほど一時はまる

僕のヒーローアカデミア 堀越耕平
酒チャビン
酒チャビン

もう自分大人になってしまっている(今更「ヒーロー」もないやろ)のと、アメコミ調のキャラの存在とで、完全に敬遠してしまってましたが、ちょっと必要があって読んでみることになりました。 で、買うのは気が引けたのでマンガ喫茶へ。 面白か!!!えっ、なんなん?面白かったんですけど・・・ しかも結構感動できるシーンもあって、涙もホロリ。主人公にすごく共感できるし、頑張ってほしい気持ちもすごく湧いてきます!!!他のキャラも皆すごく魅力的でチャーミングです!!苦手意識を持っていたアメコミ風の人もいいキャラです!!! 私と同じ理由で敬遠してる方、意外に多いんじゃないかと思いますが、一度マンガ喫茶や試し読みでも良いので体験してみることをオススメします!!! じゃあ☆5にせえやと言われそうですが、中盤からなんか全然話が進まなく、ものすごく冗長になってきて読むのが苦しくなってしまったので、リタイアしてしまった分引かせてもらいました。もし完結することがあれば(ジャンプの場合完結せずに永久に連載することもあるので)全巻まとめ読みしてみたいと思います(100巻以内なら)。

アオイホノオ

異常なまでのおもしろ成分含有

アオイホノオ 島本和彦
酒チャビン
酒チャビン

マンガ家マンガが好きなので手に取りました。島本先生のことは超絶失礼ながら存じ上げなかったのですが、今やサインがもらいたいマンガ家ベスト5位くらいには入ってきてしまっています。 マンガ家マンガということで読んだのですが、一応そのテイストも十分に感じられますし、ジャンル分けすればマンガ家マンガになるとは思うのですが、それを抜きにしてもめちゃくちゃ面白いです。マンガとしてエンタメとしてストーリーが圧倒的に面白いですね。あとギャグもまじで面白いです。 「面白い」と言っても、コントなどをみて爆笑する面白さだけでなく、歴史が面白いという時などの面白さや、ストーリーの先が気になるなどの面白さなど、たくさんあって、面白い気持ちというのはとてもハイブリッドで複雑なものだと思います。 それが本作品は、多種類の面白さがものすごく重層的にミルフィーユされていて本当にすごい作品だと思います。一応泣けるシーンもあったような記憶もなくはないです!! しかもマンガの歴史などもものすごく勉強になります!!!例えば、うる星やつらの連載が始まったときや、アニメが始まったときなどの社会的な情勢だったり、主人公の気持ちだったりが、とても丁寧に詳しく描かれていて、体験したかのような感じになります!!! この作品はまだ連載中ということですが、どこまで行けるのか、島本先生はいま事業会社の社長を兼務されているようで、掲載のペースは早くはなさそうですが、次巻の発売が待ち遠しすぎるマンガ(わたし調べ)1位です!!

令和のダラさん

後方彼氏面できて嬉しい漫画2022第1位!!今読むべき珠玉のホッコリ和風オカルト漫画

令和のダラさん ともつか治臣
たか
たか

ニコニコ漫画でいつも楽しく読んでます!1話読んだ瞬間にもう痺れました。こいつぁスゲェぜ……! 『ダンダダン』『光が死んだ夏』などの人気作品によって、オカルトマンガ界隈が盛り上がっている時代に呼応するかのように現れたとんでもなくレベルの高い作品。 画力の高さが素晴らしいのはもちろん、「和」「オカルト」要素にとどまらず「ホッコリ」「フェチ」までブチ込んで1つの作品にまとめ上げているのが素晴らしい……! 「次にくるマンガ2022」Webマンガ部門14位とのことで、大ファンの私としても本当に鼻が高いです(後方腕組彼氏面) ……まあ実は残念ながら『ダラさん』に投票するのは完全に忘れていたのですが、昔から推していたのは本当です! https://manba.co.jp/topics/31992/comments/198996 ご自分で初見で味わってほしいためあまりネタバレは書きたくないのですが、ネタバレにならない部分でいうと、作中に登場するオタク女の解像度が異常に高くて何気にこれが一番怖かったです。リアルすぎる……。 オカルトマンガ好きや強烈なフェティシズムを味わいたい人は絶対お見逃しなく…! https://twitter.com/TomotukaHaruomi/status/1564995887167746048?s=20&t=xt0PHHm400N3R0pRgpR71g https://seiga.nicovideo.jp/comic/57766