最近おざわゆき先生の『またのお越しを』を読むためにBE・LOVEをチェックしてるのですが、その際にいつも見かけて気になっていたのがこの作品。1巻を買って読んでみたら…なんですかこれは!最高じゃないですか!!!真夏さんかっこよすぎる!

物語は東大卒エリート・秀太郎(36)が仕事も人間関係も上手く行かず死を考えていたところを、居酒屋の店員の真夏(30)が温かく手を差し伸べたことで始まります。
順調に告白・交際と進みいよいよ結婚の挨拶へ秀太郎の実家を訪れると、そこには真夏をダニ扱いする、絵に描いたような最高のクソ姑が!

(▼あいだ夏波東大くんと元ギャルさん~格差婚ロワイヤル~』1話)

https://i.imgur.com/mMRbFNl.jpg

嫁姑モノには、嫁のほうが圧倒的に弱くてただ姑からの虐めに耐える…みたいなじめじめしたシンデレラ系のお話もありますよね。

が、これはそうでは全くありません。
愛する未来の夫と大切な愛息子を賭け、最高のヴィランと最高のヒーローによる少年漫画のような熱いバトルが繰り広げられるんです。

というのも、真夏は元ギャルで元レディース総長の娘なのでメンタルが激強で、八王子育ちで義理人情を知っている一本筋の通った気持ちのいい女性なんです。なので当然、周囲の人々もいい人ばかり。
しかもタフでかっこよくて……! 1話の秀太郎に声をかけるシーンが超イケメンで、私は即オチしてしまいました。

この圧倒的ヒーローと対するのが、圧倒的クソバアアの秀太郎母。

秀太郎の居ない間に手切れ金を渡そうとし「真夏に恐喝された」と嘘をつき、真夏が働く居酒屋を潰そうと裏から手を回し、真夏が秀太郎に渡した手製のぬか漬けを勝手に捨て、防犯カメラの映像を編集し真夏が暴言を吐いたように見せかけ……。

次から次へと最高のクソ姑ムーブを繰り広げ、真夏と秀太郎、そして真夏と居酒屋の関係を崩壊させようとする。
この仕打ちに秀太郎の気持ちを大切にしつつ、真夏が立ち向かっていくのが熱い。

そしてこの漫画の本当に面白いところは、ギスギスどろどろした関係の中に黄金の精神が見えるところですね。

真夏は一度、秀太郎に裏切られる(真夏の言葉を信じず母を守ることを優先した)のですが、そのときのセリフが本当に素晴らしいんです。

(▼あいだ夏波『東大くんと元ギャルさん~格差婚ロワイヤル~ 分冊版(5)』)

https://i.imgur.com/i6ZbPR9.jpg

https://i.imgur.com/uUl2IFZ.jpg

「あのクソババアは信じらんねーくれー性格が悪くて大っっ嫌いだけどさ…」
「あたしはあのくそババアのこと…きっとまだ1000分の1ぐらいしか知らねえんだ」
「残り999の中に大嫌いがひっくり返るくらい好きなトコがあるかも知んねーじゃん??」
「だから残りの999も全部大っ嫌いってわかるまでは諦めない」

どれだけの仕打ちを受けても、相手を絶対的な悪とはみなさない。
この視野の広さ・善性の強さはまさに少年漫画の主人公の資質で、それがどろどろの中で輝いていて爽やかな気持ちになるんです…。

現在、最新話は8話。
真夏が祭りで助けた、明らかに身分の高いスーさん的な老紳士の正体が判明し、物語は第2ラウンドへ…!!

マジのガチでいま読むのがおすすめの作品です!!

ちなみに私は以下のような読み方で最新話まで読みました。

1巻(1話〜4話)
+分冊(5話)
+BE・LOVE コミックDAYS(6〜8話)

読みたい

9話からついに同居編スタート!
秀太郎さんマジでやってくれるぜ…まだもう一段階マザコンを残しているとはな!(しかも今回は擁護不可能)

「嫁姑同居、またの名を修験道(中略)逃げ出した者に下される天誅は!?」という煽りも好き。どうなっちゃうの〜!?

10話 真夏はやっぱスゲー…!あのババアにすら可愛げを見出すとは。

そんでクソババアの友達はやはりクソババア…類友にもほどがある。 

自分のことより夫と舅に迷惑がかかるって言われる方が辛いよね。これで真夏らしさが失われないといいけど…

11話 久しぶりの真夏ママ!!さすが元総長言うことが鋭い。クソババア2人の本当の姿が明らかになって次は百合子さんの番のはず。楽しみ…!

12話 百合子てめぇ………アレルギーを利用するのはライン越えてるだろ……。

秀太郎パパの反応を見るかぎりあの家で一般的な感覚と乖離してるのは百合子だけっぽいよな。大旦那様の奥さんがどんな方だったのか知らないけど、百合子もまた義母にいびられてたんだろうか…。

13&14話 じいちゃんいつ動画撮ってたんだよ流石会長…!(あとなぜかフィルムと映写機なの草)
じいちゃんの目から見てババアにも真夏みたいなとこがあったんだ……

15話 ついにザマァターン開始。けど所持金6980円で追い出された百合子がフツーに可哀想で胸が痛む……まあそれだけのことをしたのはそうなんだけどさ。ホテルで顔パスできないとこ妙に現実的で好き。

16話
大旦那様まで叱り飛ばす気風の良さ。っぱ真夏の人情に篤いところ大好き。
無事百合子は保護したけどどうやって同居していくんだろう。

もはや少年漫画!令和の爽快激アツ嫁姑バトルロイヤル!!にコメントする
ナビレラ
70歳からの夢への向き合い方 #1巻応援
ナビレラ
兎来栄寿
兎来栄寿
『ナビレラ』は、私がこれまでに触れてきたWebtoonの中でも最高の作品です。 語弊を恐れずに言えば、現在のWebtoonは若者に向けたライトな作品や似通った人気のあるテーマの作品が非常に多いです。それ故に、既存のマンガのように深く重いテーマを扱っていて読んで考えさせられるような作品の割合は非常に少ないのが実情です。 それ故に、従来のマンガ好きの方の中には「Webtoonはあんまり……」という方も一定数いると思います。しかし、そんな方にこそお薦めしたいのがこの『ナビレラ』です。 『ナビレラ -それでも蝶は舞う-』として日本ではドラマ版がNetflixで配信され、5月からは三浦宏規さん、川平慈英さんが主演のミュージカルも上映され、それらにあわせて紙の単行本も今月完結巻の5巻が発売されました。 この機会に再度ラストまで通読して、私は再び熱い涙を溢してしまいました。 人生の残り時間が少なくなってからの生き方。 夢やそれに伴う困難との向き合い方。 躓いてしまった時の立ち上がり方。 家族との関わり方。 人が生きていく上で大切なこと、これから先で行く道に待っているであろう物事が、たくさん盛り込まれた作品です。 「ナビレラ(나빌레라)」は「蝶のように美しく羽ばたく」という意味だそうで、まさに夢に向かって羽ばたいていく「70歳のおじいちゃんがバレエに挑戦する物語」とシンプル表せる内容ですが、その挑戦は本当に険しいもの。 一番身近な人を含めあらゆる周囲の反対を押し除けながら、満足に動けない老体に鞭を打ち、ボロボロになりながらそれでも叶えたい夢に向かって真っ直ぐ進む姿には胸を打たれます。 主人公のみならずさまざまな人物のエピソードが描かれていかますが、そこで人生の先達から送られる時に優しく時に厳しい厳しいメッセージの数々も箴言が豊富。 作中で、20代の夢破れた若者を「自分がもし20代の時からバレエをやれていたらどんなに良かったか」と諭し再び夢に立ち向かわせるシーンがあります。よく言われるように「今この瞬間が人生で一番若い」。人生においてやっておかないと後悔するであろうことをやり始めるなら、いつだって今この瞬間からが良いとエールを送ってくれます。 それは何も夢の話だけではなく、家族や友人知人との関わり方においてもそうです。人にはいつ何が起こるか分かりません。最後の瞬間に悔いを残さず幸せに生きていくためには、今日という1日1日を大事に生きていかねばならないと強く思わせられます。 また、物語の中で見舞われるある大きな困難は、私の祖父にも同様のことが起こり何年も一緒に辛い思いをしながら戦い続けた経験があるため、周囲の人間の気持ちも含めて非常に強く共感するところでした。誰にとっても起き得ることで、もしも自分がそうなったらと考えずにはいられません。 それでも挑戦して、挑戦し続けて、苦境に遭っても立ち上がって、見果てぬ夢を追い続けて、血と汗と涙に塗れたその先で彼らが辿り着く場所。そこには人間の素晴らしさ、人生の素晴らしさが溢れています。 今後、今以上に高齢化が進んでいく社会においてますます価値が高まるテーマを真摯に描ききっている作品です。 普段あまりWebtoonを読み慣れていないという方も、書籍版でぜひ5巻の最後まで読んでみてください。読む前より読んだ後の人生をより良いものにしてくれることでしょう。
ナビレラ
70歳からの夢への向き合い方 #1巻応援
ナビレラ
兎来栄寿
兎来栄寿
『ナビレラ』は、私がこれまでに触れてきたWebtoonの中でも最高の作品です。 語弊を恐れずに言えば、現在のWebtoonは若者に向けたライトな作品や似通った人気のあるテーマの作品が非常に多いです。それ故に、既存のマンガのように深く重いテーマを扱っていて読んで考えさせられるような作品の割合は非常に少ないのが実情です。 それ故に、従来のマンガ好きの方の中には「Webtoonはあんまり……」という方も一定数いると思います。しかし、そんな方にこそお薦めしたいのがこの『ナビレラ』です。 『ナビレラ -それでも蝶は舞う-』として日本ではドラマ版がNetflixで配信され、5月からは三浦宏規さん、川平慈英さんが主演のミュージカルも上映され、それらにあわせて紙の単行本も今月完結巻の5巻が発売されました。 この機会に再度ラストまで通読して、私は再び熱い涙を溢してしまいました。 人生の残り時間が少なくなってからの生き方。 夢やそれに伴う困難との向き合い方。 躓いてしまった時の立ち上がり方。 家族との関わり方。 人が生きていく上で大切なこと、これから先で行く道に待っているであろう物事が、たくさん盛り込まれた作品です。 「ナビレラ(나빌레라)」は「蝶のように美しく羽ばたく」という意味だそうで、まさに夢に向かって羽ばたいていく「70歳のおじいちゃんがバレエに挑戦する物語」とシンプル表せる内容ですが、その挑戦は本当に険しいもの。 一番身近な人を含めあらゆる周囲の反対を押し除けながら、満足に動けない老体に鞭を打ち、ボロボロになりながらそれでも叶えたい夢に向かって真っ直ぐ進む姿には胸を打たれます。 主人公のみならずさまざまな人物のエピソードが描かれていかますが、そこで人生の先達から送られる時に優しく時に厳しい厳しいメッセージの数々も箴言が豊富。 作中で、20代の夢破れた若者を「自分がもし20代の時からバレエをやれていたらどんなに良かったか」と諭し再び夢に立ち向かわせるシーンがあります。よく言われるように「今この瞬間が人生で一番若い」。人生においてやっておかないと後悔するであろうことをやり始めるなら、いつだって今この瞬間からが良いとエールを送ってくれます。 それは何も夢の話だけではなく、家族や友人知人との関わり方においてもそうです。人にはいつ何が起こるか分かりません。最後の瞬間に悔いを残さず幸せに生きていくためには、今日という1日1日を大事に生きていかねばならないと強く思わせられます。 また、物語の中で見舞われるある大きな困難は、私の祖父にも同様のことが起こり何年も一緒に辛い思いをしながら戦い続けた経験があるため、周囲の人間の気持ちも含めて非常に強く共感するところでした。誰にとっても起き得ることで、もしも自分がそうなったらと考えずにはいられません。 それでも挑戦して、挑戦し続けて、苦境に遭っても立ち上がって、見果てぬ夢を追い続けて、血と汗と涙に塗れたその先で彼らが辿り着く場所。そこには人間の素晴らしさ、人生の素晴らしさが溢れています。 今後、今以上に高齢化が進んでいく社会においてますます価値が高まるテーマを真摯に描ききっている作品です。 普段あまりWebtoonを読み慣れていないという方も、書籍版でぜひ5巻の最後まで読んでみてください。読む前より読んだ後の人生をより良いものにしてくれることでしょう。
星の謳歌
コメのセンスが良すぎるラブコメ #1巻応援
星の謳歌
兎来栄寿
兎来栄寿
『三十路とレディ』や『そうしそうあい』のりべるむさん最新作。 たまにいらっしゃるんですよね。ただの日常会話だけを延々と描いていてもひたすら面白いという類稀なセンスをお持ちの方が。りべるむさんは正にそうです。 本作は、都会で青春を謳歌していた女子高生の星野逢架が両親の離婚により田舎の祖父の家で暮らすことになり新たな学校生活をスタートしていく物語。 スタバもアイスクリームショップもなく、制服もダサく、ショッピングするには3駅離れたところまで行かねばならない土地でやっていけるのか。不安に駆られる逢架ですが、幸いにしてどんどんと友達ができていきます。 この友達たちが皆キャラが濃く、楽しいわちゃわちゃ感にまみれます。 目がぱっちりしてかわいい白石夏鈴は、一人称「かりん」。優しくて明るいけどドジで、一緒にいると水難に遭いやすい。 尾崎天真(てんま)は初対面で「胸鎖乳突筋が素敵だね」と言ってくる変態。自称「人のいいところに気づける才能」。 関岡山登は名前に反して海が好き。小学生のころに学校に生えてる木の実を全部食べても何ともない強靭な胃腸持ち。道に落ちてるピザは食べるし「マーマレードおにぎり」や「そばレタスおにぎり」、「たくあんレーズンサンド」など奇妙なものをよく食べている。 古川実智加(さねちか)は、動物が寄ってくるディ◯ニープリンセスのような体質。水族館に行くとスナメリに求愛されるレベル。人の色恋沙汰が好き。 松枝十夢(トム)は、逢架から見てもイケメン。顔面国宝だけれど、顔が浮腫むと美術工芸品くらい。 生活委員の牧野千由紀さんは真面目な普通の子で、この面子の中にあってはひと匙の清涼剤的存在です。 この愉快な仲間たちが、ただ駄弁ってるだけで既に面白くてずっと読んでいたくなります。 「見てみこのほどよい腓腹筋及びアキレス腱と覗くヒラメ筋」 「わかんないけど今イギリスの正式名称言った?」 とか 「出た食物連鎖の頂点としての自覚ある態度」 などのような、どこから出てくるのだろうと思うような面白いセリフの数々は中毒性があります。 制服アレンジによる教師との攻防など女子高生あるあるも散りばめられており、人によっては懐かしく思ったり共感したりすることでしょう。 コメディ色は強いですが、逢架と祖父の心温まる交流であったり、かりんの訳アリ感やそれを陰ながら支えていそうな天真であったり、ハートフルな部分も見え隠れしておりそこも美点です。 そしてラブコメのラブの部分もばっちりで、コメが強いこともあって落差でキュンがまた引き立っているようにも感じました。見ていて幸せになる組み合わせなので、掛け合い漫才をしながら仲睦まじい姿をずっと見せて欲しいです。 総じて大好きな作品で、2024年のラブコメでは一押しです。
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